令和はなまる学園

令和はなまる学園

私立はなまる学園に通う生徒たちは、外見は男性ながら、女子的な感性を持ち女子の制服を着用する「JK男子」だった。そんなギャップの激しい男子たちが送る、薔薇(ばら)色のJK生活を描いた日常系青春コメディ。「good!アフタヌーン」2019年11号に掲載されたのち、「コミックデイズ」で配信された作品。

正式名称
令和はなまる学園
ふりがな
れいわはなまるがくえん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
学園
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

的確な回答で日村一郎の悩みを解決する友人の春見思恩の姿を見て、切谷勇磨は感心していた。人から相談を持ち掛けられた経験すらない切谷は、春見を素直に称賛し、彼から、人に相談されることや悩みを解決するためのコツを聞く。その後、切谷は、悩みを抱えて深刻そうにしているクラスメイトの北原真也が、自分では力になれないと、春見に相談を断られている姿を目撃する。春見ですら手に負えない悩みが自分に解決できるわけがないと思いながらも、切谷は学級委員としての職責にかられ、北原に話を聞いてみることにする。当初は口ごもっていたものの、切谷が春見のアドバイスを実践しつつ話をするうちに、北原が打ち明けた悩みとは、「一人がどうしようもなく寂しい」というものだった。切谷はその言葉に大いに共感するものの、北原の望みは切谷が考えていたのとは方向性の異なるものだった。(エピソード「#3 #急募 #相談 #北原さん」)

孤高のヤンキーに見えて実は極度の怖がりの岬高貴は、最近クラスメイトの巻野爽と仲よくしているようで、切谷はそんな二人の姿を見て心を和ませていた。その日の休み時間、廊下を歩いていた切谷や春見の前に、腰を抜かした岬が飛び出してくる。聞けば、巻野がトイレからなかなか帰って来ないから様子を見に行ったところ、怖い人がいたのだという。その場を春見たちにまかせて切谷がトイレに向かうと、そこにはうねりの強い天然パーマを逆立てた目つきの悪い人物がいた。その人物の正体は巻野で、彼は切谷に、実は強度の天然パーマで湿気が強いとこうなってしまうこと、そしてこの髪質がコンプレックスで、ヘアアイロンで落ち着かせないと人が変わったように顔つきや性格が荒くなってしまうことを打ち明ける。そして巻野は、岬を怖がらせないよう、このことを秘密にして欲しいと切谷に願い出る。話を聞いた切谷は理解を示しつつも、二人のためにも隠し事をしない方がいいのではないかと、一計を案じる。(エピソード「#15 #髪は #JKの命 #巻野さん」)

ある日、切谷はクラスメイトたちがよそよそしいことに違和感を覚えていた。不審に思う切谷は、春見が立ち去り際に落としていったクラッカーや、誰かの鞄(かばん)からはみ出している切谷の誕生日を祝う横断幕、さらに自分の誕生日に印が付けてあるカレンダーを見て、クラスメイトたちがサプライズパーティを企画してくれていることを把握する。切谷は嬉しく思いながら、その時が来るまで、絶対に気づいていないふりをしようと固く心に誓うのだった。そんな中、担任の雪山譲にお使いを頼まれた切谷は、家庭科室へと向かう。だがその家庭科室では、クラスメイトたちがパーティの準備の真っ最中だった。家庭科室の扉を開けた瞬間、図らずもその場面を目撃してしまった切谷は、瞬時に足が滑ったふりをして頭を床に強く打ち付け、記憶喪失を装い始める。(エピソード「#29 #キレ谷の #逆サプライズ)

登場人物・キャラクター

切谷 勇磨 (きりたに ゆうま)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。学級委員を務めている。誕生日は2003年6月3日。眼鏡をかけた、いかにも堅物然とした外見で、性格もまじめそのもの。一般的な観点から見ると常識人だが、ブラジャーを身につけていなかったりと、JK男子の巣窟である私立はなまる学園においては逆に異端となっている。また、周囲の軽いJKノリに合わせられず、何かとキレては大声を張り上げるため、周囲からは「キレ谷」と呼ばれている。学級委員ながらなかなか周囲に話を聞いてもらえず、つねづね人望が欲しいと願っている。ただし、友人が誰もいなくて孤立している訳ではなく、特に春見思恩とは非常に仲がよく、彼からは「まーちゃん」と呼ばれている。少々自己評価が低く、切谷勇磨自身は自分の堅苦しさや外見的魅力のなさ、JKとしての知識のなさにコンプレックスを抱いており、周囲に愛される春見や、クラスで一目置かれる北原真也、夢川匠らと比べて落ち込むこともあるが、彼らからは切谷のまじめで優しい性格が、好感を持って評価されている。また、学級委員ということもあって、ついつい人のおせっかいを焼いてしまうところがある。ただし、性格も手先も非常に不器用なので、うまくいかないことも多い。

春見 思恩 (はるみ しおん)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。帰宅部で、誕生日は2003年8月31日。切谷勇磨と非常に仲がいい。小柄でかわいらしい顔立ちの屈託のない性格で、友人も多い。1年生の頃は、満足に学校にも行かなかったため出席日数が厳しかったが、心配した切谷が毎日のように通学途中に迎えに来てくれたことで無事に進級したという経緯がある。実は親の都合で転校することが多く、周囲からの愛されキャラも、そういった事情から身につけた処世術である。そんな自分に深く踏み込んで接してくれた切谷のことを非常に気に入っており、生真面目で融通が利かないところも、それこそが切谷らしさだと高く評価している。ただし、切谷がまじめ一辺倒ではなくJKとしての知識を身につけて青春を謳歌(おうか)することも、それはそれで喜ばしく思っている。

日村 一郎 (ひむら いちろう)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。軽音部所属で、ボーカルを担当している。誕生日は2003年11月11日。金髪のショートヘアで、威勢がいい。非常にJK感が強く、同じ軽音部の瀧真比呂はもちろん、ノリの近い春見思恩とも仲がいい。そのため、春見と仲のいい切谷勇磨とも接しているが、まじめで堅苦しく空気の読めない切谷に対しては口が悪くなることが多い。宿題をやってこなかったことで教師に怒られた際、やらずに怒られるなら、人のやった宿題を写してさっさと終わらせた方がいいという春見の言葉に納得するなど、基本的にあまり物事を深く考えないところがある。また、トイレの個室で用を足しながら壁越しに会話して切谷を絶句させたりと、デリカシーに欠ける一面がある。

瀧 真比呂 (たき まひろ)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。軽音部所属で、ベースを担当している。誕生日は2003年5月1日。黒髪にたれ目で、どこか妖艶さを感じさせるタイプ。非常にJK感が強く、同じ軽音部の日村一郎はもちろん、ノリの近い春見思恩とも仲がいい。そのため、春見と仲のいい切谷勇磨とも接しているが、まじめで堅苦しく空気の読めない切谷に対しては口が悪くなることもある。ただしふだんは基本的に穏やかで、プリンを作って学校に持ってきたり、パーティの際にはみんなのために豪勢な手料理を振る舞ったりと、女子力が高い。実は中学の頃は小太りで眼鏡をかけ、陰気な雰囲気を漂わせていた。当時は護身のためという理由で親に相撲部を勧められ、ただ流されるままに生きていたが、日村との出会いを経て意識変革し、現在のようになったという経緯がある。自分を変えてくれた日村には、今でも感謝の念を抱いている。

岬 高貴 (みさき こうき)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。帰宅部で、誕生日は2003年12月29日。左の眉に大きな傷痕があり、がっしりした体格でスカートも非常に長く、鋭い目つきで人を寄せ付けない威圧感を放っている。だが、高いテンションで周囲とつるむ様子が見られず、つねに一人でいるため、なかなか周囲と打ち解けられない切谷勇磨からは、勝手に好感を抱かれていた。実は非常に怖がりな性格で、つねに一人でいるのも体を鍛えているのも、あくまで自分の身を守るためである。

北原 真也 (きたはら しんや)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。野球部のエースを務めている。誕生日は2003年7月19日。がっしりした体格で、さわやかな落ち着いた性格のスポーツマン。一見するとクールなイケメンで、切谷勇磨にも「美人で格好いい」とあこがれられているほか、下級生からの人気も高い。ただし、実際は虫が苦手だったりと弱点もあり、周囲から北原真也自身の本当の姿ではなく、単に「理想の人物」として見られているだけであることに疲れている。こと野球の勝負となると非常に負けず嫌いで、「野球」と名の付く勝負ごとに関しては、それが野球拳であったとしても非常に強い。同じ体育会系の夢川匠と親しい。

夢川 匠 (ゆめかわ たくみ)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。レスリング部に所属している。誕生日は2004年2月22日。胸板が厚くがっしりした体格で、ワイルドでセクシーな魅力を漂わせている。自分が大柄なこともあってか、かわいいものが大好きで、かわいいものを見るとついその剛腕で抱きしめてしまう癖がある。周囲の言動に左右されないマイペースな性格だが、それは自分を強く持っていることの証(あかし)であり、時に物事の核心を突いたことをズバリと口にすることもある。同じ体育会系の北原真也と親しい。

海野 明日夏 (うんの あすか)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。水泳部に所属している。誕生日は2003年12月1日。筋肉質で均整の取れた体格に、真っ黒に日焼けした健康優良児で、明るい性格をしている。周囲が日焼けを気にして日焼け止めを塗る中、サンオイルを塗って目の下に星型の日焼けマークを作ったりと、独自のオシャレを楽しんでいる。

内村 愛斗 (うちむら まなと)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。ダンス同好会に所属している。誕生日は2003年4月30日。ドレッドヘアで、薄く口ひげとあごひげを生やした、ワイルドな風貌をしている。いまだ同好会ながらダンスの実力者で、相棒の浜省悟とコンビで数々の大会に出場している。浜のかわいらしい目にあこがれている。

浜 省悟 (はま しょうご)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。ダンス同好会に所属している。誕生日は2003年5月2日。キラキラとした、かわいらしい目をしている。同好会ながらダンスの実力者で、相棒の内村愛斗とコンビで数々の大会に出場している。内村のワイルドなひげにあこがれている。ある時、かわいらしい目を隠すようにサングラスをかけたことで内村とケンカになるが、のちにこれは内村のようにワイルドで格好よくなりたかったためであることが発覚。以来、内村の理解を得てつねにサングラスをかけるようになった。

白峰 搭治 (しらみね とうじ)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。白峰財閥の御曹司(おんぞうし)。誕生日は2004年3月3日。つねに物憂げな表情を浮かべて儚(はかな)い雰囲気を漂わせている、いわゆる守ってあげたいキャラ。つねに白峰家のメイド長を務める中村・アルフレッドをそばに従えており、身の回りのことはすべて彼に任せている。授業中に教師から出題されても、勝手にアルフレッドが回答するという有様で、白峰搭治自身、このことにまったく疑問を抱いていない。逆にアルフレッドがいないと何もできず、彼が近くにいないと激しく動揺する。これは、幼少期に身体が弱く、あまり学校に行けなかったため、アルフレッド以外に心を許せる友人ができなかったことに起因している。だが、春見思恩を友人と認めてからは、日村一郎や瀧真比呂などほかのクラスメイトたちとも交流を持ち、自立していくようになる。

中村・アルフレッド (なかむら あるふれっど)

白峰家のメイド長を務める老齢男性。つねに白峰搭治のそばに付き従っている。白髪で口ひげを生やし、眼鏡をかけてメイド服を身につけたダンディな人物。白峰とは完全に以心伝心で、彼に何かを言われるまでもなく瞬時に問題を解決する。ふだんは穏やかに振る舞っているが、いざという時の迫力は相当のもので、今まで自分に何かをやり返すことができた者は一人もいないことを誇っている。白峰との信頼関係は厚く、アルフレッドが認めた者は、白峰も無条件で自らの友人と認めるほど。

雪山 譲 (ゆきやま ゆずる)

私立はなまる学園で2-Aの担任を務める男性教師。担当は日本史。根元が黒くなったボサボサの金髪で無精ひげを生やし、毛玉だらけのパーカーを身につけている。少々気が小さく面倒くさがりだが、生徒とはフランクに接しており、「ゆっきー」と呼ばれていい関係を築いている。また、顧問さえいれば生徒たちがやりたいことを部活動としてできるからという理由で、日村一郎らの軽音部と内村愛斗らのダンス同好会、さらにパソコン部やうどん部の顧問を務めており、放課後は非常に忙しい。

夏八木 はじめ (なつやぎ はじめ)

私立はなまる学園で2-Bの担任を務める男性教師。担当は英語。誕生日は1988年12月25日。さわやかな性格のしっかり者で、週末の休みに海外旅行に行ったりと、アクティブでプライベートも大事にするタイプ。職員室の席がとなりということもあって、2-A担任の雪山譲と親しい。

天山 龍義 (あまやま りゅうぎ)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。誕生日は2004年1月1日。家庭の都合で休学しており、2年生の途中に復学することとなった。「筋肉ダルマ」と言っても過言ではないほどの、まるでバトル漫画のキャラクターのような筋骨隆々とした巨体で、左目の上から右目の下にかけて、顔を横断するように斜めに走った2本の大きな傷痕をはじめ、全身に無数の傷痕が刻まれている。格闘家一家に育ち、休学の理由も、家族で山籠もりをしていたからである。力こそ己の価値であり、敗北は死であると教えられてきたため、力がすべてという固定観念にとらわれているが、根は素直で、切谷勇磨や北原真也、夢川匠をはじめとするクラスメイトたちとのかかわりを経て、優しさやかわいさといった価値観に目覚めていく。

武藤 賢文 (むとう まさふみ)

私立はなまる学園の2-Bに在籍する男子高校生。学級委員を務めている。誕生日は2003年9月14日。さわやかなイケメンで物腰も柔らかく、運動神経も抜群。周囲からは理想のリーダーとして高く評価されている。切谷勇磨のことは自分と同じ学級委員として、不器用で今一つ結果は伴わないながらも熱いところがあると認めており、ひそかにライバル視し、何かと張り合おうとする。実は武藤賢文自身も周囲に弱みを見せられず、無理をして強がってしまう不器用なところがある。

巻野 爽 (まきの あきら)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。剣道部に所属している。誕生日は2003年10月5日。ストレートのマッシュショートボブで、いつもにこやかな笑みを浮かべている。その優し気な雰囲気から、怖がりな岬高貴が安心して接することのできる数少ない人物。ただし、実際はかなりの天然パーマで、特に湿気が強い日には髪がうねって逆立つほど。しかも、その髪型にコンプレックスを抱いており、ヘアアイロンで髪のうねりを落ち着かせないと、異常に目つきと口が悪くなってしまう。ちなみに、剣道の面をかぶると内部の湿気で人が変わった状態になるため、剣道は非常に強い。

甘田 莉都 (かんだ りと)

私立はなまる学園の2-Aに在籍する男子高校生。帰宅部で、誕生日は2003年8月20日。小太りな体型で、甘いものが大好き。北原真也にあこがれ、彼のようになりたいと思っているが、運動神経は非常に悪い。

蜂須賀 ミスミ (はちすか みすみ)

赤天高校の1-Bに在籍する男子。髪を染めるのが好きで美容師を志しており、自らも髪を赤く染めている。自由な髪色が許されていることを理由に、校舎中に落書きがあるような荒れた赤天高校に進学したものの、その髪色のせいで上級生に目を付けられ、いじめられるようになった。ある日、上級生のパシリでクレープを28個買いに行かされた際、町で岬高貴と知り合うが、これが赤天高校と私立はなまる学園の両校を巻き込んだ一大事へと発展してしまう。

武者 武士 (むしゃ たけし)

私立はなまる学園の2-Cに在籍する男子高校生。剣道部に所属している。誕生日は2004年2月2日。先端が白くなった髪を総髪にまとめた剣士で、思考回路が少々単純なところがある。これまでの人生において、剣道で負けたことは一度もなかったが、巻野爽にだけは何度やっても勝てずにいる。実家は無敗を掲げる剣術道場で、「勝負とはつねに生死を分かつもの」が家訓ということもあって、巻野に負けるたびに切腹しようとするため、巻野には迷惑がられている。

SHARE
EC
Amazon
logo