概要・あらすじ
天彦高校野球部はその昔、県大会準優勝まで行ったこともある高校だったが、いまは入部希望者もおらず廃部寸前の弱小チームだった。そんな状態でも2年生の菱見球斗は、走り込みや体幹を鍛えるメニューをこなし、体づくりに励んでいた。球斗は中学時代、全国大会にも出場する「むさしレッドフォックス」に所属。体が小さかったため、故障も多くてレギュラーにはなれなかった。2019年7月、七人しかいない天彦野球部は、他校と連合チームを組んで夏の大会に臨む。連合チームでは3年生が出場。8対1と大差をつけられた上、最後はサインミスという情けないカタチで1回戦敗退に終わる。3年生が引退し、野球部は2年生の球斗、鋭太、護の三人になってしまった。鋭太は自分たちの代で、野球部を再生しようと意気込むものの、すべての練習メニューをこなし、球拾いまで自分たちでするのは、マネージャーの瀬野真白に手伝ってもらっても限界があった。野球も詳しくないのに頼まれて、野球部の監督になった美術教師の森川は、校長に野球部の件で呼び出された。今回、廃部にはしないが、グラウンドを半分、他の部に明け渡してほしいという。それでは思うような練習ができないと文句を言う鋭太たち。「それなら部員を増やせば今まで通りグラウンドを使わせてもらえるのでは」と真白はチラシを作り、大々的に部員募集を始めた。三人の入部希望者が現れたが、彼らはみんな未経験者だった。そんな中、なにかと球斗にからんでくる転入生の桐原が、実は強豪、北条相模高校の選手だったことがわかる。鋭太がグラウンドに連れてきて、桐原を勧誘しようするが「野球が楽しいからとか、どんなチームでも満足とか、そんな熱意のない野郎と、一緒に野球する気なんかねぇ」と断られてしまう。
登場人物・キャラクター
菱見 球斗 (ひしみ きゅうと)
天彦高校野球部の男の子。高校2年生で、ポジションはピッチャー。中学時代は全国大会にも出場する「むさしレッドフォックス」というボーイズリーグに所属していた。中学時代は、体が小さく故障も多かった。高校に入ってからは身長も伸び、体幹を鍛える練習を増やしている。野球がうまくなることには一生懸命だが、部員募集などはマネージャーの瀬野真白に任せきりになっている。
瀬野 真白 (せの ましろ)
天彦高校野球部のマネージャーの女の子。高校2年生で、ショートカットで笑顔がかわいい。監督になってくれそうな先生はいないか校長に相談に行ったり、部員募集のチラシを作ったりと野球部のために奔走する。友達に誘われて野球部のマネージャーになったため、野球のルールなどはまだ詳しくない。
鋭太 (えいた)
天彦高校野球部の男の子。高校2年生で、坊主頭で目は大きく三白眼。あごが出ている。野球部を自分たちの代で再生しようと意気込んでいる。
護 (まもる)
天彦高校野球部の男の子。高校2年生で、キャッチャー。太っていて二重アゴ。顔のパーツが真ん中によっている。ダイエット目的で野球部に入部した。トレーニングをして体は少し引き締まってきている。
桐原 (きりはら)
天彦高校に転入してきた男の子。高校2年生。興味がないと言いながらも、ずっと野球部のことを気にしていて、弱小チームに甘んじている菱見球斗にイラついている。球斗に勝負前から負け犬だなどと暴言を吐いて絡む。実は野球経験者で、神奈川県ベスト4常連校で、甲子園でも3回優勝している強豪校、北条相模高校の期待の新人と言われていた。
森川 (もりかわ)
天彦高校の美術教師の男性。野球部のグラウンドが見える見物席で、よくタバコを吸っている。闘志を燃やし始めた菱見球斗に興味を持ち、彼をモデルに絵を書き始める。野球には全く詳しくないが、マネージャーの瀬野真白に頼まれて野球部の監督になる。アゴまでの長さのウエーブヘアで丸メガネをかけ、無精ひげを生やしている。
クレジット
- シナリオ協力
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市田 実
書誌情報
僕らはそれを越えてゆく~天彦野球部グラフィティー~ 6巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2022-02-28発行、 978-4098612505)
第2巻
(2022-07-29発行、 978-4098613243)
第3巻
(2022-11-30発行、 978-4098614783)
第4巻
(2023-02-28発行、 978-4098615957)
第5巻
(2023-04-28発行、 978-4098616992)
第6巻
(2023-06-29発行、 978-4098617319)