八角形の館

八角形の館

「人生をやり直したい」という、決して叶うことのない青年の夢想と残酷な現実を描くSFホラー短編。人生の進路を他人の手に委ねる愚かさと、失敗から逃げようとする若者の安易な思考に警鐘を鳴らしたいという、作者の人生観が色濃く出ている。「週刊少年チャンピオン」1969年8月27日号に掲載された作品で、手塚治虫漫画全集の『ザ・クレーター』第3巻に収録されている。

正式名称
八角形の館
ふりがな
はっかくけいのやかた
作者
ジャンル
転生
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概要・あらすじ

職業の選択に迷う高校生の熊隆一は、ある夜路上で不気味なおばあさんから声をかけられる。彼女の言うままに、隆一はコイントスで自身の進路を決めるのだった。やがて成人した隆一は順調に仕事をこなしていくが、次第にマンネリ化に陥り、その職業を選択したことを後悔し始める。彼は悩んだ末に、高校生の時に出会ったおばあさんが言い残した、山奥にある八角形をした異様な建物を訪れる。

そこには、別次元の世界へ旅立つための入口があった。

登場人物・キャラクター

熊 隆一 (くま りゅういち)

将来の進路に悩む男子高校生。高校を中退して好きなマンガ家の道を選ぶか、それとも両親の勧めに従って高校卒業後に大学に進学すべきか、2つの選択に苦悶する悩める若者。のちに八角形の館を訪れ、人生をやり直すことになる。

おばあさん

進路に悩む熊隆一の前に突然現れ、進路を選択するコインを渡した白髪の老婆。さらに将来、選択した職業が嫌になったら、一度だけ人生をやり直せるという八角形の館の存在を隆一に告げて立ち去った謎の人物。

律子 (りつこ)

成人して成功者となった熊隆一の恋人で、美しい令嬢。父親はアメリカ資本の大企業の日本支社支店長を務めている。隆一からプロポーズされているが、父親に反対されて悩んでいる。ある日デートで訪れたレストランの席で、結婚を実現するための方策を隆一に提案する。

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