転生したら王女様になりました

中学・高校時代、スヒはまわりから嫌われる女の子だった。それは彼女が、無意識に男性に媚（こび）を売る性質だったため、「ブリッコ」というレッテルを貼られていたからだ。20代半ば頃から、スヒもそれを自覚し始め、逆にブリッコに見えることを利用して、金持ちの男に言い寄られたり、高価なものをプレゼントされたりすることを楽しむようになっていた。しかし、26歳の時、ハン・ジンスという、金持ちでもイケメンでもないが、自分のことを愛して大事にしてくれる男性と出会って、スヒの人生観は変わる。お金よりも何よりも、彼と一緒にいることが一番の幸せだと思うようになったのだ。そんなある日の夜、スヒはストーカーに刺殺されてしまう。薄れゆく意識の中で浮かんでくるのはやはりジンスのことだった。死を受け入れたスヒが最後に言いたかったのは、ジンスへの愛の言葉だった。こうしてスヒは完全に意識を失うが、気がつくと赤ちゃんに生まれ変わっていた。どうやら、異世界に転生したらしい。そこは前の世界と似ているが、国王が支配する君主制の国家だった。国王の娘、キム・サンヒとして生まれた彼女は、やがて、この世界が男尊女卑のとんでもない世界であることを知る。転生後の世界は、魔法が発達しているため、他の学問のレベルは低かった。サンヒは、前世の知識と経験を生かして、世界を変えることを決意する。