概要・あらすじ
牛久無頼学園の天童春来は失恋の折に見かけた転校生・一ノ瀬沙羽に一目ぼれするが一蹴。彼女が卓球部員と知って勝負を挑むも完膚なきまでに敗北し、卓球部への入部を決意する。部長の大塚は不良である天道の入部に反対するが、1週間の特訓を経て才能の片鱗を見せた天道に監督の重森は可能性を見出し、入部を許可する。
時を同じくして沙羽を追って牛久高校に強豪選手の高槻洸士郎がやってくる。2人は衝突するが、試合の末に友情で結ばれる。そこに天道を不良の道に連れ戻そうとする番長グループがやってくるが、番長が大塚に一目ぼれして学内の平和を守ること誓い、こちらも一件落着となる。こうして男子卓球部が新生し、生粋の茨城県民である天道が一方的に敵視する木更津高校との対外試合を皮切りに、全国大会出場を目指して奮戦していく。
登場人物・キャラクター
天道 春来 (てんどう はるく)
茨城県をこよなく愛する不良生徒。喧嘩の腕が非常に高く、周辺の不良にも一目置かれている。豪快な性格だが女性に免疫がなく、東京に行って振られて泣きながら帰ってきたこともある。自身の通う牛久無頼学園に女子卓球部のホープである一ノ瀬沙羽が入学してきたことで彼女に一目ぼれし、勝負を挑むが完敗し、卓球の道を志す。 卓球は素人だったが、喧嘩で裏拳を多用していたことからバックハンドの扱いがうまく、まざまな必殺技を開発していく。天道と、彼の取り巻きが男子卓球部に入部したことで廃部寸前だった部は復活し、対外試合やインターハイ出場を目指して活動していくようになる。
一ノ瀬 沙羽 (いちのせ さわ)
名門である牛久無頼学園の卓球部にスカウトされて転入してきた実力者。転入早々に天童春来に因縁をつけられて卓球勝負をすることになるが、簡単に彼を一蹴する。普段はやや天然なところもある性格だが、天道のような不良を前にしても引かない気の強さも持っている。全日本選手権に出場、卓球界のアイドルと呼ばれる清浦舞と競ってベスト4という好成績を残す。 その後世界ランク7位で兄一ノ瀬陽と因縁ある美柳朔夜に挑むが完敗。その資質を見出した美柳の誘いでドイツに渡りさらなる修業を積む。
高槻 洸士郎 (たかつき こうしろう)
中学時代は全国3位の腕を持つ卓球の実力者。名門校である王鳳大学付属高校に入学したが一ノ瀬沙羽が牛久無頼学園に転校したことを知り、彼女を追って転入してくる。当初は沙羽をめぐって天道春来と対立するが、やがてお互いを認め合うようになる。「大蛇」「蛇刈」など蛇にちなんだ必殺技を多く持つ。
田堀 純一 (たぼり じゅんいち)
天道春来たちが入部してくるまで、唯一だった牛久無頼学園の男子卓球部員。超人的な技量を持つ選手が多く登場するなかでは地味な存在だが、球をとらえる広い視野を持っている。大人しい性格で体格も小さく、メガネをかけているなどスポーツマンらしくない見た目でいじめられっこ気質。
結城 百々 (ゆうき もも)
天童春来の舎弟で、舎弟のなかでも春来との付き合いが長い。春来がなし崩し的に卓球部に入部したことに合わせて自身も入部する。当初は春来に付き合うかたちだったが、実は小学校まで卓球をやっており、当時は神童と呼ばれる腕前で、やがて卓球への情熱がよみがえり、本気で打ち込むことを決意する。 男子卓球部と女子卓球部の三本勝負では春来とペアを組み、全国レベルの実力者である一ノ瀬沙羽たちのペアに対して奮戦する。
一ノ瀬 陽 (いちのせ よう)
一ノ瀬沙羽の兄。卓球インターハイ王者となるほどの実力の持ち主だったが美柳朔夜との試合で選手生命にかかわるケガをして引退。沙羽が朔夜に因縁を持つ原因となった。沙羽より少し後に牛久無頼学園にやってきて男子卓球部のコーチに就任。素質はあるが技術的に未熟な天道春来らを指導する。
岩淵 カオル (いわぶち かおる)
天道春来を兄貴と慕う一学年下の不良生徒。ゴリラを思わせる巨大な体格をしており、喧嘩っぱやく“20人殺し”の異名を持つ。天道を追って卓球部に入部する。卓球経験は皆無だが人並み外れたパワーを持ち関東大会では田堀純一とペアを組み、岩淵のサポートに徹する田堀の戦略もあり、強豪王鳳大付属に敗れるがその強さを認められるほどの活躍をする。
龍円 さくら (りゅうえん さくら)
天道春来より一学年あとに卓球部に入部してきた女子生徒。関東大会まで秘密にしていたが30年無敗の強豪王鳳大付属の男子卓球部監督の娘。未来のホープである一ノ瀬沙羽を実績面から過小評価し、育成しようとしなかった父のやり方に反発、沙羽が牛久無頼学園に転校したことを受けて彼女を追って牛久無頼学園に入学、そこで男子卓球部に王鳳大付属を倒せる可能性を感じ、マネージャーとなる。
龍円 よしの (りゅうえん よしの)
龍円さくらの双子の兄。エリート揃いの王鳳大付属卓球部において唯一の1年生レギュラー。相手のモーションから球威、球速、軌道などを完璧に読む目を持ち、さらに古武道を応用した足さばきによるフットワークでどんな球にも対応する死角のない卓球をするが。関東大会では結城百々と対戦、序盤こそ圧倒するがパワーと集中力に押されたところを挑発され、力押しの勝負を選んで自らのスタイルを崩して敗北する。
龍円 壬園 (りゅうえん みその)
龍円さくら、龍円よしのの兄で王鳳大付属の主将。インターハイ王者。細身の妹たちと対照的に筋肉に覆われた巨大な体格を持つ。強者のおごりを持つことなく、関東大会では無名だった牛久無頼学園を警戒し全力で天道春来と戦う。球筋を読ませずリードするが、天道は不良時代の喧嘩経験とこれまでの試合経験から覚醒し、互角の戦いに持ちこまれた末に敗れる。