炎の転校生

炎の転校生

主人公の高校生、滝沢昇が転校する先々で巻き込まれる事件や問題に、持ち前の勝利への意欲とずば抜けた運動神経、そして口の上手さで立ち向かい、ひと騒動の末に転校していく姿を描くコメディバトル漫画。途中からは政府機関であり秘密教育委員会から特命を受け、一風変わった秘密組織、裏の教育委員会の陰謀を阻止するべく戦に身を投じるようになる。島本和彦の代表作のひとつ。

正式名称
炎の転校生
ふりがな
ほのおのてんこうせい
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
バトル
レーベル
コミック文庫(青年)(小学館)
巻数
既刊7巻
関連商品
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概要・あらすじ

主人公の滝沢昇は親の都合で転校を繰り返す高校生であった。転校する先々でトラブルに巻き込まれ、それを解決するため戦いを繰り広げていた滝沢。そんな彼は、転校先のひとつ、鳥羽砂高校で高村友花里という恋人ができ、好敵手の伊吹三郎に出会う。そんな滝沢に、メンバーに負傷者が続出した政府機関である秘密教育委員会が接触。

彼らは滝沢に、組織の一員となって、世界規模の陰謀を企む、一風変わった秘密組織、裏の教育委員会と戦うように頼むのだった。

登場人物・キャラクター

滝沢 昇 (たきざわ のぼる)

父の都合で転校を繰り返し、その先々でトラブルに巻き込まれ、持ち前の勝利への意欲とずば抜けた運動神経、そして口の上手さで立ち向かい解決していく。後に、秘密教育委員会から、裏の教育委員会と戦う戦闘員へとスカウトされ、炎の転校生というコードネームを与えられた。平常時は首にハチマキをしており、勝負になると頭にハチマキをする。 近くにスズメが飛んでいることが多い。驚異的な身体能力を持つが、まっすぐ突っ込むだけのパワー勝負を得意とする。賢くはないが口が上手く、その場の雰囲気を味方にして相手に精神的なダメージを与えるのが得意。致命的な方向音痴で、引っ越したばかりの場所では自宅もわからなくなるほど。 鳥羽砂高校で高村友花里と出会い、恋人同士になった。宿命のライバルの伊吹三郎とはゆかりちゃんを巡って争った仲。弱肉学園には愛着があり、高校生としての卒業はここで迎えている。変装が解けた技北を父だと認識できないほど思い込みが強いが、これは難点である一方で、彼の武器にもなっている。 伊吹一番の正体を知らずにかっ色のおじさんと呼んで慕い、最終的に滝沢ハンドレッドまで鍛えてもらった。必殺技に「滝沢キック」「滝沢国電パンチ」「両方滝沢キック」がある。

高村 友花里 (たかむら ゆかり)

『炎の転校生』に登場する人物。鳥羽砂高校1年11組の肩までのストレートヘアの少女。運動能力はずば抜けたものがあり、女子ではありえないレベルの戦闘力を持つ。膝をつけると腿に隙間ができる華奢な体格で、ない胸を気にしている。得意料理はカレー(以外できない)。遅刻魔。転校初日の滝沢昇と意気投合し、自宅がわからなくなった滝沢を泊めるなどして、急激に接近して恋人関係となる。 基本的にポジティブシンキング。滝沢がピンチに陥った際は、心配するよりも、どう反撃するのかを楽しみに見ていることが多い。

伊吹 三郎 (いぶき さぶろう)

『炎の転校生』に登場する人物。滝沢昇の好敵手。身勝手で思い込みが激しい一匹狼。武器や道具を使ったケンカ殺法を得意とする。母と自分を捨てた父を恨んでいる。ない胸が大好きで、入学当時から高村友花里を恋人にしようと心に誓っていたが、滝沢に先を越されて恨んでいる。隙あらば滝沢からゆかりちゃんを奪うことを画策。 「基本的に間違っている」と滝沢やゆかりちゃんなどから認識されている。

金沢 (かなざわ)

『炎の転校生』に登場する人物。鳥羽砂高校の週番。自らを「神の週番」と称するほど週番としての責任感にあふれる。遅刻常習者の高村友花里を取り押さえるために武装し、校門前に地雷を敷設するなどしていた。滝沢昇の必殺技「滝沢キック」によって倒された。

城之内 考一 (じょうのうち こういち)

『炎の転校生』に登場する人物。弱肉学園1年1組のリーゼント少年。ボクシングが得意だが、相手のグローブを左右結ぶなどの小細工も忘れない。女性の前でカッコをつけて道を誤るタイプだと自覚し、頭を坊主にして再起した。必殺技は、相手をコーナーポストに叩きつける「殺虫パンチ」。

高野 千明 (たかの ちあき)

『炎の転校生』に登場する人物。弱肉学園の週番。生活委員長で正義不滅流空手部部長。吊り眼の精悍な少年。空手初段で、ソツなくオールマイティーに強い。滝沢昇に必殺技がないことが弱点と指摘され、実力とは無関係に敗北。 滝沢の男気に惚れこみ、協力を惜しまなくなる。滝沢との戦いに敗れて編み出した必殺技は、毎日欠かさず300回繰り返して鍛えた回し蹴り「毎日三百」。

滝沢 昇一 (たきざわ しょういち)

『炎の転校生』に登場する人物。滝沢昇の父で、秘密教育委員会のコードネーム技北。物忘れがひどく、引っ越したばかりの自宅の場所が分からなくなったり、新学期が始まったのに気付かなかったりする。技北の変装が解けても、実の息子が父だと判ってくれなかったことにショックを受けている。技北としての必殺技は、服の上から息を吐きかける「技北スパーク」と、摑んだ腕を雑巾のように絞る「技北電撃ショック」。 伊吹園次郎の「暗黒流れ星」に敗れ、長期入院に追い込まれる。病院を抜け出して滝沢をサポートするために、新たに始めた変装がX仮面。入院中なので弱い。ただ、滝沢が変装に気付いてくれたことに感動した。買い物好きで物忘れのひどい妻滝沢理香子と、息子の昇、物忘れのひどい中学1年生の娘の滝沢羽純(はずみ)の4人家族。 妻は秘密教育委員会のことを知っている。

伊吹 園次郎 (いぶき そのじろう)

『炎の転校生』に登場する人物。裏の教育委員会のメンバー。サングラスをかけた背中まで届く量の多い白い髪の男。伊吹一番の息子で弟に伊吹三郎と伊吹四四彦(いぶきよしひこ)がいる。母の頼里(たより)、弟の三郎とは生き別れになっている。ムチを自在に操る。世の中は金さえあれば思い通りになるという発想で活動している。 金にこだわるようになった理由は、金の力で母と弟の伊吹三郎を探すことだったが、これについては忘れている。秘密教育委員会の五十嵐光と口論の後、彼女の素顔を見て、その場でプロポーズ。滝沢昇との決着後、結婚式を上げてハネムーンに直行した。「暗黒流れ星」という必殺技をもっているが、実は建物から振り落とされて、偶然、相手を倒した出来事を、自分の技のように取り繕ったもの。 後に、建物の3階以上から、捨て身の攻撃で相手もろともに外に飛び出す必殺技として改めて開発した。園次郎は、この技を多用したため、全身の骨が崩壊寸前になっている。

伊吹 一番 (いぶき いちばん)

『炎の転校生』に登場する人物。裏の教育委員会の会長。褐色の肌をした、豪快な笑い声が気持ちいい男。妻伊吹頼里(いぶきたより)と3人の息子伊吹園次郎、伊吹三郎、伊吹四四彦(いぶきよしひこ)がいる。権力を手に入れるために裏の教育委員会の活動をしている。だが、その真の目的は権力を使って、生き別れになった妻と息子三郎を探すこと。 同じ目的のために園次郎は金の力、四四彦は名声を極めようとしている。自分の正義に沿わないことは許さない。敵が男なら、恋人になる可能性がある女の刺客を送ってはいけない、などの配慮を見せている。人生の楽しみは「歯の食いしばり」と「血のにじみ」と「スポーツ」で、細かいことは気にしない。 努力に対しては、惜しみない拍手を送る。敵であるはずの滝沢昇を繰り返し鍛え、滝沢ハンドレッドに育て上げた。

滝沢 流 (たきざわ ながる)

『炎の転校生』に登場する人物。滝沢昇によく似た男。首のハチマキがない、瞳の色が違う、近くを飛んでいるのがカラスであるなどの差がある。真っ黒に陽焼けしていることからブラック滝沢と自称。正体は裏の教育委員会から弱肉学園に送り込まれた転校生で、滝沢への刺客であった。転校後の1週間は悪事の限りを尽くし、その後にめだたない善行を積む「思いがけない一面作戦」を敢行し、滝沢の精神的、社会的抹殺に成功する。 復活した滝沢と5番勝負を繰り広げ、最終戦に敗れたものの滝沢が配点を誤ったため勝利。弱肉学園に残留した。陽焼けではなくスキー焼けで、体は真っ白だったことが明きらかにされたとき、カフェ・オ・レ滝沢と罵られた。

藤次 章 (ふじつぐ あきら)

『炎の転校生』に登場する人物。元灯学園の生徒会長。黒ブチメガネの3年生。夏休みを棒に振ってまで計画した学園祭を自らの手で開催するため、大陸学園の校長や裏の教育委員会に味方したり、滝沢昇の味方をしたり、あらゆる手段を尽くした。狙っていた大陸学園の生徒会長の座は逃したが、弱肉学園の生徒会長におさまった。 勝負が終わったところで勝ったほうにつくタイプ。滝沢5番勝負では、2回戦のサッカーでの観客の要望に応えるジャッジが好評で、3回戦の騎馬戦と4回戦のボクシングでも審判を務めた。

集団・組織

弱肉学園 (じゃくにくがくえん)

『炎の転校生』に登場する学校。滝沢昇がもっとも長く在籍した高校。欲しいものを公平な勝負によって勝ち取ることができると校則で定められた、文字通り弱肉強食の学校。この校則の目的は、校舎の体当たりで各地の学校を破壞して有望な生徒を転入させる大陸学園と戦う生徒を育てることであった。期待のできる生徒は大陸学園が、弱肉学園の前に狙っている灯学園に転校させている。 ライオン像がシンボルで、大陸学園の校舎を乗っ取ったときも、このシンボルを上に据えた。ライオン像のポーズは変わることがある。

裏の教育委員会 (うらのきょういくいいんかい)

『炎の転校生』に登場する組織。世界の教育界を支配し、いずれは全世界の人間を支配下の学校の卒業生にしようとしている。全人類から恩師と崇められ、クラス会で毎日飲み放題、家庭訪問で世界旅行ができる世界の支配者となるのが最終目的。会長は伊吹一番。先日、生き別れの妻子が見つかったため、一番は休養を考えている。 生徒も教師も裏側に育てあげる裏の養成学校、私立高校ジャッカルの校長が、世界征服の野望に取りつかれつつある。

秘密教育委員会 (ひみつきょういくいいんかい)

『炎の転校生』に登場する組織。裏の教育委員会の陰謀を阻止するため、文部省によって作られた。すべての生徒に明るく楽しく美しい青春を与えようと、誤った教育方針を掲げる学校に戦闘員を教員として送り込み、誤りを正す活動している。滝沢昇の父である技北のほかに荒島圭一(あらしまけいいち)、五十嵐光(いがらしひかる)、郷路真(ごうじまこと)、瓜田智(うりたさとる)といった戦闘員が、委員長、多海本安寿男(たみもとやすお)の指揮下にいる。 戦闘員の欠員を補うため、技北に替わって滝沢昇が炎の転校生、荒島の息子の中村ひろしが炎の転校生2号、郷路の娘の陽子と中性子が炎の転校生3号炎の転校生4号に任命された。

書誌情報

炎の転校生 7巻 小学館〈コミック文庫(青年)〉

第1巻

(2003-08-09発行、 978-4091934611)

第2巻

(2003-10-15発行、 978-4091934628)

第3巻

(2003-12-13発行、 978-4091934635)

第4巻

(2004-02-14発行、 978-4091934642)

第5巻

(2004-04-15発行、 978-4091934659)

第6巻

(2004-06-15発行、 978-4091934666)

第7巻

(2004-08-10発行、 978-4091934673)

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