PERIDOT

PERIDOT

こばやしひよこの代表作の一つ。大正3年に創立された伝統ある風雅学園を舞台に、他人と距離を置く駿河マヒルが、学園内で発生するトラブルを解決していく姿を描いた学園ハードボイルド。講談社「ヤングマガジンアッパーズ」1999年13号から2001年22号にかけて掲載の作品。

正式名称
PERIDOT
ふりがな
ぺりどっと
作者
ジャンル
バトル
 
学園
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独自の喧嘩スタイル×さまざまな格闘技

マヒルの身体能力は超高校級と評されるほどの身体能力を持つ。その実力は、元プロレスラーの父親から月一度の抜き打ちバトルを受けたことで培われたものである。本格的に格闘技を学んでいるわけではないため、マヒルは実戦の中で培った独自の喧嘩スタイルを確立している。一方で、マヒルの敵対する相手は戦国時代から一子相伝で受け継がれてきた剣術の使い手や、プロレベルのボクサー、カポエラの使い手など、戦いの専門家ばかり。最初は苦戦するものの、これまでの経験を活かして彼らに立ち向かうマヒルの、ハードな格闘アクションが、本作の大きな魅力となっている。

主人公の心の軌跡を描く

マヒルの両親は仕事が忙しく、家を留守にすることが多かったため、マヒルはつねに寂しさを抱えていた。そんな中、母親が10年前に仕事を理由に離婚し、家族を捨てたことで、マヒルの心は深く傷ついてしまう。その影響で、小学生の頃からは喧嘩に明け暮れ、他人と距離を置くようになる。この状況は高校2年生になっても変わらなかったが、転校生の進藤晶にたびたび話しかけられたり、学園内のトラブルをいっしょに解決するうちに、少しずつ友情を育んでいく。さらに、トラブル解決の過程でさまざまな人々とかかわることで、マヒルの心も癒され、他人のために行動する喜びを知る。

暴力で社会悪を非合法に裁く幼なじみ

マヒルは、さまざまな人々との交流を通じて精神的に成長していく中、小学生時代の幼なじみ、黒田タツヤと再会する。小学生の頃のタツヤは気弱でいじめられっ子だったが、高校生になってボクシングを始めたことで、まるで別人のように攻撃的な性格に変わっていた。さらに、ボクシングで身につけた力を駆使して、同じ志を持つビアンカやロッソと共に悪党を叩きのめす活動に熱中しており、マヒルに仲間に加わるよう勧誘する。しかし、タツヤは誘いを断ったマヒルへの執着を捨てきれず、彼女を巻き込もうとする。そしてタツヤは次第に暴力の快感に取り憑かれ、誰に対しても無差別に暴力を振るうようになっていく。

登場人物・キャラクター

駿河 マヒル (するが まひる)

風雅学園に通う高校2年生の女子。喧嘩が滅法強く、つねに腕に包帯を巻いているため、周囲からは不気味に思われている。風雅学園の生徒からも距離を置かれているが、「誰にも頼らないかわりに、誰にもかかわらない」という信条を持っているため、マヒル自身はそのことを気にしていない。授業をサボって屋上で昼寝をすることが多く、素行が悪いことから教師たちには不良扱いされている。他人とは極力かかわらないように冷淡な態度を取っているが、実際には他人を思いやる優しい一面を持っている。晶のことを鬱陶しく感じつつも、完全に拒絶せずに会話に付き合ったり、学園内で起こるさまざまなトラブルの解決を手助けしている。さらに、トラブルを通じて知り合った犬塚楓など多くの人々とのと交流を経て、次第に彼女の周囲の雰囲気は和らぎ、学園内でも話しかけてくる生徒が増えていく。

進藤 晶 (しんどう あきら)

風雅学園に転校してきた高校2年生の女子。マヒルのクラスメイト。明るく社交的な性格で、少々お介焼きなところがある。クラスメイトからマヒルのことを聞くうちに、彼女に興味を抱き、何かと話しかけるようになる。好奇心が旺盛なため、トラブルに巻き込まれたり、自ら進んで首を突っ込むことも多い。学園内でのトラブル解決を手伝ううちに、マヒルと親しくなり、いっしょに過ごす時間が増えていく。転校したばかりの頃は優等生だったが、マヒルの影響を受けて全校集会をサボるなど、不真面目な一面を見せるようになる。

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