あらすじ
むっちゃんと結婚して数年、30歳半ばになった今もキリはむっちゃんと二人で暮らしていた。周囲の人たちが子供を授かる中、キリは子供について明確な答えが出せずにいる。ある日、生理前の痛みがあるのに生理がこないことで、キリは妊娠検査薬を使って自分が妊娠している可能性があることを知る。後日、産婦人科を受診して妊娠が確定すると、キリはこれからのことを漠然と想像するのだった。赤ちゃんができたことで発生するであろうむっちゃんとのすれ違い、食や体調の変化、検査のたびに成長を実感できるわが子への思いなどさまざまなことを経験して、キリは出産予定日を迎える。
登場人物・キャラクター
キリ
フリーランスでデザイン関係の仕事をしている女性で、年齢は30代半ば。むっちゃんと結婚して数年になっても子供は授からなかったが、特に不妊治療も行わず自然にまかせてきた。妊娠が判明すると、むっちゃんとの二人暮らしが終わってしまうと寂しさを抱きつつも、赤ちゃんが生まれてくることに喜びを感じている。妊娠当初はあまり実感がなかったが、検査のたびに産婦人科医と会話したり、おなかが大きくなって胎動を感じたりするたびに母親としての意識が芽生えている。
むっちゃん
キリの夫で、年齢は30代半ば。結婚して数年になるが子供に関しては深く考えておらず、他人事のようにとらえている。キリが妊娠した時も不誠実なことを平気で口にしていたが、キリの本音を聞いたあとは人が変わったようにしっかりとサポートしている。生まれてくる子供は女の子がいいと思っている。