赤ちゃんのホスト

まじめで情熱的な新任女性保育士や、父親の遺言で認可外保育園を引き継いだ元ホストの園長、さらに訳ありな保育スタッフ達が、現代の保育園を取り巻く数々の問題に直面しながら奮闘する姿を描くヒューマンコメディ。「BE・LOVE」2013年第9号から2016第16号にかけて不定期に掲載された作品。

正式名称
赤ちゃんのホスト
作者
ジャンル
妊娠・出産・育児
レーベル
Be love KC(講談社)
巻数
全9巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

かつて自身が卒園した認可外のおひさま保育園に就職が決まった新名楓は、保育士として夢と希望にあふれていた。しかし、お世話になった園長が急逝したと聞かされる。そこへ突然、チャラチャラした園長の息子・金田太郎が現れ、園長の遺言により自分が新園長になると言い出す。

第2巻

新任保育士の新名楓は、元ホストで新園長の金田太郎、ベテラン保育スタッフの清水広恵と共に、なんとか認可外のおひさま保育園の営業を再開した。そんなある日、微熱のある園児を預かった事をきっかけに、おひさま保育園は母親達のリクエストに応えて、「病児保育」を行える保育園を目指す事になる。それに向けて、まずは看護師のスタッフを確保しようと、太郎はホスト時代の知人の男性看護師を保育園に迎え入れる。

第3巻

新たに看護師の次郎が加わった事で、おひさま保育園は本格的に「病児保育」を開始する。園児らの家庭事情や親同士のトラブルなどに立ち向かう事で、金田太郎も園長としての自覚を新たにする。そんな中、おひさま保育園では、生後8か月の男児を急遽受け入れる事になる。しかし、男児の父親は自分の息子にまったく無関心で、新名楓達は彼に疑問を抱く。そんな中、警察からおひさま保育園に一本の電話がかかって来る。

第4巻

おひさま保育園では新たな園児を迎え、さまざまな行事を通し、園児達はもちろん、新名楓ら保育スタッフも少しずつ成長していく。そんなある日、前園長が残した保育日誌を読み進めていた金田太郎は、かつておひさま保育園に置き去りにされた子供の存在を知る。その子供とは、幼い頃の太郎自身であった。調べを進めるうちに、父親だと思っていた金田園長が未婚の養父だった事や、自分を捨てた薗山潤の母の存在を知った太郎は、絶望して職務を放棄し、夜の街へ消えてしまう。

第5巻

一度は姿をくらませた金田太郎だったが、亡き父・金田園長が残した太郎への日誌や、おひさま保育園にかかわった人達の思い、そして自分の帰りを待つ園児や新名楓らの気持ちを知り、おひさま保育園に戻って来る。そして、園長としておひさま保育園を守っていく強い決意を固めるのだった。そんな中、おひさま保育園では4月から小学生になる園児のために、創設以来初めての卒園式を行う事になる。

第6巻

新名楓は、金田太郎への恋心を自覚し悩んでいた。そんな中、おひさま保育園に新園児が入園し、さらにシングルマザーで保育士である岩倉智晴が新たに加わる。おひさま保育園にこれまで以上ににぎやかな日々が訪れる中、智晴はホスト時代の太郎が息子の命の恩人であり、ずっと太郎の事を探していたと語るのだった。

第7巻

おひさま保育園の要である新名楓が、風邪を引いて倒れてしまう。ただでさえ人手不足な保育現場は、新名の不在によりてんてこ舞いとなる。そんな中、新名の恋心を知る保育士の岩倉智晴は、金田太郎に見舞いに行くよう提案して背中を押す。太郎はとまどいながらも、新名が一人暮らししているアパートへ見舞いに向かう。

第8巻

七夕行事の笹の飾りつけで、おひさま保育園は大忙しになる。そんな中、金田太郎はふと覗いたごみ箱に、「ママに会いたい」と書かれたしわくちゃな短冊を見つける。太郎は短冊を描いた男児の思いに幼き日の自身を重ね合わせ、七夕に園児の願い事を叶えるサプライズをしようと、スタッフに提案するのだった。そして無事に七夕行事が終了したあと、太郎に散歩に誘われた新名楓は、天の川の下で告白され、ファーストキスを奪われる。

第9巻

新名楓が公立保育園へ助っ人保育士として借り出される事となった。同時におひさま保育園では園児が急増し、人手不足によりパニック状態になってしまう。そんな中、金田太郎は、保育を必要とする親がいるのに受け入れできない現状に悩んでいた。太郎は前園長である父親の遺言書を開き、今一度おひさま保育園のあり方について自問自答する。そして、保育園の移設拡大計画をスタッフ達に提案する。

登場人物・キャラクター

新名 楓

おひさま保育園に就職した22歳の女性保育士で、着任後すぐに23歳になる。新名楓自身も、おひさま保育園の一時保育を利用していた事がある。保育士を目指すようになったのは、当時の園長・金田園長にあこがれたため。新たな園長である金田太郎とは幼い頃に保育園で会った事があり、当時から「ニーナ」と呼ばれちょっかいを出されていた。 現在も、太郎からはこの愛称で呼ばれている。新任保育士ではあるが行動力にあふれ、しっかり者で非常に生まじめな性格。一方で、地味なTシャツを着て、髪型も耳の高さのツインテールと色気がなく、園児から「女子力が低い」と評されている。恋愛や下ネタに免疫がなく、極度の下戸でビール一口で酔っぱらい、人に絡んで記憶をなくしてしまう。 当初は、園長ながらホスト感の抜けきらない太郎に腹を立て、容赦なく平手打ちしたりコブラツイストをかけたりと、凶暴な一面を見せていた。しかし、太郎といっしょに保育園が抱える問題を解決するうちに、太郎の意外な一面を知り好意を寄せるようになる。新名をめぐる、太郎と次郎の三角関係に気づかないほど鈍感で、周りをやきもきさせている。

金田 太郎

父親である金田園長の遺言により、急遽、おひさま保育園の園長となった青年。1月25日生まれで、年齢は28歳。園児達からは「たろー」と呼び捨てにされている。もともとは都内繁華街にあるクラブBarbatosで、「飛影」の源氏名でNo.1ホストとして活躍していた。幼い頃は「薗山潤」という名前だったが、薗山潤の母によりおひさま保育園に置き去りにされ、金田園長に保護された。 その後、金田園長の養子として「金田太郎」と名付けられる。親に捨てられたショックから、潤だった頃の記憶を失っている。金田園長が営む自宅兼保育園で育ち、18歳になって家を出て知人の勧めでホストの道へ進んだ。園長になった現在も、茶髪で派手なシャツやホスト感が抜けないスーツを身につけている。 園長就任当初は自分勝手な言動が目立っていたが、保育園が直面する困難を乗り越えていくうちに、子供の気持ちや保護者のニーズに耳を傾ける常識に捕らわれない園長に成長していく。保育園の2階に住んでおり、移動手段はつねに自転車。ホスト時代の貯金は園存続のために切り崩し、持っていた3台の高級車も売り払って園の経営につぎ込んでいる。 女性扱いはうまいがピュアな恋愛の経験がなく、新名楓への恋心を自覚してからは、小さな事にも一喜一憂している。

金田園長

おひさま保育園の創立者で前園長。現在の園長・金田太郎の養父。幼い頃におひさま保育園に通っていた新名楓にとって、保育士としてあこがれの存在だった。しかし新名が初出勤する前日、患っていた肺の病で亡くなった。保育園を開園して間もない頃に、園に置き去りにされた当時2歳の「薗山潤」を保護し、情と使命感から彼を養子にして大切に育てて来た。 一方、いつか薗山潤の母が迎えに来る事を信じ、太郎が家を出るまでの18年間「保育日誌」を綴っていた。保育園の園長になる前は、ケーキ製造販売会社に勤め、ケーキ販売店の店長を務めていたが、子供好きな事から会社を辞め、悪友で実業家の柏木の協力を得ておひさま保育園を立ち上げた。開園時からのスタッフである清水広恵はケーキ製造販売会社時代の同僚で、喫茶シオンの康子ママは当時の部下。 亡くなる前に、時が来たら太郎に過去の事を伝えて「保育日誌」を渡すよう、清水と康子ママに頼んでいた。康子ママからはケーキ店の店長だった時から好意を寄せられていた。

清水 広恵

おひさま保育園の開設当初から働いているベテラン保育スタッフ。50代後半の女性で、新名楓がおひさま保育園に通っていた時も働いていた。黒髪のショートボブでいつも穏やかな表情をしており、園児やスタッフの給食調理を担当している。金田太郎からは「シミー」の愛称で呼ばれる。太郎の過去と薗山潤の母の事を知っており、生前の金田園長から、時が来たら太郎に当時の事を伝えるよう康子ママと共に託されている。 そのため、太郎が大人になり、園長になった今も優しく厳しく諭す母親的な存在である。20代の頃は、ケーキ製造販売会社の営業部で働いており、金田園長とは同僚で、康子ママとは社内のケーキコンテストをきっかけに友人になった。その後、寿退社をしたが子供に恵まれず、離婚している。 太郎と次郎の存在から『南極物語』を連想し、一人で興奮するという独特の感性の持ち主。

次郎

おひさま保育園に勤務する20代の男性看護師。中肉中背の体型で、一重の切れ長な目で表情が乏しく、時々見せる笑顔が不気味で園児から怖がられている。仕事では清潔感のあるTシャツにチノパンといった恰好をしている。以前は金田太郎と同じくクラブBarbatosのホストだった。太郎に誘われ、新名楓の熱意と清水広恵の優しさ、子供達との触れ合いを通じておひさま保育園への転職を決意した。 実家は開業医であり、父親からは医者にならなかった事を疎まれていた。ホストになった理由は、改めて医師を目指すため、学費を稼ごうと考えたからだが、うまくいかず、役に立たないホストを意味する隠語の「地蔵」と言うあだ名を付けられていた。現在も園児や保護者、スタッフからは同じく「地蔵」と呼ばれているが、こちらは「子供を守るお地蔵様」といういい意味で付けられたもの。 保育スタッフとしては非常に有能で、園児らの行動や表情をよく見ており、聞き上手で園児からの人気も高い。また、看護師という立場からまじめな言動が目立ち、つい暴走しがちなほかのスタッフのストッパー役を担っている。 3歳の姪がおり、女の子向け人気アニメ「パワースプラッシュめるる」に詳しい。新名に思いを寄せている。

岩倉 智晴

おひさま保育園で働く新人の女性保育士。7月28日生まれで、年齢は31歳。シングルマザーで、一人息子の岩倉翔と二人暮らししている。一束に編み込んだ髪を、片方に寄せたヘアスタイルにしている。保育士の有資格者で子育て経験もあり、愛らしい容姿で巨乳な事から女性としても保育士としても完璧に近い人物。新名楓と同じ専門学校の卒業生で先輩。 学生時代に、同じく保育士を目指していた彼氏がおり、卒業間近に妊娠。しかし、彼氏と自分の親友が浮気していた事が発覚し、中絶を考え悩んでいた。そんな中、当時ホストだった金田太郎と出会い、その心遣いから前向きになり出産を決意した。そのため、息子がこの世にいるのは太郎のおかげだと考えており、感謝の気持ちを伝えたいと太郎の事をずっと探していた。 考え事をしている時は恐ろしく邪悪な表情を浮かべてしまう癖がある。強い庇護欲の持ち主で、甲斐性のない男性がタイプ。

康子ママ

おひさま保育園の向かいにある喫茶シオンの店主。みんなから「康子ママ」と親しまれている50代後半には見えない美しい女性。サバサバした性格で、金田太郎の生い立ちを知っており、彼を息子のように見守って来た一人。また、常連客であるおひさま保育園のスタッフ達のよきアドバイザーでもある。亡くなった金田園長や清水広恵とは30年来の付き合いで、保育園設立に協力した。 生前の金田園長から太郎の「保育日誌」を預かっており、時が来たら太郎に当時の事を伝えるよう広恵と共に託されている。かつて25歳の時にケーキ製造販売会社でケーキ販売員をしており、当時店長だった金田園長の部下であった。清水とは社内で行われたケーキコンテストをきっかけに友人になった。 のちにケーキ製造販売会社を辞め、おひさま保育園の向かいに喫茶シオンを開店。以降はクリスマスにケーキを提供したりと、園の行事に協力して来た。亡くなった金田園長がケーキ店の店長だった時から長く片思いしており、好きだと伝えなかった事を今でも後悔している。

薗山潤の母

開設して間もない頃のおひさま保育園を利用していた母親の一人で、金田太郎の実の母親。26年前、太郎がまだ2歳の時に保育園に預けたまま音信不通になった。太郎が園長になってしばらくしたある日、おひさま保育園の玄関に現れて、出くわした新名楓と清水広恵、康子ママとひと悶着起こす。実は潤こと太郎の所在を前から知っており、この時は悩んだ末に会いに来た事がのちに判明する。 現在は治療のため入院中であり、関係者を介して、手術のための家族のサインをもらいたいと太郎に連絡し、26年ぶりに再会する。太郎を置き去りにしたのは安定した生活基盤がほしかったからだと語り、潤の思い出の写真を大切に持っていた。

座間 冴子

おひさま保育園を利用する母親の一人で、育児休暇からの会社復帰を急ぐキャリアウーマン。3歳の娘・座間栞がおり、国税局に勤める公務員の夫と三人暮らし。教育熱心で、栞を私立の進学小学校へ入学させるのが目標であり、ひらがなの読み書きなどを自宅で教えている。幼い頃から勤勉な努力家で何でもこなして来たが、完璧主義で理想の高い自身の母親が長年のコンプレックスになっている。 公立保育園を希望するも利用できず、やむなくおひさま保育園を利用する事となった。当初は、おひさま保育園の設備やスタッフ体制に不信感があったが、一生懸命な新名楓や金田太郎達と接するうちに信頼を寄せるようになる。のびのびと健やかに成長する栞を見て、公立保育園への転園を辞め、小学校入学までおひさま保育園を利用したいと思うようになる。

座間 栞

おひさま保育園に通う3歳の女の子。キャリアウーマンの母親・座間冴子と国家公務員の父親の三人暮らし。金田太郎をはじめ園児らから「しおりん」と呼ばれている。礼儀正しくするように教育されており、教育熱心な母親の前では、なるべくいい子でいるよう気を遣う少し大人じみた賢い子で、入園後もほかの園児達とのあいだにはトラブルが少ない。 一方で、厳しい母親の顔色を窺って行動するところがある。保育園に慣れて来るとのびのびと遊び、男の子と取っ組み合いのけんかをするような元気な一面を見せるようになる。

今村 レイコ

おひさま保育園を利用する母親の一人。3歳の息子・今村瑠偉人がいる。若い人向けのアパレルショップで店長を務めており、ギャル風の服を身につけている。金田太郎がホストだった頃の客の一人でもある。今村レイコ自身は母子家庭で育っており、忙しかった母親に甘える事なく育って来た。20歳で今村浩二と出会い、できちゃった結婚で瑠偉人を出産した。 一人で育児に奮闘して来たが、二人目の妊娠が判明し夫と喜びながらも困惑していたところ、太郎に仕事と出産を両立させるため保育園を頼るよう後押しされる。転園して来た苫里紅良々の母親と当初トラブルはあったものの、世話を焼かれる事で打ち解けてなかよくなる。

今村 瑠偉人

おひさま保育園に通う活発な性格の3歳の男の子。優しい父親・今村浩二と、元気で明るい母親・今村レイコと三人暮らしだったが、妹が生まれ兄妹でおひさま保育園に通うようになった。レイコが妹を妊娠した当初はおもらしやおねしょを頻繁にしていたが、保育園のスタッフや世話好きな苫里紅良々の母親のフォローにより解消した。

今村 浩二

おひさま保育園を利用する父親の一人。眼鏡をかけて優しい雰囲気を漂わせているが、どこか頼りなさそうな細身の男性。息子の今村瑠偉人を保育園に送り迎えするなど育児に対しては前向きで、妻・今村レイコの派手な仕事も応援している。一方で、出張が多く、よく自宅を不在にしている。あまり考えなしに行動するところがあり、レイコとは出会ってすぐにできちゃった結婚した。 しかし、当時20歳のレイコが妊娠したと告げた時には感激して即座に結婚を申し出たり、レイコが二人目を妊娠したとわかった時には、仕事と育児の両立を不安がるレイコを優しく抱きしめるなど、心優しい人物。

おひさま保育園を利用する母親の一人。営業マンの夫と高校生の長男・琢磨(たくま)、保育園に通う林ヒナの四人暮らし。事務員としてフルタイムで働いている。保育園に送り迎えに来る際は、いつも明るく振る舞っており、金田太郎とはまるでホストと客のような会話をして楽しんでいる。長男の琢磨を医学部入れようと熱心になるあまり、幼いヒナの育児は後回しにしがち。 そのためヒナの耳の不調を見逃し、聴力低下に気づかずにいた。看護師の次郎から聴力と言葉の遅れについて指摘され、受診で「滲出性中耳炎」による聴力低下と診断をされた事で、これまでの行いを後悔する。また、同じマンションに住む坂井美恵子とはママ友で、美恵子が行方不明になった時には、息子の坂井賢太の日中の預け先として、おひさま保育園を紹介した。

林 ヒナ

おひさま保育園に通う3歳の女の子。共働きの両親と年の離れた高校生の兄の四人暮らし。女の子向けアニメ「パワースプラッシュめるる」が大好きで、保育園にある「めるる」の人形がお気に入り。年下の子をかわいがり、守ってあげるような優しく強い女の子。兄には気遣われているが、育児に関心を示さない父親と家事や仕事に忙しい母親により半ば放置状態となっている。 これにより「滲出性中耳炎」である事に両親が気づく事が遅れ、未だに通院治療を続けている。

石田

おひさま保育園の一時預かりを利用している母親。田舎から東京へ嫁いで来ており、忙しい夫と娘の石田睦の三人暮らし。近くに知人や友人もなく、睦の言葉の遅れや夜泣きに悩みストレスを抱えていた時に、近くにあるおひさま保育園の門を叩いた。仕事もしていないのに一時保育を利用する事に初めはためらい、母親である自分が自分のためにお金を使う事はバチが当たると考えていた。 しかし、金田太郎にじっくりと話を聞いてもらうので気を取り直し、前向きになる。一時保育の利用をきっかけに、パートを始めて張り合いのある生活を送るようになる。

石田 睦

おひさま保育園に一時保育で通う3歳の女の子。両親と三人暮らし。田舎から東京に嫁いで来た専業主婦の母親と二人きりで過ごす事が多く、母子共にストレスを抱えていた。育児疲れの母親には、石田睦が泣いても放置される状態だった。おひさま保育園を母親と訪れ、保育士の新名楓の勧めもあり一時保育利用の運びとなる。初めての保育園利用でもほかの子供達とすぐになじみ、笑顔を見せ楽しい時間を過ごす。 美容室帰りの綺麗になった母親を見て、お姫様みたいと喜ぶ素直で優しい女の子。

苫里

おひさま保育園を利用する母親の一人で専業主婦。5歳の娘である苫里紅良々とハーフの夫シェリーの三人暮らし。はっきりした物言いで誤解される事が多く、敵を作りやすいタイプ。自身の生い立ちから、子育てには妥協せず手間暇かける信念がある。ほかの幼稚園や保育園でトラブルを起こし続けて来ており、モンスターペアレンツ扱いされていた。 おひさま保育園に入園した当初も、娘に弁当を持たせたり、遊びにくそうなワンピースで登園させるなど園の方針を無視していた。また、金田太郎や男性看護師の次郎に対し、元ホストという事で不信感を持っていた。しかし、転園を繰り返しているために友達がいないという紅良々の胸の内を聞かされ、心を入れ替える。また、太郎がほかの母親達とのあいだに立ってトラブルを解消した事をきっかけに、園のスタッフやほかの母親達に心を開き、交流するようになる。

苫里 紅良々

幼稚園からおひさま保育園へ転園して来た5歳の女の子。フランスからの帰国子女。フランス人のハーフである父親と日本人の母親のあいだに生まれた一人っ子で、母親を「ママン」と呼んでいる。母親譲りの丸顔で目は一重、上向きのだんご鼻をした、白人のクォーターとは思えない顔をしている。礼儀正しい性格ながらも、フランス語で挨拶したりと大人びた雰囲気から周囲からは浮いており、自分勝手な言動でほかの園児とトラブルを起こして来た。 保育士の新名楓や子供目線を尊重する園長・金田太郎らの細やかな対応により、徐々に人の気持ちを理解できる女の子へ成長する。卒園後もおひさま保育園での経験やスタッフの教えを胸に、クラスメイトに優しく接したり、ほかの子を馬鹿にする子を諭したりしている。 また、次第に色々な家庭環境がある事に気づき疑問を持つようになるなど、心の成長を遂げていく。入園当初は太郎につっかかっていたが、卒園後は手紙を送ったりし、太郎を信頼できる大人として慕う一面を見せる。

シェリー

おひさま保育園へ転園して来た苫里紅良々の父親で、苫里の夫。フランス人の父親と日本人の母親とのあいだに産まれたハーフ。少し前まで家族三人でフランスに住んでいたが、現在は東京の高級マンションで暮らしている。仕事が多忙で朝方に帰宅するような事も多く、専業主婦の苫里が育児の大半を担っている。おひさま保育園の保育スタッフや保護者一同が驚くほどのイケメン。

岩倉 翔

おひさま保育園で働く岩倉智晴の一人息子で、小学校3年生。いつも元気いっぱいで、ニコニコしたしっかり者の少年。シングルマザーという家庭事情を苦にせず、むしろ一生懸命で我慢強い母親の事を誇らしいと思っている。学校では下級生達の面倒をよく見ている。大人びている部分があり、母親が嫌がるだろうと離婚の事や父親の事を聞いてはいけないと思っている。 おひさま保育園の卒園児である苫里紅良々と同じ小学校に通っている。紅良々に誘われ、母親が働く保育園と知らずにおひさま保育園へ遊びに来る。

坂井 美恵子

生後8か月の坂井賢太の母親。育児に関心がない夫・坂井孝宏との三人暮らしで、夫の育児協力や理解が得られないため、育児ストレスをすべて背負い込み疲弊していた。育児ノイローゼになり、ある夜コンビニへ出かけると言ったまま、交通事故に巻き込まれて意識不明の重体となる。体裁を気にする夫からの捜索願が出されなかったため、意識が戻らないまま近くの病院に身元不明者として入院していた。 回復し意識が戻った事で、警察からおひさま保育園に連絡があり所在が明らかになる。夫も育児を行った事で考え方が変わり、退院後はおひさま保育園の一時保育を利用して息抜きをしている。

坂井 賢太

おひさま保育園に一時保育で通う8か月の男の子。父親の坂井孝宏と母親の坂井美恵子の三人暮らし。同じマンションに住む林ヒナの母親の紹介により、急遽、保育園を利用する事になる。母親が育児ノイローゼ気味であり、夜間の外出で事故に巻き込まれ行方不明となる。坂井賢太の爪がきれいに切られていたり、笑顔を絶やさない様子から、真摯に育児をする母親の存在があると看護師の次郎は予測していた。 おひさま保育園利用中に、つかまり立ちをしたり、言葉を発するようになり日々成長を見せる。

坂井 孝宏

ノイローゼの妻・坂井美恵子が事故に巻き込まれ行方不明となり、8か月の息子・坂井賢太をおひさま保育園に預ける事になった父親。家を購入しており、賢太が生まれてからも昇進のために仕事中心に生活して来た。育児のすべてを妻に押し付けて来た事から、賢太の日々の状態やアレルギーの事、離乳食の進み具合など保育園からの質問に答えられない事が多い。 深夜、妻がコンビニへ出かけたまま帰らない事態になっても、体裁を気にして捜索願を出さなかった身勝手な性格。また、息子や保育園に対しても無関心で園のルールにも従わない事から、園長の金田太郎に注意される事があった。太郎の提案で、園での賢太の様子をこっそり見守る事で育児の大変さや喜びを知る事となり、改めて父親として自覚を持ち始める。

松坂

おひさま保育園を利用する父親の一人。5歳の一人息子・松坂ヒナタを預けている。妻である松坂裕子とは、突然別居状態となり、おひさま保育園を利用するようになる。物腰柔らかなサラリーマンで、保育園の送り迎えをはじめ家事全般を一人でこなす慌ただしい生活を送っている。クマのようなずんぐりむっくりな容姿をしている。 リップサービスや気遣いもできる男性で、息子思いの優しい性格。当初、思い当たる別居理由はなかったものの、妻が記入済みの離婚届と息子を置いて出ていったのは、自分の不甲斐ない行動が原因だと思っている。

松坂 ヒナタ

おひさま保育園に通う5歳の男の子。物腰柔らかで面倒見がよく、ほかの園児の面倒をみたり保育士らの手伝いを進んでやる、優しくて大人びた性格の持ち主。父親が母親のご機嫌取りをしていたのを真似して、保育園の女性スタッフが喜ぶような言葉を掛けている。母親に会いたいと思ってはいるが、自分のせいで母親が出ていったと思い込んでおり、父親に嫌われないよう「良い子」でいるよう心がけている。

松坂 裕子

おひさま保育園に通う松坂ヒナタの母親。父親は他界しており、実家には認知症の母親がいる。母親の認知症が重度化し、警察騒ぎを起こす事が頻繁となり日常的に介護が必要となる。幼い一人息子のヒナタと夫に迷惑をかけないため、記入済みの離婚届を残し家を出る。おばあちゃん子のヒナタや、優しい夫を巻き込みたくない一心で、離婚という早まった行動を取るも、母親の介護を一人で背負わないでいいと言う優しい夫の言葉に救われる。 ヒナタが母親に会いたがっている事を夫から聞かされ、保育園で待つヒナタと涙の再会をする。

柏木

おひさま保育園を創設した金田園長の古くからの悪友。金田園長が養子にしたばかりの幼い金田太郎を知る数少ない男性。整えた顎ひげを蓄え、いつも煙草をふかし派手な模様のシャツを着ている。調子のいい冗談ばかり言うチャラチャラしたおじさんであるが、不動産業など手広い事業をしており、海外にいる事が多い独身貴族である。 金田園長が保育園創設の際にも物件を援助した。太郎が事業拡大のために援助の申し出に来た時に、昔の金田園長の姿と重なりその熱意から太郎にも援助を行う事を決める。税金対策だと称しながら、持てあましていた古い大きな資材倉庫を見せ、ここを改築して保育園にしてはどうかと提案する。

バーのマスター

おひさま保育園の園長・金田太郎が、ホストだった頃から行きつけにしている小さなバーのマスター。自称「しょっぱい飲み屋のマスター」。丸みがかった眼鏡をかけており、顎ひげを蓄えた中年男性。ツーブロックの長髪を後ろに縛っている。太郎はホストを辞め保育園の園長になってからもたびたびバーを訪れており、太郎が後輩ホストの愚痴を聞いたり相談に乗っている事を知っている。 日曜大工のような、何かを作る事や力仕事が得意。保育園の園長になった太郎に頼まれ、園の遊具を無償で作るといった縁の下の力持ち的な存在。また、事業拡大のために古い大きな倉庫を改築する時にも、仲間を集めて手伝いに来る。

場所

おひさま保育園

東京都内の住宅地にある認可外保育園。三度の移設・拡大を行い保育事業をしている。創立者は前園長の金田園長で、支援者として金田園長と元同僚の清水広恵や康子ママらの協力を得て運営が始まる。当初は、こじんまりとした場所で少人数の保育を行っていた。その頃に、新名楓や2歳だった「薗山潤」も利用していた。潤が金田園長の養子となると同時期に、事業拡大のため金田園長の友人である柏木の援助を受け、自宅兼保育園の一軒家へ移設される。 金田園長が病死してしまい、遺言により息子の金田太郎が園長となる。一時保育の復活や新事業の「病児保育」などを行っている。再度事業拡大に向け、あえて認可外保育園のまま、より大きな面積の土地へ設設する。 その際も柏木から土地や資金面での協力を得ている。新たなおひさま保育園には大きな厨房、園庭、菜園、プールが設置される。また、広くなった園内にはピアノが置かれ、卒園児らのための学童保育「おうちめだるルーム」が新設される。亡き金田園長手作りの木製ブランコも園庭に移設された。

喫茶シオン

おひさま保育園の向かいにある小さな喫茶店で、保育園スタッフの行きつけとなっている。前園長の金田園長とスタッフの清水広恵の友人である康子ママが営んでおり、おひさま保育園が2回目の移設の際に園の向かいに店をオープンさせた。カウンター席のほか、テーブル席もわずかにあるこじんまりとした店内である。生前、金田園長が「薗山潤」(現在の金田太郎)の「保育日誌」を預けていた場所でもある。 保育園の緊急保護者会の時には、貸し切らせてもらい会場となる。クリスマスには康子ママお手製の喫茶シオンのケーキが保育園児達に振る舞われる。

クラブBarbatos

金田太郎と次郎が働いていた東京都内の繁華街にあるホストクラブ。当時、太郎は「飛影」の源氏名で働いていた。次郎も源氏名があったが「地蔵」と隠語で呼ばれからかわれていた。現役時代の太郎は人気No.1ホストで、男性客にも一見の客にも感じのいい接客をする事で評判がよかった。太客も多く、一晩で1000万円使わせる凄腕ホストとして、その界隈で有名だった。 ホストを辞めたあとも太郎の人気ぶりは健在で、彼がプライベートで店を訪れるだけで元客達が集まり店内が満卓になる。現在もクラブの後輩ホスト達から慕われており、太郎が一声掛けるだけで、若いホスト達が保育園のイベントに協力のため姿を現すほど。

その他キーワード

パワースプラッシュめるる

小さな女の子達に人気のアニメ番組。花とリボンを模した衣装に変身して、悪者を倒す正義のヒロイン「めるる」が主人公である。おひさま保育園に通う林ヒナも「めるる」の大ファンで、園にある「めるる」の人形をとても大事にしている。また、新名楓が「めるる」に似ている事から、園の行事でコスプレをさせられ、悪者役に扮したホストと戦う芝居をした。 男性看護師の次郎は姪っ子がいるとの理由から「めるる」にとても詳しい。

書誌情報

赤ちゃんのホスト 全9巻 講談社〈Be love KC〉 完結

第1巻

(2013年8月12日発行、 978-4063803952)

第2巻

(2014年5月13日発行、 978-4063804287)

第3巻

(2014年11月13日発行、 978-4063804485)

第4巻

(2015年4月13日発行、 978-4063804645)

第5巻

(2015年9月11日発行、 978-4063804805)

第6巻

(2016年1月13日発行、 978-4063804898)

第7巻

(2016年6月13日発行、 978-4063945096)

第8巻

(2016年9月13日発行、 978-4063945171)

第9巻

(2016年10月13日発行、 978-4063945218)

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