概要・あらすじ
北海道に暮らす女子高生・黒沼爽子は、極端に陰気な見た目のためホラー映画のキャラクターにちなんで貞子と呼ばれ恐れられている。だが彼女の実態は、人を喜ばせるため日々努力し、ちょっとした会話のなかでも感動を見つけて相手を尊敬する、ピュアな女の子だった。
そんな爽子の素顔を知ったのが、クラス一の人気者・風早翔太。対照的な立場の2人は、学校内外での様々な行事をきっかけに少しずつ心の距離を縮めていく。
登場人物・キャラクター
黒沼 爽子 (くろぬま さわこ)
女子高生。北海道にある北幌高校の1年生。長い黒髪と青ざめた白肌が醸し出す陰鬱な雰囲気をまとい、貞子という通称で周囲を恐がらせている。内面は純真で、人と仲良くなろうと日々努力を続ける前向きな少女。 実態を知った風早や千鶴らの温かい支えを得ていく。風早の人柄に憧れている。由来はホラー映画『リング』の山村貞子から。「一日一善」が座右の銘。
吉田 千鶴 (よしだ ちづる)
女子高生。北海道にある北幌高校の1年生。爽子のクラスメートで龍の幼馴染。あやねとは親友同士。爽子をよく知らない頃は恐がっていたが、彼女のピュアな内面を知るにつれ好感を抱き、深い友情を育む。 がさつな言動であやねのツッコミを受けることも多いが、義理人情に厚い。龍が自分を好きだということは気づいていない。「腹八分目」が座右の銘。
荒井 一市 (あらい かずいち)
爽子たちが通う北幌高校の体育教師。爽子たちのクラスの副担任のほか、龍が所属する野球部の顧問をつとめている。言動はわがままで無神経だが、時に生徒の悩みの核心をつくような一言を吐くことがある。 風早の父親がコーチしている少年野球チームの出身という縁から、風早・龍のことを幼少期から知っている古馴染み。「唯我独尊」が座右の銘。
真田 龍 (さなだ りゅう)
北海道にある北幌高校の1年生。爽子の男子クラスメート。野球部に所属し、4番打者でキャッチャー。風早の親友。風早が爽子と親しくなることで爽子と接する機会が増える。 千鶴とは幼馴染で昔から好意を抱いているが、千鶴に想い人がいるため告白していない。「不言実行」という座右の銘どおり、口数は必要最小限で行動は誠実。実家はラーメン屋。
矢野 あやね (やの あやね)
女子高生。北海道にある北幌高校の1年生。爽子のクラスメートで千鶴の親友。爽子をよく知らない頃は恐がっていたが、彼女のピュアな内面を知って好感を抱き、深い友情を育む。派手な容姿と裏腹に大人びており、面倒見がよく他人の気持ちを察する感性が鋭い。 豊かな恋愛経験により、爽子と風早のウブな関係へ実のある応援を施す。「眉目秀麗」が座右の銘。
風早 翔太 (かぜはや しょうた)
北海道にある北幌高校の1年生。爽子の男子クラスメート。気さくで爽やかな人柄が男女とわず誰からも慕われ、クラスの中心にいる人気者。周囲が気づかない爽子のひたむきさや可愛らしさをいち早く知り、恋愛感情をふくらませていく。 実家はスポーツ洋品店。千鶴および龍とは中学が同じで、とくに龍とは親友同士。「真実一路」が座右の銘。
北幌高校 (きたほろこうこう)
北海道にある高校。爽子たちが通う学校。野球部には龍が所属し、ピンが顧問をつとめている。敷地内に、爽子がいつも水やりをして丹念に世話している花壇がある。
クレジット
原作
君に届け (きみにとどけ)
椎名軽穂の代表作。雰囲気の暗さで悪目立ちする少女、黒沼爽子が北幌高校での学園生活を通して、かけがえのない恋と友情を手に入れ、悩みながらもそれを育んでいく。集英社「別冊マーガレット」にて2006年1月号... 関連ページ:君に届け