夜桜さんちの大作戦

夜桜さんちの大作戦

作者の権平ひつじの代表作。舞台は現代の日本。過去にトラウマを持つ朝野太陽は、幼なじみの夜桜六美以外とは、ほとんど話もできないまま高校生活を送っていた。そんなある日、凄腕(すごうで)のスパイから命を狙われた太陽は、六美がスパイ一家の当主であることを知る。ひょんなことから六美と結婚し、スパイの名家、夜桜家の一員となった太陽の奮闘と成長を描いたスパイコメディ。集英社「週刊少年ジャンプ」2019年39号より連載。テレビアニメ化され、2024年4月7日よりMBS、TBS系にて連続2クールで放送。

正式名称
夜桜さんちの大作戦
ふりがな
よざくらさんちのだいさくせん
作者
ジャンル
アクション
 
ギャグ・コメディ
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊26巻
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スパイ一家に一般人が婿入り

交通事故で両親と弟を失った朝野太陽は、大切な人を失うことが怖くなり、極度の人見知りになってしまった。唯一の例外は、事故直後から太陽を励まし見守ってきた幼馴染(すごうで)の夜桜六美だけだった。そんな六美がじつはスパイの名門、夜桜家の当主であることが判明。ある誤解から、太陽は六美を溺愛する兄、夜桜凶一郎から命を狙われてしまう。そんな状況を見かねた夜桜家の兄弟姉妹は、太陽の命を救う方法を教える。それは六美との結婚である。夜桜家は「家庭内殺人禁止」が絶対ルールなのだ。夜桜家の兄弟姉妹を倒した凶一郎は、六美を捕らえ、外出も学校も恋愛も禁止しようとする。「今まで自分を守ってくれた六美を、これからは自分が守る」そう決意した太陽は、凶一郎の武器に血まみれになりながらも、六美と「桜の指輪」を交換する。これにより二人の結婚が成立し、太陽は夜桜家に婿入りすることになった。

夜桜家の過激なスパイ訓練

夜桜家は、江戸の忍びを起源とするスパイの名家である。代々超人的な人材を輩出しているが、どの代でも必ず一人生まれる常人が「当主」になることが決まっている。それは、当主の子供が必ず超人的な人材に育つことから、夜桜の血筋を確実に受け継いでいけるからである。そんなわけで、10代目当主の夜桜六美は一族の「命」であり、彼女を守ることが家族の使命なのだ。そんな夜桜家に婿入りした太陽は、基礎体力をつけるために50~100キログラムの衣服を着用し、射撃訓練のほか、ピッキングやパスコードの解析訓練、音感知式落とし穴を避ける静音訓練、赤外線センサーを回避する特殊移動訓練、耐性をつけるための毒摂取など、あらゆる訓練を受けて急速に成長していく。太陽が頑張れるのは、今までずっと自分を励まし続けてくれた六美を、これからは自分が守るという強い思いからである。

超人的な力を持つ夜桜一族

スパイ同士のバトルは、鍛え抜いた体術と磨き抜いた技術のぶつかり合い、そして情報収集による知略戦である。基本的には、実在する武術の応用と高度な科学技術によるスパイ道具が武器となる。しかし、夜桜一族のような高名なスパイになるとその能力は超人の域に達する。長男の凶一郎は「鋼蜘蛛」と呼ばれる無数の鋭利なワイヤーを自在に操り、長女の二刃は、夜桜式柔術「しだれ組手」の達人である。次男の辛三は銃火器をはじめ武器のスペシャリストで、次女の四怨はゲーマー兼天才ハッカー。三男の嫌五はあらゆる者に化ける変装の天才で、四男の七悪は超怪力にして医学薬学に精通し、体内で細菌爆弾を無毒化できる特殊体質の持ち主である。これら超人的な才能を持つ「家族」が、才能を継ぐ「当主」を守るのが夜桜家なのである。

コミカルでシリアスなスパイストーリー

スパイ業界のニュースは「週刊スパイ」や「スパイデー」といった週刊誌に掲載されたり、スパイの口コミサイトにアップされたりする。ちなみに凶一郎は「女性スパイが選ぶ狙われてみたい男ランキング」不動の1位であり、太陽も新人ルーキーとして人気が高い。また、業界には様々な組織や人材があふれており、民間組織やフリーランス以外にも、政府直属の諜報機関「ヒナギク」という公務員のエリート組織もある。彼らの本部は内閣府庁舎の隣にある「喫茶ヒナギク」の地下。夜桜家とも交流があり、室長の女性、不動りんは、凶一郎の中学時代の同級生でケンカ仲間である。そんなヒナギクからの依頼で、政治家の黒百合義正の潜入捜査をしていた太陽は、家族の交通事故についての手がかりを得る。コミカルなドタバタ劇を描きながら、シリアスなドラマが展開していくのも本作の特長である。

登場人物・キャラクター

朝野 太陽 (あさの たいよう)

16歳の高校2年生男子(初登場時)。夜桜六美とは幼馴染でクラスメイト。身長は170センチメートルで赤いツンツンヘアーと右目の上の切り傷が特徴。心優しい性格で自分よりも他人を優先するお人好し。数年前に交通事故で家族を亡くして以来、親しい人間を失うことへの恐怖から極度の人見知りになる。六美を除き、他人とはまともに会話もできない。ひょんなことから六美と結婚し、夜桜家に婿入りする。以降、一人前のスパイになるため、厳しい訓練を受ける。特殊な才能や身体能力は持たない一般人だが、常人離れした努力によって、凶一郎たちの想定を超える速さの成長を見せる。主な武器は、800万ボルトの電気銃である夜桜式護身銃・八重。

夜桜 六美 (よざくら むつみ)

16歳の高校2年生女子(初登場時)。朝野太陽とは幼馴染でクラスメイト。身長163センチメートルで青色のロングヘアーだが、ある事件の後遺症で、髪の毛の一部が白髪になっている。スパイ一家の三女で10代目当主。当主という立場から、様々な敵対組織から常に命を狙われており、兄妹たちに守られている。兄の夜桜凶一郎からは、異常な溺愛を受けている。凶一郎から狙われた太陽の身を守り、自分も凶一郎の束縛から逃れるため、太陽と結婚する。

夜桜 凶一郎 (よざくら きょういちろう)

夜桜家の長男。21歳(初登場時)で、身長は185センチメートル。業界でも一目を置かれている凄腕のスパイで、戦闘では「鋼蜘蛛」と呼ばれるワイヤーを操る。妹の夜桜六美のことを異常なまでに溺愛しており、彼女に近づく男を密かに排除していた。六美と結婚した朝野太陽には殺意を抱いているが、「家族内での殺人は禁止」という夜桜家のルールにより、手を出せなくなっている。六美を守れるよう、太陽に訓練を施しているが、訓練に耐えられずに太陽が死んでも構わないと考えている。「昼川」という偽名を使って六美たちの通う学校に潜入、教頭を務めている。

書誌情報

夜桜さんちの大作戦 26巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2020-02-04発行、 978-4088821788)

第14巻

(2022-09-02発行、 978-4088832272)

第15巻

(2022-11-04発行、 978-4088832883)

第16巻

(2023-01-04発行、 978-4088834207)

第17巻

(2023-04-04発行、 978-4088834481)

第18巻

(2023-07-04発行、 978-4088835679)

第19巻

(2023-09-04発行、 978-4088836676)

第20巻

(2023-11-02発行、 978-4088837482)

第21巻

(2024-01-04発行、 978-4088837949)

第22巻

(2024-03-04発行、 978-4088838458)

第23巻

(2024-04-04発行、 978-4088840024)

第24巻

(2024-06-04発行、 978-4088841199)

第25巻

(2024-08-02発行、 978-4088841342)

第26巻

(2024-10-04発行、 978-4088842127)

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