暗殺後宮~暗殺女官・花鈴はゆったり生きたい~

暗殺後宮~暗殺女官・花鈴はゆったり生きたい~

古の北祇の国。友達が欲しくて後宮に入った宮女見習い・王花鈴(おうかりん)だったが、悪名高い父のせいで恐れられ、皆から避けられてしまう。そんなある日のこと。花鈴は、華やかな後宮の裏側で皇位継承権を巡るドロドロの戦いが繰り広げられていることを知る。幼い皇帝を守るため、暗殺術を駆使して戦う花鈴の姿を描いた、後宮ファンタジー。小学館「月刊!スピリッツ」2021年10月号より連載を開始。

正式名称
暗殺後宮~暗殺女官・花鈴はゆったり生きたい~
ふりがな
あんさつこうきゅう あんさつじょかん かりんはゆったりいきたい
作者
ジャンル
東洋史
 
アクション
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊5巻
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概要・あらすじ

はるか昔、古の北祇の国。数千人の女達が暮らす後宮に、伝説の宮女見習いがいた。彼女の名は王花鈴(おうかりん)。友達が欲しくて、後宮で働くことを決めた花鈴だったが、誰一人彼女に近づこうともしなかった。それは彼女の父が、宮廷を陰で牛耳る極悪非道の悪徳文官・王皓(おうこう)だからだった。邪魔者を平然と拷問・暗殺した悪逆無類の政治家の娘だと聞いただけで、誰もが悲鳴を上げて逃げていってしまうのだ。12月8日に行われる宮中行事・臘祭(ろうさい)を間近に控えたある夜のこと。ほかの宮女見習いの嫌がらせを受け、ひどく落ち込んだ花鈴は、雨に濡れながら一人で泣いていた。するとそこへ小柄な少年が現れ、「風邪をひくよ」と、花鈴に傘を渡して去っていった。後宮にいる少年は、皇帝陛下・暁星(ぎょうせい)ただ一人である。皇帝の優しさに触れた花鈴は、めげずにもう一度友達づくりを頑張ろうと心に決めた。臘祭当日。廷内に羊を届けるため、畜舎に向かった宮女見習いの徐珠(じょじゅ)が、一刻をすぎても戻ってこない。花鈴は自ら申し出て、徐珠を捜しに出かける。その途中花鈴は、美しく装飾された羊を連れた宮女と出会う。宮女は献上の儀に行くというが、不審な点がニつあった。まず、花鈴を怖がらず普通に話しかけてきたこと。そして、花鈴がその宮女の顔を知らないことだった。花鈴は宮女見習いになる際、父・王皓の命令で、後宮にいる人間の氏名と特徴をすべて覚えている。花鈴が知らないということは、彼女は後宮の人間ではなく間者なのだ。慌てて畜舎に駆けつけた花鈴は、着物を奪われて死んでいる徐珠を発見する。正体を見破られたことを察した間者は、花鈴を殺そうとあとを追ってきた。間者の目的は皇帝暗殺だった。後宮には皇位を狙う勢力が複数おり、皇帝の味方は一人もいないという。それを聞いた花鈴は、腕輪に仕込んだ武器で間者を返り討ちにした。皇帝陛下はただ一人自分に優しくしてくれた人である。その恩に全身で報い、後宮で友達づくりを頑張ろう。花鈴は、そう決意を新たにするのであった。

登場人物・キャラクター

王 花鈴 (おう かりん)

宮廷を陰で牛耳る悪徳文官・王皓(おうこう)の娘。父親譲りの目つきの悪さ、ギザギザの歯が特徴の少女。後宮の宮女見習いを経て、正式な宮女となり「寝尚」というお掃除係として働く。極悪非道として名高い父のせいでまったく友達ができないため、家から出ることを計画。後宮で働き、そこで友達をつくろうと考える。後宮で働く条件として、父から定期的な状況報告を義務付けられており、後宮にいるあらゆる人間の氏名と特徴を覚えさせられた。この世に存在するすべての暗殺術を習得しており、腕輪に武器、衣の留め具にノコギリを忍ばせている。自分に唯一優しくしてくれた皇帝陛下・暁星(ぎょうせい)を守るために、彼の命を狙う暗殺者と闘いを繰り広げる。

王 皓 (おう こう)

王花鈴(おうかりん)の父親。宮廷を陰で牛耳る極悪非道の悪徳文官で、目付きの鋭い超絶美形。出世のための拷問・暗殺を当たり前に行い、宮中の誰からも恐れられている。悪い噂も数多く、反逆者の手足をもいでツボに入れ、その生き血で若さを保っているともいわれている。花鈴が宮女になる条件として、定期的な状況報告と隠し武器の携帯を義務づけた。

暁星 (ぎょうせい)

北祇国第五代皇帝。二人の異母兄たちが立て続けに暗殺され、先帝の遺言によってわずか10歳で即位した幼き帝。病弱な小柄な少年で、優しく穏やかな性格をしている。雨の夜、ずぶ濡れで泣きじゃくっていた王花鈴(おうかりん)を見つけ、傘を貸してあげる。後宮を牛耳ろうとする、娥太妃(がたいひ)、憲嫄太皇太后(けんげんたいこうたいごう)、光姫長公主(こうきちょうこうしゅ)の争いに巻き込まれ、命を狙われている。

娥太妃 (がたいひ)

亡き先帝の正一品(せいいっぴん)、麗妃(れいひ)。大将軍の娘でもある。後宮で勢力を分ける三人の女傑のうちの一人。先帝とのあいだに生まれた皇子がいる。12月8日に行われる宮中行事・臘祭(ろうさい)で、皇帝・暁星(ぎょうせい)の暗殺を企て、刺客を放つが失敗に終わる。

憲嫄太皇太后 (けんげんたいこうたいごう)

亡き先帝の生母で、現皇帝・暁星(ぎょうせい)の祖母。後宮で勢力を分ける三人の女傑のうちの一人。絶大な力を持つ後宮の主であり、暁星に大量の政務を押し付けている。

光姫長公主 (こうきちょうこうしゅ)

亡き先帝の一人娘。皇帝・暁星(ぎょうせい)の義理の姉(異母姉)にあたる。後宮で勢力を分ける三人の女傑のうちの一人。兄が二人いたが、いずれも暗殺されている。

張 鴻 (ちょう こう)

王花鈴(おうかりん)の同僚。商家出身で、目の下のホクロが特徴の少女。花鈴から一方的に好かれている。後宮の宮女見習いを経て、正式な宮女となり「食尚」という食事係として働く。6人部屋で花鈴と同室となり、恐れおののく。

周女官 (しゅうにょかん)

居場所がなくなった女官・宮女が暮らす「北の閑宮」にいる女性。たくさんの鳥を飼っている。役人だった父を王皓(おうこう)に殺され、後ろ盾をなくして閑宮に送られる。そのため王花鈴(おうかりん)に恨みを持ち、訪ねてきた花鈴を閉じ込め、毒鳥で殺そうとする。元の地位に戻れることを条件に、皇帝・暁星(ぎょうせい)の暗殺依頼を受諾。毒鳥を皇帝に献上しようとする。しかし、花鈴の鳥寄せの術で、逆に毒鳥の犠牲となって命を失う。

書誌情報

暗殺後宮~暗殺女官・花鈴はゆったり生きたい~ 5巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2022-02-10発行、 978-4098612451)

第2巻

(2022-07-12発行、 978-4098613298)

第3巻

(2023-01-25発行、 978-4098615803)

第4巻

(2023-07-12発行、 978-4098617364)

第5巻

(2024-03-19発行、 978-4098626328)

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