概要・あらすじ
八曲警察署に赴任した新人婦人警官の川村さゆりは、先輩の草壁純と出会う。署長の命を受けてさゆりと純は、コンビとして職務を遂行することになった。ある日、パトロールの途中、駐車違反の取り締まりを終えたさゆりは、純にほめてもらえずにしょげかえってしまう。純は、そんなさゆりに喝を入れようとする。
登場人物・キャラクター
川村 さゆり (かわむら さゆり)
八曲警察署に赴任したばかりの婦人警官。いつも明るく元気いっぱいの21歳。財閥の令嬢として育ったために世間知らずなところがあり、対峙した犯人にはなめてかかられることも多い。草壁純を「センパイ」と呼んで慕い、共に職務経験を積むうちに警官として成長していく。
草壁 純 (くさかべ じゅん)
八曲警察署に勤める若い婦人警官。姉御肌で、誰に対しても裏表がない性格。行動派で、体術を活かして犯人を数多く逮捕している。出会った直後こそ、お嬢様育ちの川村さゆりにペースを乱されて戸惑っていたものの、次第に相棒として認めて気にかけるようになっていく。
署長 (しょちょう)
八曲警察署の署長の男性。川村さゆりの赴任当日、さゆりと草壁純をコンビにする案を思いつき、署長命令を下した。おおらかな性格で会話中も笑顔が絶えない。さゆりと純のことは苗字でなく名前で呼んでいる。どんな犯罪も見逃すことを許さない強い正義感を持つ。
森村 祐介 (もりむら ゆうすけ)
八曲警察署捜査課に配属されてきた新人。川村さゆりと草壁純の後輩にあたる。元気で素直な青年で、思っていることをはっきりと言うタイプ。赴任早々のアクシデントで、会うなりさゆりの服を脱がしてしまったため、しどろもどろの職務スタートとなった。さゆりに好意を持っており、その気持ちがすべての原動力となることが多くある。 純のことも先輩としてリスペクトしているが、たまに存在を忘れてしまうことがある。さゆりにとっては初めての後輩。しょうもないダジャレのセンスの持ち主。
喜多見 徹 (きたみ とおる)
草壁純の幼なじみの男性。テニスクラブを経営している。学生時代に純と一緒にテニスの大会に出場して優勝した経験がある。自分の夢を叶え、純との約束を果たそうとする。純を想い、その性格をよく理解していて、警官としての職務を全うしようとする純を応援している。
川村 明雄 (かわむら あきお)
川村さゆりの父親。川村コンツェルンの社長を務め、おだやかな物腰で娘と妻はもちろんのこと、他人にもいつも笑顔で接する。さゆりとはとても仲の良い親子で、娘のためならば、独断で事件現場に駆けつけて犯人と自ら交渉するなど、大胆な一面もある。
さゆりの母 (さゆりのはは)
川村さゆりの母親。家でも外出先でも常に着物を着ている、上品で楚々とした雰囲気の女性。夫である川村明雄といつも一緒で仲が良く、歳を重ねてもいつまでも若々しい。見た目も成人した娘がいるとは思えないほどで、さゆりと非常によく似ている。
大西 (おおにし)
川村家の運転手。初出勤の日に、寝坊した川村さゆりを八曲警察署まで送り届けた。さゆりに対しては丁寧で折り目正しい態度で接しているが、出勤するさゆりの短いタイトスカートから見えるはちきれそうな太腿に、密かに鼻血を出している。
三枝 (さえぐさ)
川村さゆりと草壁純が参加した合宿研修会で、教官を務めた婦人警官。階級は巡査長。ですます口調で話す、真面目な性格。ぴっちりとまとめた髪型でつり目の眼鏡をかけたお堅い印象だが、さゆりと純の痴漢の模擬演技に、顔を赤らめるうぶな面もある。教官としての指導は厳しい。
池上 麻美 (いけがみ まみ)
川村さゆりと草壁純が宿泊したホテルで開催されたミスコンテストの出場者で、エアロビクスインストラクターをしている女性。グラマラスなボディにエキゾチックな雰囲気を持つ美人。自分の美しさに自信を持ち、言動も強気で、同じくコンテストに出場したさゆりを、強くライバル視している。
実況八神 (じっきょうやがみ)
川村さゆりと草壁純が宿泊したホテルでのミスコンテストで、司会役を務めたレポーターの男性。カジュアルなファッションと眼鏡で、テンションの高い実況を得意としている。ホテル以外にも、実況とレポートを必要とする場所に度々現れては、その場を盛り上げる。一般に公開されていない警察内部の選考会や運動会にも現れる謎の多い人物。
まこと
川村家の近所に住む男の子。川村さゆりに懐いている。川村家に草壁純が宿泊した際、さゆりと間違えて純のベッドに潜り込んだ。純を「ばばあ」と呼んでからかうものの、女性への評価は意外と冷静で、純を高く評価している。女性の身体を触るのが好き。
結城 麻菜美 (ゆうき まなみ)
芸能事務所「大沢プロダクション」所属の女性アイドル歌手。熱狂的なファンがついており、大きなホールを観客でいっぱいにするほどの人気を誇る。川村さゆりと草壁純に、コンサート当日のボディーガードを依頼した。猫を飼っている。
箱師28号 (はこしにじゅうはちごう)
八曲警察署管轄の電車内でスリをはたらく常習犯の男性。正体は不明だが若い女性しか狙わない。犯行時間は朝夕の通勤通学時間帯に集中している。狙った相手に後ろから近づいて胸や尻を触って気をそらし、そのスキにスリを行う。
タージ・マルコス (たーじまるこす)
F国の王子。切れ長の目を持つ優男風のイケメン。F国大使公邸でパーティーを主催した際、その裏で大量の麻薬を密輸入した疑惑で、八曲警察署の捜査対象となる。人目のない場所では王子の威厳がまったくなく、鼻の下を伸ばした、ただのスケベ男である。
秋元 (あきもと)
スーパーに売上金目的で強盗に入った後、警察の研修施設に逃げてきた若い男性。子分の男との2人組で行動している。顔に刃物傷があるなど、風貌は強面。就寝しようとしていた婦人警官たちを人質にしてたてこもる。アルコールには非常に強く、かなりの量を飲んでも酔わない。前科三犯。
カントク
川村さゆりが街で出会った男性。表向きは映画監督だが、一般の女性を一本釣りでスカウトして、ポルノビデオに出演させている。大森とグルになって女性を誘っている。ターゲットの女性を褒めちぎって、その気にさせたうえで撮影場所に呼び出すのが手口。
大森 (おおもり)
カントクと組み、一般の女性をポルノビデオに出演させている男性。女性受けの良い爽やかな印象のイケメン。女性の相手役としてもビデオに出演している。恋人同士を演じながら女性の服を脱がせ、さらに過激な行為へと持ち込もうとする。
和光 厚樹 (わこう あつき)
下着メーカー「ワコーシャル」の専属デザイナー。落ち着いた雰囲気の男性で、高級な下着のデザインを担当している。警備依頼側の担当者として川村さゆりと草壁純に出会うが、当初は女性2人が警備を担当することに不安を感じていた。
誘拐犯人の男たち (ゆうかいはんにんのおとこたち)
川村家の前で車で待ち伏せし、まことを誘拐した2人組。まことを川村家の子供と見誤っていた。非常に荒々しいしゃべり方で、自分の気に入らないことがあると、仲間でも容赦なく暴力を振るう。頭に血がのぼりやすく、カッとなりやすい性格。
宝石泥棒の男 (ほうせきどろぼうのおとこ)
となり町の宝石店で窃盗を働いた男性。八曲警察署の管内に潜伏しているとされている。盗んだ宝石はホステスの気を引くため、キャバレーでばらまいている。ヒゲと眼鏡で変装しているが、川村さゆりと草壁純にすぐに見抜かれた。キャバレーのイベントタイムに便乗し、さゆりを酔わせて、言いなりにしようと企む。
客引きの男 (きゃくひきのおとこ)
八曲市の繁華街の制服キャバレーで客引きをしている男性。職務中の川村さゆりを自分の店のホステスと勘違いし、店に連れ帰った。さゆりが本物の婦人警官であることはもちろん、新入りの客引きを装ってこの店を捜査していた草壁純の正体にも、まったく気づいていない。
横江 (よこえ)
T女子大助教授で、心理学の研究をしている男性。催眠術を使った暴行事件の被疑者として、八曲警察署の捜査対象となる。大学では非常に人気があり、講義終了後には、集まる学生たちに周囲をぐるりと囲まれるほど。見た目は若く、大学生と同じ位の年齢に見間違えてしまいほど。
コーチ
川村さゆりが体力をつけるために通っているアスレチッククラブのインストラクター。よく鍛えられた筋肉隆々の身体に短髪の、いかにもスポーツマンという印象の男性。相手を熱く励ましながら、スポーツ根性ドラマのようなスタイルのコーチングを得意としている。生徒はほめて育てるのがモットー。
霊能力者 (れいのうりょくしゃ)
新興宗教「マコトラ教」の教祖。「マコトラの館」と銘打った館で除霊を行っている男性。館に派手で大掛かりなセットを組んでいる。除霊と称してはいるが、霊が憑いているとだましながら、相談者にいやらしいことをするのが目的。除霊の方法も、かなりいいかげんでめちゃくちゃである。
講談組組長 (こうだんぐみくみちょう)
暴力団「講談組」の組長。冷徹な表情の無口な男性で、何が起きても冷静さを崩すことがない。高級料亭で賭場を開帳した際に、八曲警察署の捜査対象となる。組でいかさまの博打を行っている疑いがあるが、組長自身は本当に賭け事に強く、ただ者ではないとの噂がある。
間賀神組組長 (まがじんぐみくみちょう)
暴力団「間賀神組」の組長。ざっくばらんな性格の壮年の男性で、感情がわかりやすく、すぐ態度に出る。講談組が開帳する賭場の客であり、八曲警察署の捜査に協力し、高級料亭で開帳された賭場に川村さゆりを連れていく。講談組との賭博では負け続けている。
ヤッパの政 (やっぱのまさ)
刑務所から出所したばかりの前科十犯の男性。街で女性のハンドバッグを盗んむところを、パトロール中の川村さゆりと森村祐介に発見され逃亡する。警察なんか怖くないと豪語し、どんな場所でもおかまいなしにナイフを振り回す危険な人物。
高樹 陽司 (たかぎ ようじ)
結婚紹介システムに申し込んだ川村さゆりが、マッチングされた相手の男性。二重まぶたに高い鼻のイケメン。甘いルックスと言葉でさゆりをその気にさせる。貴金属の会社を経営しているらしいが、さゆりに対するその言動などから、草壁純と森村祐介には本当かどうか怪しまれている。
プリンセス・アーニャ (ぷりんせすあーにゃ)
日本の商社との取引のために来日したヤダイ王国の王女。意思の強そうな目元が印象的な美人。川村さゆり、草壁純、森村祐介の3人で、彼女のSPを務めることとなる。日本の警察をあてにしておらず、3人に会うなり、若くて頼りないと素直な感想を漏らす。
小手面 三郎 (こてめん さぶろう)
下着屋「小手面堂」の社長で上品な老紳士。街中のあらゆる場所で下着の調査に勤しんでいる。調査では熱心にメモを取っている。女性の胸や尻を触って調査するため八曲警察署に被害届が出され、事件となってしまう。下着屋としての腕は確かで、身体を見ただけでサイズがわかってしまうほど。
恭子 (きょうこ)
県立八曲高等学校に通う女子高生。飲酒や喫煙をしたり、バイクで暴走するなど素行不良が問題視されている。大人から金銭を巻き上げる計画を話しているところを、偶然に草壁純に聞かれてしまう。つっぱってはいるが、根は素直。
十藤 静架 (じゅうどう しずか)
新人女性アイドル歌手。デパートの屋上でキャンペーンを行っている。川村さゆりと草壁純がキャンペーンの警護を担当した。イベントが始まった直後、ステージ上に無理やり上がってきたファンの少年に、衣装のブローチをむしり取られてしまう。
女子高生 (じょしこうせい)
おとなしそうな印象の普通の女子高生。催眠術を使った暴行の被害を受け、八曲警察署に相談にやってきた。被害の内容について話すうちに、最後は泣き出してしまう。八曲警察署には同様の暴行事件の被害届が出されている。
訪問販売の男 (ほうもんはんばいのおとこ)
草壁純の家を訪ねてきた下着販売の男性。スキンヘッドにつば付き帽子、サングラスをかけてトレンチコートを着ている。婦人物の下着の販売員としては一般的でない外見の人物。川村さゆりの家を複数回訪問し、さゆりに霊が憑いているとして後日、霊能力者を紹介してくる。
集団・組織
川村コンツェルン (かわむらこんつぇるん)
川村さゆりの父親・川村明雄が社長を務める財閥。かなりの資産を持っており、令嬢であるさゆりの初出勤日には、そそうがあってはいけないと署長自らが気を遣っていた。八曲警察署の捜査に協力をすることもある。
場所
八曲警察署 (はちまがりけいさつしょ)
川村さゆり、草壁純、森村祐介が勤務する警察署。ほとんどの署員が男性で構成され、女性は少数。署内での旅行など、イベントも数多く行われている。純が会議室のテーブルで度々寝泊まりしているが、署員の間ではいつものことと見なされている。