カルエゴが主人公のスピンオフ
原作の『魔入りました!入間くん』は、秋田書店「週刊少年チャンピオン」で2017年14号から連載された西修の学園ファンタジーコメディ。テレビアニメや舞台など、さまざまなメディアミックスが展開されたほか、スピンオフ作品や公式アンソロジーが発表されている。本作は、原作で教師を務めていたカルエゴが主人公を務め、若かりし学生時代のカルエゴやバラム、オペラの通う悪魔学校「バビルス」で起きていた、もう一つのサイドストーリーが描かれる。
若き日のカルエゴと友人の活躍
本作は主人公のカルエゴと、その友人であるバラムや腐れ縁のオペラとの出会いが描かれている。バラムは、その陰気な雰囲気から周囲の生徒から距離を置かれていたが、静粛な雰囲気を好むカルエゴから声をかけられ、やがて親友になる。一方のオペラは、校内で抗争を繰り広げていた時にカルエゴと出会った。当初は黒髪癖毛で男女の判別しづらい服に2本のツノが生えているという外見が似ていたことから、カルエゴはオペラと間違われて上級生から因縁をつけられ、からまれていた。そのため、カルエゴはオペラを敵視しているが、利害が一致したことでなし崩し的に手を組むことになる。そして彼らは「番長師団」と呼ばれるグループを結成し、悪魔学校「バビルス」でも名の知れた存在へとのし上がっていく。
内部腐敗が著しい「風紀師団」
「風紀師団」は、バビルス校内の治安維持を担っている集団。しかし、オペラは団員の姿や活動している様子をいっさい見たことがなく、カルエゴとバラムは、師団室がまったく使われていないことや、名簿に登録されている名前が明らかに偽名であるなど、怪しい点をいくつも明らかにする。そんな中、カルエゴたちはバビルスの地下で風紀師団の一味が悪質な商売に手を染めていることを知る。カルエゴは風紀師団がバビルスにとって害をなす存在であることを確信し、彼らと対決する決意を固める。
登場人物・キャラクター
ナベリウス・カルエゴ
悪魔学校「バビルス」に通う1年生の男子。入試主席「忠犬一族」と呼ばれる名家の出身で、バビルスに入学する前から、「番犬」としてバビルスを守護する役割を命じられている。静粛な雰囲気を好んでいるため騒がしいことが嫌いで、物静かな印象のバラムとは何かと気が合う。一方で、傍若無人なオペラとはいがみ合うことが多いが、いざという時は協力を惜しまない。カルエゴ自身の役割に誇りを持っており、バビルスの風紀を乱そうとする者には容赦しない。「粛に」が口癖で、主に学園内で騒ぎを起こした生徒を粛清した際に口にする。
バラム・シチロウ
悪魔学校「バビルス」に通う1年生の男子。人間のような身体と鳥の形をした手足を持ち、つねにマスクを被(かぶ)っている。生物学に高い関心を持っており、実験好きで絵本ばかり読んでいる。陰キャラのため周囲から奇異の目で見られているが、静粛な雰囲気を好むカルエゴとは気が合い、出会ってすぐに打ち解けて親友になる。また、オペラの高圧的な姿勢を前にしても動じることなく、彼女の仲間になることにも抵抗がないなど、外見に似合わず温厚な性格をしている。ただし、生命を冒瀆するような相手に対しては激しい怒りをあらわにし、オペラが賞賛するほどの実力を行使して粛清する。
ベース
魔入りました!入間くん (まいりました いるまくん)
作者・西修の2作目の連載作品にして代表作。鬼畜な両親によって、お金目的で悪魔に売り渡されてしまった少年・鈴木入間が主人公。悪魔の孫になって、悪魔学校に通うはめになった入間が、魔物たちのなかでハチャメチ... 関連ページ:魔入りました!入間くん