概要・あらすじ
越後守護代・長尾為景の子、虎千代(後の長尾景虎、上杉謙信)は、父に出自を疑われ、疎んじられていたが、強く育っていく。父の死をきっかけに、争いはますます広まり、ついに父の跡を継いだ兄の長尾晴景と戦う。越後統一を果たした長尾景虎は、家臣たちの争いに嫌気がさし、突然頭を丸め、隠居すると言い出すのだった。
寺にこもる長尾景虎に、武田軍が北信濃に侵攻したとの報せが入る。これを聞いた長尾景虎は、武田晴信(後の武田信玄)と戦うことを決意するのだった。
登場人物・キャラクター
長尾 景虎 (ながお かげとら)
幼名は虎千代。長尾為景の息子だが、自分の子かどうか疑いを抱かれ、出家させられてしまう。その後、栃尾の本庄慶秀のところへ追放された。宇佐美定行に兵法を習い、父・為景の死をきっかけに、戦乱の世に出ていく。越後を平静にするために、兄の晴景を隠居させ、越後守護代となる。 その後、突然頭をまるめ隠居するが、武田軍の進攻を耳にし、宿命の対決へと出ていく。歴史上の実在の人物、上杉謙信がモデル。
長尾 為景 (ながお ためかげ)
越後守護代。春日城城主。虎千代の父。四度目の妻・袈裟との間に出来た虎千代だったが、嫁に来て三ヵ月経たときに、既に身ごもって三ヵ月と言われ、自分の子ではないと疑い冷遇する。歴史上の実在の人物、長尾為景がモデル。
袈裟 (けさ)
虎千代の母。長尾為景の四人目の妻で20歳。虎千代が幼少の頃に病死。歴史上の実在の人物、青岩院がモデルと思われるが、彼女は上杉謙信が30歳の頃まで生きている。
長尾 晴景 (ながお はるかげ)
長尾景虎の異母兄。無気力で色におぼれる人間だが、越後守護代は長尾家の血筋より選ぶということから、越後守護代となる。歴史上の実在の人物、長尾晴景がモデル。
宇佐美 定行 (うさみ さだゆき)
長尾景虎に請われ、兵法を教える。歴史上の実在の人物、宇佐美定行がモデル。
乃美 (なみ)
宇佐美定行の娘。長尾景虎と出会い、互いに意識して行くようになる。
金津 新兵衛 (かなつ しんべえ)
長尾景虎の教育役。父に追放された長尾景虎とともに行動し、支えていく。歴史上の実在の人物、金津義旧がモデル。
松江 (まつえ)
越後の農家の出身で、長尾為景の側室でありながら武士のように戦う。怪力の持ち主。
鬼小島 弥太郎 (おにこじま やたろう)
長尾景虎の配下。松江と結婚し、長尾俊景を討ち取るなどの活躍をする。
武田 晴信 (たけだ はるのぶ)
甲斐武田家当主。長尾景虎とは、川中島で五度の戦いを行う因縁の間柄。入道後、信玄となる。風林火山の軍旗を使い、知略に優れている。