転生! 竹中半兵衛 マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く

転生! 竹中半兵衛 マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く

青山有の小説『転生! 竹中半兵衛 マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く』のコミカライズ作品。竹中半兵衛をはじめとする八人の武将として、同時期に戦国時代に生まれ変わった転生者である現代日本人たちは、平和に安心して暮らせるように互いに知恵をしぼり、協力して歴史を改変しながら、織田信長の打倒を目指す。少々マイナーな八人の武将たちの戦いを描く、転生IF戦記。

正式名称
転生! 竹中半兵衛 マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く
ふりがな
てんせい たけなかはんべえ まいなーぶしょうにてんせいしたなかまたちとせんごくらんせをいきぬく
原作者
青山 有
漫画
ジャンル
戦国
 
転生
レーベル
モンスターコミックス(双葉社)
巻数
既刊7巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

八人の転生者

現代日本で暮らしていたうだつの上がらない一人のサラリーマンは、桶狭間の戦いを3か月後に控えた永禄3年(西暦1560年)2月初めに、戦国武将「竹中半兵衛」として生まれ変わった。転生するや熱病に倒れ、ようやく意識を取り戻した日の夜、半兵衛は自分が不思議な場所にいることに気づく。そこにはデスクと、モニターに「茶室」というチャットルームへの入室画面が表示された一台のノートパソコンだけがあった。困惑しながら半兵衛がチャットルームに入ってみると、そこには自分と同様に現代日本から戦国武将として生まれ変わった転生者たちがいた。ここで、自分を含めて八人の転生者がいることを知った半兵衛は、あまり無理をしそうにない人に天下を取ってもらい、自分たちは楽隠居を決め込むというほかの転生者たちの提案に同調。互いに可能な限り意見を出し合い、この先を生き延びていくための計画を練る。そして、各々の領地に適した経済政策を話し合うと同時に、みんなで協力して織田信長や徳川家康の配下の登用を進め、将来的に自分たちの障害になるであろう、彼らの勢力の弱体化を図ることを約束するのだった。

竹中半兵衛の生存戦略

チャットルーム「茶室」で転生者たちと話し合った翌日、竹中半兵衛竹中善左衛門竹中重光竹中久作ら重臣を集め、現代知識を生かした政策を提案。そして、これまでにない新しい農具や武器や防具の開発、さらに身分や経歴を問わずに有能な武将の登用を進めていく。そんな中、領内の寺が人さらいや野盗と組んで孤児を使い、私腹を肥やしているという情報をつかんだ半兵衛は、賊の掃討と同時に寺の改革を開始。自らの手を汚しつつも寺から座の権利を取り上げ、同時に民衆の不満が悪徳坊主に向くように仕向けて、半兵衛自身の名声と領地の安定を確かなものにしていく。こうして足元を固めた半兵衛は、桶狭間の戦いのあと、信長の脅威に直接さらされることになる西美濃の情勢へと目を向ける。折よく、半兵衛のもとには、西美濃の実力者の一人である安藤守就から縁談が舞い込んでいた。史実どおり守就の娘のを妻に迎えた半兵衛は西美濃勢との結束を固め、その後見のもと国主の斎藤義龍に、信長に対抗するために竹中家と領土を接する近江国の浅井家と結ぶべきという策を進言する。だが、義龍は病の進行が早く床に臥せており、このままではせっかくの策が、跡継ぎの暗愚な斎藤龍興ににぎりつぶされてしまうことが予見された。このことに西美濃勢は動揺するものの、実はここまでのすべては半兵衛の計画どおりだった。せっかくの進言が退けられれば、信長の脅威に直面する西美濃勢が斎藤家に反発するのは必至で、そうなれば半兵衛が西美濃を掌握するのも時間の問題となる。しかも半兵衛は、義龍の裁可を待たず、舅の守就と協力して秘密裏に浅井家と結び、信長を相手にする際の後顧の憂いを断つ盤石の準備を進めていたのである。そんな中、夢の中で再び茶室が開催される。これによって半兵衛は、月に一度茶室が開催されることを確信。さらに転生者同士で米相場を操作し、金儲けをする計画が持ち上がる。

稲葉山城攻略

との祝言を済ませ、竹中半兵衛が一時の平穏を堪能する中、彼のもとに史実よりもだいぶ早い斎藤義龍の訃報が届けられた。このままでは、近江国の浅井家と結ぶ計画が半兵衛に反感を抱く斎藤龍興斎藤飛騨守に露呈し、逆賊として始末されかねない。ここに至って半兵衛は、龍興をかつての国主だった土岐氏に成り代わって美濃国主を騙(かた)る大罪人と断じ、稲葉山城を攻めることを配下に宣言。そしてそれを足掛かりに、桶狭間の戦いに出向いた織田信長が留守にしている清州城を攻める計画を立案する。そのための準備として、かねて龍興に求められていた人質として、竹中久作が龍興の居城である稲葉山城へと送られることとなった。迎えた5月、いよいよ桶狭間の戦いを目前に控えた転生者たちは、チャットルーム「茶室」で入念な計画のすり合わせを行っていた。そこで半兵衛は伊東義益から、手中におさめた村上水軍を使って、海上方面より信長を牽制するという予想だにしていなかった計画を打ち明けられ、信長包囲網がより強固になったことに喜びを爆発させる。そして世紀の一戦を前に、転生者たちは必ず生きて会うことを誓い合い、あらためて日常へと戻っていくのだった。それからほどなく、半兵衛のもとに信長が清州城を発ったとの報告がもたらされる。さっそく半兵衛は、史実において実際の「竹中半兵衛」が使った策を用いて、久作を見舞うという名目で重臣らと共に稲葉山城を訪問。そして欲にまみれた飛騨守を賄賂でうまく丸め込み、隠した武器弾薬を場内に持ち込むことに成功する。夜になり、持ち込んだ武器で装備を整えた半兵衛たちは、一斉に蜂起して「織田信長が攻めて来た」と大声で触れ回りながら、城内の兵を討ち倒していく。混乱する稲葉山城で斎藤家臣の有力な武将を次々と討ち、ついに龍興と飛騨守も討ち果たすことに成功した半兵衛は、後方を久作に託し、手早く軍をまとめてそのまま清州城へ向けて出立するのだった。

桶狭間の戦い

時はさかのぼり、今川義元が尾張国に向けて出陣する直前。史実では桶狭間の戦い後に今川家から離反する松平元康のことを、今川氏真は警戒していた。彼が織田信長と結んでから今川家の没落が始まることを知っている氏真は、竹中半兵衛のアドバイスを参考に元康の動きを先読みし、自らが岡崎城に後詰として入って元康を牽制しようと計画。寿桂尼の協力を得て、義元のもとから蒲原氏徳井伊直親という二人の名将を直属の配下に迎えて戦力を整えるとともに、前線に出る親友の朝比奈泰朝には、万一今川家が織田家に敗れた際は、敗残兵をまとめて岡崎城へ向かってほしいと言い含めていた。その後、史実どおりに義元は桶狭間で信長に討たれ、さらに元康がひそかに今川軍の兵糧に毒を盛っていたことで、前線の今川軍は壊滅的な被害を受けてしまう。そんな中、からくも生き延びた泰朝は、氏真との約束を果たすため、敗残兵の取りまとめに奔走。これに時間がかかると見た元康は、そのスキに岡崎城の奪還へと向かう。だが、ようやくたどり着いた岡崎城には今川家の旗がはためいており、呆然とする元康のもとに、今回の裏切りを問いただす氏真の書状が届けられる。氏徳や直親の反発を受けながらも氏真が元康に出した条件は、元康の身を差し出せば人質は助けるというあまりにも甘いもので、これを受けた元康は出頭し、岡崎城の前で氏真と対面する。だが、あらかじめ一部の今川兵を味方につけ、あえて捕えられたふりをしていた元康は、氏真の甘さに付け込み、その場で自ら縛を解いて氏真を襲撃。大きな被害を出しながら、氏真はほうほうの体で岡崎城内へと退却する。

岡崎城の攻防

岡崎城内の今川氏真軍は1000人、対して攻める松平元康軍は2000人と兵力に二倍の差があるうえ、松平軍は岡崎城を知り尽くしていた。氏真軍は厳しい戦いに疲弊し、氏真自身もこの状況に明確におびえた様子を見せ始める。だが、強行軍で岡崎城に来た松平軍は荷駄隊もなく、また数が減ったとはいえ当初は2万人いた前線の今川軍が救援に現れて、場内の氏真軍と挟撃されればひとたまりもない。被害を覚悟で短期決戦を挑むしかない松平軍もまた、厳しい情勢にあることはまちがいなかった。蒲原氏徳はそう伝えて氏真を励ましながらも、彼の様子に失望を隠せずにいた。そんな中、待ち望んでいた朝比奈泰朝の部隊がついに岡崎城に到着する。その数およそ1000人。だが元康はそんな状況にあって、泰朝軍をなで斬りにして氏真を岡崎城から引きずり出す策を選択。城攻めを中断し、即座に泰朝軍に襲い掛かる。敗残兵ということもあり、もともと部隊の士気は低かったため、泰朝は討ち取られ、指揮を失った援軍は甚大な被害を受けてしまう。親友にして右腕の泰朝を失い、さらに援軍に駆けつけた兵たちが蹂躙(じゅうりん)される様子を目の当たりにして、自らの甘さを痛感した氏真は、ここに至ってついに覚悟を決め、戦国武将として覚醒。岡崎城を捨てて援軍と合流し、道を切り開いて共に駿府へ帰ろうと兵に檄を飛ばし、自ら先頭に立って松平軍へと突っ込んでいく。その際、岡崎城に火をつけて松平軍の対応を遅らせたことが功を奏し、どうにか敵陣を切り開いていくものの、援軍との合流にはあと一歩及ばず、味方の被害も甚大なものとなっていた。氏真は後ろ髪を引かれながらも、氏徳の説得に応じてついに退却を決意。一方、味方の兵士たちのことを思い、危険を顧みず奮戦する氏真の姿を見た氏徳は、彼が今後の今川家を託すに足る存在であると認める。そして、自らの命と引き換えにしてでも氏真を逃がそうと覚悟を固めた氏徳は、あとのことを井伊直親に託し、単身で殿(しんがり)を買って出るのだった。するとその瞬間、松平軍の後方に北条氏規率いる部隊が姿を現す。それはこの時代にはおよそ考えられない、長槍を携えた騎馬兵のみで構成された異様な部隊であった。

関連作品

小説

本作『転生! 竹中半兵衛 マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く』は、青山有の小説『転生! 竹中半兵衛 マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く』を原作としている。原作小説版は「小説家になろう」に投稿された作品に改稿を加え、双葉社「Mノベルズ」から刊行されている。イラストは長浜めぐみが担当している。

登場人物・キャラクター

竹中 半兵衛 (たけなか はんべえ)

美濃国の国人領主の青年で、年齢は17歳。もともとは直近で会社の部署異動を控えていた現代日本人のサラリーマンだったが、永禄3年(西暦1560年)2月初め、戦国武将「竹中半兵衛」として生まれ変わった転生者。現代人としての年齢は35歳だった。イケメンではあるが、戦国武将としては細身で少々不健康な外見をしているため、口さがない人々からは「青びょうたん」とさげすまれている。ただし、もともとの竹中半兵衛が戦国武将としての鍛錬を怠っていなかったこともあって、剣術などは体に染み込んでおり、正面から戦えば雑兵相手に後れを取るようなことはない。もともと戦国歴史ゲームが好きだったこともあって、戦国時代の情勢に詳しく、マイナー武将の婚姻関係まで詳細に把握している。さらに転生者の中では最も後世に名が知られた武将ということもあり、ほかの転生者たちからは軍師扱いされ、リーダー的存在となる。穏やかな性格の腰の低い人情家で、半兵衛自身は自分のことを過小評価しているが、実際は洞察力と判断力に優れ、天才軍師として知られた本物の竹中半兵衛に勝るとも劣らない知略と軍略の持ち主。また、当初は多少の動揺を見せていたものの、いざというときには理性で恐怖心を押さえつけ、人を斬ることも辞さないなど、肝が据わっていて時代への適応力も高い。身分や経歴を問わない実力主義による人材登用、革新的な農具や武器や防具の開発による富国強兵策など、現代人としての合理的な考え方や知識を生かした政策で、国力および勢力を拡大していく。史実の竹中半兵衛が30代半ばで病死したことを気にしており、領地の医療技術の発展や、優れた医者や良薬の入手を最優先目標としている。そして織田信長を倒し、自分やほかの転生者たちが誰かにおびえることなく、安心して暮らせる世の中をつくろうと考えている。実在の人物、竹中重治がモデル。

北条 氏規 (ほうじょう うじのり)

相模国の領主で、戦国大名である北条氏康の三男の少年。もともとは現代日本で生活していたが、永禄3年(西暦1560年)2月初め、戦国武将「北条氏規」として生まれ変わった転生者。姉の早川殿が今川氏真のもとに嫁いでいることもあり、氏真の義弟にあたる。思慮深くリーダーシップに優れ、チャットルーム「茶室」での会議では、会話をリードする存在。だが、史実に反して北条氏政が早世した際には、北条家と武田家の同盟を維持するため、氏政の妻が新たに氏規の妻となる「兄嫁スライド」計画が持ち上がり、激しく動揺してカタカナ交じりの異様な文章で茶室の転生者仲間に助けを求めた。実は極度のロリコン気質で、妻にするなら年齢は13歳前後で下限は10歳、気が強い娘は願い下げ、胸は小さくていいから現代日本風の美少女、かわいらしい子であれば身分は問わず村娘でも構わないなど、許容範囲が広いのか逆に狭すぎるのか判断に窮する条件を並べ立て、茶室の転生者たちを戦慄させた。一方で、転生者としての仲間意識は非常に強く、桶狭間の戦いにおいて危険な目に遭うであろう氏真を心配し、氏康や今川義元に頭を下げて許可を得たうえで自ら援軍を組織。結果的にこれが功を奏し、岡崎城で松平元康を相手に苦戦し、風前の灯火となっていた氏真の命を救うこととなった。小柄な体型でかわいらしい顔立ちをしているが、元康配下の猛将として知られる本多忠真を相手に鎧袖一触、一刀のもとに首を跳ね飛ばすなど、剣術の腕にも長ける。実在の人物、北条氏規がモデル。

今川 氏真 (いまがわ うじざね)

駿河国の戦国大名の青年。もともとは現代日本で生活していたが、永禄3年(西暦1560年)2月初め、戦国武将「今川氏真」として生まれ変わった転生者。今川家の当主ではあるものの、実権は父親の今川義元がにぎっており、氏真自身は家中において大した力を持っていない。北条氏規の姉の早川殿を妻に迎えていることもあって、氏規の義兄にあたる。転生者の中でも特に現代っ子気質でノリが軽く、上下関係を嫌い、誰に対してもざっくばらんに接する。そのため、下々の者たちからの受けはいいものの、立場ある者たちからは軽んじられている。ほかの転生者と表立って協力できるようにするため、桶狭間の戦いにおいては歴史を改変せず、今川義元が討たれることを望んでいた。経験不足から物事を軽く考えがちなうえ、現代気分が抜けきらない甘いところがあったが、松平元康の謀反に遭って命の危機を迎え、さらに親友にして右腕でもあった朝比奈泰朝が討たれたことで、ようやく配下の命を預かる戦国武将としての自覚に目覚める。剣豪の塚原卜伝から免許皆伝を授けられており、並はずれた戦闘力を誇るうえ、身体能力が高くサッカーが得意で、蹴鞠(けまり)でもオーバーヘッドキックを難なくこなす。実在の人物、今川氏真がモデル。

一条 兼定 (いちじょう かねさだ)

土佐国の戦国大名の青年。もともとは現代日本で生活していたが、永禄3年(西暦1560年)2月初め、戦国武将「一条兼定」として生まれ変わった転生者。かつては京都に居住していた由緒正しい家柄ということもあって、勢力さえ拡大すれば朝廷工作のみで大名すら配下にできるほどの威光を誇り、転生者の中では抜きん出て恵まれた環境にある。ノリが軽い軟派な女好きで、視察と称して領地を巡っては、若い娘を物色するのに余念がない。転生者として初めて伊東義益と直接面会を果たし、チャットルーム「茶室」での出来事が夢ではないこと、そしてほかの転生者が実在することを明確にした人物で、このことがほかの転生者たちの大きな心のよりどころとなった。のちに兼定の妹の阿喜多が義益のもとに嫁いだことで、伊東家と名実共に確固たる協力体制を築く。かつて教師であった義益の教え方がよかったのか、周辺諸国の勢力関係も即座にのみ込むなど、チャラチャラしているようで知識の吸収は早く、義益と協力しながら四国における勢力を盤石なものとしていく。実在の人物、一条兼定がモデル。

伊東 義益 (いとう よします)

日向国の戦国大名の青年。もともとは現代日本で教師を務めていたが、永禄3年(西暦1560年)2月初め、戦国武将「伊東義益」として生まれ変わった転生者。自ら積極的に前に出るタイプではないが、大友家と結んで相良家や肝付家を取り込み、島津家を封じ込めて安定した琉球貿易への道を切り開いたり、南蛮貿易の利益をつぎ込み村上水軍を掌握して瀬戸内海を手中におさめ、海上から織田信長を牽制したりと、竹中半兵衛すらも驚かせるほどの卓越した政治手腕を持つ。転生者として初めて一条兼定と直接面会を果たし、チャットルーム「茶室」での出来事が夢ではないこと、そしてほかの転生者が実在することを明確にした人物で、このことがほかの転生者たちの大きな心のよりどころとなった。のちに兼定の妹の阿喜多を妻に迎え、一条家と名実共に確固たる協力体制を築く。ほかにも、苦しい生活を強いられている小早川繁平のために、南蛮貿易で得たジャガイモの種芋を贈るなど包容力に富み、転生者としての仲間意識が非常に強い。実在の人物、伊東義益がモデル。

安東 茂季 (あんどう しげすえ)

出羽国北部の領主の青年。もともとは現代日本で生活していたが、永禄3年(西暦1560年)2月初め、戦国武将「安東茂季」として生まれ変わった転生者。領主とは名ばかりで、実権は兄の安東愛季がにぎっており、茂季は傀儡としての立場に甘んじている。少々皮肉屋で、時に物騒な発言をしてほかの転生者たちをぎょっとさせることがある。現在は特に生活に困っているわけではないものの、兄の愛季の存在によって権限をほとんど持たず、また領地が中央から遠く離れた出羽国ということもあって、ほかの転生者たちとの連携もままならない状態にある。そのため、まずは財政を改善して自らの力を蓄えようと、当時は高級食材であった椎茸の栽培や養蚕に励んでいる。実は優れたプログラミング技術の持ち主だが、戦国時代においてはその技能を生かす機会がなく、忸怩たる思いを抱いている。実在の人物、安東茂季がモデル。

最上 義光 (もがみ よしあき)

出羽国南部の戦国大名の青年で、年齢は15歳。もともとは現代日本で生活していたが、永禄3年(西暦1560年)2月初め、戦国武将「最上義光」として生まれ変わった転生者。がっしりした体格で武勇に長けるが、穏やかで優しい性格の持ち主。領土が狭く、周囲を囲む伊達家や長尾家の脅威にさらされ続けていることもあり、賊や罪人を相手にすることで人を斬る行為に慣れていったほかの転生者とは異なり、転生した直後にいきなり戦場に立つこととなった。恵まれた体格を生かして、その際の戦はどうにか乗り切ったものの、このことが少なからず義光の心に影を落としており、まだ戦の経験のない一部の転生者たちのことを心配している。自作することができるほどにクロスボウの構造に詳しかったりと、さまざまな知識を持つ。実在の人物、最上義光がモデル。

小早川 繁平 (こばやかわ しげひら)

安芸国の元領主の青年。もともとは現代日本で生活していたが、永禄3年(西暦1560年)2月初め、戦国武将「小早川繁平」として生まれ変わった転生者。配下の者まで「さん」付けで呼ぶなど、穏やかで謙虚な性格で、非常に忍耐強い。毛利元就の策略により、繁平の妹と結婚した小早川隆景に領主の座を追われて隠居の身となり、「沼田荘」というボロ小屋で、父親の代からの家臣である田坂頼賀と共に軟禁生活を送っている。転生者の中では群を抜いて過酷な環境にありながらも、腐らずにほかの転生者たちの助言や協力を得て、自らの手で土地を開墾したり、家畜の糞尿にまみれながら硝石の生産実験を行って将来に備えている。実在の人物、小早川繁平がモデル。

竹中 久作 (たけなか きゅうさく)

竹中半兵衛の弟。半兵衛のことを心から信頼しており、口さがない者たちが半兵衛のことを「青びょうたん」とさげすむことに対しては不服な様子をあらわにする。年若くかわいらしい顔立ちをしているが利発で、半兵衛はもちろん、竹中家の重臣たちからも愛されている。また非常に忍耐強く、半兵衛の稲葉山城攻めにおいて重要な人質役を任された際には、粗暴な斎藤龍興に木刀で滅多打ちにされるなどひどい目に遭わされながらも、みごとに耐え抜いて任務をまっとうする。半兵衛が稲葉山城を落としたあとは、稲葉山城攻めの際の功を認められ、それまで竹中家の居城だった菩提山城を任されることとなる。実在の人物、竹中重矩がモデル。

竹中 善左衛門 (たけなか ぜんざえもん)

竹中家の家老を務める初老の男性で、竹中半兵衛の父親である竹中重元の代から仕えている重臣。家督を継いだばかりで、ほかの家臣たちから「青びょうたん」とさげすまれている半兵衛のことを心配しているが、忠誠心は厚く、場合によっては半兵衛に進言したり、苦言を呈したりすることも辞さない。その忠義は半兵衛に高く評価されており、家臣の中でも最も信頼されている。

竹中 重光 (たけなか しげみつ)

竹中半兵衛の叔父。ひょうひょうとした性格の軽口を好む中年男性で、時に半兵衛のことをからかったりもするが、当主としての彼の才覚を認めており、半兵衛と竹中家の行く末を温かく見守っている。国主である斎藤家の敵、明智光秀を半兵衛が家臣に迎えようとした際には、家中に災いをもたらすと意見する竹中善左衛門を冷静に諭すなど、半兵衛のよき理解者。また、斎藤龍興討伐の際、稲葉山城で物陰に隠れていた雑兵に奇襲されて窮地に陥った半兵衛の前に颯爽と現れて救ったりと、半兵衛のことをつねに心配して気に掛けている。一方で、光秀を竹中家に迎えたあとは、善左衛門に彼から目を離さないように命じるなど、単に半兵衛の言いなりというわけではなく、竹中重光自身も竹中家のために裏で手を回したりと独自の判断で行動をしている。そういった面も含めて半兵衛には強く信頼されており、強き当主として家中の者たちを導かなくてはならない半兵衛にとって、ある程度は弱いところを見せても差し支えない相手と判断されている。

(こう)

竹中半兵衛の妻で、美濃国主である斎藤義龍の覚えもめでたい西美濃の実力者、安藤守就の娘。年齢は14歳。もともと政略結婚ではあったが、目は切れ長の二重でまつ毛が長く、年齢のわりに高身長で細身ながら胸も大きい正統派美少女。さらにおしとやかな性格ということもあり、現代日本で35年間、まったく女性に縁がなかった半兵衛に、初対面で大いに気に入られることとなった。ただしこれは現代の価値観によるもので、小柄でふっくらした女性が美人とされた戦国時代当時にあって、恒自身は容姿を褒められたことがなく、自分の外見に強いコンプレックスを抱いていた。そのため、婚姻後も極力自分を小さく見せようと、半兵衛からはつねに距離を取っていた。そのことを察した半兵衛に、自分で欠点だと思っていたところを褒められてコンプレックスを解消。以後は半兵衛に心を許し、屈託のない笑顔を見せるようになる。

明智 光秀 (あけち みつひで)

竹中家の重臣の青年。知勇に優れた武将だが、どこか陰気で何を考えているのかわからないところがある。転生者たちが平和に暮らすための最大の障害を織田信長だと考えている竹中半兵衛には、信長に対する切り札として明智光秀を味方に加えることが渇望されており、竹中家にとって国主である斎藤家の敵の明智家に連なる者という立場にありながら、実に領地の三分の一を与えるという厚遇で迎えられた。その際にはすんなり配下に加わったものの、知行は功を立ててから受け取ると無欲さをアピールして竹中家の内紛を事前に封じ込めるなど、冷静な判断力も持つ。斎藤龍興が居を構える稲葉山城攻めに際して、死ぬ危険性が高い人質役を竹中久作が命じられた際には、周囲の重臣たちが涙する中、ただ一人落ち着いていたりと冷徹に見られがちだが、それは状況から久作が死ぬことはないと判断し、さらに半兵衛が策を用意していることを察していたからであり、冷徹というよりも極端に論理的で冷静であるという方が正しい。その冷静さと知恵で半兵衛に頼られている一方で、光秀自身も半兵衛の才覚に惚れ込んでいる。実在の人物、明智光秀がモデル。

百地 丹波 (ももち たんば)

竹中家の重臣の老齢男性。もともとは伊賀国で雇われの忍びとして働いていた一族の頭領だったが、竹中半兵衛に側近として取り立てられ、彼の護衛から諜報活動、外交に至るまでさまざまな任務を担うようになった。老齢ながら身のこなしは軽く、武勇にも優れる。忍びの者が「素波」と呼ばれ、根無し草であることから家畜も同然の扱いを受けていた時代にあって、武士としての身分と小さいながら肥沃な領地を与えられ、さらに一族郎党の面倒を見るという厚遇で迎えられたこともあり、半兵衛には心より感謝し、一族そろって忠誠を誓っている。斎藤龍興が居を構える稲葉山城攻めに際して、死ぬ危険性が高い人質役を竹中久作が命じられた際には思わず涙をこぼすなど、ふだんは冷静ながら、身内に対しては情が厚く人情家な一面を見せることもある。実在の人物、百地丹波がモデル。

島 左近 (しま さこん)

竹中家の重臣の青年。明るい性格の体育会系武将で、平時においても配下の兵も含めて厳しい鍛錬を欠かさず、その武勇と知略から「鬼左近」の異名で知られる。主君を失い、一族を抱えて生活に困窮していたところを竹中半兵衛に見いだされ、取り立てられた。その際、一族の生活の面倒も見ると伝えられたところ、涙しながら半兵衛に心よりの忠誠を誓うなど、情に厚い感激屋。そのため、斎藤龍興が居を構える稲葉山城攻めに際し、死ぬ危険性が高い人質役を竹中久作が命じられた際には、感極まって号泣したほど。実在の人物、島清興がモデル。

蜂須賀 正勝 (はちすか まさかつ)

織田信長の家臣の中年男性。「尾張の川波衆」と呼ばれる土豪の一人で、尾張国と美濃国のより強い方に付き、これまで生き永らえてきた。自ら配下を抱える有力者というだけでなく、無骨な外見と荒い気性に反して、蜂須賀正勝自身もかなりの切れ者として知られている。もともと蜂須賀家は斎藤道三の直接の配下だったこともあるだけに、当初は斎藤家の配下である竹中家に仕えることをよしとしなかったが、独自の情報網で当主である斎藤義龍が病に伏せていることを知り、またその後の美濃国の実権を竹中半兵衛がにぎるであろうことを予見すると、織田家にいながらにしてひそかに調略を仕掛けたりと、半兵衛に協力するようになる。実在の人物、蜂須賀正勝がモデル。

斎藤 龍興 (さいとう たつおき)

美濃国主の斎藤義龍の嫡男。粗野にして暗愚な少年で、政治は側近の斎藤飛騨守に一任し、斎藤龍興自身は酒と女に溺れる自堕落な日々を送っている。義龍の死後も、人質として居城の稲葉山城に送られた竹中久作を木刀で滅多打ちにしていたぶるなど、傍若無人ぶりは変わらなかった。竹中半兵衛のクーデターによって稲葉山城が落とされた際、斎藤家の者しか知らない隠し扉に潜んでいたところを明智光秀に見つかり、土岐氏に成り代わって美濃国主を騙(かた)る大罪人として討ち取られる。実在の人物、斎藤龍興がモデル。

斎藤飛騨守 (さいとうひだのかみ)

斎藤龍興の腹心の中年男性。龍興の暗愚さに付け込んで意のままにあやつり、金品を横領して懐を肥やしている。斎藤家の忠臣である、安藤守就をはじめとする西美濃勢と折り合いが悪く、また竹中半兵衛に反感を抱いており、裕福な彼らの領地を奪おうと企んでいた。だが賄賂につられて半兵衛の策にはまり、斎藤家の居城である稲葉山城内に武器を持ち込まれ、クーデターを起こされてしまう。当初は威勢よく半兵衛たちを討ち取ろうとしていたが反撃を受け、無様に命乞いをしながら、土岐氏に成り代わって美濃国主を騙(かた)る大罪人の斎藤家にくみする逆賊として、島左近に討ち取られる。

松平 元康 (まつだいら もとやす)

三河国の松平家当主の少年。幼少期から、人質として酒井忠次ら重臣と共に今川家に身を寄せている。義元からは人質としていいように使われており、戦の際には危険な場所に送り込まれることも多いが、松平元康自身は洞察力に優れるうえに非常に忍耐強く、今川義元に表向きは完全に服従している。幼少期から相応の待遇を与えられてきたこともあり、義元には自分を裏切ることなどないだろうと考えられているが、元康自身は面従腹背の姿勢を崩さず、三河の地を取り戻す機会を虎視眈々と狙っている。そのため、桶狭間で義元が織田信長に討ち取られた際には、事前に仕込んでおいた毒を使って前線の今川軍の壊滅を図り、自らは即座に岡崎城を取り戻しに向かう。だが、その動きを読んでいた今川氏真に先回りされ、岡崎城を巡って攻防を繰り広げることとなる。戦上手で、この時には氏真の片腕でもある朝比奈泰朝を討って、氏真もすんでのところまで追いつめるが、友人として氏真を救援に来た北条氏規軍に背後から奇襲されて討ち取られる。実在の人物、徳川家康がモデル。

朝比奈 泰朝 (あさひな やすとも)

遠江国の国人領主の青年で、今川氏真の親友。明朗快活な性格で氏真と馬が合い、氏真が将来的に名実共に今川家を率いるようになった暁には、氏真をとなりで支え、共に今川家を盛り立てていくことを夢見ていた。そのため氏真には信用されており、桶狭間の戦いで今川家が織田家に敗れた際には、残りの兵をまとめて岡崎城へと退却するように要請される。桶狭間で今川義元が打たれたあと、朝比奈泰朝自身は言われたとおり敗残兵を集めて岡崎城へ向かうが、元康の危険性を予見することまではできなかった。そのため、岡崎城で元康と戦っていた氏真のもとに援軍の形で到着することには成功するものの、率いてきた敗残兵たちの士気が低かったこともあり、泰朝自身も元康配下の武将の本多忠真に討たれてしまう。だがこのことが、それまで現代人としての意識が強く甘い認識でいた氏真の目を覚まさせ、彼が戦国武将として覚醒する直接的なきっかけとなった。実在の人物、朝比奈泰朝がモデル。

蒲原 氏徳 (かんばら うじのり)

今川家家臣の中年男性で、今川氏真の側近。チャットルーム「茶室」で竹中半兵衛に、まずは有能な武将を集めるべきだと提案された氏真が、父親の今川義元のもとから引き抜き、自分の直属の配下に加えた。今川家への忠誠心は強く、お気楽で家臣団に侮られている氏真に対しても、自覚は後から付いてくるものだと楽観視し、温かい目で見守っている。岡崎城で松平元康との戦いのさなか、戦国武将としての自覚に目覚めた氏真に今川家の未来を見いだして、敵軍に単身立ちはだかり、自らの命を賭して氏真を落ち延びさせようとするが、その瞬間、戦場に駆けつけてきた北条氏規の援軍のおかげで松平軍は壊滅し、命を拾うこととなった。実在の人物、蒲原氏徳がモデル。

井伊 直親 (いい なおちか)

遠江国の国人領主の青年で、今川氏真の側近。チャットルーム「茶室」で竹中半兵衛に、まずは有能な武将を集めるべきだと提案された氏真が、父親の今川義元のもとから引き抜き、自分の直属の配下に加えた。お気楽で当主としての自覚がない氏真のことを軽んじており、当初は寿桂尼のたっての願いを受け、やむなく彼の配下についただけだった。だが、岡崎城で松平元康との戦いのさなか、戦国武将としての自覚に目覚めた氏真に今川家の未来を見いだし、死地へと赴く蒲原氏徳の言葉を受けて、氏真を命懸けで支える覚悟を決める。実在の人物、井伊直親がモデル。

上泉 信綱 (かみいずみ のぶつな)

北条氏規の側近を務める中年男性で、「剣聖」とも評されるすご腕の剣士。チャットルーム「茶室」で竹中半兵衛に、まずは有能な武将を集めるべきだと提案された氏規が、手を尽くして配下に迎え入れた。落ち着いた性格で、転生して間もない氏規のことを間近で支えながら、その成長を楽しみにしている。岡崎城で松平元康を相手に、劣勢を強いられていた今川氏真の救援に向かった際には、乗っていた馬を本多忠勝に射抜かれながらも、暴れて立ち上がる馬から甲冑を身につけたまま跳躍。そのまま一気に距離を詰め、馬上の元康を空中から一刀のもとに切り伏せて討ち取るなど、剣術のみならず並はずれた体術も誇る。実在の人物、上泉信綱がモデル。

早川殿 (はやかわどの)

今川氏真の妻で、北条氏規の姉。明るい性格の美少女で、氏真とは相思相愛のラブラブカップル。一方で、久しぶりに会った氏規が転生者であるために以前と様子が違うことに気づくなど、観察眼にも長けている。実在の人物、早川殿がモデル。

寿桂尼 (じゅけいに)

今川氏真の祖母。穏やかな性格で、氏真と彼の妻である早川殿を溺愛している。蒲原氏徳と井伊直親が氏真の配下についたのも、寿桂尼の差配によるものである。また北条氏規とも面識があり、彼が氏真を助けるために岡崎城へ向かう時には、氏規のために替え馬1300頭を用立てた。その際、氏真を救うための一連の行動が氏規にとってメリットがないことを指摘し、その真意を問うが、損得ではなく仲間(ゆうじん)として氏真のことを助けたいという氏規の言葉を聞いて納得し、氏規に氏真のことを託す。人当たりは柔らかいものの、長きにわたって今川家を支えてきた女傑ということもあり、かなりの迫力と深い洞察力を備えている。実在の人物、寿桂尼がモデル。

阿喜多 (あきた)

一条兼定の妹で、のちに伊東義益の妻となる。勝ち気な顔立ちをしているが、いつもニコニコとした笑顔を浮かべた美少女。あまり表には出さないものの、実際は気が強く、底知れない迫力を持つ。祝言を挙げたあとにはさっそく自分の方から義益を押し倒すなど積極的で、嫉妬深いところがある。

その他キーワード

転生者 (てんせいしゃ)

現代日本から、永禄3年(西暦1560年)の戦国時代に武将として生まれ変わった人々。竹中半兵衛、北条氏規、今川氏真、一条兼定、伊東義益、安東茂季、最上義光、小早川繁平の八人が該当する。いずれも転生したのはほぼ同日で、転生後しばらくは高熱で寝込んでいたという共通点がある。転生者たちは、現代日本での知識を引き続き持っており、性格なども当時のままで、外見と立場のみが戦国武将に入れ替わっている。体に由来する能力は戦国時代の武将のものが適用されるため、例えば剣豪の塚原卜伝のもとで免許皆伝を授かっている氏真などは、現代日本では戦いの経験などないにもかかわらず、単身で高い戦闘力を誇る。なお、転生者の武将たちは、いずれも高熱で寝込んだあとに元の武将たちとは人格が変わってしまったため、親しかった者の中には、そのことに疑問を抱いている者もいる。転生者たちは月に一度、夢の中でパソコンを使って「茶室」と呼ばれるチャットルームに入ることができ、そこで情報交換をすることで、戦国時代をうまく生き抜いていくための相談をしており、現実においても互いに協力し合う協定を結んでいる。

茶室 (ちゃっとるーむ)

転生者たちの夢の中に現れるパソコンを使って、入ることのできるチャットルーム。月に一度だけ開催され、ほかの転生者たちと情報交換をすることができるが、パソコンには電源なども存在しておらず、そのシステムはいっさい不明。また、転生者が任意に開催することもできない。戦国時代をうまく生き抜いていくため、転生者たちは「茶室」での情報交換はもちろん、現実においても互いに協力し合う協定を結んでいる。

クレジット

原作

青山 有

キャラクター原案

長浜 めぐみ

書誌情報

転生!竹中半兵衛 マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く 7巻 双葉社〈モンスターコミックス〉

第6巻

(2022-11-15発行、 978-4575415339)

第7巻

(2023-11-15発行、 978-4575417661)

SHARE
EC
Amazon
logo