概要・あらすじ
殺人の嫌疑を掛けられていた嘩形弾はある施設に移送される。そこは本土から遠く離れた場所にあり、数十メートルにも及ぶ外壁で敷地を囲まれた「共生学園」。この施設は成績の優秀な者や身体能力に優れた者の才能を伸ばし、そして犯罪を犯した超問題児などを矯正する特殊な学園だった。嘩形は自分の信念を守るため、そして恩人の死の真相を知るため、学園を牛耳る生徒会と敵対する。
登場人物・キャラクター
嘩形 弾 (はながた だん)
ボサボサでツンツンハネた黒髪、襟にとがった鋲をつけ、左腕に「DESTROY」と描かれた改造学ランを着用し、赤いマフラーを身に着けた男性。とある人物の殺害容疑がかけられており、共生学園に編入してきた。学園では1年13組に所属。15歳。
神代 ユウキ (かみしろ ゆうき)
共生学園の嘩形弾のクラスメイト。出会った時に嘩形からもらってから、ずっとかぶっているつばの割れた帽子がトレードマーク。主体性がなく気弱な性格で、基本的にことなかれ主義。一方で自由奔放でルールに縛られない嘩形に憧れている。
草壁 鉄太 (くさかべ てった)
共生学園の嘩形弾のクラスメイト。明るい色の髪にそばかすのある男子生徒。昔のヤクザに憧れており、好きな言葉は「仁義」。それが高じて自己紹介の時は仁義を切るような挨拶をし、嘩形のことを「兄ィ」と呼ぶ。一方、椿又右衛門とは過去に何らかの関係があるようで、「親分」と呼んでいる。
一条 沙耶 (いちじょう さや)
共生学園の新聞部に所属する2年生の女子生徒。ツインテールの髪型で関西弁をしゃべる。嘩形弾と高田一成が対決することになった原因である自販機破壊騒動の犯人。新聞部らしく情報通で、いつでも特ダネを狙っており、編入早々何かと目立っていた嘩形について探っている。椿又右衛門に好意を寄せている。
マーリー
サングラスに鼻ピアス、ドレッドヘアーが特徴の男性。共生学園内に存在するジャンク街の顔役で、留年を続けているため21歳ながらまだ1年生のまま。何らかの理由で「白いマフラーの男」に過剰なほどの関心を寄せている。
早乙女 真希志 (さおとめ まきし)
嘩形弾がマフラーを譲り受け、大いに尊敬していた人物。何らかの理由で死亡し、嘩形はその殺害容疑で高等少年院収容及び共生学園での3年間の矯正プログラムを受けさせられていた。過去に共生学園と関わりがあり、生徒会や学園の面々はその名を聞いて目の色を変えている。
椿 又右衛門 (つばき またえもん)
嘩形弾が共生学園に編入早々出会った長身の男性。ボクシング部に所属しているが、腕前は不明。過去にノイズだったことがあるが、現在は大人しくなっている。過去に何らかの関係があり、草壁鉄太からは「親分」と呼ばれている。背中に傷を抱えており、他人に見られることを極端に嫌がる。18歳。
星野 エリカ (ほしの えりか)
共生学園の現生徒会発足時に反旗を翻した三巨頭のうちの一人。生徒会に対抗した際に瀕死の重傷を負ったらしいが、死体は見つからず、今もなお行方不明となっている。
加納 才蔵 (かのう さいぞう)
共生学園の生徒会長。メガネをかけた長身痩躯の男子生徒。刀を所持しており、マーリーの左腕を一刀のもとに切り落とすなど容赦がない。法を超える自由は犯罪だと語り、法のもとに制限された自由の中でこそ、人は自分の選択ができるという理念を持つ。
鬼塚 巫子 (おにづか みこ)
V字型に切りそろえた前髪とロングストレートの黒髪が特徴の女子生徒。共生学園生徒会の役員を務める。常に余裕を持った態度で、編入時に不遜な態度を見せる嘩形弾にも微笑を浮かべつつ対応した。
堤 小太郎 (つつみ こたろう)
共生学園の生徒会書記と学園警備隊隊長を兼任する男子生徒。腰ほどまである長い髪を後ろに束ねている。背が低いことがコンプレックスで、身長に関する指摘をされるとすぐに逆上する。つま先やかかとから凶器が飛び出す改造靴を履いており、俊敏な動きを活かした足技主体の戦闘術を駆使する。
志藤 寅造 (しどう とらぞう)
共生学園生徒会の副会長。がっしりした体格に短く刈り上げた頭髪と、いかにも体育会系といった容姿で、右目に傷がある。厳格な性格で、裏で何かと策略をめぐらせている堤小太郎に対しては、静観しているものの度を越えた動きがあった場合は総括(リンチ)すると決めている。
高田 一成 (たかだ かずなり)
ひと束だけ前に垂らし残りを後ろになでつけた髪型と、糸のように細い目が特徴の男子生徒。共生学園ボクシング部の部長を務め、その腕前はインターハイクラス。2年生ながら部活での実績と生徒規律への理解度の高さから1年生の指導委員を任されている。自分の思い通りに事が進まないと気が済まない性格で、何かにつけてその権限を主張し、他人をこき使う。
松川 優作 (まつかわ ゆうさく)
賭博格闘クラブ「B.I.G.」の前チャンピオンにして、堤小太郎の腹心。通常の人の2倍はあろうかという巨体で、額には角に見えるほどに大きなこぶがある。筋力にものを言わせた破壊的な戦闘を好み、相手を再起不能にしてしまうため、「B.I.G.」から遠ざけられた。堤との対戦成績について「8戦やって3勝8敗、7つ負け越しているのは確か」と語るなど、少々頭が弱い。
能登 折康 (のと おりやす)
ジャンク街で賭博格闘クラブ「B.I.G.」を主催している生徒。ラッパー風の服装をしたかなり太った男性で、ジャンク街の顔役であるマーリーとは犬猿の仲。「ブタ」呼ばわりされるとすぐにキレる。
夷 裕也 (えびす ゆうや)
試合に出られなくなった松川優作の代わりに賭博格闘クラブ「B.I.G.」の暫定チャンピオンになった生徒。大きく前に張り出したリーゼントが特徴で、腕や脚部にフリンジが付いた衣装を着ている。対戦相手である嘩形弾に対してもフレンドリーに接するなど、華のある性格。松川との試合で半身不随になってしまった弟がおり、その雪辱を晴らすため「B.I.G.」に参戦している。
赤鬼、青鬼 (あかおに、あおおに)
襟に星型の記章をつけた、黒いマントを羽織った2人組の少女。メガネをかけている方が青鬼、かけていない方が赤鬼で常に2人そろって行動する。嘩形弾たちを学園U.G.に案内する。付き従っている星野エリカからは、2人合わせて「ヤマネ姉妹」と呼ばれている。
先生 (せんせい)
学園U.G.で医療に従事する男性。ぼさぼさの髪に丸眼鏡、薄汚れた白衣を着ている。けがをして運び込まれた草壁鉄太の治療を任される他、意外な人物の治療にもあたっている。
長老 (ちょうろう)
共生学園から学園U.G.に電力を運ぶための分電器を守っている人物。共生学園の第1期生にして学園U.G.の創始者の一人。実に50年もの間そうやって分電器を守っていることから「長老」と呼ばれている。
場所
共生学園 (きょうせいがくえん)
全国から成績の優秀な人材や身体能力に優れた人材、あるいは犯罪を犯した問題児が集められ、共同生活を送るための施設。本土から遠く離れた孤島にあり、周囲は何十メートルもある合金製の壁で囲まれている。外部への移動手段は正門にある1本の列車のみのため、脱出はほぼ不可能とされる。学園内には生活に必要なものがおおよそすべて存在するが、利用、購入するためには学園独自の通貨であるバイトやIDカード、IDリストが必要。 学園での生活態度や成績によって居住区や待遇が区別されており、神代ユウキや草壁鉄太は最下層のE居住区に住む。Cランク以上の居住区には専用の食堂や購買が併設されている。
ジャンク街 (じゃんくがい)
共生学園内に存在する市街地で、食品店、雑貨屋、飲食店などあらゆる店が立ち並ぶ雑多な街並み。主にDランク以下の居住区に住む生徒が利用する場所で、生徒が自らの特技を活かしたり、部活の一端で出店しているものも多い。店のシマはマーリーが管理しており、出店するにはその許可とIDリストが必要。売り上げの一部は税金として生徒会に納める必要がある。
B.I.G. (ぶれいぶいんぐれいぶ)
ジャンク街にある地下闘技場、及びそこで行なわれる賭博格闘技戦のこと。能登折康が主催している。生徒会から公式には認可されていないものの、現在は黙認されている。
学園U.G. (がくえんあんだーぐらうんど)
ジャンク街のさらに奥、ゴミ処理場から辿りつける共生学園の地下にある場所。学園の生活になじめなかった生徒がIDカードやIDリストを捨ててドロップアウトし、コミュニティを形成している。
イベント・出来事
ノイズ狩り (のいずがり)
嘩形弾が共生学園に編入する一年前に起こった事件。この事件によって椿又右衛門は生徒会への反抗心を失い、星野エリカは死体が見つからず行方不明になった。早乙女真希志は事件の最中に壁を越えて、一人脱走に成功したといわれている。
その他キーワード
IDカード (あいでぃーかーど)
共生学園の生徒証であり、学園内の施設を利用するために必要なカードキー。またクレジット機能も備えており、学園独自の通貨であるバイトをチャージしておくためにも使用する。これがなければ教室にも入れず授業も受けられないため、学園で生活していくには必須のアイテムとなっている。
IDリスト (あいでぃーりすと)
リストバンドの形を取っており、これがなければ利用できない施設もある。実際には所得するためには一定の条件があり、C以上の成績を修めるか、規定以上のバイトを所持している場合に限られる。
バイト
共生学園内でのみ使用される独自通貨の単位。学園の特性上、生活はすべて学園施設に依存しているため、学生寮の家賃をはじめ衣食住すべてをバイトでまかなうことになる。卒業時の最終成績の判断基準にも採用される。授業に出ることで800バイト支給され、生徒間でのバイトのやり取りは自由。
ノイズ
生徒会長の加納才蔵が語る、学園の規律を乱す不穏分子のこと。人の生活をレコードの音楽に喩え、可聴領域外の雑音であれば心地よく感じる一助となるものの、旋律を脅かすほどの雑音に関しては排除すべきであるとしている。転じて学園の規律に従わない者やはみ出し者を指してこう呼んでいる。
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