概要・あらすじ
昼行燈の様に日々漫然と過ごしていた篠崎由宇は、日常がまるで地面に映る影のごとく実体のないものである様に感じていた。学校へ行ってもどこか気力の湧かない篠崎由宇は、姉の篠崎萌の計らいもあり、一念発起してバイクであてのない旅に出ることにしたのであった。
登場人物・キャラクター
篠崎 由宇 (しのざき ゆう)
男子高校生だが、みんんなと同じことをする事を嫌い、一念発起してバイクでの旅に出る。内気で、人からの頼みを断れないが、その性格が幸いして、旅先で様々な出会いに恵まれる事になる。
篠崎 萌 (しのざき もえ)
篠崎由宇の姉。生粋のライダーであり、篠崎由宇にもバイクを贈っていた。日々を無気力に暮らす弟に、バイクの手入れをするように提案する。篠崎由宇はそのままバイクで旅に出てしまうが、これは全て篠崎萌の計らいであった。
篠崎 可奈子 (かんざき かなこ)
篠崎由宇と篠崎萌の母親。非常に涙脆く、無気力な息子を心配しつつも何もできない自分を恥じている。物語の途中で、ロサンゼルスへ海外出張している。
神田 鉄雄 (かんだ てつお)
篠崎萌が通う大学の先輩。バイク乗りであり、1100ccの大型バイクを駆る。篠崎萌の頼みで、バイクのエンジンの掛け方すら分からなかった篠崎由宇にバイクの乗り方を伝授した。
葵 (あおい)
篠崎由宇とは幼馴染の仲。学業にまったく無気力になってしまった篠崎由宇に、冷たく接しながらも、陰ながら心配している。篠崎萌とも面識があり、バイクの後ろに乗せてもらったりしていた。
真紀 (まき)
ツーリングの途中で、バイクのパンクの修理をしていた篠崎由宇に出会う。祖父の土地を狙う温泉業者と仲が悪く、篠崎由宇を巻き込んでカーチェイスを繰り広げた。バイクのテクニックはかなり高いが、実は15歳で、無免許。
二階堂 順子 (にかいどう じゅんこ)
北海道の二階堂牧場の次女。自動車のパンクにより足止めを食らっていた時、篠崎由宇からパンク修理剤を譲ってもらう。のちに財布を落として無一文になった篠崎由宇を自分の家に招く。
共立牧場の若ダンナ (きょうりつぼくじょうのわかだんな)
二階堂順子の婚約者であり、共立牧場の跡取り。婚約に納得していない二階堂順子を、無理やり手籠めにしようと画策する。
尾形 吾一 (おがた ごいち)
日本最北の地で篠崎由宇が出会った関西弁のライダー。記念撮影のシャッター役ばかり任される篠崎由宇を、人間セルフタイマーと皮肉る。人懐っこい性格で、ある事件を一緒に解決した事で、篠崎由宇の旅のお供になっていた。
健太郎 (けんたろう)
旅館桃屋の子息。桃屋でバイトをしていた篠崎由宇に出会った時は、「バイクは貧乏人が乗るもの」と罵った。父親の後妻との関係は最悪だが、これには本人すら知らない隠された真実があった。