概要・あらすじ
享保16年、津軽の地で父から剣術指南を受けていた少年・月島仁兵衛は、江戸からやってきた松ノ原小鳥にスカウトされ、蟲奉行所市中見回り組の一員として働くことになった。その任務は江戸の人々を脅かす怪物、巨大蟲を退治すること。仁兵衛は、曲者ぞろいの蟲奉行所の面々と共に、さまざまな巨大蟲との戦いを重ねながら、武士として成長していく。
登場人物・キャラクター
月島 仁兵衛 (つきしま じんべえ)
蟲奉行所 市中見廻り組の一員としてスカウトされ、江戸へとやってきた。日々の鍛錬によって培った怪力と、父から受け継いだ実戦剣法、富嶽三十六剣を武器に巨大蟲に立ち向かう。性格は真面目そのもので礼節もわきまえているものの、思い込みが激しく、一事あれば猪突猛進に突っ走ってしまう。 実は蟲狩の一族出身の母・叶から常世の巫女の力を受け継いでおり、その力に覚醒することで超人的な戦闘力を発揮する。
無涯 (むがい)
蟲奉行所 市中見廻り組の中でも最大の戦闘力を持つ男。蟲退治のスペシャリストであり、その働きを知る江戸市民からの人気も高いが、本人は他人の行動や評価には無関心で、ひたすら巨大蟲を抹殺することに専心する。得物は、蟲の体の一部を取り込むことでその蟲の能力を再現する大刀・塵外刀(じんがいとう)。 蟲狩の一族出身だが、かつての仲間たちとは袂を分かっている。
火鉢 (ひばち)
蟲奉行所 市中見廻り組の紅一点で、火薬の扱いに長けた発破のスペシャリスト。奉行所での最初の仕事で無涯に命を救われており、それ以来彼に憧れている。新入りながら無涯の相方として任務を達成した仁兵衛には対抗心を抱いていたが、ある任務に共に就いたことで仁兵衛を認めるようになった。 露出度の高い忍装束を纏っており、サービスシーンも多い。
恋川 春菊 (こいかわ しゅんぎく)
蟲奉行所市 中見廻り組の一員で、あらゆるものを両断する斬撃のスペシャリスト。200人以上の人間を斬った大罪人であり、蟲退治の任に就くことで斬首を免れている。その悪名は江戸市中に鳴り響いており、多くの市民からは忌み嫌われている。しかし、その剣の腕に感銘し、教えを乞うた仁兵衛からは「師匠」と慕われている。
一乃谷 天間 (いちのたに てんま)
蟲奉行所 市中見廻り組の一員で、陰陽の術を操る童子。防壁のスペシャリストであり、為吉、末吉という2体の式神を操り、巨大蟲の攻撃を無効化する。その腕前は確かなものだが、心身共にまだ幼い。さらに虫も蟲も苦手なうえに、閉所・暗所・高所を恐れるなど弱点が多い。
松ノ原 小鳥 (まつのはら ことり)
蟲奉行所 市中見廻り組を統べる与力。穏やかな性格の青年で、巨大蟲との戦いは部下に一任し、自身は裏方に徹している。しかし、その戦闘力は非常に高いらしく、蟲狩のひとりである巨漢・戒汝を一撃で倒している(ただし、戦闘シーンの描写はなかった)。
尾上 影忠 (おがみ かげただ)
黒の羽織と鎧で身を固める大柄な武人で、蟲奉行所 武家見廻り組与力。統率力に優れ、多数の配下に的確な指示を与える集団戦闘を本領とするが、自らも巨大な鉈を武器に最前線で戦う。当初は、仁兵衛ら市中見廻り組を見下していたが、後にはその実力と矜持を認めるようになった。
白榊 夢久 (しらさか ゆめひさ)
蟲奉行所 寺社見廻り組与力。非常に財力があるらしく、配下全員に対巨大蟲用の武装として高性能の長銃を持たせている。身分を重視しており、与力以外には正規の武士がひとりもいない市中見廻り組を毛嫌いしていた。そのため、一時は市中見廻り組の解散を画策したが、後には尾上影忠と同じく和解するに至った。
蟲奉行 (むしぶぎょう)
蟲奉行所を束ねる人物で、見かけは美しい少女だが人間の寿命を超える高齢であるらしい。その存在自体が巨大蟲から江戸を守る要とされており、朝廷からは従二位、江戸城内では別格老中の地位を与えられている。江戸を守るため、定期的に「御籠り」と呼ばれる儀式を行う必要があり、その際には八丈島へと居を移す。
お春 (おはる)
巨大蟲に襲われたところを仁兵衛によって救われた少女。蟲奉行所の隣にある茶屋「春夏秋冬」の娘で、祖父と共に店を切り盛りしている。やや天然気味だが、明るく優しい性格で、近隣住人たちからの人気も高い。幼い時分に両親を巨大蟲によって失っているため、蟲奉行所への信頼は厚く、特に自分を救ってくれた仁兵衛には好意を抱いている。 男の目を惹かずには置かない美巨乳の持ち主であり、火鉢以上にサービスシーンも多い。
常世の蟲 (とこよのむし)
『常住戦陣!!ムシブギョー』に登場する怪物。巨大蟲の親玉ともいえる存在で、大阪城内で繭の姿となり眠り続けていた。真田幸村など、かつての大阪の陣で豊臣方に付いた武将を蟲人として蘇らせ、配下としている。蟲奉行とは深い因縁があり、その身柄を求めていた。
巨大蟲 (きょだいむし)
『常住戦陣!!ムシブギョー』に登場する怪物。いつのころからか日本に現れ、人間を襲うようになった巨大生物で、虫に近い形状をしている。江戸には10年ほど前から頻繁に出現しはじめているが、その生態からか、気温の低い東北地方では出現例が少ない。実は物語開始の時点ですでに大阪を中心とした西日本は、巨大蟲とそれを統べる常世の蟲の勢力下にあったことが後に明かされた。
集団・組織
蟲奉行所 (むしぶぎょうしょ)
『常住戦陣!!ムシブギョー』に登場する組織。時の将軍、徳川吉宗が目安箱に寄せられた江戸市民の声を受けて設立した新たな奉行所。その役割は、人々を苦しめる巨大蟲の駆除である。武家見廻り組、寺社見廻り組、市中見廻り組、関八州見廻り組の4組で構成され、それらすべてを蟲奉行が統括している。正式な名称は「新中町奉行所」で蟲奉行所は通称だが、関係者も含めて通称を用いることが多い。
蟲狩 (むしがり)
『常住戦陣!!ムシブギョー』に登場する組織。蟲奉行所の一員である無涯がかつて属していた巨大蟲退治を生業とする集団。各人が特殊な能力を持っており、戦闘力も非常に高い。当代の頭で無涯の兄である有虚(うろ)が、ある事実を知ったことで、蟲奉行殺害を目論むこととなり、蟲奉行所と激しく争った。
アニメ
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