不器用カップルの日常ラブコメディ
本作は、何もかも対照的に見える男女が、恋愛において致命的に不器用という共通点を持ちながら、徐々に距離を縮めていく姿を描いたオフィスラブコメディ。主人公は、仕事はできるものの女心がまったく理解できない、徹底した合理主義者のサラリーマン、晴彦と、過去に派手な男性経験を持ちながら、童貞の気持ちが理解できない元ビッチのうらら。お互いに片思いだと思い込んでいる二人だが、実は両思いであるにもかかわらず、カンちがいやすれ違いを繰り返し、なかなかゴールにたどり着けずにいる。物語は、二人の視点を交互に切り替えながら進行し、じれったい関係性とドタバタな会話劇がコミカルに展開される。
合理主義者の童貞×純粋な恋を夢見る元ビッチ
合理的に物事を考える晴彦は、鋭い目つきと理屈っぽい性格から女性社員に敬遠されがちで、見た目は悪くないにもかかわらず、27歳にして未だに童貞だった。しかし、そんな晴彦に思いを寄せるのは、経験豊富な同僚の美女、うらら。うららが晴彦に惹かれるきっかけは、上司からのしつこいセクハラを晴彦が阻止してくれたことだった。うららは晴彦に強く惹かれるものの、彼女には人には言えない悩みがあった。それは、これまでの男性関係がすべて肉体関係から始まり、結局本命の恋人になれないことであった。晴彦とはピュアな関係を築きたいと願ううららだったが、純粋な恋愛経験が乏しいため、いざ晴彦を前にすると緊張してもじもじしたり、的外れなアプローチをしてしまうことが多い。一方、晴彦もまたうららに思いを寄せているが、恋愛という非合理的な感情を理解できず、彼女の気持ちを素直に受け止めることができずにすれ違いが生じている。
ピュアな恋路を阻む新たなトラブル
女性経験が乏しい晴彦は、時おり常識を超えた突飛な行動を取ったり、まったく空気を読めない発言をして周囲を困惑させることが少なくない。一方、そんな晴彦に思いを寄せるうららは、恋愛に鈍感な彼に振り回され、徒労に終わる日々を送っていた。呆れたり悩んだりしながら、二人は時にはほかの同僚たちを巻き込みつつ、不器用ながらも試行錯誤を繰り返していた。互いにこっそりと背伸びをしながら、相手への思いを募らせていく。晴彦とうららは、ある出来事をきっかけに実現した初デートを経て、ついに交際をスタートさせる。ようやくピュアな関係が始まったかのように見えたが、うららの過去を知る元セフレの男性が突然現れるなど、さまざまなトラブルが次々と立ちはだかる。
登場人物・キャラクター
見栄 晴彦 (みえ はるひこ)
うららと同じ会社に勤務する男性。年齢は27歳。短く整えられた黒髪に眼鏡をかけ、知的な雰囲気を漂わせたイケメン。しかし、極端に無口で不愛想なため、女性社員からは避けられがちで、社内では少し浮いた存在となっている。仕事には真摯に取り組んでいるものの、その徹底した生真面目さと理屈っぽい性格が災いし、恋愛に関してはまったくうまくいっていない。晴彦自身は必死に隠しているつもりだが、未だに童貞であることは、うららをはじめとする周囲の同僚には見抜かれている。うららに対して特別な感情を抱いているものの、「恋」という感情を理解できていないため、思いを伝えることができず、すれ違いが続いている。
表 うらら (おもて うらら)
晴彦と同じ会社に勤務する女性。年齢は25歳。明るい茶髪をボブヘアにした美人だが、その外見とは裏腹に、過去には男性100人斬りを達成した経験がある元ビッチ。いつも本気の恋に発展する前に肉体関係を持ってしまい、結局うまくいかない苦い経験を繰り返してきた。現在はピュアな恋愛を切望しており、同僚の晴彦に真剣な思いを寄せている。晴彦に対しては積極的にアプローチを繰り返しているが、恋愛に理解が乏しい晴彦にはなかなか気持ちが届かず、悩みが尽きない日々を送っている。
書誌情報
恋するふくらはぎ 全4巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス・エクストラ〉
第1巻
(2018-11-08発行、978-4253253918)
第4巻
(2021-06-08発行、978-4253253949)







