あらすじ
第1巻
上野は、どんな液体でも濾過して清水に変える装置である「ロッカくん」を発明し、好きな人に自分の尿を飲んでほしいと願う謎の乙女心から、濾過した自分の尿を田中に飲ませようと、本人に要求を突きつける。(ロッカくん)
謎の暗黒物質を操作して局所的な空間を不可視化する装置である「クマタンダー2号」を発明した上野は、それを使ってスカートの中が見えないようにし、なおかつ下着を履いていない状態で、田中にそれを覗くように要求。本人は色仕掛けをしているつもりだったが、装置の機能に興味を示した田中が思い切り無造作にスカートをめくろうとするので逆に動転して真っ赤になるのであった。(クマタンダー2号)
上野は、超高機能脱臭装置「ダッシュたん」を発明し、自分のタイツを田中にかがせようとした。そうすれば自分を少しは異性として意識するかもしれない、という考えのもとでの事だが、いっしょに嗅いだ山下の靴下と比べて普通に臭い、といわれてしまう。(ダッシュたん)
上野が無敵の防護機能を持った布を作り、それをブラジャー状にして装着し理科室へとやって来た。胸に触ってほしい、という恋心からの振る舞いであるが、「平気だから叩いてみろ」という上野の胸ではなく尻を田中は思い切り叩く。「そうじゃない」と言われても田中は執拗に尻を叩き続ける。(一七六防護服)
体臭を無臭化する薬「ドラントーデS」を発明し、田中に自分の匂いを嗅いでもらい、そして自分を異性として意識させようとする上野。しかし、確かに匂いがしないと田中に全身を執拗に嗅ぎまわられる羽目になる。(ドラントーデS)
上野が、バリアフィールド状の傘を展開する装置「II傘(あいあいがさ)」を発明した。要するに相合傘がしたいだけだったが、すったもんだの騒ぎの末、傘を持っていなかった田中は赤面する上野と実際に肩を寄せ合い、II傘を利用して帰途につく。(II傘)
物質を変換して可食化する装置を発明し、自分のパンツを田中に食べさせる上野。それは実はパンツでしたとネタばらしをし、田中を恥ずかしがらせるのが目的だったが、どうにも照れてしまい言い出す事ができない。(パンティロッティ)
上野が、摩擦すると発電しスマホの充電ができる装置「ジゴスパッツ」を発明した。それを穿いて田中を誘惑する作戦だったのだが、田中は顔色一つ変えずに本当に上野の股間をまさぐりまくるので、自分で触れと要求したはずの上野に理不尽にキレられる。(ジゴスパッツ)
上野が、自分を模したガイノイド「ウエノ13号」を発明した。田中がそれを偽物だと見抜き、本物の自分を探す事を期待していた上野だったが、田中はまったく気づかないうえ、ウエノ13号が独走して勝手に田中に愛の告白をし始めてしまう。そして隠れていた上野は飛び出してウエノ13号を引きずり倒し、理科室から去っていくのであった。(ウエノ13号)
上野が、指定した色の物体を発光させる装置「BGブルーライト」を発明した。それを使って愛の告白の表現を相合傘で表現しようとしたのだが、手違いで胸の上だけがなんだか恥ずかしい形で光ってしまい、なんとなく気まずい空気が流れる。(BGブルーライト)
第2巻
上野が、原理は不明だが自動的に中に水がわき出すペットボトル「ガラクたん」を発明する。田中と間接キスするのが目的であったが、緊張のあまりペットボトルを取り落としてしまう。(ガラクたん)
上野が、あらゆる液体を吸収し大気へと変換する「アンダーゥエア」を発明する。それを靴下として履き、どういう心情からか田中に被らせようとするのだが、どう言いくるめようとしてもうまくいかない。(アンダーゥエア)
田中と身体を密着させてイチャイチャしたいという動機で、上野が、装着者のパワーを変動させる「E-Q(エプシロンクイック)ブースター」を発明し、相撲を取る。しかし田中が本気でブルマを思っきり引っ張るので悲鳴を上げる羽目になる。(E-Qブースター)
上野が、バーチャル・リアリティ装置と見せかけて実は周囲の状況が見えるというだけの装置「バーチャライザー」を発明し、それをバーチャル・リアリティ装置であると偽って、部員たちの前で装着する。VR空間の中にいるふりをして、部員たちの様子をこっそり観察するのが目的であったが、田中がなんと自分の股間に手を伸ばしてくるので慌ててしまう。(バーチャライザー)
水泳部の部長である北長が、上野が発明した痴漢・盗撮を防止する装置「キルトハイド」を受け取りに来る。北長の本当の目的は、友人の上野が恋の悩みを抱いている事について様子を見る事であった。(キルトハイド)
上野が、恥ずかしいと感じると警報を鳴らす装置、「カンチカン」を発明する。身体に触ってほしい、という動機で作ったものなので、それを装着し、田中にさあ痴漢行為をしろと迫る上野であるが、田中が具体的に何もしなくても近付いただけで装置が作動してしまう。(カンチカン)
上野が、装着者以外には絶対にポケットに触れる事ができないスカート「プリヅンスカート」を発明し、それを穿いてやって来る。自分に触れてほしいという大胆な乙女心から、上野は田中にスカートの中身を探ってみろと無茶ぶりをする。(プリヅンスカート)
上野が、強力な催眠剤であり同時に自白薬としても機能する「コイツネトールナD錠」を発明し、それを田中に飲ませる。自分に対して好意を持っているかどうか、直接訪ねるのが目的であった。(コイツネトールナD錠)
上野が、無生物をペット化する「ピースペクター」を発明し、それによって自分のタイツからタモンを創り出す。田中をして自分のタイツにすりすりさせるのが目的であったが、タモンは男には懐かないのでなかなかうまくいかない。(ピースペクター)
第3巻
田中に過激なスキンシップを試みる上野が、空気を操作して透明な椅子を創り出す「インビジブルマ」を発明、わざと田中の顔の上に尻もちをつこうとする。(インビジブルマ)
上野が、へそにタッチ式ロックを設定できる「平素ロッカー」を発明し、そのロックを使って田中の財布とスマホを金庫に放り込む。自分に触ってもらうのが目的だったのだが、実際に触られるとなるとこそばゆいわ恥ずかしいわでギブアップしそうになってしまう上野であった。(平素ロッカー)
陸上部の部長である西原が、汗をかきやすい体質だからという理由で水分を吸い取りやすい下着「PEリザーバー」の作成を上野に依頼し、それを受け取りにやって来て小騒動を巻き起こす。(PEリザーバー)
上野が、切られても無限に再生する布「Nオールクロス」を発明し、それをスカートにして穿いてきて、それを田中に切らせようとする。そうすれば自分の事を意識せずにいられないだろう、という考えによるものである。ところが、スカートといっしょに、普通の布でできている下着とペチコートまで切れてしまう。(Nオールクロス)
上野が、設定した物質を転送する装置「ガチャポーター」を発明する。それを「自分が望んだものを転送してくる装置」と偽って田中に使用させ、自分のパンツを転送させる事で「ははーん、私の事が気になるのだな」とやるつもりだった。しかし、何故かは不明だが上野が設定したのとは別のもの、具体的には山下のパンツが転送されてくる事になり、田中は山下にひっぱたかれる。(ガチャポーター)
上野が、一輪車のタイヤ部分を取り除いた零輪車「ゼロリンシア」を発明し、本人はお色気を振りまいているつもりでそれを披露するが、操作を誤って股間にサドルが食い込みまくり、恥ずかしい思いをする。(ゼロリンシア)
上野が、男女が仲よくなるためには定番のアイテムというべきツイスターゲーム、それも色を自在に変化させられる「ブレゼルン」を発明し、田中とゲームをするが、途中で恥ずかしくなってしまう。(ブレゼルン)
上野が、手をつないでいる相手と味覚を共有する装置、「バレッタン」を発明する。手をつなぐ事が主目的であり味覚云々はオマケなのだが、田中の口から恋人つなぎしましょうなどという言葉が飛び出したために上野は動転する。(バレッタン)
上野が、重心を安定させてどんな立ち方でも可能にする装置「シャーフテイル」を発明、それを山下に装着させ、自分と山下とウエノ13号とでバランス立ち勝負をする。回りくどい割に目的は単に田中にパンツを見せるというだけの事なのだが、ウエノ13号が田中にアプローチを始めたため、上野はそれを止めるのにかかりきりになり、本来の目的はそっちのけになってドタバタ騒ぎが展開される。(シャーフテイル)
田中の妹である田中みずなと田中よもぎがやって来て、上野から発明品「ペロリリオン」をもらう。それは「自分の好きな甘い味が口に広がる飴」というだけのものだが、二人はひとしきり大騒ぎをして上野を困惑だけさせた挙句、ちゃんとお礼を言いなさい、などと田中に説教される。(ペロリリオン)
登場人物・キャラクター
上野 (うえの)
中学3年生の女子。科学部の部長を務めており、田中と山下からは「部長」と呼ばれている。天才的な発明家で、年がら年中いろいろな発明品を作っている。その発明品を利用し、恋心を抱いている田中に対してアプローチや色仕掛けをしているが、ほとんどが失敗に終わっている。自分から押していく時には強気だが、たまに田中にアプローチとも取れるような行動をとられるとうろたえてしまうなど、根は純情。
田中 (たなか)
中学2年生の男子で、科学部に所属している。まったくの朴念仁で、異性に対する興味や関心のようなものを見せる事がなく、上野の色仕掛けにも一切動じない。それ故に、ある意味では積極的とも見える行動を平然ととる事が多い。双子の妹・田中みずなと田中よもぎの前では教育熱心なよき兄である。
山下 (やました)
中学1年生の女子。クラスは1年2組で、科学部に所属している。普段は本ばかり読んでおり、上野の田中に対する奇行めいたアプローチを遠くから眺めつつ、冷静に突っ込みを入れるような役回りを演じている。だが、実は密かに上野の恋心をサポートしており、稀にではあるが田中の鈍感さに対して怒りをぶちまけるというような一面もある。
北長 (きたなが)
中学生の女子で、水泳部の部長を務めている。上野の友人。水泳部に覗きが出没するため、上野に対策を依頼し、「キルトハイド」という、人の裸体を自動的に隠す立体投影装置が開発されるきっかけを作った。田中が見ている前でいきなり水着を脱ぎ出すなど、性に対して無頓着なところがある。
西原 (にしはら)
中学生の女子で、陸上部の部長を務めている。上野の友人。並外れた運動能力と、並外れた新陳代謝の機能を持つ。やたらと汗をかきやすい体質であるため、上野に頼んで汗を自動的に吸い取って真水に変える着衣状のアイテム「PEリザーバー」を作ってもらった。
田中 みずな (たなか みずな)
中学1年生の女子で、1年2組に在籍している。田中の妹で、田中よもぎとは双子であり、姉にあたる。ただし、よもぎとはあまり似ていない。好きな食べ物は「和菓子の中身」。兄に対しては頭が上がらず、よく妹ともども説教されている。
田中 よもぎ (たなか よもぎ)
中学1年生の女子。田中の妹で、田中みずなとは双子であり、妹にあたる。ただし、みずなとはあまり似ていない。好きな風味は「チョコミント」。兄に対しては頭が上がらず、よく姉ともども説教されている。
ウエノ13号
上野が発明・製作したガイノイド(女性型人造人間)。ベースとなっているのは介護用ロボットの試作機だが、完全自立型であり、上野自身に似せて造られている。乙女の気持ちを表現する回路を持ち、上野自身の田中への恋愛感情をそっくりインプットされている。一方で上野の不器用な部分はコピーされておらず、田中に対して率直にアプローチを行う。
タモン
上野が発明した、無機物に自律的な行動能力を与えるアイテム「サモンスタット」によって上野の脱いだタイツから創り出された、小動物のような姿をした疑似生命体。「タイツから召喚(サモン)されたもの」という意味で、上野により「タモン」と名づけられた。人体の老廃物をエネルギー源としているため、上野や山下によく懐いた。 ペットとして飼われる事になり、理科室に住みついている。