あらすじ
第1巻
お菓子と遊ぶ事が大好きな6歳児の森長可は、父親である森可成が働く岐阜城へ遊びに行っては門番の毛利新助にあしらわれたり、城主の織田信長に驚かされたりしている。長可は岐阜城でほかにも、室町幕府次期将軍の足利義昭をおもてなししたり、信長の家臣である柴田勝家、堀久太郎、信長の妻の濃姫など癖のある人物と知り合い、友達になるのだった。家に帰ればしっかり者の姉の森あおにいたずらを怒られたり、独特の雰囲気を持つ弟の森蘭丸と大騒ぎして楽しい毎日を過ごす。
登場人物・キャラクター
森 長可 (もり ながよし)
森可成の次男。6歳の子供。おかっぱ頭で頭頂部に一つ結びがある。ネコの髪飾りとポシェットを身につけている。子供らしい言動をしているが物怖じしない性格で、大人相手にもはっきりと物を言う打算的な一面がある。可成が働いている岐阜城へ遊びに行き、毛利新助や織田信長の家臣と戯れている。甘いお菓子が好物で、岐阜城へ訪れる主な理由は、カステラなどの南蛮菓子が食べたいためである。年上と話している時はわがままな態度や突拍子もない発言が目立つが、年下の森蘭丸と話す時は常識的な事や教養のある事を言い、兄としての自覚を持って接している。実在の人物、森長可がモデル。
森 可成 (もり よしなり)
森長可の父親。ちょんまげ頭で口ひげを生やしている。織田家に仕えており、岐阜城で働いている。柔和な表情と性格で子供達にも優しく接している。槍の名手で、ほかの武将から「槍の三左」と呼ばれる猛者でもある。織田信長からの信頼も厚い。実在の人物、森可成がモデル。
森 あお (もり あお)
森可成の次女で、森長可の姉。ショートヘアで、側頭部で髪を一つに結い、身軽な服装をしている。性格は活発だがしっかり者で、家事の手伝いや長可の教育係を務める。
森 可隆 (もり よしたか)
森可成の長男。父親に代わって金山城を守っている。長髪をポニーテールのように結っている。つねに戦術を学んでいるが、まだ一度も戦場に立った事はない。弟である森長可の事はかわいがっており、自分のあとを継げるように戦術などを教えている。実在の人物、森可隆がモデル。
森 蘭丸 (もり らんまる)
森可成の三男。3歳でありながら容姿端麗で、ある程度話す事もできる。幼児服を着て頭には王冠をかぶっている。周囲からは「らんまる」と呼ばれている。実在の人物、森蘭丸がモデル。
毛利 新助 (もうり しんすけ)
織田信長に仕え、岐阜城の門番をしている武将の男性。強面で、角刈り頭に口ひげを生やしている。許可なく城内へ侵入しようとする森長可を引き止め、子供であっても使命をまっとうするという強い忠義心がある。実在の人物、毛利良勝がモデル。
織田 信長 (おだ のぶなが)
岐阜城の城主を務める武将の男性。長髪でサングラスをかけ、スーツを着用している。破天荒な性格で、人が争うもめごとを好んではあちこちに顔を出す。もめごとが起こると高らかに笑って喜ぶ。実在の人物、織田信長がモデル。
柴田 勝家 (しばた かついえ)
織田信長に仕える武将の男性。あごひげを伸ばし髪を逆立てた、威圧感のある風貌をしている。武芸に秀で、腕力も強く、同じ軍の武将からも一目置かれているが、近寄りがたい人物として周囲から恐れられている。実は猫や小さい生き物が好きだが、その事実は森長可以外にはひた隠しにしている。実在の人物、柴田勝家がモデル。
濃姫 (のうひめ)
織田信長の妻。小柄な体型で、ウェーブのかかったショートヘアにしている。森長可以外に友達がおらず、体が弱く頻繁に吐血するため、ふだんは部屋にひきこもりがち。また、話し方や立ち振る舞いが不気味なため、幽霊に間違われる事もある。実在の人物、濃姫がモデル。
判 惟安 (ばん これやす)
忍者一族である美濃甲賀衆の男性。忍び装束で口元を隠している。森可成と親交がある事から森長可とも面識があり、長可からは「ばんばん」と呼ばれている。冷静でまじめな性格だが、長可の遊びに付き合う事もある。
足利 義昭 (あしかが よしあき)
室町幕府の次期将軍と目される男性。アシカのような外見で、森長可からはマスコット扱いをされている。幕府再建のために織田信長から庇護を受けており、岐阜城にたびたび呼ばれている。実在の人物、足利義昭がモデル。
堀 久太郎 (ほり きゅうたろう)
織田信長に仕える家臣の男性。まじめな性格の美男子で、なにをさせてもうまくこなしてみせるため、「名人久太郎」という通り名を持つ。頼まれるとなんでも引き受けてしまう性分で、どんな無茶振りにも応えてしまう。信長の事を崇拝しており、もめごとを好む信長のために、自らもめごとを起こして喜ばせようと考えるが、まじめすぎるために失敗している。森長可が頻繁にもめごとを起こしている事を知り、彼にもめごとを起こすコツを教えてもらう。実在の人物、堀秀政がモデル。