概要・あらすじ
アクシズで暮らすハマーン・カーン14歳は、元気で一直線な恋する女の子。ジオン軍のエースパイロットであるシャア大佐に想いを寄せて、日々積極的なアプローチを仕掛けていた。しかし、毎回すげなくあしらわれ、業を煮やしたハマーンは、父親であるマハラジャ提督に助けを求める。愛娘の頼みを聞いたマハラジャ提督は、ジオン軍が叡智を結集して作った「キューピッドのナイフ」をハマーンへ手渡す。
心臓を突き刺した相手と相思相愛になれる、という究極の恋愛成就兵器を構えて、ハマーンは今日もシャア大佐へとアプローチを仕掛けるのだった。
登場人物・キャラクター
ハマーン・カーン (はまーんかーん)
アクシズで提督を務めるマハラジャ提督の娘。シャア大佐に恋する14歳。紫色の髪をツインテールにまとめた髪型をしている。元気いっぱいの性格と持ち前の行動力で、シャア大佐を毎日のように追いかけ回すが、拒絶され続けている。シャア大佐を慕う恋のライバルたちに負けじと、日々の地道な努力から直接的なバトルまで、休む間もなくこなし続けている。
シャア大佐 (しゃあたいさ)
ジオン軍のエースパイロット。「赤い彗星」と呼ばれる。サングラスをかけた金髪の男性。アクシズを訪れて以来ハマーン・カーンに追いかけ回され、心安まらない苦悩の日々を送っている。女性から非常に人気があり、ハマーンの妹であるセラーナをはじめ、ナタリー中尉やスーパーオペレーターズなど、登場する女性のほとんどから慕われている。
マハラジャ提督 (まはらじゃていとく)
アクシズで最も階級が高い提督を務める男性。ハマーン・カーンとセラーナの父親で、2人がシャア大佐に想いを寄せていることを苦々しく思っている。また、ファビアン・フリシュクネヒトのようなイケメンに対しても快く思っておらず、立場と権力を利用してパワハラを仕掛けることもある。アクシズ内では守りと堅実の穏健派に属する。
セラーナ
ハマーン・カーンの妹。おっとりとした性格をしているが、根はしっかりとした人物で頼れる存在。ハマーンと同じくシャア大佐に想いを寄せており、姉妹でライバル関係になることもある。ハマーンと力を合わせると、通常の40倍もの力を発揮する合体攻撃を繰りだすことができる。
オクサーナ・ボギンスカヤ (おくさーなぼぎんすかや)
サイド3からやってきたナゾの女性。金髪ロングヘアーに柔和な笑顔を浮かべた外見とは裏腹に、怪力を誇る。サイド3とは重力が異なるアクシズの環境に慣れず、たまたまシャア大佐に寄りかかったところをハマーン・カーンに目撃されてしまう。以後、彼女に付け狙われることとなるが、持ち前の怪力で撃退している。シャア大佐を手に入れようと、あの手この手で誘惑する人物のうちの一人で、そのためには得体の知れない黒魔術に手を出すこともある。
ナタリー中尉 (なたりーちゅうい)
ハマーン・カーンの世話役を務める人物。階級は中尉。その一方で、シャア大佐を巡って火花を散らす恋のライバルでもある。金色の長い髪をかき上げ、後ろで結い上げた髪型をしている。情報の解析を得意としており、それを転用して高精度の占いを行う。
エンツォ・ベルニーニ (えんつぉべるにーに)
アクシズ内で攻めと革新の急進派を率いる重鎮の男性。階級は大佐。初老ながら、筋肉を鍛えることを趣味とした「スーパーマッチョチーム」の一人。非常に暑苦しい人物で、筋トレを頻繁にしていることもあり汗くさい。マハラジャ提督と同様にイケメンに対して心が狭く、ファビアン・フリシュクネヒトに対してパワハラを働くこともある。
マルコ・ベッキオ (まるこべっきお)
「スーパーマッチョチーム」の一人。エンツォ・ベルニーニと共に筋肉を鍛えることを趣味としている。刈り上げの頭に厳つい顔つきという外見の男性で、常に鍛えているため、筋骨たくましい肉体を持つ。非常に負けず嫌いで、上官であるエンツォに対しても勝負を簡単に譲ったりしない。
ラカン・ダカラン (らかんだからん)
「スーパーマッチョチーム」の一人。エンツォ・ベルニーニと共に筋肉を鍛える事を趣味としている。刈り上げ頭の無表情で寡黙な男性。スーパーマッチョチームの他の2人と共に、黙々と筋肉を鍛え続けている。マルコ・ベッキオに負けず劣らずの負けず嫌いで、いつも3人で筋トレ勝負を繰り広げている。たまに、無理のしすぎで倒れることもある。
フェルディナンド技術大尉 (ふぇるでぃなんどぎじゅつたいい)
アクシズの技術大尉。初老のダンディな男性。技術力のみならず料理の腕もよく、ケーキを作ろうとしていたハマーン・カーンたちに、料理講師として呼ばれたスイーツマスター。宇宙空間の拠点であるアクシズでは、手に入る食材が限られているため、謎の宇宙生物などを利用して元の味を再現している。
スミレ准尉 (すみれじゅんい)
メガネにお下げという外見の女性尉官。階級は准尉。モビルスーツ開発に携わっており、サイコミュシステムと呼ばれる装置の運用方法を根本から見直した実験を行っていた。モビルスーツ開発を担当しているユルゲン少佐の部下にあたり、彼のもとへしばしば実験データを届けている。女装趣味のユルゲン少佐ばかりが注目されるので、時に嫉妬している。
ユルゲン少佐 (ゆるげんしょうさ)
モビルスーツ開発を担当している少佐。顎の割れた中年の男性。スミレ准尉の上司にあたる。ミスの許されない職場のストレスから女装趣味に目覚めてしまい、人知れず自室でセーラー服にウィッグを着用していた。実験データを届けに来たスミレ准尉とハマーン・カーンに目撃されて以来は、吹っ切れたのか普段からその格好で過ごすようになった。 その際も、女装姿を目撃したシャア大佐たちの度肝を抜いた。
ファビアン・フリシュクネヒト (ふぁびあんふりしゅくねひと)
モビルスーツのパイロットを務める男性。アクシズ内で噂になるほどのカッコイイ外見の人物。それしかないと言う理由から、軍服の前半分しか与えられておらず、後ろ半分は裸ですごしていた。アクシズの女性たちからちやほやされるため、マハラジャ提督をはじめとする男性陣の妬みを買い、パワハラの対象となっている。
ニコラス
オクサーナ・ボギンスカヤの壺から現れた壺の精。がっしりした体格の筋肉の塊のような男性で、無精髭にたくましいもみあげを生やした暑苦しい外見をしている。オクサーナの黒魔術によって呼び出された際、願いを叶えてくれとねだるハマーン・カーンたちに、もみあげを与えようとした。
エーベルハルト・リヒター (えーべるはるとりひたー)
ジオン公国の残存拠点であるアムブロシアで酋長を務める初老の男性。コロニー公社が廃棄したコロニーや人工衛星の残骸をベースに建造されたアムブロシアで、ペニスケースを身に着けた先住民のような格好で暮らしている。アムブロシアを訪れたハマーン・カーンたちを客人としてもてなした。
ジェラルド・シンクレア (じぇらるどしんくれあ)
ジオン公国の残存拠点であるアムブロシアに住む人物。エーベルハルト・リヒターと同様に、ペニスケースを身に着けた先住民を彷彿とさせる格好で暮らしている。アムブロシアの誇り高き槍遣い「ハゲワシのシンクレア」と呼ばれている。サイド3へ渡るためのロープのついた槍を投げる役割を担っていたが、ハマーン・カーンに「絶対にムリ」と拒絶されたため、投げる機会はなかった。
集団・組織
スーパーマッチョチーム
エンツォ・ベルニーニをはじめ、マルコ・ベッキオ、ラカン・ダカランの2人を加えた3人のこと。「ジオン復興のためアクシズを宇宙一のフィットネスクラブにするのが夢」と語っている。ことあるごとに筋トレや体力トレーニングを行っており、時としてこれにハマーン・カーンが巻き込まれることもある。
MS開発担当チーム (もびるすーつかいはつたんとうちーむ)
アクシズのモビルスーツ開発の未来を担う技術チーム。メンバーは、メガネにお下げという頼りない外見のスミレ准尉と、顎の割れた外見なのに女装趣味のユルゲン少佐。そのため、外見からどうしても組織として不安感が先行する状態となっている。だが、実際の技術力は誰からも認められるほどに高い。
スーパーオペレーターズ
アクシズの女性オペレーターである、シンディ伍長、レイナ軍曹、ルル曹長のこと。日頃から報告してばかりの職務であるため、些細なことでも他人に報告しなければ落ち着かないという習性がある。3人そろって、シャア大佐を狙っている。
場所
アクシズ
宇宙空間に浮かぶ小惑星。マハラジャ提督が収めている。「ジオン公国」と呼ばれる国に属する軍人たちが主に生活している。軍事基地ではあるが、広大なスペースがあるため、内部にはビーチをはじめ、アクシズ温泉という温泉や商店街も存在している。
アクシズ温泉 (あくしずおんせん)
アクシズ内に存在している温泉。男女別の露天風呂。美肌の湯をはじめ、パワーアップの湯やスピードアップの湯など複数の湯が存在する。しかし、実際は適当に名前がつけられているだけで、元はすべて水道水。だが、入浴したハマーン・カーンたちは、なぜかその名前通りの効能を得ていた。
アムブロシア
ジオン公国の残存拠点で、中継基地にあたる。サイド3を目指すハマーン・カーンたちが立ち寄った。元はコロニー公社が廃棄したコロニーや人工衛星の残骸で、それらをベースとして建造されている。そのため、基地内の設備は一昔前のものが多い。アムブロシアで生活しているエーベルハルト・リヒターたちは、なぜかペニスケースを身に着けた先住民のような格好をしている。
その他キーワード
キューピッドのナイフ
ジオンがその叡智を結集して作り上げたとされる、究極の恋愛成就兵器のこと。マハラジャ提督によって、愛娘であるハマーン・カーンへと授けられた。外見は普通のナイフの形をしている。対象の心臓をひと突きすることによって、相思相愛の仲になれるという。
ビーチバレー特訓 (びーちばれーとっくん)
アクシズ名物とされている特訓。アクシズ内のビーチで行われる特別なビーチバレーで、自らがボールとなって敵陣へ飛び込み、相手を倒すと勝ちという競技。負けた場合は罰ゲームがあり、シャア大佐には人食い鮫のいる海を遠泳するという内容が用意されていた。
納涼花火特訓 (のうりょうはなびとっくん)
アクシズ名物とされている特訓。「花火大会」とも呼ばれる。自らが花火となって打ち上げられることで、全身を使って美しさを表現し、それを競い合うという特訓。アクシズで「花火」といえばこれ、というほどの常識となっている。参加者は皆、浴衣姿に着替える。