概要・あらすじ
魔王から世界を救う勇者として異世界に召喚された少年・織田雄太は、自分を崇める民衆に請われ、村の長老であるザエモンと共に魔王討伐の旅へ出ることになった。モンスターの襲撃やニセ勇者との対決など、旅の行く先々でさまざまなトラブルに巻きこまれる雄太だったが、ザエモンをはじめとする異世界の住人の協力と、持ち前の楽天的な性格で数々のピンチを危なっかしいながらもたくましく乗り切っていく。
登場人物・キャラクター
織田 雄太 (おだ ゆうた)
トイレにこもっている最中に異世界に召喚され、勇者として魔王を打ち倒す役割を引き受けることになった少年。剣術も魔法もからっきしだめだが物怖じしない性格で、前任の勇者が99人まで討ち死にしているという不吉な情報を知らされても、とくにプレッシャーを感じることもなく飄々と旅を続ける大物。口うるさいお目付け役のザエモンから、たびたび子供扱いされることに不満を覚えている。
ザエモン
異世界にある村の長老で年金暮らしをしている男性。織田雄太を召喚した張本人であり、魔王討伐の旅に出た雄太に同行し、豊富な経験を活かしてさまざまなアドバイスをするが、たいして役に立っていない。実は70年前に魔王を封印した勇者で、次世代の勇者を求めて旅を続けていたが、人材を育成する才に欠けており、これまでに多くの勇者を討ち死にさせている。
リューク
自らを真の勇者と名乗り、織田雄太に決闘を挑んできた異世界の青年。魔王の手下を一撃で葬り去るほど腕は立つが、対戦相手を無駄に挑発するなど調子に乗りやすい面がある。雄太に敗れたあとに改心するが、魔王の城の場所がわからなかったため、旅を続ける雄太をこっそり尾行していた。のちに自らが興したリュケイアの国王となる。
ジョン
異世界で武器屋を営む男性。貧弱な商品のラインナップを、織田雄太に咎められ、半ば強引に武器探しの一人旅をさせられるハメになる。実はザエモンとともに魔王を倒した勇者一行の子孫だが、優れた鍛冶屋だった父親の才能を受け継ぐことはできず、古びた剣を鍛えなおそうとして完全に破壊してしまうこともあった。
ジョアンナ
ジョンの娘で、異世界で喫茶店を営む明るい少女。リュケイア国王となったリュークが、織田雄太の資質を見極めようとした際のトラブルで店を失い、莫大な借金を背負ってしまう。以後は借金を返済するためにあらゆる場所で抜け目無く商売に励むこととなる。
名も無き魔法使い (なもなきまほうつかい)
リュケイア王国に所属する100歳を迎える魔法使いの男性。名も無き端役で人生を終えることを恐れており、新たな魔王となったザエモンを倒すために身を投げ出して奮闘する。戦闘中にザエモンの生命エネルギーを吸収して若返り、少年の姿となった。のちに自らが呼び出した精霊と一体化し、「アルティメット」と名乗る。
山田 斎三 (やまだ さいぞう)
異世界で「山田道場」を開く男性。山田流剣術の師範を務めており、リュークに圧勝するほどの腕前を誇る。基本的に人格者だが、リュークに道場を奪われた際にはジョアンナをさらって道場の奪還を画策するなど、山田流剣術のためなら手段は選ばない。
魔王 (まおう)
異世界の征服をたくらむ魔王。天空に浮かぶ巨大な魔王城に住んでおり、手下を使って召喚された織田雄太の暗殺を狙う。雄太一行との最終決戦をまえに冥界から暗黒帝王を呼び出そうとしたが、失敗に終わる。
リトナ村の村長 (りとなむらのそんちょう)
異世界にあるリトナの村長を務める男性。ひと月に一度、村娘をいけにえとして魔物に差し出さなければならないという過酷な環境で暮らしているが、女装させた旅人をいけにえにすることで村の崩壊を防いでいる。
場所
リュケイア
織田雄太と共に魔王を討ち果たしたリュークが国王となり、異世界に打ち立てた国。国家としての規模はさほど大きくはなく、山田斎三の留守中に門下生ごと奪い取った「山田道場」を居城としている。