予測不能な不思議美少女×冷静沈着なツッコミ少年
巨大学園都市「私立ユーカリの葉学園」に入学した猫田悠一は、部活を探している最中、蟻ケ崎千歳と出会う。蟻ケ崎は、中学時代に3年連続でミス・ユーカリに選ばれ、殿堂入りしたほどの美少女である。しかし、その性格は自由奔放。予測不能な行動で周囲を翻弄する。一方、猫田は冷静沈着な性格で頭が切れる常識人。「音楽室の壁の穴の数が1万8573個であり、各桁の数字を足すと1日と同じ時間24になるから、世界はこの学園を基準に回っている」という蟻ケ崎を「ほっておけない」と感じた猫田は、彼女が設立した「放課後ひみつクラブ」に入部する。こうして生まれた蟻ケ崎と猫田コンビの、テンポのよい掛け合いによるギャグが本作の魅力である。
学園に潜む謎を解き明かす闇の組織「放課後ひみつクラブ」
「この学園には、隠された謎がたくさんある」という蟻ケ崎。はじめは半信半疑な様子の猫田だったが、実際「私立ユーカリの葉学園」はおかしなところがたくさんあった。図書室の地下に隠されたヒミツのお屋敷、集団催眠の音楽を奏でる軽音楽部、オカルト研究会による悪魔崇拝儀式と本当のアクマの登場、パソコン部からつながるメタバースの世界など、不思議と陰謀が渦巻いているのが学園の実態だった。そんな学園の謎を解き明かし、真実に触れる使命を持つのが、学園非公式の闇の組織「放課後ひみつクラブ」である。
蟻ケ崎を潰そうとする生徒会と風紀委員会
「放課後ひみつクラブ」の活動を阻止するために現れるのが、風紀委員長の黒薔薇アンジェリカ。高圧的でいかにもやり手に見えるアンジェリカだが、異常に痛みに弱く、蟻ケ崎の敵ではない。また、風紀委員の上に立つ生徒会長の虎ノ門菊子は、ある計画を進めており、その邪魔になる「放課後ひみつクラブ」を潰すためにあれこれと画策する。反対に、生徒会に抗(あらが)う「ブルーな小鳥の会」という組織もあり、蟻ケ崎は共闘を申し込まれるがきっぱりと断る。「放課後ひみつクラブ」の最大の楽しみは「知ること」そのもの。ヒミツをそれ以外の目的で利用すると、その力に踊らされやがて飲み込まれてしまう。蟻ケ崎はその信条に従い、誰の味方になることもないのだ。
登場人物・キャラクター
猫田 悠一 (ねこた ゆういち)
私立ユーカリの葉学園1年B組出席番号17番で、15歳の少年。学園の寮「ユーカリ・ハウス」で暮らしている。ある日の放課後、部活動を探していたところ、「ヒミツのクイズ」と書かれたビラに導かれ、蟻ケ崎千歳に遭遇。「放課後ひみつクラブ」の部長を名乗る蟻ケ崎に、強引にクラブのメンバーにされる。以来、蟻ケ崎の不条理な言動を冷静に受け止め、的確なツッコミを入れる。また、自分の身を犠牲にしても蟻ケ崎をかばう優しさを持つ。
蟻ケ崎 千歳 (ありがさき ちとせ)
私立ユーカリの葉学園1年A組出席番号1番で、15歳の少女。金髪のロングヘアーと赤い大きなリボンが特徴。いつもキラキラしている謎めいた美少女。学園に隠された数々の謎を解き明かし、真実に触れることが使命だと考えており、非公式の「放課後ひみつクラブ」を設立。猫田悠一を強引にメンバーにする。高飛車で自由奔放、不可解な言動が目立つ。ヴァイオリンの腕前は超一流。イタリアのパガニーニ国際コンクールで優勝した経験を持つ。「ヒミツ・ミッケ」が決めゼリフ。
黒薔薇 アンジェリカ (くろばら あんじぇりか)
私立ユーカリの葉学園2年C組出席番号7番で、17歳の美女。風紀委員長と文芸部部長を務める。プライドが高く、正義感が強い。黒薔薇家は、代々、学園の風紀委員長を務めてきた家柄。犬飼という大柄な護衛を常に従え、学園の秩序を守るために日夜努力している。勝ち気な見た目とは裏腹に、痛みにものすごく弱い。
虎ノ門 菊子 (とらのもん きっこ)
私立ユーカリの葉学園の生徒会長の少女。17歳で、黒薔薇アンジェリカも逆らえない、虎ノ門の一族。エリート意識が高く傲慢な性格だが、褒められると顔を赤らめ素直になるかわいい一面もある。軽音楽部を利用して、ある計画を進めている。「放課後ひみつクラブ」を目の敵にしており、潰そうと計画している。
書誌情報
放課後ひみつクラブ 6巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2023-01-04発行、 978-4088833743)
第2巻
(2023-05-02発行、 978-4088835228)
第3巻
(2023-10-04発行、 978-4088836850)
第4巻
(2024-02-02発行、 978-4088838724)
第5巻
(2024-06-04発行、 978-4088841281)
第6巻
(2024-10-04発行、 978-4088842776)