あらすじ
第1巻
碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーは、第三新東京市の中学校に通う中学生。幼なじみという事で、朝はお互いの家に起こしにいくなどの屈託のない関係が続いていたが、転校生・綾波レイの登場で、関係は少しずつ変化し始める。シンジと親しくなろうとアプローチを繰り返すレイの存在が面白くないアスカは、ついついシンジに対して素直になれず、そっけない態度を取ってしまう。そんな中、アスカは若干だが親しくなったレイ本人から、シンジに対する恋心を打ち明けられてしまう。
第2巻
惣流・アスカ・ラングレーは友人の洞木ヒカリがクラスメイトの鈴原トウジに告白し、晴れてカップルとなった事で、心中穏やかでない。しかしそんなある日、街に正体不明の光の巨人が出現する事件が起こる。碇シンジ、アスカ、綾波レイほかクラスメイト数名はその謎に迫るべく、芦ノ湖畔の廃坑道の探検に向かうが、その廃坑道の先は特務機関NERVの施設につながっていた。そして、一行がエレベーターで地下に向かう途中、地上に謎の巨大な怪物が出現するという突発的事件が発生。シンジとレイの二人は、そのまま特務機関NERVの施設の中で、「エヴァンゲリオン」と呼ばれる人型の兵器に搭乗する事となる。怪物を倒す事には成功したが、その戦いの中でレイは頭にケガを負ってしまう。
第3巻
綾波レイのケガは大した事はなく、一同は胸をなでおろす。そんな中、クラスメイトと河原に集まってはしゃいでいた惣流・アスカ・ラングレーが、誤って川に転落して風邪を引いてしまう。碇シンジは学校を休み、渚カヲルと約束していた弦楽の演奏会も休んで、アスカの看病をする。一方その頃、正体不明のカヲルの謎を追っていた葛城ミサトと加持リョウジは、カヲルと同姓同名の存在が20年も前、シンジの父親と母親のいた中学校に在籍していたという記録を突き止める。そしてその夜、アスカの看病をしていたシンジを強引に呼び出した綾波レイは、シンジに告白をするのだった。その翌日には相田ケンスケがアスカに告白。アスカはその出来事をシンジに告げるが、シンジは煮え切らない様子を見せ、そんな彼の態度にアスカは激昂する。
第4巻
新たな謎の巨大怪物が登場した。「使徒」と呼ばれるようになったそれと戦うために、碇シンジらは再び特務機関NERVに召集される。そんな中、非常事態に伴い、鈴原トウジにお守りを渡しにやって来た洞木ヒカリと、それを受けたトウジの態度を見て、シンジは自分にとって一番の相手は誰なのだろうかと自問する。一方、加持リョウジはシンジの両親に「20年前の渚カヲル」について尋ねるが、二人とも「記憶にない、思い出せない」と返す。エヴァンゲリオンに搭乗したシンジは、カヲルが見せる幻に襲われるが、「自分はこの街を守りたい」と言い放ち、カヲルの幻覚を打ち破った。その後、シンジや惣流・アスカ・ラングレー達は海外の機関に送られて離れ離れになる事になったが、その別れ際、シンジはアスカに自分の恋心を打ち明けるのだった。
第5巻
時は遡り20年前。のちに碇シンジの両親となる碇ゲンドウこと旧姓「六分儀ゲンドウ」と碇ユイが中学2年生の時、クラスに「渚カヲル」と名乗る転校生がやって来た。親がいない家庭に育ったために生活は荒れ、喧嘩を繰り返していた問題生徒のゲンドウだったが、ユイはそんなゲンドウに恋心を抱いていた。それを察したカヲルは、時に優しく時に厳しく、不可思議な言動を繰り返しながらも二人の恋を導いていく。だがある日、世界を拒絶する事を選ぼうとしたゲンドウに対し、カヲルは「アダム」と自らが呼ぶ光の巨人を見せる。カヲルは、ゲンドウが望めば世界を消し去る事もできると誘うが、そこにユイが割って入る。
第6巻
碇シンジ達が離れ離れになってから数年。徐々に子供ではなくなっていった彼らはエヴァンゲリオンの搭乗員としての適性を失い、その役割を少しずつ変えていった。エヴァンゲリオンに乗れなくなった自分に苦悩する綾波レイとの会話の中で、赤木リツコは自分自身の碇ゲンドウに対する思いに胸を馳せる。一方、鈴原トウジはエヴァンゲリオン搭乗者としての役割を完全に終え、日本に戻って洞木ヒカリの前に姿を現した。一方、惣流・アスカ・ラングレーは一時帰国してシンジと再会。二人は久しぶりに喧嘩をして、そして改めて仲直りをするのだった。
登場人物・キャラクター
碇 シンジ (いかり しんじ)
14歳の少年。本作では気弱でおとなしく、流されやすい性格として描かれている。第3新東京市に住み、第3新東京市立第壱中学校に通っている。父碇ゲンドウは特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官、母碇レイはネルフの研究員。幼馴染のアスカ達と普通の学園生活を送っていたが、ある日芦ノ湖に出かけた際、エヴァンゲリオンと遭遇し、綾波レイと共にそのパイロットとして未確認物体を撃墜するが、心に深い傷を負ってしまう。
惣流・アスカ・ラングレー (そうりゅう あすか らんぐれー)
14歳の少女。ツインテールが特徴で、「~なんだからね」が口癖。第3新東京市に住み、第3新東京市立第壱中学校に通っている。勝気で正義感が強く、幼馴染の碇シンジのお目付け役的存在。シンジに恋心を抱いている。転校生の綾波レイが気になって仕方のないシンジに対して、いつも厳しい口調になってしまう。
綾波 レイ (あやなみ れい)
青いショートヘアーの少女。初登場時14歳。第3新東京市立第壱中学校に転校し、碇シンジ達のクラスに編入された。活発でしっかりした意見を持ち、転校早々アスカとぶつかり合ってしまう。家族はおらず、自らを「いつもひとり」と語っていた。それまで転校を繰り返していたが、初めて「普通」の学園生活を楽しむようになった。 またシンジの優しさに触れ、彼に恋をするようになる。ある日芦ノ湖で、エヴァンゲリオンと遭遇し、シンジと共にパイロットとして未確認物体を撃墜するが、負傷してしまう。
渚 カヲル (なぎさ かをる)
クールな佇まいの少年。第3新東京市立第壱中学校に通い、碇シンジ達と同じ2年A組に在籍している。ヴァイオリンを演奏し、チェロが弾けるシンジとは、よく音楽室で2人で合奏している。シンジに対して、ある思い入れがある。ずば抜けたシンクロ率を持ち、「適格者」として2年A組に所属している。経歴をたどっても誰も覚えている者がいない、という不可思議な存在。
鈴原 トウジ (すずはら とうじ)
14歳の少年。第3新東京市立第壱中学校に通い、碇シンジ達と同じ2年A組に在籍している。大阪出身で関西弁でしゃべる。クラス委員長の洞木ヒカリとは相思相愛の仲。後にエヴァンゲリオンのパイロットとなる。単行本第6巻の第参話は、彼とヒカリに焦点を当てた物語。
洞木 ヒカリ (ほらき ひかり)
二つ結びの髪で、そばかすが特徴の少女。初登場時14歳。第3新東京市立第壱中学校に通い、碇シンジ達と同じ2年A組に在籍している。クラスの学級委員長であり、クラスメイト達からは「委員長」と呼ばれている。同じクラスの鈴原トウジとは相思相愛の関係。単行本第6巻の第参話は、彼女とトウジに焦点を当てた物語。
相田 ケンスケ (あいだ けんすけ)
14歳の少年。第3新東京市立第壱中学校に通い、碇シンジ達と同じ2年A組に在籍している。眼鏡が特徴で、人が良く理性的な性格。カメラが趣味で、常にビデオカメラを持ち歩いている。ふとしたことからビデオカメラ越しにアスカの意外な顔を覗き、彼女への恋心を自覚するようになる。
赤木 リツコ (あかぎ りつこ)
第3新東京市立第壱中学校の保健医。左目の泣きぼくろが印象的な女性。2年A組担任の葛城ミサトとは旧知の仲。特務機関NERV(ネルフ)の一員で、エヴァンゲリオンの「適格者」の身体チェック等を担当している。理知的でクールな性格。長い間シンジの父・碇ゲンドウに想いを抱いており、単行本第6巻の第弐話は、彼女との恋に焦点を当てた物語となっている。
葛城 ミサト (あかぎ りつこ)
第3新東京市立第壱中学校の教師。黒髪でロングヘアーの女性。初登場時28歳。碇シンジ達2年A組の担任。保険医の赤木リツコとは旧知の仲。特務機関NERV(ネルフ)の一員で、エヴァンゲリオンの「適格者」の管理役。明るく大らかな性格だが、14歳の子供達に世界の命運を託さざるを得ないことに複雑な気持ちを抱いている。
碇 ゲンドウ (いかり げんどう)
顎髭を生やした中年の男性。色眼鏡の奥の目はいつも厳しい光を湛えている。碇シンジの父で、特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官。任務至上主義で冷徹な性格の持ち主。息子のシンジに対してもその態度は変わらない。第2部の前半は、彼と碇ユイが中学2年生の頃を描いた物語。
碇 ユイ (いかり ゆい)
碇シンジの母。夫碇ゲンドウと共に特務機関NERV(ネルフ)に勤務している。所内では夫を「司令」と呼んでいる。第2部の前半は、彼とゲンドウが中学2年生の頃の物語で、同級生として彼に一途に想いを寄せる姿が描かれている。
加持 リョウジ (かじ りょうじ)
特務機関NERV(ネルフ)の職員。綾波レイが第3新東京市立第壱中学校に転校する以前には彼女の保護役だった。エヴァンゲリオンの「適格者」の1人・渚カヲルの経歴に疑問を抱いて調査する。碇シンジ達の担任・葛城ミサトとは大学時代からの知り合いであり、単行本第6巻の第壱話は彼女との関係に焦点を当てた物語となっている。
集団・組織
特務機関 NERV (とくむきかん ねるふ)
碇シンジの父碇ゲンドウが最高司令官を勤める研究組織。使徒と呼ばれる敵に対抗するためエヴァンゲリオンを開発し、シンジ達パイロット候補となる少年少女達を育成している。第3新東京市の地下に存在している。
その他キーワード
エヴァンゲリオン
使徒と呼ばれる敵に対抗するために作られた汎用人造人型兵器。ある適格を示す少年少女でなければ操縦することはできない。特務機関NERV(ネルフ)内では通称「EVA」と呼ばれている。パイロット候補となる碇シンジ達は「適格者」「チルドレン」と呼ばれ、第3新東京市立第壱中学校で教育されている。
クレジット
- 原作
-
GAINAX , カラー