概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
藤原 百恵 (ふじわら ももえ)
20歳の女性。実業家の家に生まれ箱入りのお嬢様として生きていたが父親が急逝、会社も倒産し、世間に出て自立する羽目に。大学を中退し、洋食屋プチ・ラパンでシェフ織田圭二の見習い弟子として働くこととなる。グルメの父と小さいころから美食を尽くしてきたので、食べることは大好きで、舌には絶対の自信を持つ。 ただし料理の腕前は素人以下。世間知らずでお調子者だが素直で明るく前向きな性格。自分で決めたことはとことんやり抜くという意志の強さも持つ。厳しく鍛えられてゆくうちに、料理人としてだけでなく、人間としても織田に惹かれてゆく。
織田 圭二 (おだ けいじ)
洋食屋プチ・ラパンのメインシェフ。長い黒髪に鋭い目つき。寡黙で無愛想だが、料理の腕前は一流。緻密で完璧な料理をモットーとする。孤児であり、育ての親となり料理の基礎を教えてくれた織田千代を師匠と仰ぐ。パリの名レストランでも修行していた。頑固で主張を曲げない故、何軒も店を転々とした後、プチ・ラパンにたどり着いた。 藤原百恵の料理の師匠となる。素人以下の百恵を毎日叱りつけながら働いてゆくうち、百恵の周囲を明るくさせる天性の魅力に影響され、彼自身も少しずつ変化してゆく。
高橋 薫 (たかはし かおる)
銀座の高級フレンチレストラン・メゾン・ブリュのオーナーシェフ。料理学校の客員教授も務める若き俊英。織田圭二とはパリの名レストランで共に修行した兄弟弟子で、ライバル関係にある。柔らかな茶髪に甘いマスクで社交的。料理に色気とダイナミズムを求める。不況のあおりを受けメゾン・ブリュは閉店するが、再起し新店アムールを開く。 新店オープンに際し藤原百恵をコックとして誘う。
織田 千代 (おだ ちよ)
眼光の鋭い老女。織田圭二の育ての親となり、彼に料理の基礎を教え込んだ。旅館の娘だったが戦争で夫と息子を失い、戦後ひとりで料亭を開く。その後は料理塾も開き、大勢のコックを育てた。政財界の大物とも交友関係が広い、料理界の大物。現在は隠居の身で、田舎暮らし。せっかちで口が悪く乱暴だが、圭二や高橋薫の進路を気にかけ、たびたび彼らの前に現われる。 藤原百恵の料理人としての才能を一目で見抜いた。百恵にとっても、自分のことを厳しく叱りつけてくれる頼もしい存在。
森 完輔 (もり かんすけ)
洋食屋プチ・ラパンのオーナー兼シェフ。小太りで丸メガネの中年男性。愛嬌があり、お人好しの性格。プチ・ラパンを経営して35年になる。自分の料理はすでに古くさいと考えていて、メインシェフの座は織田圭二に譲っている。藤原百恵を雇い入れる。
木村 大地 (きむら だいち)
洋食屋プチ・ラパンの第2コック。線が細く地味な顔立ちの男性。温厚でおとなしい。実家は浅草の老舗和菓子屋。織田圭二の料理の腕前に心酔し、長年彼の下で働いていたが、織田がプチ・ラパンを辞めたことでシェフとして一本立ちする覚悟が決まり、プチ・ラパンのメインシェフとなる。
今村 可奈子 (いまむら かなこ)
フードプロデューサー。長い黒髪が印象的な高身長の女性。会社社長として日夜仕事をこなすキャリアウーマンだが、認知症の母親を抱え、心の休まる暇がない。織田圭二の才能を高く評価し、独立開業を勧める。織田とは、互いの孤独な境遇により共鳴し、惹かれ合う。
辻 房之介 (つじ ふさのすけ)
名ホテルの若き有能なサーヴィスマン。髪型はストレートのショートボブ。クールかつマイペース。その確かな腕前を高橋薫に見初められ、高橋の新店アムールに引き抜かれる。
多峰 英太 (たみね えいた)
強面の初老男性。フレンチレストランの名店海洋亭のコックだった。現役を退いていたが、織田千代に頼まれ、高橋薫の新店アムールを手伝うこととなる。昔気質の頑固で無口な職人なので、料理の方針を巡って高橋と衝突することもしばしば。名前は映画「ターミネーター」をもじって付けられているようだ。
日比野 ミキ (ひびの みき)
大阪のホテルで修行していた若き女性コック。神戸出身。ショートカットで、気の強い性格。高橋薫の新店アムールの拡張にあたり追加で雇われた。女手ひとつで厳しい料理の世界を生き抜いてきたと自負しているので、高橋の店で特別扱いされているように見えた藤原百恵に対し敵意を持ち、つらくあたる。
蓮見 廣嗣 (はすみ ひろつぐ)
総合商社・海洋プレジデントの社長。年若く、一見すると優しくて控えめな今時の若者だが、ビジネスに関しては野心的で辣腕を振るう。都心にリーズナブルで合理的なレストランチェーンを展開する計画を立てている。
藤原 淳子 (ふじわら じゅんこ)
藤原百恵の母親。夫が急逝したことで質素な生活をせねばならなくなったにも関わらず以前の金銭感覚が抜けず、百恵を困らせた。だがその後自分でも働き始め、じょじょに新しい生活へとなじんでいった。娘を信用しているので、百恵が料理の世界へ飛び込んでもがきながら成長してゆく様子をあたたかく見守っている。
場所
プチ・ラパン
『おいしい関係』に登場する洋食屋。都心から少し離れた下町の桜町に存在する。オーナー兼シェフの森完輔が開店してから35年間、多くの地元客に愛され続けている。気軽で庶民的な味を低価格で提供することを売りにしている。メインシェフは織田圭二、第2シェフは木村大地。それにウエイトレス一人の少人数で切り盛りしていた。 藤原百恵は偶然この店で食事をして織田の料理に感銘を受け、弟子入り志願の末、この店で働くようになる。
書誌情報
おいしい関係 全16巻 集英社〈ヤングユーコミックス〉 完結
第1巻
(1993年7月発行、 978-4088641355)
第2巻
(1993年12月発行、 978-4088641485)
第3巻
(1994年7月発行、 978-4088641621)
第4巻
(1994年11月発行、 978-4088641720)
第5巻
(1995年4月発行、 978-4088641874)
第6巻
(1995年11月発行、 978-4088642109)
第7巻
(1996年4月発行、 978-4088642345)
第8巻
(1996年9月発行、 978-4088642598)
第9巻
(1996年12月発行、 978-4088642727)
第10巻
(1997年3月発行、 978-4088642871)
第11巻
(1997年10月発行、 978-4088643250)
第12巻
(1998年3月発行、 978-4088643557)
第13巻
(1998年10月発行、 978-4088643922)
第14巻
(1999年5月発行、 978-4088644349)
第15巻
(1999年8月発行、 978-4088644509)
第16巻
(2000年1月発行、 978-4088644745)
おいしい関係 全10巻 集英社〈Young you特別企画文庫〉 完結
第1巻
(1999年9月発行、 978-4087851328)
第2巻
(1999年9月発行、 978-4087851335)
第3巻
(1999年10月発行、 978-4087851342)
第4巻
(1999年12月発行、 978-4087851366)
第5巻
(2000年2月発行、 978-4087851380)
第6巻
(2000年6月発行、 978-4087851472)
第7巻
(2000年10月発行、 978-4087851489)
第8巻
(2001年4月発行、 978-4087851540)
第9巻
(2001年10月発行、 978-4087851557)
第10巻
(2002年3月発行、 978-4087851571)