概要・あらすじ
高校生の三枝葵と岡田尚也は、1年2組のクラスメイトで、中学校からの腐れ縁。実は尚也のことが好きだった葵は、ある雨の日になんとなく勢いで告白をしてしまうが、今までのつっけんどんな接し方が祟って、「嫌いじゃないけどそういう風に考えたことはない」とあっけなく振られてしまう。葵はそれでも諦めず、それからは尚也へのアプローチを積極的に仕掛けるようになる。
登場人物・キャラクター
三枝 葵 (さえぐさ あおい)
1年2組所属の女子高校生。中学の頃からクラスメイトだった岡田尚也のことが好きだが、素直になれない不器用な性格で、基本的には憎まれ口ばかり叩いている。ある雨の日、ひょんなことから尚也と相合傘で帰ることになり、思わず勢いで告白してしまうがあっけなく振られ、それからは吹っ切ったかのように積極的なアプローチを繰り返すようになる。 友人の香咲あんなに誘われ、園芸部に所属している。
岡田 尚也 (おかだ なおや)
1年2組所属の男子高校生で、三枝葵のクラスメイト。陸上部に所属し、優れた成績を残しているランナーでもある。スポーツマンという一点を除くと目立った特徴のない普通の少年だが、割と女子にはモテる。ナイーブなところのある性格で、これまでの葵の心無い憎まれ口には、それなりに傷ついていた。
芦谷 美継
1年2組所属の男子高校生で、三枝葵のクラスメイト。女子と見れば誰かれ構わずキザで歯が浮くような台詞を並べ立てて口説くが、すぐに飽きて他の女子を口説き始めるという困った癖の持ち主。しかもこれは意図的にやっているわけではなく、口説くのも飽きるのも常に本気であるためさらに性質が悪い。ただし、幼なじみの日紫喜燕が癇癪を起した時にはフォロー役に回るなど、状況に応じて真面目な一面を見せることもある。
日紫喜 燕 (ひしき えん)
1年2組所属の男子高校生で、三枝葵のクラスメイト。親切で気さく、さらに面倒見が良く博識な好人物。ただし、答えにくいことを聞かれたり、ジレンマ的な状況に置かれるとストレスに耐えられなくなり、途端に周囲に暴言を吐き散らかすようになるという、極端な二面性を持つ。芦谷美継とは幼なじみで、お互いにフォローし合う関係。
香咲 あんな (こうさき あんな)
1年2組所属の女子高校生で、三枝葵のクラスメイト。人当たりは良いがサバサバした性格で、ずばりとものを言う。葵が岡田尚也のことを好きなことを早い段階であっさりと見抜き、葵の親友にして恋の相談役として活躍する。
加納 誠 (かのう まこと)
1年2組所属の男子高校生で、三枝葵のクラスメイト。家で多頭飼いしているドーベルマンの散歩中に出会って親しくなった中井摩美に想いを寄せている。桑田乃梨子の『ひみつの犬神くん』に登場した、ドーベルマン飼いの小学生の成長した姿であるという隠し設定がある。
中井 摩美 (なかい まみ)
1年2組所属の女子高校生で、三枝葵のクラスメイト。気の強い少女で、犬好きにも関わらず犬を怖がっており、これをなんとか克服したいと、犬の散歩中だった加納誠に頼み込んで一緒に散歩をするようになる。のちに誠から告白され、カップルになる。
辻井 頼子 (つじい よりこ)
1年6組に転校して来た女子高校生で、岡田尚也の中学校1年生の頃のクラスメイト。尚也とは中学校時代からいい雰囲気で、高校1年にして転居先の地から戻って来て尚也と再会。再びいい雰囲気を醸し出すようになり、三枝葵に穏やかならぬ感情を抱かせるようになる。
まみこ
加納誠が飼っているドーベルマンの一頭で、メスの子犬。「まみこ」という名前は、飼い主である誠の想い人である中井摩美の名前に由来する。その事実を摩美に告げることがすなわち誠からの愛の告白であったが、事実を知った摩美がその名を使うことを恥ずかしがったため、メスでありながら摩美が便宜的に呼んでいた「吾平」という名前に改名された。
宮下 (みやした)
三枝葵と岡田尚也の中学3年生の時のクラスメイト。中学3年のバレンタインデーに尚也にチョコレートを渡そうとして失敗、さらに卒業式の日には尚也の制服の第二ボタンを下級生に持っていかれて号泣し、そのまま勢いで告白して、尚也から第二ボタン以外のすべてのボタンをもらった。当時から葵の尚也への気持ちを知っており、別の高校に行く別れ際に葵を激励していった。
山川 (やまかわ)
香咲あんなの中学生時代の知人で、若いサラリーマンの男性。趣味で農業をやっていて、思春期で精神的な悩みを抱えていたあんなに、農業によって身体を動かすことの楽しさを教えた。あんなによれば、兄のような存在であり特に恋愛感情などはなかったという。
集団・組織
園芸部 (えんげいぶ)
三枝葵、香咲あんなが所属している高校の部活動。花壇や畑の世話をしており、花壇を担当するのは上級生であるため、葵とあんなはひたすら畑仕事をしている。あんなは中学生時代から農作業を趣味としていたが、葵は陸上部の岡田尚也が走っているところを農作業をしながら眺めていられるという下心があっての入部だった。とはいえ、のちに葵も農作業を愛好するようになっていく。
その他キーワード
お守り袋 (おまもりぶくろ)
辻井頼子が中学1年生の時、転校して学校を去る間際に岡田尚也にプレゼントした手作りの品。「NAOYA・O」という文字が刺繍してあるお守りで、頼子のことを好きだった尚也は、高校1年になってもこれを大事に鞄に入れて持ち歩いていた。