朽木家

朽木家

登場作品
淡海乃海 水面が揺れる時(漫画)
正式名称
朽木家
ふりがな
くつきけ
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概要

淡海乃海(現代の琵琶湖)の南西部に位置する近江高島郡の一角、朽木谷を領する国人領主。佐々木源氏家の庶流で、彼の家から派生した大きな四つの家である京極家、六角家、大原家、高島家のうち、高島家の分家筋の集まりである高島七頭を形成する一家。所領は8000石の身代と小さいながらも、京に近く、将軍家の足利家に忠義を捧げてきた歴史から、緊急の際には将軍家が逃げて来る避難場所として重要な役柄を担っている。しかし室町幕府が衰退し、それに伴って足利家が力を失っていき、関係性にも陰りが見え始めている。現代の知識を持ったまま赤子として転生した朽木基綱が生まれたのが朽木家で、数え年で2歳になった頃、先代当主である朽木晴綱が同じ近江高島郡の一つである高島家との戦で破れ、帰らぬ人となったために、わずか2歳という幼さで家督を継ぐこととなった。当初こそ戦で敗れたことの影響で不安を抱えていたものの、その際に足利義藤三好家との戦に敗れたことで朽木谷へと逃げ延びてきたのを利用し、高島家からの再侵攻を牽制した。その時間のあいだに基綱が実施した澄み酒をはじめとする特産品の創出政策によって財力を豊かにしながら、楽市楽座政策にあやかり関所を廃して税を軽減し、商人たちの盛んな交易を招き、敗戦の傷を回復することに成功している。しかしながら、義藤ら幕府が三好家と和睦を結び岩神館をあとにしてから、さほどの時を置かず、再び三好家との戦に敗れると、またもや義藤らは朽木谷へと避難して来ている。この時の避難は5年以上の長きにわたり、実質的な逼塞に近いものだった。朽木家の当主である基綱はこの時期に所領をさらに富ませることに成功しながら、一方で三好家から若狭一国と引き換えに寝返らないかという調略を仕掛けられるも、将来的に斜陽を迎える三好家に賭けることはできないという基綱の判断から、幕臣らの面前で断っている。これにより、周辺からは足利家へ忠義の家としての評判をより一層高めるも、基綱の内心からはかけ離れた評価だった。その後、天皇の御大葬と御大典に掛かる巨額の費用を立て替えた見返りに、公家を通して朝廷に三好家と足利家の和睦を仲介するよう働きかけ、ようやっと足利家の面々を岩神館から京へと返すことに成功している。それからあいだを置かずに、同じ淡海乃海の周辺に居を置く近隣の大国、六角家の調略によって朽木家以外の高島七頭が戦を仕掛けてくる事態に陥るも、これを蓄えていた財力を背景に銃と兵力を動員して、一方的に打ち破り武威を近隣に示した。さらには、戦で捕らえた主導者の高島越中をうまく使って六角家を牽制するや、逐電して逃げ去ったほかの高島七頭の領地を切り取り、5万石へと所領を拡大させている。この戦のあと、方針を転換して朽木家を利用することとなった六角家の意向に巻き込まれる形で、浅井家と六角家のあいだで起こった戦に駆り出され、史実では浅井家躍進のきっかけとなった「野良田の戦い」へ臨むことになる。しかし、未来の知識から「野良田の戦い」の推移を知悉していた基綱の判断によって銃を兵に多く持たせていた朽木家は、浅井家当主である浅井賢政による乾坤一擲の突撃に対して逆撃を仕掛け、賢政を含む多くの武将を討ち取る功績を立てている。だが、この功績によって六角家から近江高島郡にあった蔵入り地1万石を賜ると、所領が6万石となる代わりに、20万石の所領を誇る浅井家と隣接することを強要され、さらに六角家と浅井家の戦へ深入りすることを余儀なくされる。この際、基綱が果断にも浅井家の領地の切り取りに動いたことで、淡海乃海の北部にあった浅井郡までを一息に攻め取ると、当主である基綱は伊香郡との境にほど近い塩津浜城で冬を迎え、そのまま越年している。この際、六角家の屋台骨である六角六人衆の一角である平井家の娘を六角家当主の六角義賢の養子としたうえで嫁に迎え、関係性を親密なものとしている。やがて冬が終わり5月に入ると、浅井家に動きがあったのに呼応して基綱も動き始め、6月には浅井家との決戦に臨み、これを撃破し、浅井家の実質的権力者であった浅井久政を本拠地である小谷城まで追い詰め、捕らえることに成功している。これによって六角家と共同した部分が一部ありながら、浅井家の所領のほとんどを切り取ることに成功した朽木家は、政情に不安のある北方の越前をにらんで、一色家の治める美濃と隣接する坂田郡を六角家へと譲り渡している。これにより20万石には及ばないものの、朽木家は一挙に淡海乃海の北部一帯を所領とし、浅井家と代わって北近江の覇者となる。基綱はその後、背後にあたる南部を六角家にまかせながら、自らは予定どおり北部にある若狭と越前をにらんで動こうと考えていたが、事を起こす前に六角家が予想外に、美濃の不破郡へと侵攻を開始したことで計画を変更せざるを得ない事態に陥る。坂田郡と隣接する不破郡を大方の予想外に攻め取ることに成功した六角家は、これにより美濃の一色家との紛争地帯を抱えるばかりか、さらには膨れあがった国人衆の不満の矢面に立たされた六角家の新当主を務める六角義治が「観音寺崩れ」を引き起こす。これにより、前当主である義賢のみならず弟の六角義定に加え、六角六人衆の一角である後藤賢豊まで、義治の凶刃に倒れると、六角家は朽木家にとって頼りにできる味方ではなく不安要素の塊となってしまう。そうした中、北部の越前を治める朝倉家がいよいよ加賀の一向門徒との戦に突入していくのを知り、将来的な一向一揆の侵入を阻止しながら朝倉家を牽制するため基綱は北進を決意。調略で城を寝返らせながら、一挙に敦賀の湊までの所領を確保すると、要衝である木ノ芽峠に砦を築いて北部に朽木家の新たな所領を切り取ることに成功している。しかしその後、雪解けと共に朝倉家が加賀の一向一揆によって滅ぼされてしまい、朽木家は史実では織田信長が行っていた一向門徒全体との戦へと突入していくこととなる。

登場作品

淡海乃海 水面が揺れる時 (あふみのうみ みなもがゆれるとき)

イスラーフィールの小説『淡海乃海 水面が揺れる時 ~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~』のコミカライズ作品。現世では昭和生まれで歴史好きの50代のサラリーマンは、ある日、戦国時代の国人領主(こ... 関連ページ:淡海乃海 水面が揺れる時

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淡海乃海 水面が揺れる時
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