概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
サラ
インドネシア人の父親と日本人の母親を持つ女性。年齢は21歳。ムスリムのため、いつもヒジャブで頭部を覆っており、礼拝や食事などイスラムの教えにのっとって日常を送っている。足立区で生まれ育ち、現在は日本の大学に通って社会学を学んでいる。葛飾区立石にある「カフェエチオピア」に訪れた際、ひょんなことから店主の娘・セラムのお使いに付き添うことになったが道に迷ってしまい、不登校の中学生・春太と知り合う。もともと生まれ育った東東京をテーマにした卒業論文を書こうと考えていたが、三人で街歩きしたことをきっかけにあらためて地元をもっと知りたいと感じ、実際に東東京を散策することを決意した。それからは何かとセラムや春太と共に下町を散策することになり、親しくなっていく。温和で明るい性格ながら、かなりの方向音痴で、よく道に迷っている。見た目や宗教的なことから、日本の社会における普通という枠組みに自分が含まれていないと感じることがよくあり、「普通」とはなんなのかをつねに考えさせられている。
春太 (はるた)
日本人の中学2年生の男子。年齢は13歳。葛飾区亀有で生まれ育ったが、現在は学校に通っていない。不登校になった理由は、なんとなく学校の雰囲気や周囲とノリが合わず、苦手意識を持っているからであり、いじめを受けているわけではない。やや内向的な性格ながら、地理や歴史に造詣が深い。特に町の歴史に興味を持っており、図書館で調べ物をしては、実際に散策に出かけて目で見て情報と照らし合わせたりすることが好き。ある時、道に迷っていたサラとセラムに出会い、道案内をしたことがきっかけでなかよくなった。それからはセラムの実家である「カフェエチオピア」によく訪れるようになり、サラとセラムといっしょに街歩きをすることが増えていく。周囲が高校受験に向けて準備を進めている中で、自分は何もしないままでいいのかと焦りやジレンマを感じている。