概要・あらすじ
偵察・暗殺などの特殊な仕事を行う兵種・乱破師(サバター)。戦乱時には活躍できるが、平和な時代には必要のない職業。そんな特殊兵の仕事が活かせない平和な日々の中で、生きる目的を失っていた青年トール・アキュラは、ある日、山中で自分の背丈よりも大きな棺を背負った少女に出会う。
彼女は「あるもの」を集めるために旅をしていると言った。
登場人物・キャラクター
トール・アキュラ (とーるあきゅら)
黒瞳の青年。前の戦争時、偵察・暗殺などの特殊な仕事を行っていた兵種・乱破師(サバター)。彼もその特殊兵のひとりであったが、自分の初陣前に終戦し、平和が訪れたことで自らの存在意義を失っていた。しかし「あるもの」を集めるために旅をしているという不思議な少女チャイカ・トラバントに出会ったことで、そこに自分の必要性を感じ共に旅をすることに。 働かずダラダラしていたときに、妹のアカリ・アキュラが家計を支えてくれたため、妹には頭があがらない。
チャイカ・トラバント (ちゃいかとらばんと)
銀髪のロングヘアで、紫の瞳を持つ少女。魔術師(ウィザード)である。常に自分の背より大きな棺を背負っており、中には魔法に使う機杖(ガンド)を収納している。山で遭難していたところ「独角馬(ユニコーン)」に襲われ、そのときに偶然居合わせたトール・アキュラと共に難を逃れる。 彼女は、何者かに追われながら「あるもの」を探しているという、かなりワケありで不思議な少女である。主に使う言葉はラーケ語のため、通常の大陸公用語ではカタコトのじゃべりになる。
アカリ・アキュラ (あかりあきゅら)
トール・アキュラの妹。長い髪をポニーテールにしている少女。幼い頃に拾われてきたためにトールとは血縁ではない。兄と同じ乱破師であるため、働かない兄に代わって仕事をこなしていた。兄であるトールを敬愛しており、彼を剥製にしたいと言うほど変形的な愛情を示す。 不思議な少女チャイカ・トラバントと旅に出ると決めた兄に、ついていく決心をする。
アルベリック・ジレット (あるべりっくじれっと)
戦後復興推進機関クリーマンのジレット隊隊長。金髪に青い目の優男であるが、剣技に長け、部下思いで統率力もある。少しお人好しな面があるものの、従者のヴィヴィ・ホロパイネンや傭兵のニコライ・アフトトルなど多くの部下からの信頼も厚い。 極秘任務を受け、チャイカたちを追っている。
ヴィヴィ・ホロパイネン (ゔぃゔぃほろぱいねん)
長い髪をリボンで留めている可憐な少女。元孤児であった。アルベリック・ジレットの従者であり、ジレットを敬愛している。彼女は、針を武器にターゲットを狙う暗殺者で、仕事は沈着冷静、スマートな対応でやってのける。 しかし、普段は喜怒哀楽が激しく幼い面もある。乱破師が好きではないようで、トール・アキュラのことは嫌っている。
ニコライ・アフトトル (にこらいあふととる)
元傭兵で巨漢の男。ジレット隊の副官を務めている。大型の機剣(コンブレイド)を武器とし、それを自在に操り戦闘する。力と実力は本物である。
ズィータ・ブルザスコ (ずぃーたぶるざすこ)
小柄で内気な眼鏡女子。アルベリック・ジレットの従者であり、機工士であり、魔法師(ウィザード)である。各種機械の整備や修理が得意で、エイプリル号の操縦も務めている。臨機応変に物事をとらえることができ、判断力に優れる。 暗殺者ヴィヴィとは姉妹のように仲良くしている。
マテウス・キャラウェイ (まてうすきゃらうぇい)
小柄でスキンヘッドの男。アルベリック・ジレットの従者であり、魔法師(ウィザード)である。精神操作系魔法が得意。動物や棄獣(フェイラ)の「独角馬(ユニコーン)」などを使い魔として使役する。
レオナルド・ストーラ (れおなるどすとーら)
猫のような耳と長い尻尾を持つ少年。人を魔法で改造し、人工的に作られた「亜人」である。アルベリック・ジレットの従者であり、隊の斥候や情報収集を任務としている隠密役。機転が利き、うまく仕事をこなしている。
フレドリカ
金髪のロングヘアに真紅の目を持つ少女。人の姿をしているが、実は棄獣(フェイラ)の一種である「装鎧竜(ドラグーン)」が魔法で姿を変えている。通常の武器では傷つかず、自分の体の皮を脱ぎ脱皮する。最初は八英雄のひとりドミニカ・スコダの姿に化けていたがトール・アキュラとの戦いで正体がバレたため、このチャイカ・トラバントの一行に同行した。 正体をバラしたトールの命を狙っている。
チャイカ・ボフダーン (ちゃいかぼふだーん)
銀髪のショートカットに紫の瞳を持つ少女で、自分より大きな棺を背負ったもうひとりのチャイカ。赤い髪飾りに、赤い服を着た、別名「紅のチャイカ」。剣士であり、蛇咬剣(スネークブレード)を自由に操る剣の使い手である。 父を殺した者への復讐心はあるものの、かつての記憶がない。