概要・あらすじ
自分の背丈よりも大きな棺を背負った少女チャイカ・トラバントは「亡き父、禁断皇帝アルトゥール・ガズの分割された遺体」を集めるために旅をしていた。そんな彼女と一緒に行くことで、自分の乱破師(サバター)としての能力が活かせると感じたトール・アキュラは共に遺体探しの旅に出る。
しかし、滅亡したガズ帝国の皇帝、アルトゥール・ガズの娘チャイカを名乗る少女達が次々と現れ“本物”と“偽物”が入り乱れる中、チャイカの謎は深まっていく。
登場人物・キャラクター
トール・アキュラ (とーるあきゅら)
黒瞳の青年。前の戦争時、偵察・暗殺などの特殊な仕事を行っていた兵種・乱破師(サバター)。彼もその特殊兵のひとりであったが、自分の初陣前に終戦し、平和が訪れたことで自らの存在意義を失っていた。しかし「禁断皇帝アルトゥール・ガズの分割された遺体」を集めるために旅をしているという不思議な少女チャイカ・トラバントに出会ったことで、そこに自分の必要性を感じ共に旅をすることに。 小剣の機剣(コンブレイド)は、手のひらと剣の柄にある紋章を合わせ気脈を延長させることで自身の一部として使えるが、フレドリカと契約を結んだことで「竜騎士」となった。
チャイカ・トラバント (ちゃいかとらばんと)
銀髪のロングヘアで、紫の瞳を持つ少女。魔術師(ウィザード)である。常に自分の背より大きな棺を背負っており、中には魔法に使う機杖(ガンド)を収納している。山で遭難していたところ「独角馬(ユニコーン)」に襲われ、そのときに偶然居合わせたトール・アキュラと共に難を逃れる。 彼女は、何者かに追われながら「亡き父、禁断皇帝アルトゥール・ガズの分割された遺体」を探しているという。白と黒が基調の服を着ているため「白のチャイカ」と呼ばれる。 この後、チャイカが続々と出現し、チャイカの“本物”と“偽物”探しが始まる。
アカリ・アキュラ (あかりあきゅら)
トール・アキュラの妹。長い髪をポニーテールにしている少女。幼い頃に拾われてきたためにトールとは血縁ではない。兄と同じ乱破師であるため、働かない兄に代わって仕事をこなしていた。兄であるトールを敬愛しており、彼を剥製にしたいと言うほど変形的な愛情を示す。 遺体を探す少女チャイカ・トラバントと旅に出ると決めた兄に、ついていく決心をする。最終決戦を前に、トールや「白のチャイカ」と離ればなれになり、大戦後にも会えず、「赤のチャイカ」と共に兄を探し続けた。 半年後、再会している。
アルベリック・ジレット (あるべりっくじれっと)
戦後復興推進機関クリーマンのジレット隊隊長。金髪に青い目の優男であるが、剣技に長け、部下思いで統率力もある。少しお人好しな面があるものの、従者のヴィヴィ・ホロパイネンや傭兵のニコライ・アフトトルなど部下からの信頼も厚い。 極秘任務を受け、チャイカたちを追っている。しかし、航天要塞の魔法攻撃に巻き込まれ死亡。剣が遺品としてヴィヴィやニコライなど部下の手に渡る。しかし、それは敵対するハルトゲンの仕組んだ筋書きであり、ジレットはエンペリオンの暴走を防ぐための駒として洗脳され操作されていた。 その後、ヴィヴィに腕を切り落とされ正気を取り戻す。
ヴィヴィ・ホロパイネン (ゔぃゔぃほろぱいねん)
長い髪をリボンで留めている可憐な少女。アルベリック・ジレットの従者であり、針を武器にターゲットを狙う暗殺者でもある。仕事は沈着冷静でスマートな対応だが、普段は喜怒哀楽が激しく幼い面もある。元孤児である彼女はジレットを敬愛している。 乱破師が好きではないようで、トール・アキュラのことは嫌っている。隊長ジレットの戦死報告を受けた時に、ショックのあまりチャイカの因子が覚醒。銀髪に紫の瞳に変化し、仲間に襲いかかるも、皆に取り押さえられる。 ニコライとハルトゲン公国の武芸大会に出場し、ジレットを発見。彼の変貌に再びショックを受けるが、ジレットの正気を取り戻させている。
ニコライ・アフトトル (にこらいあふととる)
元傭兵で巨漢の男。ジレット隊の副官を務めている。大型の機剣(コンブレイド)を武器とし、それを自在に操り戦闘する。力と実力は本物である。隊長ジレットの戦死報告を受けた後、ヴィヴィとハルトゲン公国の武芸大会に出場し、仮面の男がジレットであることを知る。
ズィータ・ブルザスコ (ずぃーたぶるざすこ)
小柄で内気な眼鏡女子。アルベリック・ジレットの従者であり、機工士であり、魔法師(ウィザード)である。各種機械の整備や修理が得意で、エイプリル号の操縦も務めている。臨機応変に物事をとらえることができ、判断力に優れる。 暗殺者ヴィヴィとは姉妹のように仲良くしている。マテウス、レオナルドと共に首都ゲランソンの城内に潜入し「黒のチャイカ」に遭遇する。
マテウス・キャラウェイ (まてうすきゃらうぇい)
小柄でスキンヘッドの男。アルベリック・ジレットの従者であり、魔法師(ウィザード)である。精神操作系魔法が得意。動物や棄獣(フェイラ)の「独角馬(ユニコーン)」などを使い魔として使役する。ズィータ、レオナルドと共に首都ゲランソンの城内に潜入し「黒のチャイカ」に遭遇する。
レオナルド・ストーラ (れおなるどすとーら)
猫のような耳と長い尻尾を持つ少年。人を魔法で改造し、人工的に作られた「亜人」である。アルベリック・ジレットの従者であり、隊の斥候や情報収集を任務としている隠密役。機転が利き、うまく仕事をこなしている。 ジレットが戦死したとされた時に、ジレットの遺品として剣を持ち帰っている。マテウス、ズィータと共に首都ゲランソンの城内に潜入し「黒のチャイカ」に遭遇する。
フレドリカ
金髪のロングヘアに真紅の目を持つ少女。人の姿をしているが、実は棄獣(フェイラ)の一種である「装鎧竜(ドラグーン)」が魔法で姿を変えている。通常の武器では傷つかず、自分の体の皮を脱ぎ脱皮する。最初は八英雄のひとりドミニカ・スコダの姿に化けていたがトール・アキュラとの戦いで正体がバレたためこのチャイカ・トラバントの一行に同行した。 正体をバラしたトールの命を狙っていたが、最終的にトールと装鎧竜として契約し彼を竜騎士にしている。
チャイカ・ボフダーン (ちゃいかぼふだーん)
銀髪のショートカットに紫の瞳を持つ少女で、自分より大きな棺を背負ったもうひとりのチャイカ。赤い髪飾りに、赤い服を着た、別名「紅のチャイカ」。剣士であり、蛇咬剣(スネークブレード)を自由に操る剣の使い手である。 父を殺した者への復讐心はあるものの、かつての記憶がない。時にトールたちの敵となり、時に味方となる複雑な関係である。
チャイカ・カマズ (ちゃいかかまず)
ハルトゲン公国に潜んでいる7人のチャイカの中のひとり。皇帝のバラバラになった遺体を集め、皇帝復活を願っていた「黒のチャイカ」である。下着ような黒の衣装を身につけている。
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