概要・あらすじ
月にほど近いアバランチコロニーに侵入した傭兵のアルジ・ミラージは、標的のテッド・モルガトンに銃口を突きつけていた。しかし、突然現れたモビルスーツはアルジとテッドの両方を殺すために行動を開始。そこへテッドを避難させるためにヴォルコ・ウォーレンもやって来るが、3人はモビルスーツによって追い詰められてしまう。
テッドの起死回生の策で、モビルスーツから逃げるものの、テッドは深手を負う。ヴァルコはモビルスーツを倒すために、テッドの命令の通り、アルジをガンダム・アスタロトに乗せて出撃させる。アルジは苦戦しながらもモビルスーツの撃退に成功するが、テッドは娘のリアリナ・モルガトンのことをヴォルコに託して死亡する。自分の目的達成のために、ガンダム・アスタロトが必要だと感じたアルジは、ヴォルコと行動をともにすることを決めるのだった。
登場人物・キャラクター
アルジ・ミラージ (あるじみらーじ)
傭兵として生きる少年。5年前に家族と自身の右腕を失う事故に遭い、事故を起こしたモビルスーツ・ガンダムに復讐を誓う。右腕が機械の義手になっており、目つきが鋭いうえに無愛想なため近寄りがたい雰囲気だが、受けた恩は返そうとする義理固い性格。女性に慣れていないため、目を合わせて会話できないうぶな一面がある。暗殺依頼でアバランチコロニーに侵入した時に、標的のテッド・モルガトンもろとも殺されかける。 テッドを助けに来たヴォルコ・ウォーレンと一緒に逃げた先で、仇のガンダムとは別のモビルスーツのガンダム・アスタロトと出会う。その時、状況打破のためにヴァルコからガンダム・アスタロトに乗るように言われ、そのままガンダム・アスタロトのパイロットとなった。 仇のガンダムを破壊するためには、ガンダム・アスタロトが必要となると思い、ヴォルコと一緒に行動する。ヴォルコからは「野良犬」と呼ばれている。
ヴォルコ・ウォーレン (ゔぉるこうぉーれん)
月を中心とした定期航路を管理する大企業「タントテンポ」の一員。テッド・モルガトンの護衛を務める少年。ガンダム・アスタロトの本当の所有者でもある。ギャラルホルンに属する貴族・ウォーレン家の出身。10年前に父親がヴィル・クラーセンにはめられたため、多額の資金を横領した罪をかぶってウォーレン家は取り潰された。 その際に、財産とガンダム・アスタロトは没収された。その後、1人で生きるために、額に情報チップの埋め込み手術を受けるが、手術の影響で空間認識能力が低下し、杖がないと歩けないほど身体能力も衰える。没収されたガンダム・アスタロトを取り戻そうとしている時に、ウォーレン家と古くからの知り合いのテッドによって、ガンダム・アスタロトと一緒にタントテンポに引き取られる。 しかし再会したガンダム・アスタロトは、外装がすべて剥がされてフレームのみの状態だった。再会以降、ガンダム・アスタロトを元の姿に戻すために外装を探している。
リアリナ・モルガトン (りありなもるがとん)
テッド・モルガトンの娘。強気で礼儀正しい性格。ヴォルコ・ウォーレンから父親死亡の報せを受け、父親の仇を討つために、ヴォルコの指示を無視して独自に行動を開始する。シャトルで移動中にサンポとユハナに襲われたところを、アルジ・ミラージとヴォルコに助けられ、以降は一緒に行動する。
テッド・モルガトン (てっどもるがとん)
月を中心とした定期航路を管理する大企業「タントテンポ」の頭領の男性。「ダディ・テッド」という通称がある。アルジ・ミラージと同じく、右腕が機械の義手となっている。古くからの知り合いであるウォーレン家の息子・ヴォルコ・ウォーレンとウォーレン家の所有モビルスーツのガンダム・アスタロトを引き取る。アルジとモビルスーツから同時に命を狙われ、依頼主に裏切られたアルジを助けて瀕死の重傷を負う。 そして娘のリアリナ・モルガトンのことをヴォルコに託して死亡する。
サンポ
ロザーリオ・レオーネに雇われてリアリナ・モルガトンを襲う少年。冷静沈着な性格で、妹のユハナをサポートしている。人間扱いされないヒューマンデブリから人間に戻り、ユハナを学校に入れたり、嫁に行かせようとする妹思いの人物。リアリナ襲撃が失敗した後は、ジャンマルコ・サレルノの下で働く。
ユハナ
ロザーリオ・レオーネに雇われてリアリナ・モルガトンを襲う少女。好戦的な性格で、兄のサンポと息の合った連携をみせる。人間扱いされないヒューマンデブリから人間に戻るために金を必要としていて、正体不明のガンダム・アスタロトにも「レアフレームは金になる」と言って積極的に攻撃を仕掛ける。リアリナ襲撃が失敗した後は、ジャンマルコ・サレルノの下で働く。
ブブリオ・インシンナ (ぶぶりおいんしんな)
数年前まで相談役としてテッド・モルガトンを支えていた男性。リアリナ・モルガトンとも顔見知りで、テッド亡き後、リアリナにとって最も信頼できる人物。テッドを襲ったモビルスーツを調べたうえで、現在の情勢をリアリナに伝える。リアリナたちがコロニーから出発する時に、ナナオ・ナロリナに同行するように命じる。
ナナオ・ナロリナ (ななおなろりな)
ブブリオ・インシンナに仕える女性。ブブリオに会いに来たリアリナ・モルガトンたちを出迎え、出発の際にはブブリオの命令でリアリナたちに同行する。給仕から操艦、モビルスーツでの戦闘も行えるほど優秀な人物。本当の主人はロザーリオ・レオーネで、ブブリオのところにはロザーリオの命令で行っていた。
ジャンマルコ・サレルノ (じゃんまるこされるの)
月を中心とした定期航路を管理する大企業「タントテンポ」の一員の男性。6人いる幹部のうちの1人で、輸送部門の責任者。圏外圏ではモビルスーツに乗って海賊と戦う武闘派としても知られている。戦いと女が好きで、権力や金には執着しない性格。テッド・モルガトンと方針でぶつかったことがあり、テッドを襲ったモビルスーツがジャンマルコ所有のものだったため、テッド襲撃の首謀者と思われている。
ロザーリオ・レオーネ (ろざーりおれおーね)
月を中心とした定期航路を管理する大企業「タントテンポ」の一員の男性。6人いる幹部のうちの1人で、銀行部門を束ねている。テッド・モルガトンの右腕といえる人物。リアリナ・モルガトンの身を案じるそぶりをしているが、裏ではサンポとユハナにリアリナ襲撃を命令している。テッド襲撃を指示した人間でもある。またモビルスーツを操縦することができ、自分の正体に気付いて逃亡するリアリナを追ってガンダム・ウヴァルに乗り込み、アルジ・ミラージのガンダム・アスタロトを圧倒する。
ヴィル・クラーセン (ゔぃるくらーせん)
アバランチ地区の管理をしているギャラルホルンの男性役人。ヴォルコ・ウォーレンの父親を策略にはめ、ウォーレン家取り潰しのきっかけを作った過去がある。ロザーリオ・レオーネとは古い付き合いで、結託してタントテンポの資金を不正利用している。
その他キーワード
ガンダム・アスタロト (がんだむあすたろと)
「ガンダム・フレーム」と呼ばれるフレームでできたモビルスーツ。ヴォルコ・ウォーレンのウォーレン家に代々受け継がれていたが、ヴォルコの父親がヴィル・クラーセンの策略にはまり、ウォーレン家が取り潰されてギャラルホルンに没収された。その後、ギャラルホルンによって裏の市場に流され、それをテッド・モルガトンに買い取られて、テッドの会社「タントテンポ」の所有となる。 外装がすべて剥がされた状態だったため、現在は別のモビルスーツの外装が取り付けられている。テッドが襲撃された時にアルジ・ミラージに託され、ヴォルコのサポートを受けてアルジが操縦する。
ガンダム・ウヴァル (がんだむうゔぁる)
「ガンダム・フレーム」と呼ばれるフレームでできたモビルスーツ。全身にガンダム・アスタロトの外装を着けている。パイロットはロザーリオ・レオーネ。パイロットの腕に差があり、アルジ・ミラージのガンダム・アスタロトを圧倒する。
トリアイナ
テイワズ製の百錬をカスタマイズしたモビルスーツ。ジャンマルコ・サレルノが所有している。テッド・モルガトンとアルジ・ミラージの両方を始末するために送り込まれるが、アルジが乗ったガンダム・アスタロトに破壊される。