概要・あらすじ
宇宙世紀0153、スペースコロニーサイド2に興ったザンスカール帝国は、勢力を強めていき、ついには地球への侵略を開始する。人々はこれに対抗すべく、武装組織リガ・ミリティアを結成。ザンスカールに対する抵抗活動を行っていた。ポイント・カサレリアに住む少年、ウッソ・エヴィンは、モビルスーツ戦に巻き込まれたことを契機として、リガ・ミリティアの最新鋭機「Vガンダム」に乗り込み、ザンスカール帝国に立ち向かう。
登場人物・キャラクター
ウッソ・エヴィン (うっそえゔぃん)
ヨーロッパのポイント・カサレリアで暮らしている活発な少年。優れた操縦センスを持っており、軍人としての訓練なしにモビルスーツを起動させることができる。ザンスカール帝国の攻撃で住居を失ってしまったため、リガ・ミリティアに身を寄せることとなる。父母共にリガ・ミリティアのスタッフであり、なかでも父親のハンゲルグ・エヴィンは事実上のトップである。
シャクティ・カリン (しゃくてぃかりん)
ウッソ・エヴィンの友人。共にポイント・カサレリアで暮らしている褐色肌の少女。ウッソと共にリガ・ミリティアに身を寄せるが、宇宙における戦闘でザンスカール帝国に囚われてしまう。これによってウッソとしばらくの間離れ離れになってしまうが、囚われた先で自らの秘められた出生の秘密を知ることとなる。
マーベット・フィンガーハット (まーべっとふぃんがーはっと)
モビルスーツのパイロットを務める、リガ・ミリティアのメンバー。Vガンダムの正式なパイロットだったが、ウッソ・エヴィンの操縦センスを見込んでその座を譲り渡す。真面目な性格で頼りがいもあるため子供たちの人気は高いが、時折悪ノリをすることがあり、結果的にとはいえウッソがザンスカール帝国に指名手配される原因を作ってしまう。
クロノクル・アシャー (くろのくるあしゃー)
ザンスカール帝国の1部隊であるベスパのモビルスーツパイロットを務める青年。帝国の女王であるマリアの弟だが、コネを使って出世することを良しとせず、戦場で実績を挙げようと前線で戦い続けている。ウッソ・エヴィンに自らのモビルスーツを奪われて以降、雪辱を果たすために幾度となく戦いを挑んでくる。その腕は本物で、ウッソを始め、多くのリガ・ミリティアのパイロットを苦しめている。
オイ・ニュング (おいにゅんぐ)
リガ・ミリティアにおける指揮官の1人。老年の男性で、マーベット・フィンガーハット同様、ウッソ・エヴィンのパイロットとしての素質に注目している。それを見込んで、自ら彼をリガ・ミリティアにスカウトしたこともある。後にウッソが見ていた家族からのビデオレターによって、彼がリガ・ミリティア最高指導者の1人であるハンゲルグ・エヴィンの息子であることを知る。
ロメロ・マラバル (ろめろまらばる)
リガ・ミリティアのメカニック。禿頭の好々爺で、「ロメロじいさん」と呼ばれ親しまれている。メカニックとしての腕は確かで、Vガンダムを始めとした、リガ・ミリティアのモビルスーツの整備を一手に引き受けている。かつてコンピュータゲームに没頭していたことがあり、その影響でVガンダムに騎士の甲冑のような増加装甲を装備させ、騎士Vガンダムに改良したこともある。
オデロ・ヘンリーク (おでろへんりーく)
ポイント・カサレリアとは別の地域より疎開し、リガ・ミリティアに身を寄せている少年。我が強い性格でウッソ・エヴィンとしばしばケンカになることもあるが、仲は良く、後に本当の弟のように思っていたと告げている。ウッソへの対抗心と、自分もリガ・ミリティアの力になりたいという思いから、後にモビルスーツ「ガンイージ」のパイロットとなる。
ゴッドワルド・ハイン (ごっどわるどはいん)
ザンスカール帝国のベスパ機関に所属するモビルスーツパイロット。侍のような姿と立ち振る舞いをしており、ウッソ・エヴィンの駆る騎士Vガンダムと激闘を繰り広げた。居合斬りや見切りなど、武道を活かした戦闘スタイルを得意としており、ビームサーベルの剣先を飛ばす「烈光飛翔斬」は、ガンダムのメインカメラを破壊する威力と命中精度を誇っている。
セナ
原作のTVアニメ版には登場しない、漫画版オリジナルキャラクター。ザンスカール帝国のモビルスーツパイロット。かつてモビルスーツレースにおいて活躍していた青年で、相棒のプロスト、シューマッハと共に、クロノクル・アシャーに招聘された。戦場ではサンダーインパルスを名乗り、三位一体のスピード戦術でウッソ・エヴィンとVガンダムを苦しめた。
ミューラ・ミゲル (みゅーらみげる)
ウッソ・エヴィンの母親。リガ・ミリティアの構成員で、北アメリカでレジスタンス活動を続けている。ザンスカール帝国の大艦隊に対抗すべく、フリスビーと呼ばれる地雷を設置しようと活動していたところで、ザンスカールのモビルスーツに捕まり、人質にされてしまう。
ファラ・グリフォン (ふぁらぐりふぉん)
ザンスカール帝国のモビルスーツパイロット。倒したモビルスーツの首を刈り取り、収集するという危険な性癖を持っている。パイロットとしての腕は超一流で、高性能モビルスーツであるザンネックの性能をフルに活用し、ウッソ・エヴィンの乗るV2ガンダムを撃墜寸前まで追いつめている。
ハンゲルグ・エヴィン (はんげるぐえゔぃん)
ウッソ・エヴィンの父親。妻のミューラ・ミゲルと比較すると随分と若々しい男性。リガ・ミリティアの最高指導者「ジン・ジャナハム」の1人で、指導者としての立場上、実の息子であるウッソにも冷徹な態度をとっていた。しかし実際は非常に家族思いで、リガ・ミリティアとザンスカール帝国の最終決戦の直前に、ウッソと互いの気持ちを通じ合わせる。 さらに決戦の場においては、ウッソの危機に駆け付け、その窮地を救った。
集団・組織
リガ・ミリティア (りがみりてぃあ)
力を失った地球連邦軍に代わってザンスカール帝国に対抗すべく、有志が集った民兵組織。「神聖軍事同盟」とも呼ばれている。ゲリラ組織ではあるのだが、Vガンダムなど当時最新鋭のモビルスーツを多数擁しており、規模は相当なものである。後に地球連邦軍の一部と手を結び、ザンスカール帝国と正面からぶつかり合うまでに至る。
ザンスカール帝国 (ざんすかーるていこく)
スペースコロニー群「サイド2」にて興された国家。女王マリアのカリスマによって多くの臣民が集っている。いちコロニー国家でしかないにもかかわらず、地球連邦政府の衰退や、スペースコロニー自体が半ば無法化していたこともあり、その勢力は目を見張るものがある。実際に地球へ侵攻した際には、タイヤのついた戦艦で地球に住む人民を虐殺するという凶行に及んでいる。
場所
ポイント・カサレリア (ぽいんとかされりあ)
ヨーロッパに位置する居住区。近未来的な文明とは縁の薄い、森と泉に囲まれた地域である。ほとんど人が住んでいない地域だが、ウッソ・エヴィンやシャクティ・カリンはこの地域で暮らしていた。しかし、ザンスカール帝国とリガ・ミリティアの戦闘により、戦渦に巻き込まれてしまうこととなる。
その他キーワード
ヴィクトリー斬り (ゔぃくとりーぎり)
ウッソ・エヴィンの乗るVガンダムによる斬撃技。ビームサーベルで敵のモビルスーツをVの字に切り裂くというものである。バリエーションが豊富で、後継機のV2ガンダムでは、上位といえる「真・V字斬」や「V字斬乱れ斬り」などの進化形を披露した。
ウッソ君の大発明 (うっそくんのだいはつめい)
ザンスカール帝国との宇宙艦隊戦に備えてウッソ・エヴィンが発明したVガンダムの新装備。7本のビームサーベルを収束させ、出力を上昇させている。ザンスカール帝国の艦隊を丸ごと薙ぎ払う大活躍を見せたが、使用は一度きりで終わっている。
Vガンダム (ゔぃくとりーがんだむ)
リガ・ミリティアが所有する新型モビルスーツ。3機の戦闘機が合体することによって完成する。当初はマーベット・フィンガーハットがパイロットを務めるはずだったが、負傷によってウッソ・エヴィンに任されることとなり、そのまま彼の乗機となる。機動性、火力共に充実しており、ウッソの奇策や発明などの工夫もあってザンスカール帝国のモビルスーツを終始圧倒していた。
騎士Vガンダム (ないとゔぃくとりーがんだむ)
コンピュータゲームからヒントを得たロメロ・マラバルの手によって改修が加えられたVガンダム。西洋風の甲冑と、大型ビームサーベル「エクスキャリバー」が追加されており、攻防共に強化されている。騎士然とした外見をしているが、ビームライフルなど、従来の火器も使用可能。
V2ガンダム (ゔいつーがんだむ)
ミューラ・ミゲルによって開発された、Vガンダムの改良機。Vガンダムを遥かに凌駕するスピードを誇っており、その動きは相対するパイロットに残像を見せるほどである。また、バリアーを纏って体当たりをするなど、さまざまなギミックが搭載されている。後にハンゲルグ・エヴィンの残した増加装甲を装着し、V2アサルトガンダムへと強化される。
ビヒモス
原作のTVアニメ版には登場しない、漫画版オリジナルの機体。クロノクル・アシャーが乗り込む、ザンスカール帝国の重モビルスーツ。武装は胸部の3連ビーム砲のみだが、戦場にあらかじめ鏡を張り巡らせておき、ビームを反射させるという戦法をとり、リガ・ミリティアの面々を大いに苦戦させた。
ドッゴーラ改 (どっごーらかい)
原作のTVアニメ版には登場しない、漫画版オリジナルの機体。クロノクル・アシャーが最終決戦の場に用いた巨大モビルアーマー。「復讐の竜」の異名を持ち、その名の通り東洋の竜を彷彿とさせる長い身体を持つ。全身をバリア・コーティングで包んでおり、外側からのあらゆる攻撃を遮断してしまう。さらにバリアを攻撃に転用することも可能で、攻防共に完璧といえる機体である。