氷室の天地 Fate/school life

氷室の天地 Fate/school life

TYPE-MOONが発売したPCゲームソフト「Fate/stay night」の脇役であった氷室鐘を主人公に据え、その学園生活をさまざまなパロディとコメディで彩ったスピンオフの4コマ漫画。一迅社が発行する月刊誌「月刊Comic REX」の増刊「まんが4コマKINGSぱれっと」VOL.1から連載をスタートし、現在も「まんが4コマぱれっと」で連載中。一迅社のWEBサイト「ぱれっとonline」には番外編「マキジ大作戦」「マキジ大作戦 RIZING」が不定期に連載され、コミックスにはどちらも収録されている。原作・監修はTYPE-MOON。

正式名称
氷室の天地 Fate/school life
ふりがな
ひむろのてんち ふぇいと すくーる らいふ
原作者
TYPE-MOON
漫画
ジャンル
パロディ
関連商品
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概要・あらすじ

穂群原という高校に通う陸上部所属の2年生、氷室鐘蒔寺楓三枝由紀香の3人が知り合ってから1年が経とうとしていた。美味しそうなイタリアンレストランを発見したという鐘とその場にいた由紀香に対し、楓は今度行われる球技大会で好成績を収めた人物が、その店でおごってもらうという賭けを提案する。だが、球技大会で行われる種目は、蹴鞠などの極端にマイナーなものも含めてランダムに抽選されるという。

結果、抽選で選ばれたのは「セパタクロー」「ペタンク」「チュックボール」という3つの球技。予想もしなかった展開に、3人は絶句するのであった。

登場人物・キャラクター

氷室 鐘 (ひむろ かね)

穂群原に通う、陸上部所属の女子高生。冬木市長の娘で、冷静沈着なメガネっ娘。謀略や策略を好み、よくどこからか羽扇を取り出すことから、軍師である諸葛孔明や、水滸伝の智多星に例えられている。クラスは蒔寺楓や三枝由紀香と同じ2年A組で、よく3人で行動している。文武両道で、イベント事になるとテンションが上がる。 また、持ち上げられるとすぐその気になるため、超能力テストで好成績が出た際には自分にエスパーの能力があると勘違いしていた。文化祭や冬木市民マラソンなどに参加しては策略をめぐらせているが、実のところ成功率はあまり高くなく、肝心な時に役に立たないところまで呉学人に似ていると評されている。実家で自分に婚約者がいる旨が書かれた手紙を発見し、誰が婚約者なのかを探し回っている。

蒔寺 楓 (まきでら かえで)

穂群原に通う、陸上部所属の女子高生。がさつで荒っぽいが実は一番の純情派であり、氷室鐘いわく、彼氏ができたら尽くすタイプとのこと。また、実家は大商家である老舗呉服屋「詠鳥庵」で、普段は和服で過ごしている。クラスは鐘や三枝由紀香と同じ2年A組で、よく3人で行動している。勉強は基本的に苦手だが、唯一歴史だけは異様に詳しく、極めてマイナーな人物でさえ知っている。 また骨董品にも詳しく、本人は日本や中国のものしか知らないと語っているが、西洋の磁器などに関しても基本的なことはしっかりと抑えている。

三枝 由紀香 (さえぐさ ゆきか)

穂群原に通う、陸上部所属の女子高生。料理同好会に入るつもりが、蒔寺楓の策略によって陸上部へと入部させられた。優しく気が利いて、普段からほにゃっとしているが、内面は大人。主に癒やし系とツッコミを担当しており、作中においても一番の良心的存在。料理上手で、さらには裁縫も得意という高スペックな人物だがセンスが古く、戦後間もない昭和生まれのような感覚を有しているため、よく氷室鐘や楓にいじられている。 実は霊感が強く、幽霊が普通に見える。「ガイア」というあだ名は、楓によって付けられた。クラスは鐘や楓と同じ2年A組。

美綴 綾子 (みつづり あやこ)

穂群原に通う女子高生で2年A組所属。2年生にして弓道部の部長を務めている。弓道以外にも武芸百般に通じており、一番の得意は長刀。弓道部に入部した理由は弓道のみ修めていなかったからというもので、武芸の中では一番の不得手である。頼りがいのある姐御肌な性格をしているが、内面は可愛い物好きの純真な少女で、誰もいないところでは可愛らしいTシャツを着たりしている。 また、ゲームも好きで、乙女ゲームをプレイするため、東京への修学旅行の際には池袋に興味を示していた。

沙条 綾香 (さじょう あやか)

穂群原に通う女子高生。氷室鐘たちと同じ2年A組で鐘と同様に眼鏡をかけている。森に入って大量の野草を回収してきたり、突然予知のようなことを言い始めたりとつかみどころのないミステリアスな性格を装っているが、実は相当に猫を被っている。普段は目立たないでいることが多いが、調理実習で、遠坂凜、鐘と組んで蒔寺楓、三枝由紀香、美綴綾子と料理対決をした際には「三不粘(サンプーチャン)」という難易度の高い中華料理のデザートを淡々と作り、審査員を務めていた後藤劾以を驚かせた。 大食いで、登場するたびに何かを食べていることが多い。

遠坂 凜 (とおさか りん)

穂群原がある冬木の街一番の大地主、遠坂家の一人娘。穂群原に通う女子高生で、容姿端麗にして文武両道。性格もおしとやかで優美だが、これに関しては猫を被っているだけで、実際は優美とはほど遠い攻撃的な性格の持ち主。1年生の時にはミスコンで、ミス穂群原に輝いている。氷室鐘たちと同じ2年A組の生徒。中国の文化に造詣が深く、料理対決の際に、鐘の予想を裏切って見事な中華料理を作り上げた。

佐伯 直美 (さえき なおみ)

穂群原に通う女子高生で2年D組に所属している。三つ編みの髪型に丸メガネをかけた、巨乳の持ち主。陸上部所属で円盤投げを得意種目としており、長らく名前が設定されていなかったことから作者と編集者の間では「円盤投子」という仮称で呼ばれていた。コミックス7巻の特典であるドラマCDによって、初めて名前が明らかにされた。実はアナログゲーム好きで、兄の影響からデジタルゲームにも精通しているゲームマニア。 隠れゲーム好きの美綴綾子と出会った際には、一緒に居た氷室鐘がついていけないほどにコアな話を展開していた。

柳洞 一成 (りゅうどう いっせい)

冬木にある柳洞寺の跡継ぎ息子で、穂群原に通う男子高校生。2年生で、当初は生徒会役員を務めていたが、のちに行われた生徒会選挙において生徒会長となった。寺の息子らしく、真面目で実直な性格をしている。冬木のなかでは重要な宗教施設の跡継ぎ息子ということで、市長の娘である氷室鐘の婚約者なのではないかとの疑惑が上がっていたが真偽は定かではない。

衛宮 士郎 (えみや しろう)

穂群原に通う2年生の男子高校生。酒屋でアルバイトをしている。本作『氷室の天地 Fate/school life』のスピンアウト元であるPCゲームソフト「Fate/stay night」の主人公だが、本作では柳洞一成の親友というポジションに落ち着いている。何でも直す「天才工兵」と呼ばれる通り工作が得意で、氷室鐘たちが遠坂凜の家でパーティーの準備をすることになった際には、その工作の腕を見込んで偶然出会ったところを手伝いに駆り出された。

間桐 慎二 (まとう しんじ)

穂群原に通う、2年C組所属の男子生徒。軽くパーマのかかった癖毛のため、氷室鐘たちにはよく「ワカメ」と呼ばれている。美綴綾子と同じく弓道部に所属しており、副部長を務めている。自己顕示欲が強く、同時に自己中心的でナルシスト。そのため鐘たちには敬遠されているが、本人はまったく気にしてないのかよくちょっかいをかけてくる。 また、鐘たち以外の女性にはそれなりの人気があり、冬木市民マラソンの際は女性票を獲得し、コスプレ部門で優勝するほど。

後藤 劾以 (ごとう がい)

修学旅行でゲーム対決をする際に、補充人員として2年C組の人間秘密兵器として呼び出された男子高校生。強い我を持たない代わりに柔軟性の鬼のような人物で、ゲームの対戦相手はもちろん、昨晩見たテレビ番組など何にでもすぐに影響を受けトレースしてしまうという特徴を持つ。

前生徒会長 (ぜんせいとかいちょう)

穂群原に通う男子生徒で、柳洞一成の前に生徒会長を務めていた。3年生で、メガネをかけている。生徒会運営においては「明るく楽しくノリ重視」をモットーに掲げ、実際に球技大会や体育祭の運営の際には競技内容を、あらゆるマイナースポーツの中からランダムに選出するなどという、突拍子もない運営を平然と行っていた。そのため真面目な生徒会役員であった一成とはソリが合わず、のちに一成が生徒会長となってからはこの方針は撤廃された。 生徒会引退時には、前副生徒会長との婚約を宣言して大々的に辞めており、のちに氷室鐘たちによって2人が健全な恋愛関係にあることが確認されている。

前副生徒会長 (ぜんふくせいとかいちょう)

穂群原に通う女子生徒で、副生徒会長を務めていた人物。前生徒会長と同じく3年生で、メガネをかけている。「明るく楽しくノリ重視」というモットーに従って運営される生徒会で、前生徒会長と共に率先して陣頭指揮を執っており、球技大会や体育祭の競技決めの際には学内放送にも登場した。前生徒会長と共にカウボーイのようなコスプレ衣装をよく着ている。 生徒会引退時には、前生徒会長との婚約を発表した。

角隈 (つのくま)

穂群原に通う男子生徒で、柳洞一成を生徒会長に新しく発足された生徒会で副会長を務めている。基本的には居眠りばかりしている目立たない人物で、周囲から無能だと思われているが、覚醒した際には一成以上に有能ともされており、次期生徒会長の筆頭候補に挙げられている。普段は半睡眠状態でふらふらと夢遊していることが多く、「ムーンウォーカー」という異名で呼ばれている。 元ネタはゲームソフト「Fate/EXTRA」に登場する、「ザビ男」の通称を持つ男主人公。コミックス7巻のカバー裏に描かれた番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」で簡単に登場理由が説明されている。

生徒会書記 (せいとかいしょき)

穂群原に通う女子生徒で、柳洞一成を生徒会長に新しく発足された生徒会の書記を務めている。角隈と同じく余り目立つことはなく、生徒会長である一成や副会長である角隈と共に連れ立って登場することが多い。元ネタはゲームソフト「Fate/EXTRA」に登場する、「ザビ子」の通称を持つ女主人公。コミックス7巻のカバー裏に描かれた番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」で簡単に登場理由が説明されている。

生徒会会計 (せいとかいかいけい)

穂群原に通う女子生徒で、柳洞一成を生徒会長に新しく発足された生徒会の会計を務めている人物。まっすぐに切りそろえられた前髪に瞳を隠した外見をしている。一成とは異なり前生徒会の信奉者で、「明るく楽しくノリ重視」というモットーを踏襲していた。生徒会が確保していた、部活の功績に応じて支払うための報奨金を「明るく楽しくノリ重視」で配り破綻させてしまう。

藤村 大河 (ふじむら たいが)

2年C組の担任を務める女性教諭でいつも虎柄のようなストライプの服を着ている。担当科目は英語。性格は明るく脳天気。溌剌とした人柄で、竹刀を持っていることが多い。弓道部の顧問を務めており、弓道場に食料などを勝手に溜め込んでいる。これにより梅雨時に放置していたチョコレートをカビさせ、トリュフチョコのような外見に変容させたこともある。

葛木 宗一郎 (くずき そうちいろう)

2年A組の担任を務める男性教諭。メガネをかけた短髪の無表情な人物で、実直で真面目を絵に描いたような、朴訥な人柄。氷室鐘たちの担任教師ということもあって、彼女たちが何かやらかさないかと常に目を光らせている。修学旅行時に集団を離れて勝手に行動しようとした蒔寺楓の意識を謎の拳法によって一撃で刈り取るなど、底知れない力を秘める。

間桐 桜 (まとう さくら)

穂群原に通う女子生徒で、弓道部に所属する1年生。間桐慎二の妹。おしとやかで清楚な少女で、その容姿からかわいいと噂になっている。遠坂凜とミスコンテストで争う美綴綾子が、自分の代わりに間桐桜を出場させ、バックアップに回るほどの逸材。表には出さないが兄である慎二の問題児ぶりを不愉快に思っており、内心で「あの野郎」と罵ったりすることがある。

氷室 道雪 (ひむろ どうせつ)

氷室鐘の父親。冬木の街の市長を務めている政治家で、メガネをかけた白髪の初老男性。口数が少なく、真面目な印象の人物だが、娘である鐘とその友人の会話から自分を褒めるような言葉が聞こえた際には豪華な夕食を振る舞うような可愛げがある。また、アクアリゾートの話を聞いた鐘たちが「わくわくで、ウハウハで、ザブーン」と口にしたことをきっかけに施設の名称を変更するなど、フットワークの軽いところもある。

氷室 鈴 (ひむろ すず)

氷室鐘の母親。フランス料理が得意で、料理が下手な鐘に一時期、教え込んでいたことがある。非常に穏やかな性格で、おっとりした口調で話す。蒔寺楓の実家である呉服屋「詠鳥庵」にとっては超がつくほどのお得意様で、楓とも顔見知り。普段は品のない口調の楓も、氷室鈴の前では完全に猫を被って対応するほど。

成松 (なりまつ)

頭が丁度バーコードのように禿げ上がった初老の男性。冬木の有力者が集う年末の忘年パーティーで、冬木市長である氷室道雪に近づき、自分を派閥に入れて欲しいと提案した。その目的は、道雪の派閥のスパイとなることだった。「未遠川の廃船処理利権」に絡んでの企みがあるのか、道雪にその件を口にされて顔色を変える。

間桐会長 (まとうかいちょう)

間桐慎二や間桐桜の祖父にあたる人物。人格者で渋い声を持つ禿頭の老人で、和装に杖をつき、落ちくぼんだ眼下からは一点だけ光が見えるという特徴的な外見の持ち主。PTA会長を務めており、呉服屋「詠鳥庵」のひいきでもあるため年末の忘年パーティーで蒔寺楓が氷室鐘と共に挨拶へ向かった。鐘たちには、なぜこの遺伝子から慎二が生まれたのか分からないと思われている。

セイバー

コミックスのカバー裏に描かれた番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」に登場している英霊の一人。金髪をシニョンに結い上げた髪型をした少女で、鬼のようなコスチュームに身を包んでおり、タイトルにある「空腹」「女神」「人妻」のうちの「空腹」を担当している。元ネタは本作『氷室の天地 Fate/school life』のスピンアウト元であるPCゲームソフト「Fate/stay night」に登場するサーヴァント、セイバーその人。 コミックス3巻のカバー裏ではエクスカリバーを放ってスタジオを崩壊させている。

ライダー

コミックスのカバー裏に描かれた番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」に登場している英霊の一人。メガネをかけた長髪の女性で、漫画では主にツッコミを担当している。本作『氷室の天地 Fate/school life』のスピンアウト元であるPCゲームソフト「Fate/stay night」に登場するサーヴァント、ライダーその人。

キャスター

コミックスのカバー裏に描かれた番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」に登場している英霊の一人。長髪を一房だけ三つ編みにまとめた髪型をした女性で、いつも漫画自体に対するメタ発言や毒舌を口にしては、ライダーなどにツッコミを入れられている。本作『氷室の天地 Fate/school life』のスピンアウト元であるPCゲームソフト「Fate/stay night」に登場するサーヴァント、キャスターその人。

ロンドンスター

沙条綾香の知り合いである、英国在住の人物。日本のゲームが好きでそのスキルは非常に高く、氷室鐘に「英雄史大戦」の特訓を施す講師として音声チャットで招かれて登場した。英語で話すため、その際には会話の翻訳は綾香が行っている。「ロンドンスター」という名前はニックネームのようなもので、本人は気に入っていないのか、その名で呼ばないようにと抗議していた。

ジナコ=カリギリ (じなこかりぎり)

コミックスのカバー裏に描かれた番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」に登場した人物で、ぼさぼさの長い髪に巨乳の女性。『氷室の天地 Fate/scool life』の本編が進められている裏側で聖杯戦争が開始したことで、英霊の座にいたライダーやキャスターが召喚されてしまったため、一人になってしまったセイバーのソロ企画を立てるために放送作家として呼ばれている。 元はゲームソフト「Fate/EXTRA CCC」に登場したキャラクター。

ハサンP

コミックスのカバー裏に描かれた番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」に登場した人物で、スーツを着こなし骸骨のような仮面を被っている男性。元ネタは本作『氷室の天地 Fate/school life』のスピンアウト元であるPCゲームソフト「Fate/stay night」に登場するサーヴァント、「ハサン」その人。 番組のプロデューサーを務めており、聖杯戦争の開始によってライダーやキャスターが英霊の座からいなくなった際、セイバーのソロ企画を立てるためにジナコ=カリギリを放送作家として呼んだ。

局長 (きょくちょう)

コミックスのカバー裏に描かれた番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」に登場した人物で、筋骨隆々で強面の、巨人のような男性。番組という体裁を取っている「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」の局長を担当している。元ネタは本作『氷室の天地 Fate/school life』のスピンアウト元であるPCゲームソフト「Fate/stay night」に登場するサーヴァント、バーサーカーその人。

場所

穂群原 (ほむらはら)

氷室鐘や蒔寺楓たちが通っている高校。生徒会が強い権限を持っており、生徒が主体となって物事を行うことが多い。伝統のある球技大会が、あらゆる球技からランダムにクジ引きで種目を決めることになり、「セパタクロー」や「ペタンク」、「チュックボール」といったマイナーな球技が選ばれた時にも教員たちは一切関与しなかった。

冬木 (ふゆき)

氷室鐘たちが普段過ごしている街の名前。鐘の父親である氷室道雪が市長を務めている。国際色豊かな海の町で、河川敷では日本人の子供たちに交じって白人の子供が普通に遊んでいたりする。また、「掘れば湧き出す」といわれるほどの隠れた温泉地でもある。

わくわくざぶ~ん

冬木市が抱える市政上の問題である人口の伸び悩みを解決するために建設中の、ハコ物リゾート施設。大型の室内アクアリゾートとなる予定で、建設中に付けられていた名称は「冬木アクアリゾート」だった。氷室鐘の家を蒔寺楓たちが勉強会のために訪れた際、夕食の場で彼女らが口にした言葉をもとに氷室道雪が「もっとわくわくするウハウハでザブーンな名前にする」と関係者に提案したため「わくわくざぶ~ん」という名前になった。

未遠川 (みおんがわ)

冬木の町を流れる大きな川で、冬木の街を分断しているため、巨大な鉄橋が架けられている。10年前には「未遠川集団幻覚事件」と呼ばれる、未遠川河口付近で座礁した貨客船の積み荷から漏れ出したガスが原因で、事故を見に来た野次馬たちが、怪獣が暴れ狂うなどの幻覚を見るという事件が発生している。年末には沿岸部で「カウントダウン花火大会」が開催され、屋台などが数多く出店され大いに賑わう。

冬木中央公園 (ふゆきちゅうおうこうえん)

冬木の街に存在する大きな公園のこと。10年前には住宅地だったが、大火災によって付近一帯が焼け野原となり、焼失家屋134棟、死者500余名という大被害をもたらした。その後に公園となったが、市がどのようなイベントをやろうとも人が寄りつかず、さらには霊感のある三枝由紀香は家族や子供の幽霊を見ていたりと曰く付きのスポットとなっている。

アーネンエルベ

氷室鐘たちが相談場所に使ったりと、作中にたびたび登場する喫茶店。メニューは本日の紅茶、本日の珈琲、気まぐれパイの3品だけしかなく、それ以外は注文してくれればできる物ならば作る、というスタンス。実際に鐘がタイ料理を注文したところ、店員が食材を買いに行った。客の入りは結構良い。

詠鳥庵 (えいちょうあん)

蒔寺楓の実家である大商家で、老舗の呉服問屋。古くは海賊をしていた楓の祖先が、鳥の詠(うた)う声に導かれて呉服問屋を開いたという謂われが残っている。広大な敷地面積を誇る店舗と、取り扱っている呉服の質、量共に素晴らしく、市長の娘で同様に裕福な実家を持つ氷室鐘も、はじめて訪れた際には驚いたほど。「えいどりあん」とも読む。

銀の脚 (ぎんのあし)

氷室鐘が郊外で偶然見つけたイタリア料理店。店の中には入らなかったが、漂う香りから間違いなくうまい店だと断言している。近々行われる球技大会で成績が一番いい人間におごるという賭けの対象となったが、金額が相当に高そうな店であったため三枝由紀香におごらせるのはどうなんだ、という会話が鐘と蒔寺楓の間で交わされた。

千葉ディスティニーランド (ちばでぃすてぃにーらんど)

氷室鐘たちが東京への修学旅行の2日目に訪れた遊園地。マスコットやアトラクションの名前、景品の造形にTVアニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」からのオマージュがちりばめられており、レストランのメニューにある「ケバブのヨーグルトソースかけ」を見た鐘たちが困惑するなどの小ネタも多数仕込まれている。

蝉菜マンション (せみなまんしょん)

氷室鐘や美綴綾子が住んでいるマンション。住所は冬木市新都玄木坂四番地に位置している。鐘の住んでいる部屋は、美綴の部屋と間取りが異なり、より広く作られている。市長の住んでいる部屋ということで、勉強会で訪れた蒔寺楓などは隠し金庫がどこかに隠されていないかと疑っていた。鐘の実家がオーナーを務めているのだが、「蝉名マンション事件」が原因で不動産価値が著しく下がっている。

お好み焼き 鍾馗 (おこのみやき しょうき)

沙条綾香がよく利用するお好み焼き屋で、彼女に相談のある氷室鐘が突如として現れる、という構図でたびたび登場する。世紀末覇者焼き、別名「聖帝十字量」という超巨大なお好み焼きが1999円でメニューに並んでおり、鐘が挑戦したが挫折した。

長野 (ながの)

中部地方に位置する内陸県のひとつ。冬木市民マラソンの景品で「豪華国内温泉旅行」を手に入れた蒔寺楓が、氷室鐘と三枝由紀香を誘って温泉旅行に訪れた。善光寺をはじめ、地獄谷野猿公苑、わさび農場という実際に存在する観光地が登場した。また、鐘たちが宿泊した温泉旅館は「ジプリ映画」の舞台の元ネタのひとつとなったとされる、創業250年の老舗旅館で、日本でも珍しい木造四層建築の宿である。

養老天命反転地 (ようろうてんめいはんてんち)

岐阜県養老町に存在する実在の公園の名称。日本の現代美術家である荒川修作とその妻で詩人、芸術家であるマドリン・ギンズによって構想、作成されたテーマパーク型のモダンアートのこと。公園その物が芸術作品となっており、斜面と起伏だらけの園内で上下左右の錯覚を体全体で楽しむという体験型アートである。怪我防止のためにヘルメットを借りることもできる。

地獄谷野猿公苑 (じごくだにやえんこうえん)

長野県下高井郡山ノ内町の地獄谷に位置する野猿公園のこと。奥まった土地にあり、最寄りの上林温泉からさらに30分ほど林道を歩いた先にある。ニホンザルを間近で観察できる土地として有名で、特にサルが入る温泉は、世界的によく知られたアニマルスポットであり、実際、外国人観光客も多い。長野へ温泉旅行のために訪れた氷室鐘たちが観光で訪れた場所のひとつ。

善光寺 (ぜんこうじ)

長野県長野市元善町にある寺院のこと。「七名物」と呼ばれるお土産が有名で、その内訳は七味唐辛子、甘酒、田楽、眼薬、膏薬、ろうそく、まんじゅうの7つ。しかし、現在では七名物のうちの田楽、膏薬、ろうやくの3つが絶え、存在していない。他、「牛にひかれて善光寺」という、欲深い老婆が牛に引っかけられた布を惜しんで追いかけ回したところ、善光寺へと誘われたことで改心したという逸話が作中で紹介されている。

わさび農場 (わさびのうじょう)

長野県安曇野市に位置するわさび農場のこと。安曇野随一の観光スポットで、多年草であるワサビが一面に渡り栽培されている美しい風景を1年にわたって見ることができる。しかし、周囲に存在するイワナ茶屋や蕎麦屋が冬期には休業期間や短縮営業を行うなどするため、氷室鐘は作中で初夏に訪れるべき観光スポットと口にしていた。

渋温泉 (しぶおんせん)

長野県下高井郡山ノ内町にある温泉のこと。付近一帯は温泉郷として有名で、さまざまな温泉が存在している。氷室鐘たちが宿泊した温泉旅館には渋温泉の中でも特に有名な創業250周年を誇る老舗旅館で、蒔寺楓の言う所の「ジプリ映画」に登場する温泉旅館の元ネタのひとつとなった、国の重要文化財指定を受けた木造四階建ての建物が存在している。

英霊の座 (えいれいのざ)

人の身でありながら生前に偉大な功績をあげ、信仰の対象となった存在である「英霊」が死後に行き着く場所のこと。英霊は聖杯戦争などによって召喚されるまでこの場所に留まることとなる。カバー裏に描かれている番外編「空腹・眼鏡・人妻のおなじみ英霊様」の舞台として登場し、セイバー、ライダー、キャスターが中心となった番組がここで撮影されている。

イベント・出来事

聖杯戦争 (せいはいせんそう)

いかなる願いも叶えるといわれる願望機、最高位の聖遺物である「聖杯」をめぐって行われる戦いのこと。歴史上の偉人や、神話の英雄である英霊を現代に召喚して戦わせるもので、遠坂凜の父親は第四次聖杯戦争に参加し、命を落としている。近々第五次聖杯戦争が行われる予定であり、遠坂家の当主である凜が参加する予定。

冬木市民マラソン (ふゆきしみんまらそん)

冬木で開催されているマラソン大会。ハーフマラソンや3キロコースなど複数の競技が開催され、それぞれに参加費が違う。ハーフマラソンの場合参加費は1万円で、商品もそれ相応に豪華なモノが多く、優勝賞品のハワイ旅行を筆頭に大型TVやPCなどがもらえる。

カウントダウン花火大会 (かうんとだうんはなびたいかい)

冬木で開催されることとなった新行事で、未遠川の沿岸部で行われる。花火大会ではあるが、同時に一大フードフェスティバルでもあり、日本各地のB級グルメを扱う屋台を数多く展開していた。花火大会を見に訪れた氷室鐘たちも屋台を巡り、「ゼリーフライ」や「耳うどん」といったB級グルメを食していた。

その他キーワード

英霊 (えいれい)

人の身でありながら生前に偉大な功績をあげた英雄の中でも、死してなお信仰の対象となった存在のこと。英霊となった存在は、「英霊の座」と呼ばれる人類の時間の概念から切り離された場所に落ち着くこととなる。「聖杯戦争」と呼ばれる、聖杯を巡る戦いの中では特に、サーヴァントとして召喚され、マスターによって使役される。

英雄史大戦 (えいゆうしたいせん)

世界各国の英雄・偉人・悪漢をモデルとした英傑カードを使用して戦うオンラインカードアーケードゲームで、プレイヤーは任意に5枚のICカードを選んでデッキを組み、テーブル形の読み取り筐体の上に乗せ操作する。カードにはそれぞれ、1~10の数値で武力や防御力が設定されており、良い数値のモノほどレアリティが高い。英傑は複数の勢力に分かれており、地中海や、中国、欧州といった地域ごとの区別となっている。 勝敗は最終的に相手の城ゲージを少なくした方が勝ちなど、その他、詳しくルールが決められている。また、登場する英傑カードは実際に複数人のイラストレーターに頼んでイラスト化されたり、一般公募による新規英傑カードを登場させたりと、企画が幾たびか行われている。 元ネタは実際に存在するオンラインカードアーケードゲームの「三国志大戦」。

アイドル&ベリー

女子のためのアーケードゲームで、オシャレカードを集めてコーデを決め、芸能界バトルを行ってはアイテムをゲットするというシステム。基本はアイドル服に身を包んで、おしゃれカードでアイドル界を生き残ることを目的としており、アイドル服やティアラ、シュシュなどといった可愛らしい衣服、アクセサリが登場する。

ラブ&カツドウ

アーケードゲーム「アイドル&ベリー」の姉妹ゲームで、美魔女カードを手に入れて、女子力を高め、合コンバトルで医者などの高学歴な男をゲットすることが目的。「婚活」をテーマとした、業界初の異色ゲームとの売り文句で、スーツに身を包み、スーツサロンやエステでキャラクターを強化していくことになる。プレイヤーは結婚相談所である「ストライク学園」か「ドリルアカデミー」に所属し、ワイン教室や生け花で自分を磨き上げた後に合コンバトルへ赴いて、ターゲットである医者、実業家をゲットしハイスコアを目指すシステムとなっている。

支配の王扇 (しはいのおうせん)

氷室鐘がいつもどこからともなく取り出す、三国志の諸葛孔明を連想させる羽扇に、後藤劾以が命名した名前。鐘が所有する「宝貝(パオペエ)」ということになっている。後藤の妄想では、支配の王扇の力が解放されるとき、鐘に「武」のスイッチが入り、「軍師ビーム」や「軍師3WAYホーミングビーム」「軍師浮遊爆雷」を放つとされている。

未遠川集団幻覚事件 (みおんがわしゅうだんげんかくじけん)

冬木で10年前に起こった複数ある事件の内のひとつ。未遠川の河口付近で貨客船が故障し、座礁。その結果、積み荷からなんらかのガスが漏れ出してしまい、事故を見るために来ていた野次馬たちがそれを吸い込み、怪獣が戦うなどのさまざまな幻覚を集団で見たという事件のこと。

冬木ハイアットホテル爆破事件 (ふゆきはいあっとほてるばくはじけん)

冬木で10年前に起こった複数ある事件の内のひとつ。冬木に存在していた「冬木ハイアットホテル」が爆破され瓦礫となった事件のことだが、最上階に泊まっていた白人夫婦に出入国記録が一切残されていなかったうえ、瓦礫の下から遺体も発見されず、忽然と姿を消した。これにより、白人夫婦が事件の黒幕であった、白人夫婦はCIAに所属していた、などさまざまな憶測が都市伝説的に生まれている。

蝉名マンション事件 (せみなまんしょんじけん)

氷室鐘の実家がオーナーを務めているマンションで発生した、一家心中事件を含む一連の事件に対する総称。昨年の秋の終わり頃に発生した。ことの発端は、11階に住む3人家族が一家心中によって全滅したという事件で、一説には発狂した母親が夫と3歳の娘を殺したとされる。殺されたとされる3歳の娘の遺体は発見されていない。その後、一家の隣に住んでいた大学生が事件の1ヵ月後に失踪し、事件との関連を疑われている。

玄木坂の赤ずきん (くろきざかのあかずきん)

蝉名マンション事件の発生後に広まった怪談で、いわゆる都市伝説。未だに発見されていない一家心中した家族の内の、3歳の娘がモチーフとなっている。行方不明となっている3歳の娘は両親から虐待を受けていたという痕跡が、踏み込んだ警察によって発見されたということになっており、女の子は未だにこの世を怨霊となってさまよっているという都市伝説で、隣に住んでいた大学生は女の子の怨霊によって呪い殺されたのだ、という内容の話。

クレジット

原作

TYPE-MOON

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