あらすじ
第1巻
時計坂高校に入学した順菜正太郎は、入学式の前に出会った女子生徒の日比野真琴に一目惚れする。日々、真琴への思いが募っていく正太郎は、ある日、真琴と同じ髪型の人物の後ろ姿を見かけてあとをつけ、その人が入ったと思われる演劇部の部室に入る。そこで正太郎は、追いかけた人物が真琴と同じ髪型のカツラをかぶった徳大寺ヒロミだと知る。真琴でなかった事に正太郎は落ち込むが、逆にヒロミから好意をもたれて迫られてしまう。丁度その時、部室に真琴が入って来て、正太郎はヒロミとの関係を誤解されてしまうのだった。翌日、正太郎は誤解を解いて真琴となかよくなるために時計坂高校演劇部に入る事を決意する。(第1話「正太郎くん 天使と悪魔に出会う!!の巻」、第2話「ヒロミと真琴のあやしい関係の巻」。ほか、9エピソード収録。)
第2巻
月曜日の全校朝会のあと、轟蝶子に呼び止められた順菜正太郎は、職員室であるテストを受けさせられる。それは蝶子が胸の高さで持っている箱の中にある物体を触って当てるというもので、蝶子はこのテストを通して正太郎に異性のよさをわかったもらおうとしていた。丁度その時、職員室では徳大寺ヒロミによる中間テスト問題用紙の盗難事件が発生。ほかの教師やたまたま職員室にいた日比野真琴も巻き込んだ大騒動に発展する。(第21話「パニック IN 職員室の巻」。ほか、10エピソード収録。)
第3巻
時計坂高校では「だれもいないのに周囲からカシャカシャという音だけが聞こえるオバケ」の話題で持ちきりになっていた。このオバケは女生徒が多くいる場所にしか出現せず、男子部員が少ない時計坂高校演劇部の部室内でも音を聞いた者がいて、部員がオバケについて話していると、順菜正太郎の足元からカシャカシャと音が鳴り始めるのだった。(第34話「高校教師・時計坂高校の場合の巻」。ほか、11エピソード収録。)
第4巻
川に落ちた事をきっかけに順菜正太郎と知り合い、正太郎に惚れた徳大寺クルミは、正太郎にアプローチし始める。ある日、クルミは時計坂高校に忍び込み、正太郎と日比野真琴の三人で遊んでいると、クルミの兄の徳大寺ヒロミが乱入し、クルミとヒロミのあいだで正太郎を巡る争いが発生。これに対し、同じモチーフで即興ミュージカルを行い、演技力の高い方が勝ちという決着方法がクルミから提案される。(第44話「ライバルは史上最強!の巻」。ほか、10エピソード収録。)
第5巻
順菜正太郎ら時計坂高校演劇部の部員は、撫出肩苦重重流が作った水虫を治す機械の誤作動によって、恐竜が活動する白亜紀までタイムスリップしてしまう。現代に戻ろうとするが機械が壊れてしまったため、撫出肩が修理するまで部員は水や食料の確保に向かう。しかし、わずか数時間で正太郎、日比野真琴、徳大寺ヒロミ以外の全部員が満足に動けない状態になったため、三人は水を探しに出発するのだった。(第46話「白亜紀より愛をこめての巻」。ほか、11エピソード収録。)
第6巻
日曜日に轟蝶子の自宅マンションまで来るように言われた順菜正太郎、日比野真琴、徳大寺ヒロミ、観月リサは、お昼すぎに彼女の自宅を訪れ、蝶子が男性からもらった数々のプレゼントを質屋に売りに行くのを手伝わされる。無事に手伝いが終わると、蝶子からお礼として寿司をおごってもらう事になったが、蝶子の行きつけのお店に入ると、三輪友紀が寿司職人として威勢のいい声を発していたのだった。(第67話「伝説のスシ屋バトルの巻」。ほか、10エピソード収録。)
第7巻
薄毛に悩んでいる撫出肩苦重重流は、ロングヘアだった学生時代を思い出して若返りの薬を自作するが、副作用が怖くて飲めずにいた。そこでまずは生徒で試そうと思いつき、順菜正太郎に薬をキャンディと偽って食べさせる。正太郎はキャンディの効果で5歳児くらいまで小さくなってしまうが、日比野真琴や観月リサをはじめとした時計坂高校演劇部の女性部員に保護され、元に戻す方法が模索される。(第74話「越中富山の若返りの薬の巻」、第75話「越中富山の若返りの薬-その効能-の巻」。ほか、11エピソード収録。)
第8巻
ある日、徳大寺ヒロミは宇宙の星を巡って旅する謎の生物に寄生され、口からキノコが生えてしまう。最初は普段通りに生活をしていたヒロミだったが、キノコから自分と同じ姿をした生物が生まれ、生物から「今から、ぼくが徳大寺ヒロミだよ。きみは用済み」と宣言される。(第90話「宇宙からこんにちは!の巻」。ほか、11エピソード収録。)
第9巻
夏休みの自由課題の宿題のために昆虫採集をしていた徳大寺クルミは、順菜正太郎の薦めもあってセミが羽化する様子を観察してレポートにまとめていた。クルミは成虫になったセミを、虫かごでそのまま飼い続ける事にしたが、その夜から毎日、夢に不思議な男の子が現れるのだった。(第100話「星になった約束の巻」。ほか、12エピソード収録。)
第10巻
週末に開催される徳大寺ヒロミの自宅でのクリスマスパーティーに、時計坂高校演劇部の部員が招待される。部員は豪華だった去年のパーティーの思い出をそれぞれに口にするが、日比野真琴だけは実家のお好み焼き屋の手伝いもあって行けず、今年も行けそうにない事に落ち込む。順菜正太郎は、そんな真琴の事を考えながら歩いていると、大金を拾い、届けた交番で落とし主から謝礼金を渡される。正太郎は、そのお金を持ってクリスマスパーティー当日に、真琴の実家のお好み焼き屋に向かうのだった。(第118話「忘れじのHoly Night!の巻」。ほか、11エピソード収録。)
第11巻
海外勤務の両親が帰国し、順菜家は久しぶりに一家団欒の休日を過ごしていた。順菜正太郎は両親の仲睦まじい様子を見ていたが、父親の異変で徳大寺ヒロミの侵入を見破る。その後、ヒロミの標的が父親に移っている事に気づいた正太郎は、自分の幸せのために両親に噓をついてしまう。(第124話「悪魔はどっちだ!?の巻」。ほか、11エピソード収録。)
第12巻
順菜正太郎は日比野真琴に告白するものの、真琴から「お友だちでいましょう」と言われて呆然と日々をすごす。そのあいだに正太郎の周囲の人間は、新しく恋人を作ったり、ハリウッドの映画に出演が決まって渡米するなどして、気がつけば正太郎は一人になっていた。そんな正太郎を見た真琴は、彼にある言葉を掛ける。(最終話「最後の扉はカーテンコールの巻」。ほか、11エピソード収録。)
登場人物・キャラクター
順菜 正太郎 (じゅんな しょうたろう)
時計坂高校に入学した美少年。心優しく、人からの頼みを断れない性格。駐輪場で日比野真琴に一目惚れし、その後彼女の後ろ姿らしきものを追いかけて徳大寺ヒロミと遭遇する。真琴からヒロミと愛し合っていると思われており、その誤解を解くために奮闘するが、ヒロミの妨害により中々進展していない。 自らの容姿と人当たりの良さから数人の女子に好意を持たれることもあるが、基本的には真琴一筋。女装した姿は、幾人もの男子の胸をときめかせた。
日比野 真琴 (ひびの まこと)
時計坂高校・演劇部の副部長を務める二年生。本人非公認ながら校内にファンクラブを持つほどの美少女であり、アイドル的存在。演劇部の活動が終わった後は実家のお好み焼き屋を手伝っている。幼い頃に浮気をして家を出て行った父親のせいで極度の男嫌いになっており、触れただけでコークスクリューパンチを繰り出すほど。 しかしながら、オカマを自称する徳大寺ヒロミや、自分にしか興味がないナルシス・ナニーニ、また同性愛者と思いこんでいる順菜正太郎などには触れられても平気。正太郎のことが少し気になっている。また、アルコール耐性が全くなく、酒乱。
徳大寺 ヒロミ (とくだいじ ひろみ)
時計坂高校・演劇部の部長を務める三年生。世界的に有名な大女優を母親に持ち、彼女を超えることを目標とするオカマ。女性のカツラを被っていたところ、順菜正太郎と遭遇、彼に惚れてしつこく付きまとうことになる。二頭身の体格で眉毛が太い等、整った容姿ではないが、人間離れした運動神経を持ち演技力はかなり高い。 顔自体も元は美形だったのだが、母親のスパルタ教育を受ける内に変質してしまった。
観月 リサ (かんづき りさ)
時計坂高校に通う一年生の女生徒。入学した時は肥満体型だったが、ある日順菜正太郎に惚れてしまい、恋煩いから急激に痩せて美少女に変身した。その後は演劇部に所属し、正太郎に度々アタックするもなかなか上手くいっていない。極度の泣き虫。正太郎からは観ちゃんと呼ばれる。
ナルシス・ナニーニ
時計坂高校・演劇部に所属する二年生。イタリア人の父とフランス人の母親を持つハーフ。自らを世界で最も美しいと思い込むナルシストであり、頻繁に鏡を覗き込んでいる。異性・同性関係なしに、愛しているのが自分だけなために、日比野真琴に触れてもパンチを喰らわない。
春日 春 (かすが しゅん)
あらゆる学問に通じ、容姿端麗で運動神経も高く家柄も良いという男子生徒。極度の潔癖症であることが玉に傷。他の男子生徒同様日比野真琴に惚れており、頻繁にアプローチをかけてはパンチを喰らっている内にマゾヒズムに目覚める。
撫出肩 苦重重流 (なでがた くええる)
時計坂高校・演劇部の顧問を務める初老の男性。存在感が異常に薄く、居ても認知されないこともしばしば。マッドサイエンティストという側面を持ち、しばしば発明品を持ち込んでは人の良い順菜正太郎を実験台にしている。
轟 蝶子 (とどろき ちょうこ)
時計坂高校に務める女教師。肉感的な美女であり、自らの体を張った生徒指導をする。順菜正太郎が同性愛者であると信じ切っており、彼を更生させるためにしばしば強引な手段を取る。
徳大寺 クルミ (とくだいじ くるみ)
徳大寺ヒロミの妹であり、大女優を目指す小学生。ややませており、順菜正太郎に惚れている。
一本木 鯉三 (いっぽんぎ こいぞう)
時計坂高校に通う男子生徒。髪型はリーゼント。演劇部の隣に部室を構える応援部、唯一の部員。日比野真琴に好意を抱いている。
三輪 友紀 (みわ ゆうき)
時計坂高校に通う女子生徒だが、女の子が好きで男装をしている。性格は並みの男よりも豪快で短気。順菜正太郎の女装姿に惚れ、彼が男だと気が付いた後も好意を抱いている。
甘髪 ねね (あまがみ ねね)
時計坂高校に通う三年生。妖艶な空気を纏った美少女で、数々の男を手玉にとって遊ぶ魔性の女。過去に幾人もの恋人を取られた過去があるため、徳大寺ヒロミにとっては宿敵。順菜正太郎に興味を抱き、彼を翻弄する。
ウンタマ
徳大寺ヒロミが出会い、ペットとしたイエティの子供。見た目は頭にアンテナが生えた白いハムスター。卵のような糞をすることから名前が付けられた。言葉は話せないが、体を張ったダジャレを頻発する。
集団・組織
時計坂高校演劇部 (とけいざかこうこうえんげきぶ)
『ボンボン坂高校演劇部』の舞台となっている部活動。主人公の順菜正太郎たちが所属する。部長の徳大寺ヒロミがオカマで男好きなため、男子部員の数が異常に少ない。学校のアイドル・日比野真琴や、卓越した演技力を持つヒロミなどを擁し、実力は高い。