高校生三人が異世界へ
平凡な高校生の兎里健が、クラスメイトの龍泉一樹、学校一の才女と知られる犬上鈴音と共に異世界に召喚されたことから物語が始まる。異世界のリングル王国は、魔族の復活による危機から国を守るために三人を召喚し、協力を求める。こうして、元の世界に戻る手段が見つかるまでのあいだ、健たちはリングル王国の救命団の一員として戦うことになるが、勇者としての適性を持つのは一樹と鈴音だけで、健はただ巻き込まれただけだった。しかし、健にレアな治癒魔法の素質があると判明したことで、事態は急変する。
兎里健が治癒魔法使いとして大活躍
兎里健たちが召喚された異世界では、治癒魔法使いはレアな存在ながら一方で侮蔑の対象でもあり、多くの者から雑魚(ざこ)扱いされる職業だった。だが、その悪いイメージは救命団の団長、ローズの活躍で周囲の見る目も変わっていく。救命団に入団した健は、厳しい鍛錬の末に敵との肉弾戦にも耐えうる強靭な肉体を手に入れる。そして、本来ならば前線に立つことのない治癒魔法使いのイメージを覆すことに成功する。
治癒魔法使いが最前線で戦う異色のバトルファンタジー
兎里健は団長のローズの地獄の訓練を受け、強靭な肉体を手に入れた異色の治癒魔法使いとして戦いに身を投じることとなる。勇者ではないものの初陣で健は最前線に立ち、治癒魔法を大胆に応用した「治癒パンチ」を駆使しながら、八面六臂(ろっぴ)の活躍と功績を上げていく。その後、魔王軍の漆黒の騎士との激闘を終えた健たちは、リングル王国を旅立つことになり、魔導都市の魔導学園や祈りの国サマリアールなど、さまざまな国へと舞台は移っていく。
登場人物・キャラクター
兎里 健 (うさと けん)
とある高校に通う2年生の平凡な男子。生徒会長である犬上鈴音と、服生徒会長である龍泉一騎が異世界に勇者として召喚される際に、たまたまいっしょにいたため、巻き込まれた。人の傷を癒やす希少な「治癒魔法」の適性を持っていたばかりに、王国の救護組織「救命団」の団長であるローザに目をつけられ、ほぼ強引に救命団に加入させられ、精強な王国騎士団員も裸足(はだし)で逃げ出す地獄のような訓練を課せられることとなる。王国の人々からも当初は不憫(ふびん)がられており、ローザから逃げるように忠告されていたが、次第に生来の負けん気を発揮しはじめ、訓練にも適応するようになる。治癒魔法で体を壊して治すを繰り返すことで、筋肉の超回復が起き、訓練によって超人じみた身体能力を身につけていく。また、敵を殴って癒やす「治癒パンチ」をローザから必殺技として伝授される。治癒パンチはケガそのものは残らないが、痛みと衝撃はそのままであるため、相手を殺さずに思う存分殴れる技として愛用しているが、その様を見た犬上には、治癒魔法の使い方が激しく間違っていると言われている。
犬上 鈴音 (いぬかみ すずね)
兎里健と同じ高校に通う3年生の女子。生徒会長を務めている。才色兼備でなんでもそつなくこなすため、同性からもあこがれの目で見られている。副生徒会長の龍泉一騎と付き合っていると噂(うわさ)されているが、本人たちは生徒会の仕事でいっしょにいることが多いだけで、根も葉もない噂と語っている。周囲からは品行方正で堅物と思われがちだが、根は大のサブカルチャー好きで、かなりユニークな性格をしている。一騎と共に異世界に勇者として召喚された際には、テンションが上がりまくり、巻き込まれた兎里を呆(あき)れさせていた。「雷」属性の魔法に適性があり、剣をメインとして戦う。召喚された中では異世界生活を一番満喫しており、水を得た魚のように生き生きとしているが、その半面、兎里からは、元のイメージが崩壊し、残念さが増したと思われている。
クレジット
- 原作
-
くろかた
- キャラクター原案
-
KeG
書誌情報
治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~ 15巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉
第1巻
(2017-09-26発行、 978-4041061299)
第2巻
(2018-02-26発行、 978-4041067284)
第3巻
(2018-09-22発行、 978-4041073568)
第4巻
(2019-03-04発行、 978-4041078976)
第5巻
(2019-08-26発行、 978-4041085790)
第6巻
(2020-03-24発行、 978-4041085806)
第7巻
(2020-10-26発行、 978-4041105030)
第8巻
(2021-04-24発行、 978-4041105047)
第9巻
(2021-11-26発行、 978-4041118016)
第10巻
(2022-03-26発行、 978-4041118023)
第11巻
(2022-10-25発行、 978-4041130438)
第12巻
(2023-03-25発行、 978-4041130445)
第13巻
(2023-10-26発行、 978-4041142349)
第14巻
(2024-03-26発行、 978-4041142356)
第15巻
(2024-10-25発行、 978-4041155196)