海辺の街・A市を舞台にした連作集
本作は、「月刊コミックビーム」の2009年3月号から2012年2月号まで、不定期に掲載された連作短編であり、『海辺へ行く道 夏』『海辺へ行く道 冬』『海辺へ行く道 そしてまた、夏』の全3巻の単行本にまとめられている。各話に共通しているのは、舞台が海辺の街・A市であること。また、南奏介という中学生をはじめ、同じ人物が複数話に登場する構成で、1話完結ながら、ゆるやかに物語が繋がっていく連作集である点が特徴となっている。
不思議でシュールな街の風景
海辺の街であるA市には、第1海岸から第4海岸まであるというが、具体的な描写はなく、街の全体像を掴むことは難しい。街には、白い歯を見せると失格という「静か踊り」という奇祭や、異常な大きさのザリガニや鯉が発見されるために土壌汚染の疑いがある立入禁止区域が存在する。また、近隣のF市には、回文を言わないと迷ってしまう「回文横丁」などもあり、ちょっと不思議でシュールな街がストーリーの背景となっている。
登場人物・キャラクター
南 奏介 (みなみ そうすけ)
市立東中学2年生の男子。美術部と新聞部に所属している。祖母らしき女性と二人暮らしで、家になかなか帰ってこない、肉球まで黒い黒猫を飼っている。ちょっと怪しい美術関係者A氏に美術の才能を認められている。
平井 (ひらい)
市立東中学2年生の女子で、南奏介の同級生。おかっぱ頭が特徴。新聞部に所属している。新任教師の命令で、奏介と一緒に、A市の面白い場所と人を取材することになる。
書誌情報
海辺へ行く道 夏 KADOKAWA〈ビームコミックス〉
(2009-12-25発行、978-4047262133)
海辺へ行く道 冬 KADOKAWA〈ビームコミックス〉
(2011-03-25発行、978-4047270756)
海辺へ行く道 そしてまた、夏 KADOKAWA〈ビームコミックス〉
(2012-01-25発行、978-4047278028)







