レタス2個分のステキ

レタス2個分のステキ

仲睦まじいカップルや謎のプロレスラー、孫を思う老人の幽霊と、並外れた変人たちが思い思いの日常生活を送る姿を淡々と描く、超不条理系オムニバスギャグコメディ。小学館「週刊少年サンデー」で2015年第6号から第46号にかけて掲載の作品。

正式名称
レタス2個分のステキ
ふりがな
れたすにこぶんのすてき
作者
ジャンル
不条理・シュール
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あらすじ

自宅のアパートでくつろいでいたスグルは、同棲する恋人・マチコが料理をしているのが気になり、台所をのぞく。するとマチコは、大鍋でギターを柔らかくなるように煮込んでいた。その姿にスグルは発奮し、来るべきボクシングの試合に向けて走り込みを開始する。するとスグルは、道端で捨てられた子犬を発見し、アパートへ連れ帰って子犬を飼うことをマチコに告げる。そしてマチコは、丈夫に育つようにと願いを込め、子犬に「カルシウム」と名づけるのだった。また、次の試合ではダーティなことをしないと誓ったスグルは、クサリ鎌の準備をしていた。(エピソード1「マチコとスグル①」)

いつものようにのクラスの様子を見にやって来たお爺さんの幽霊は、孫の友人・斎藤が、クラスメートの女子に恋をしていることを知る。女子との関係を勘繰り、斎藤をからかって対戦車指向性荷電粒子砲を撃たれそうになる孫を心配しながら、お爺さんの幽霊は斎藤の恋路を暖かく見守っていた。しかし、放課後になって斎藤が恋をしていた相手が、女子が使っていた黒板消しクリーナーであることに気づき、お爺さんの幽霊はなんとも言えない複雑な気分になるのだった。(エピソード13「斎藤君⑤」)

桃尻県東警察署の捜査課に殺人事件の一報が入る。係長のボスは、部下の刑事たちに出動指令を出す。最初に通称「山さん」、次に通称「ジーパン」に指示を出すが、捜査課には12人もの通称「ジーパン」がいた。通称ジーパン刑事が多すぎることに強い疑問を抱くボスだったが、その考えを振り払うように全員に檄を飛ばす。山さんが犯人の逮捕に成功する中、通称ジーパン刑事が全員乗り込んだバスは、あまりの重さで横転してしまう。(エピソード29「ジ-パン①」)

登場人物・キャラクター

スグル

ボクサーっぽいことをしている男性。恋人のマチコとアパートで同棲している。リーゼントの髪型に、スタイルのいい長身の好青年。フランクな性格で行動力もある人格者ながら、ボクシングの試合での不正行為はクサリ鎌程度に抑え、それ以外は正々堂々と戦うと宣言するなど、ズレた感覚の持ち主。マチコとはラブラブで、ここ最近は二人で、ビデオデッキにビデオテープを入れる遊びに夢中になっている。マチコとは公園で犬の糞拾いの活動をしている際に知り合った。邪馬台国は畿内にあった説を支持しており、九州説のマチコと持論を巡って大喧嘩に発展することもある。

マチコ

恋人のスグルと同棲している女性。優しい顔立ちで、黒髪をボブヘアにしている。おっとりとした性格で、奇行が目立つスグルを温かく見守っている。しかしマチコ自身も、鍋でギターや軍人のフィギュアを煮込んだり、スグルが拾ってきた子犬に丈夫に育つように願いを込めて「カルシウム」と名づけたりするなど、スグル同様の変人。邪馬台国は九州にあった説を支持しており、畿内説のスグルと持論を巡って大喧嘩に発展することもある。

カルシウム

ダンボールの中に放置されていた捨て犬。ランニングをしていたスグルが拾ってきた。丈夫に育つようにと願いを込め、マチコが「カルシウム」と名づけた。直立不動の姿勢のまま、俊敏に移動することができる。

お爺さんの幽霊

半年前に亡くなった老人の幽霊。孫を心配して通っている学校を訪れ、孫を見守っている。元気に学園生活を送る孫の様子に安心する一方で、クラスメートの斎藤が奇怪なメカっぽい姿をしていること、そしてそんな斎藤に孫をはじめとしたクラスメートがふつうに接していることに驚愕し、いつしか孫そっちのけで斎藤の動向を注視するようになった。

ごくふつうの男子中学生。おかっぱ頭をしている。明るく元気な性格で友達も多く、楽しい学園生活を送っている。半年前に亡くなったお爺さんの幽霊にひそかに見守られている。異形の姿をした斎藤とも仲がいい。

斎藤

ロボットのような姿をした正体不明の中学生。頭部が球体の機械になっている。一言もしゃべらないものの、ほかの生徒とは問題なく意思疎通を図ることができ、何不自由なく学園生活を送っている。祖父は月面探査船。クラスメートである孫を見守っているお爺さんの幽霊は、斎藤の異様な姿と行動にくぎ付けになり、孫そっちのけで斎藤の動向を注視している。頭部にはさまざまなギミックが仕込まれており、いざとなれば対戦車指向性荷電粒子砲も放つことができる。人間は恋愛対象ではなく、教室内の黒板消しクリーナーに恋をしていた。苗字は「斎藤」だが、名前は読み方のわからない手書きの絵文字になっている。

ボス

桃尻県東警察署の捜査一係長を務める中年男性。強面で眼鏡をかけている。リーダーシップに優れた有能な人物。捜査一係の部下に通称「ジーパン」が12人もいることに常日頃から疑問を抱いているが、口には出せないでいる。後日、各自のニックネームの修正を提案するが、通称をジーパンの種類で分けられ、余計に頭が混乱する羽目になってしまう。

覆面プロレスラー

プロレスラーの男性。つねに覆面をかぶり、ジムでトレーニングに励んでいる。一方でカーリングのストーンとしても活動しており、時折カーリングの試合の会場に足を運び、背中に持ち手を付けたうえで選手にストーンとして使用してもらおうとしている。

本間

頭部が無機質な四角い物体の正体不明の中学生。孫の通う中学校に転入してきた。転入当初から斎藤と触手を伸ばし合って互いの体を確認するなど、無言のバトルを繰り広げていた。その後、クラスに侵入してきたオオスズメバチをいっしょに退治したことで打ち解ける。苗字は「本間」だが、名前は読み方のわからない謎の書き文字になっている。

香西

とある学校の教師を務める男性。ほかの教師の産休に伴い、代理で赴任してきた。自信満々で活力にあふれており、周囲が引いてしまうほどのハイテンションをつねに保っている。好きな食べ物はバナナ。担任となったクラスの生徒に「イチロー」「大宇宙」「スーパーボーイッシュ」など、独特のあだ名を付けている。

立花

西高に通う男子。長身で古風なリーゼントの髪型をしている。「西高の虎」の異名を持つ番長格の不良で、気合を入れることで背後に凶悪な虎のオーラをまとっている。ライバルである北高の不良・長瀬と対立関係にあり、タイマンで決着を付けることになった。しかし出現した虎のオーラが、トンボや子供に気を取られてその場を去ってしまったため、長瀬にボコボコにされてしまう。その後、虎のオーラに逃げられてしまうが、努力の末にラクダやピッチャーのオーラをまとうことに成功し、「西高のピッチャー」という新たな異名を授ることとなる。

ピッチャーのオーラ

野球のピッチャーの姿をしたオーラ。虎のオーラに逃げられた立花が、努力の末に身にまとうことに成功した。立花が喧嘩する際は、持ち前の剛速球で相手を瞬時に叩きのめしていた。しかし、そのせいで野球の達人に次々と勝負を挑まれて困惑する立花の姿を見て、すっかり落ち込んでしまう。

柏木

赤柴高校野球部の監督を務める中年男性。濃いサングラスをかけた渋い風貌をしている。寡黙だが内面は感情豊かな感激家で、自らが率いる野球部員の一挙手一投足に目を配っており、やる気のない部員の頑張りにもいちいち感動してしまう。柏木自身は部員に憎まれている鬼監督のつもりだが、練習をわずか10分で切り上げたり、お昼寝の時間を1時間も取ったりと、その育成方針は甘々。

乳酸菌サムシング

地球を守る正義の味方「ジュエリープリンセス」の一人。額に野球のボールのエンブレムをつけ、デニム地のスカートを履いた美少女。地球を守るために活躍しているが、自分がほかのメンバーの名前や、スーツのコンセプトと明らかに違うことに違和感を抱いている。必殺技は放った光線の中に、複数のランナーを走らせる「オリジナリティランナー」。

ダークネス

日本の征服を狙う悪の組織の首領。黒いローブを全身にまとい、その正体は不明。正義の味方である「ジュエリープリンセス」とは日々激闘を繰り広げている。非情な性格で、失敗した部下は決して許さない。手にしたステッキから破壊光線を出せるが、殺傷能力に乏しく、部下を懲らしめることすらできない。その事実に気づいたダークネスは一人で公園に出向き、鳩に破壊光線を放ってストレスを解消していた。

ヤスオ

「観光地とかによく置いてある顔出して写真を撮るアレ」職人の見習いをしている少年。若々しく正義感にあふれている。引退宣言をした師匠のおやっさんから最後の作品を引き継ぎ、自らの手で完成させることになった。ほかにやるべきことがあるのに、製作者に悪いという理由でDVDの映画を最後まで見続けるなど、無駄に律儀で生真面目な性格をしている。

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