あらすじ
強くなりたい(第1巻~第2巻)
気弱ないじめられっ子の磯野満天は、幼なじみの加東ミチロウに背中を押され、石神ボクシングジムの門を叩く。いじめられている満天を知る石神会長は、暖かく満天を迎え入れる。ボクシングの基礎を教わった満天は、ある日、同じ高校の坂本七海をいじめていた不良に見事パンチを決め、周囲を驚かせる。入門10日目、満天は次期日本チャンピオンが確実と評される成島弘斗に何故か目をつけられ、先輩ボクサーの阿部とスパーリングをさせられる。そこで満天はショートフックで阿部からノックダウンを奪い、彼の持って生まれた武器「小さな拳」に、名トレーナーの浅羽は類稀なる素質を見出す。この勝利で、成島の江ノ島合宿に同行する事になった満天は、成島をライバル視している血気盛んな稲村夏生と出会い、お互い切磋琢磨しながら猛練習に明け暮れる。合宿最終日、自分がプロになれるかどうかを賭け、満天は夏生とのスパーリングに臨むのだった。
背負うもの(第2巻~第3巻)
成島弘斗にあこがれている郷田雁之助は、彼に目をかけられている磯野満天に声を掛ける。郷田は、成島の次の対戦相手、貝塚準の重戦車のような戦い方に、成島のスピードとテクニックが通用するのかと心配していたのだ。数日後、墓参りしている成島を見かけた郷田と満天は、成島の思い詰めた表情に息を飲む。そして石神会長は、そんな二人に成島が背負っている十字架についてを語る。5年前の冬、不良だった成島の獣のような眼に惚れこんだ会長は、彼をスカウトした。だが19歳の誕生日、デビュー2戦目を控えた成島がケンカで帰りが遅くなった事が原因で、彼の妹、成島美代子は交通事故で亡くなってしまう。それから成島は、人が変わったようにボクシングに打ち込むようになっていたのだ。郷田と満天が成島の背負うものの重さを痛感する中、成島が日本タイトル挑戦権を賭けた大一番のゴングが鳴る。
プロテスト(第3巻~第4巻)
早くも稲村夏生のプロテストの日程が決まり、焦る磯野満天だったが、トレーナーの浅羽から2か月で90個のクルミを握って砕き割る事ができたら、すぐにプロテストを受けさせてやると発破をかけられる。そんな中、不良の花沢に殴りかかられた満天は、咄嗟にパンチを出してしまうが、この時、握っていたクルミを割る事に成功。コツをつかんだ満天は、クルミを90個以上割って強力な手首のスナップと握力を手に入れ、小さな拳で放つ「切れるパンチ」を修得する。浅羽は約束通り満天のプロテストの日を決めるが、同時に彼にハードすぎるトレーニングを課し、それはプロテスト直前まで続けられた。やがて迎えたプロテスト当日、リングに上がった満天はトレーニング疲れからふらついてしまうが、それは浅羽の想定内であった。
デビュー戦(第4巻)
磯野満天は、無事にプロテストに合格。そんな彼に浅羽が用意した対戦相手は、長いリーチと軽快なフットワークが持ち味のアウトボクサー、江口一二三だった。そして迎えた満天のデビュー戦、油断した江口は満天のパンチを受けるが、一発をもらってからは気を引き締め直し、徹底したアウトボクシングを展開する。パンチが当たらず、追い込まれる満天だったが、カウンターを恐れず前に出続ける。無謀に見えた満天のインファイトだが、彼は懐に入ってボディ攻撃に徹する事で、江口のアゴのガードが開くのを待っていたのである。
元インターハイチャンプ(第5巻)
磯野満天と同じフライ級で、アマチュア成績31戦全勝26KOという、元インターハイチャンプの牧隼人がデビューした。隼人の後楽園ホールでの公開スパーリングに、現役の日本チャンプが胸を貸す予定だったが、彼は隼人に恐れをなして欠席。そこでトレーナーの浅羽は、勉強のつもりで拳を交えてみろと、満天をリングに上がらせる。観客がしらける中、満天は「切れるパンチ」で1R開始8秒、隼人からダウンを奪ってみせる。
イヤな予感(第5巻)
牧隼人をKOし、一躍有名になった磯野満天の2戦目の相手、大柴宏は、満天をいじめていたヤンキーの花沢に顔がそっくりだった。その試合に臨むにあたり、浅羽は満天に、自分のボクシングスタイルを確立させるよう課題を出す。その課題を受けた満天は、相手のスキを見て懐に飛び込み、「切れるパンチ」で大柴を1R1分でマットに沈めるのだった。
年が明け、東日本新人王トーナメントが始まった。1回戦で戦う満天の相手、徳大寺竜也は平凡な田舎のボクサーで、満天は一方的に試合を進めていくが、浅羽は何か違和感を覚えていた。そして満天は徳大寺の反則攻撃を受けて視界を奪われ、苦戦を強いられる。距離感がつかめない満天だったが、踏ん張ってインファイトに持ち込み、徳大寺をコーナーに追い詰めてダウンを奪うが、徳大寺は勝利への気迫だけで立ち上がるのだった。
大きな拳と小さな拳(第6巻)
石神ボクシングジム所属の、無敗で連続KO記録更新中の成島弘斗は、念願の日本ライト級タイトルマッチに挑む。相手は3度目の防衛戦となる根津英夫だが、彼は右拳に爆弾を抱えていた。成島は開始早々に根津の連打を浴びるものの、その時点ですでに根津の攻撃を見切っており、1Rでタイトルを奪取する事に成功する。
一方、磯野満天の東日本新人王トーナメント2回戦の相手は、根津を慕うハードパンチャー、伊吹貴通だった。大きな拳が武器の伊吹に対抗すべく、当て勘を鍛えた満天だったが、伊吹との対戦でダウンを喫してしまう。立ち上がった満天は、伊吹のハンマーパンチを小さな拳ではじき返す事で対抗するが、連打でコーナーに追い込まれる。反撃を許さない伊吹の猛攻の中、自分を奮い立たせた満天は一瞬のチャンスをつかむべく、自らガードを開け、伊吹のハンマーパンチを待つのだった。
打たれても打つ!(第7巻)
磯野満天の東日本新人王トーナメント3回戦の相手、島津聡は、洞察力は鋭いものの、一発のパンチ力がなく、判定勝ちしか狙えないボクサーだった。だが、バカにされて悔し泣きする島津にジムの会長は、そんな島津だからこそ、KOを狙えるというパンチを伝授する。対戦では、満天の動きをすべて頭に叩き込んだ島津が、満天の前に出る力を利用してカウンターパンチを決め、ダウンを奪う。なんとか立ち上がった満天は、今度は冷静に島津の動きを観察し始める。そして満天は、自分の右ショートフックに島津がカウンターを合わせてきている事を見切り、打たれてもさらに前に出る。前に踏み込んで島津のカウンターを頭で受け止めた満天は、死角からの左クロスを打ち込み、フィニッシュブローへつなげるのだった。
地獄の夏合宿(第8巻)
磯野満天の次の対戦相手、南条健太郎はサウスポーで、アマチュア時代に「壊し屋」の異名をとっていたが、その本当の意味を満天は知らされていなかった。浅羽は健太郎対策のため、江の島合宿で満天に地獄のメニューを用意し、自ら満天のスパーリングを買って出るほどの熱の入れようをみせる。そんな中、満天は健太郎の妻、香織が大きな手術を控えている事を知る。私情を捨ててリングに上がれと満天に釘を刺した浅羽は、彼を道場に連れて行き、女剣士の哀川茉奈の猛攻を健太郎の得意とする「見えないワン・ツー」に見立て、満天のウィービングの技術の底上げを図るのだった。
壊し屋・南条!!(第9巻)
東日本新人王トーナメントの準決勝で、磯野満天は「壊し屋」南条健太郎から、反則ギリギリの巧妙な肘打ちを受ける。このダーティなボクシングこそが、彼の異名の正体であった。左腕に大きなダメージを受けた満天は、腕を1本捨てるつもりで立ち向かい、ついに温存していた右の「切れるパンチ」が健太郎の顔面をとらえる。倒れた健太郎に、彼の息子、南条進太郎は、お母さんの手術にも立ち会わないボクサーの生き様とはこんなもんかと、罵倒とも励ましともつかない言葉を浴びせる。その言葉を受け、健太郎は家族への思いを胸に立ち上がる。
森友純也(第9巻~第10巻)
森友純也の兄、森友直道は期待のボクサーだったが、調整ミスでタイトルマッチに敗れ、一方的に打たれたせいで、ベッドから起き上がれない体となった。兄に代わって世界を目指すと決めた森友純也は、人喰いカラスのいる死告山に山ごもりして野生のカンを身につける事に成功。アイドルとしてのかつての面影もない純也は、東日本新人王トーナメントの準決勝で圧勝した。トーナメントの決勝戦、磯野満天はそんな純也にコーナーに追い詰められ、驚異的な跳躍からのフィニッシュブローを食らってしまう。三半規管が破壊された満天は平衡感覚を失い、獣のような純也の跳躍力に翻弄される。だが満天はコーナーを背負って待ち、持ち前の爆発的な突進力を活かして純也の離れ際を狙って踏み込み、パンチを浴びせる。その後、二人は激しい打ち合いを展開するが、次第にパンチ力に勝る満天が優勢になっていく。
波乱の予感(第10巻)
フライ級の6位にランキングされた牧隼人は、東日本新人王となった磯野満天に、おまえの「切れるパンチ」では西日本新人王の半沢和馬は倒せないと、捨て台詞を残して立ち去った。持って生まれた柔軟体で異様な打たれ強さを誇る半沢に、打つ手がないと満天は落ち込むが、そんな彼を勇気づけたのは、一番最初に「切れるパンチ」を味わった阿部だった。吹っ切れた満天は、カミソリパンチで一世を風靡した海老原博幸のように、ストレートでも「切れるパンチ」を生みだしたいと浅羽に相談。一瞬の瞬発力と手首のスナップを強化すべく、元プロテニスプレーヤーの弾丸サーブをネット間近で打ち返すという猛特訓を開始する。
全日本新人王決定ゴング!!(第11巻)
全日本新人王決定戦、注目のフライ級で、磯野満天はノーガードの半沢和馬にパンチを浴びせるものの手応えはなく、強烈なフェイントに翻弄される。だが突破口を見出した満天は、ノーガードでカウンターを狙う。半沢はそんな満天に対し、柔軟体を駆使した必殺ブローでダウンを奪う。だが、森友純也の励ましを受けた満天は立ち上がる。最後の賭けに出た満天は、半沢の柔軟体によって分散されるパンチの衝撃を逃さないよう、相手をコーナーに打ちつけての「串刺しパンチ」で、逆転の一打を狙うのだった。
新生活スタート(第12巻)
大学進学を蹴ってまでボクシングの道を選んだ磯野満天は、ガソリンスタンドでのアルバイトに励んでいた。ある日、石神ボクシングジムが火事になり、石神会長が入院する事となった。孤独を知らないボクサーに明日はないという浅羽の考えにより、満天は甲賀ボクシングジムで新しいスタートを切る事になる。そこで満天は、「マーダ―・バタフライ」の異名を持つ道方修吾とのスパーリングで完敗を喫する。一方、成島弘斗は2度目の防衛に成功し、時を同じくして満天は、日本フライ級のサバイバルマッチ「ナックルウォーズ2000」で、日本ランキング3位の宍戸浩美と戦う事を告げられるのだった。それからしばらく経ったある日、ガソリンスタンドに浩美が満天を挑発しにやって来る。いかつい浩美が満天の対戦相手と知ったアルバイト先の先輩、凛花は、根性なしとバカにしていた満天のボクシングに対する熱い思いを知る事となる。
日本最強の男(第13巻)
甲賀ボクシングジムで、現フライ級チャンピオン、ジャガー村田がスパーリングの希望者を募った。さっそく名乗り出る磯野満天だったが、満天が得意な近距離であえて戦うジャガー村田に対し、満天は手も足も出ない。だが後半、防御を捨てた事で満天のパンチが当たり始め、一方的に打たれていた満天は、一つの光明を見い出す。
手負いの獣(第13巻)
日本フライ級のサバイバルマッチ「ナックルウォーズ2000」が開幕し、磯野満天の応援に凛花も駆けつける。減量に苦戦していた森友純也は、もし会長がタオルを投げ入れようとしたら止めてくれと、決死の覚悟で満天に伝える。第1戦目のゴングが鳴り、純也は早い段階から道方修吾の速射砲を浴びてしまう。あとがなくなり、跳躍した純也は修吾の速射砲で吹き飛ばされ、そこに狙いすました右ストレートを決められてしまう。ダウンを喫した純也はそれでも立ち上がり、満天は壮絶な純也の覚悟の前に、これ以上戦うのは危険だと、どうしても言えずにいた。ゴングが鳴り、両者一歩も引かない打ち合いになり、純也のパンチが修吾の顔面を捉える。逆に冷静になった修吾は、純也を追い詰めつつ、トドメの必殺ブローを狙っていた。
ファイターV.S.ファイター(第14巻)
「ナックルウォーズ2000」第2試合目。磯野満天は「破壊大王」と呼ばれる宍戸浩美と拳を交える事となった。浩美は首の筋肉と大胸筋が異常なまでに発達しており、満天はアゴに「切れるパンチ」を当てる事ができない。そんな浩美の弱点を捜すべく、満天はアゴ以外の急所を狙い出し、スタミナが続く限り攻め続けるが、打開策は見い出せずにいた。最終Rを目前に、満天はついに限界を迎えるが、そこに意識が戻った森友純也からの伝言が届けられる。キミが勝ってくれないとオレもがんばれないという純也からのエールで満天は息を吹き返し、最終Rは常軌を逸した殴り合いになる。満天は踏み込みの不十分さを、浩美の突進力で補い、浩美のあらわになったアゴに「切れるパンチ」を炸裂させる。
1R(第14巻~第15巻)
「ナックルウォーズ 2000」メインイベントの日本フライ級タイトルマッチ直前、牧隼人は磯野満天に、チャンピオンを1Rでマットに沈めると宣言。果たして、ファーストコンタクトでマットに這ったのは、チャンピオンのジャガー村田だった。立ち上がった村田の変則的なパンチをさばく隼人の「見切り」は、もはや世界レベルに到達していた。最終的に隼人はクロスカウンターでジャガー村田をマットに沈め、満天は強すぎる隼人の戦いぶりに圧倒されてしまう。
親友(ともだち)(第15巻)
「ナックルウォーズ2000」が閉幕した。壮絶なダウンを喫した森友純也は回復し、磯野満天とラーメン屋に入る。純也は満天にとって、戦いを通じて初めて仲よくなった親友だった。満天が試合を止めなかった事で完全燃焼した純也は、次の試合から階級を上げると語ったが、しばらくして様子がおかしくなり、トイレに立ったまま意識を失う。翌日、純也の死亡記事を見た凛花は、満天をバイクに乗せて海に向かった。かつてバイクで大切な人を失った経験のある凛花には、満天の気持が痛いほど理解できたのだ。
傷なき顔(第15巻~第16巻)
森友純也の墓参りに行った磯野満天は、記者相手に故人である純也を冷血非情に切り捨てた道方修吾が、実際は毎日線香をあげに来ている事を知る。児童養護施設で育った修吾は、傷一つない笑顔こそが「家族」の希望だという独自の考えがあり、無傷こそ自分の美学という強い思いがあった。やがて開催された「ナックルウォーズ・リベンジ」マッチで、満天は修吾と戦う事となった。純也との試合の再現のように、修吾のカウンターアッパーが満天を襲う。だが立ち上がった満天は、修吾のパンチを微塵も恐れず前に突き進む。そして遂に満天の「切れるパンチ」が炸裂し、修吾はマットにひざまずく。実は満天はカウンターアッパーのダメージで、意識がないまま戦っていたのだ。修吾のフットワークに振り回され、3Rの終了と共にマットに崩れ落ちた満天だったが、その姿は修吾に、引くに引けないファイターの美学を見せつける事となった。そして修吾は、そんな傷だらけの満天に、美しさすら感じてしまう。その後、修吾は満天との凄まじい打ち合いの中、自分はすべてを引き出すような、こんな殴り合いがしたかったのだと気づく。その瞬間、満天のカウンターアッパーが修吾のアゴをとらえるのだった。
日本ライト級タイトルマッチ(第16巻~第17巻)
道方修吾が甲賀ボクシングジムを辞めたと聞いた磯野満天は、ボクサーの傷をリング以外のどこで癒すのかと、修吾を引き留める。一方、石神会長は退院し、石神ボクシングジムが復活するが、石神は借金の肩代わりに、全選手のマッチメイク権を金の亡者、甲賀潤三郎に譲っていた。そんな潤三郎の思惑通り、稲村夏生は成島弘斗への挑戦権を得るため、日本ライト級9位の選手に殴り込みをかける。話題作りが功を奏し、盛り上がる日本ライト級タイトルマッチ。成島を倒すべく2年分の思いをぶつける夏生の猛攻は成島をとらえる。だが、成島は王者のプライドで、夏生の攻撃をすべて受け止めていたのだった。夏生の一撃必殺ライトアッパーをあえて食らった成島だったが、そこから王者の閃光が火を噴く。
噛ませ犬(第17巻)
チャンピオン、成島弘斗への挑戦権を自ら獲得した稲村夏生に感化され、磯野満天は甲賀潤三郎に牧隼人と試合がしたいと直談判する。だが相手にされず、初防衛に成功したリング上の隼人へ自分の思いをぶつける。ブーイングを受けて落ち込む満天に、トレーナーの浅羽はあるサウスポーボクサーの話をする。どんな代償を払ってでも戦いたいライバルがいたそのボクサーは、ライバルを倒すためだけに、ボクシングに没頭。ついにタイトルマッチで実現するはずだった対決は、チャンピオンの交通事故死で実現不可能となり、その男は二度とリングには上がれなくなったという。お前の目標は、こうしているあいだも生きて前に進んでいると、浅羽は満天に言いたかったのだ。そんな中、潤三郎は東洋太平洋チャンピオンであるチャチャイ・ゲットリッチに勝利して、自分の強さを隼人に証明しろと満天をけしかける。
コークスクリューパンチ(第18巻)
浅羽に勧められ、磯野満天は成島弘斗のコークスクリューパンチを研究し、自分にしか打てないパンチを作り出そうと奮闘していた。一方、満天の対戦相手である東洋太平洋チャンピオンのチャチャイ・ゲットリッチの公開スパーリングを買って出たのは、道方修吾だった。接近戦を挑んだすべての相手を再起不能に追いやるというチャチャイの「神の聖域」に飛び込んだ修吾は、身を挺して、チャチャイのコークスクリューパンチの陰に隠されたペテンの匂いを嗅ぎつけ、満天に伝えるのだった。
ナックルウォーズジャッジメント(第18巻)
ゴングが鳴り、チャチャイ・ゲットリッチの「神の聖域」が発動する前に、磯野満天は「切れるパンチ」で切り込むが、パンチは空を切る。「神の聖域」のからくりをつかんだ満天のインファイトに、チャチャイは逃げ腰になり、遂に肘打ちを使っていた事が明らかとなり、同時に打たれ弱さも晒してしまう。こうして勝利を収めた満天に対し、観客席にいた牧隼人はリングに上がり、満天との運命の大一番を約束。何に対しても熱くなれない隼人の孤独を感じていた満天は、自分が隼人の魂に火をつけると、今まで以上に練習に汗を流すのだった。
満天の星(第19巻)
2年前、磯野満天が公開スパーリングで牧隼人を一発KOした事に端を発した二人の因縁は、日本フライ級タイトルマッチで決着がつく運びとなった。「機械戦士(サイボーグファイター)」と呼ばれる隼人は、驚異の「見切り」を見せ、正確なパンチが満天の両目を潰す。ダウンを喫した満天は、それでも前へと攻め続け、ついに満天の「切れるパンチ」が隼人の顔面をとらえる。だが、隼人はヘッドスリップでパンチの威力を殺しており、有効なダメージを与えられない。その後、クロスカウンターを受けて再びダウンした満天は、なんとか立ち上がるが、一方的に攻撃を受け続ける事となる。だが、あえてノーガードで隼人のパンチを受け続けていた満天は、ボロボロになりながらも起死回生のアッパーを隼人のアゴに打ち込む事に成功する。これを受けた隼人は、遂に感情をむき出しにするのだった。
登場人物・キャラクター
磯野 満天 (いその まんてん)
石神ボクシングジムに所属するフライ級のボクサーで男子高校生。意気地も根性もなく、名前をもじって「磯野0点」と呼ばれいじめられていたが、ボクシングと出会ったことから人生が一転する。面を点に変える小さな拳が武器で、トレーニングで手首のスナップと握力を強化し、破壊力抜群の「切れるパンチ」を生み出した。礼儀正しく思いやりがあり、誰からも好かれるが、時として人の話をまったく聞いていないことがある。
加東 ミチロウ (かとう みちろう)
磯野満天と同じ高校に通う番長クラスの不良で、満天とは幼なじみ。満天が花沢にいじめられていると、「オレがコケにされてるような気がして」といいつつ助けに入るが、気弱な満天を不甲斐なくも思っている。「一歩踏み出せ」と石神ボクシングジムに入ることを躊躇している満天の背中を押した存在。満天の試合相手について陰で情報を仕入れ、悩んでいる時は的確なアドバイスをするなど、いつも満天を気にかけ見守っている。
成島 弘斗 (なるしま ひろと)
石神ボクシングジムのプロボクサー。デビュー以来負けなしの日本ライト級6位。いち早く磯野満天に目を付け、満天の成長を暖かく見守る。いいかげんに見えるが、空気を読む気遣いができ、満天に惜しみなくアドバイスを送る懐の深い青年。かつては手が付けられない不良だったが、妹の成島美代子の死をきっかけに人が変わったようにボクシングに打ち込むようになった。 いつも陽気だがその裏には、妹の死を自分の責任とする十字架を背負っている。
浅羽 (あさば)
世界チャンピオンを2人育てた名トレーナーで、成島弘斗の専属トレーナーを務めている。磯野満天のパンチの強さの秘密に、誰よりも早く気付いた。ポーカーフェイスで冷たい印象を持ち、時には過酷すぎる対戦相手と戦わせることもあるが、満天の可能性を高く評価している。過去については謎めいているが、かつてはサウスポーのボクサーだったという噂がある。
石神 (いしがみ)
石神ボクシングジム会長。いつもジムを覗きに来るいじめられっ子らしき磯野満天を気にかけており、入門してきた際にはド素人の満天に優しく指導した。酒好きで、試合の祝勝会を何よりも楽しみにしている。時に浅羽から過酷な試練を与えらえる満天をオロオロしながら見守っており、自分の子供のように可愛がっている。鉄筋3階建のジムを建てるのが夢。
阿部 (あべ)
石神ボクシングジム所属の、不良上がりのボクサー。1年以上ジムに通っており、成島弘斗のキャンプに同行することを賭けて磯野満天とスパークリング勝負をするが、キャリア10日の満天にノックダウンされる。その後はプロテストに受からず荒れていたが、強敵との試合を間近に控えて自信をなくした満天に「おまえの“切れるパンチ”はどこに出してもはずかしくねぇ」とエールを送り男気を見せる。
磯野満天の父 (いそのまんてんのちち)
磯野満天の父親。満天に「ボクシングをしたい」と言われた際、内気で頼りなかった満天が、初めて自分の想いをぶつけてきたことに喜び、ジムの代金の不足分を快く渡した。未熟児だった満天に、満天の星のように光り輝いてくれと願い名付けた昔を思い出し、ボクシングと出会って輝きだした息子に喜ばしい気持ちを抱く。
磯野満天の母 (いそのまんてんのはは)
磯野満天の母親。満天からボクシングをしたいと切り出された当初は反対していた。プロボクサーとなった満天に試合のチケットを渡された際には大いに動揺し、ヤカンにお茶をかけていることにも気付かなかった。怖くて応援には一度行ったきりだが、大事な試合の前日には豪勢な料理を作り、普段は栄養管理で満天を応援する。
稲村 夏生 (いなむら なつき)
稲村ボクシングジム所属のボクサーで、磯野満天と同い年の高校2年生。ボクシングの素質はあるが、自惚れ屋でケンカに明け暮れる毎日。強力な右アッパーを持ち、練習や努力は才能のない奴らがすることだと、元日本ランカーの稲村夏生の父をバカにしている。日本タイトル挑戦の合宿にやってきた成島弘斗にスパーリング勝負を申し込むが、パンチを当てられなかった自分の未熟さに愕然とし、心を入れ替えて練習に打ち込むことを決意。 日々の練習の大切さを理解し、父親に初めて頭を下げる。
稲村夏生の父 (いなむらなつきのちち)
稲村ボクシングジムの会長で、日本ランカーのボクサーだった過去を持つ。努力をせずケンカに明け暮れている稲村夏生に手を焼いている。成島弘斗と夏生のスパーリングを見ながら自分が戦っているイメージトレーニングをする磯野満天に、夏生に足りないものはこの姿勢だと息をのむ。満天と出会ったことが夏生のいい刺激になったと心底喜ぶ、子供想いの父親。
郷田 雁之助 (ごうだ がんのすけ)
石神ボクシングジム所属のボクサーで、日の丸体育大学2年生。成島弘斗に憧れて石神ジムに入門し、プロボクサーになったが成績はぱっとしない。成島に可愛がられている磯野満天をうらやましく思い、満天に近づいてきた自称「成島ウォッチャー」。試合に負け失踪した自分を、学校のテストの前日にもかかわらず探し回ってくれた満天とは親友の間柄になる。 見た目はいかついが性格は微妙にオカマっぽい。ジムの選手の告知ポスターを書くのを得意としている。
江口 一二三 (えぐち ひふみ)
南部ボクシングジム所属の26歳のボクサー。磯野満天のプロデビュー戦として浅羽が選んだ相手。長身で長いリーチを活かしたアウトボクシングを得意とする選手だが、ここ3戦は故意に接近戦での打ち合いを挑み、連敗中の2勝3敗。自分が満天の踏み台に選ばれたことで、プライドが傷つき、闘争心に火を付けることとなる。
竹内 (たけうち)
ボクシング雑誌「BOXマガジン」の記者。サングラスにヒゲがトレードマーク。磯野満天と江口一二三の試合を見て、満天に惚れこむ。満天がチャチャイ・ゲットリッチと試合をすることになった際には満天を心配し、試合を止めるように飛鳥と牧隼人に頼み込むなど、記者らしからぬ行動に出る。
牧 隼人 (まき はやと)
飛鳥ボクシングジム所属のフライ級のボクサー。アマチュア戦績31戦全勝、26KOの元インターハイチャンプ。動体視力に優れ、「見切り」で無駄のない動きをする「機械戦士(サイボーグファイター)」と呼ばれるエリートボクサー。予定していた日本チャンピオンがキャンセルしたため、公開スパーリングの相手を買って出た磯野満天に1ラウンド8秒でKOされるが、「勝ち逃げは絶対許さない」と満天に再戦を約束させた。 牧隼人の父は成功者で大金持ちだが本人は金や名誉に興味がなく、燃えさせてくれる何かを求めている。
飛鳥 (あすか)
飛鳥ボクシングジムの女会長。気が強く常に上から目線だが、浅羽には一目置いている。浅羽と過去に何らかの関わりがあったようで、もう一度自分のボクシングジムの専属トレーナーにならないかと誘っていた。牧隼人を世界チャンピオンに育て上げることに全精力を注いでいる。
森友 純也 (もりとも じゅんや)
北沢ボクシングジム所属のボクサーで、元アイドルグループのメンバー。プロテストの日に出会った磯野満天の鋭いパンチに衝撃を受け、自分の最大のライバルと目している。連打でTKO(レフリーストップ)に持ち込むファイトスタイルを得意とする。満天との試合に向けて人喰いカラスのいる死告山に山ごもりし、風貌が激変した。満天とは戦いを通じて親友となる。 兄である森友直道のため、兄に託した自分自身の夢のためにも世界チャンピオンを目指している。
森友 直道 (もりとも なおみち)
元日本フライ級1位のボクサー。森友純也の年の離れた兄。芸能界に進んだ純也の分までボクシングで頑張り、世界を目指すことを約束していたが、調整ミスでタイトルマッチ直前の公開スパーリングで醜態を演じ、本番のタイトルマッチでも一方的に打たれて10ラウンドTKO負けを喫した。この時、調子が悪いにも関わらず逃げないボクシングをしたことが裏目に出て、二度とベッドから起き上がれない身体となってしまった。
徳大寺 竜也 (とくだいじ たつや)
渡瀬ボクシングジム所属。磯野満天の新人王戦1回戦目の相手だが、満天のファンを自称し石神ボクシングジムに直接会いに来た。朴訥で素朴な雰囲気とは裏腹に、いじめっ子を見返すためにも、地元・山形に東京での1勝を持って帰ると満天に宣戦布告する。パンチにスピードやキレがない割に1勝1KO勝ちの戦績を持ち、浅羽は徳大寺竜也にイヤな予感を感じていた。
根津 英夫 (ねづ ひでお)
海藤ボクシングジム所属の27歳のボクサーで、ライト級の日本チャンピオン。打ち合って良し、離れて良しのボクサーファイター。4年前に一度骨折しており、今度折ったら間違いなく引退といわれている。「闘志は技術を超越する」がモットーで、タイトルマッチに挑んだ成島弘斗を翻弄した。
伊吹 貴通 (いぶき たかみち)
大丸ボクシングジム所属の20歳のボクサー。デビュー後1戦しかしていないが屈指のハードパンチャーで、そのパンチは岩をも砕くハンマーだと評判。自分を手なずけようとしているジムの会長に苛立ちを覚えており、自分のギラついた闘志を理解してくれる、日本チャンピオンの根津英夫だけを慕っている。
島津 聡 (しまづ さとし)
闘勝ボクシングジム所属のフライ級のボクサー。デビューから5戦で、すべて僅差の判定勝ちを収めている。洞察力があり、対戦相手のビデオを見て特徴を掴むのが得意だが、それを同じジム仲間に散々利用されスパーリングパートナーばかり務めている。パンチ力がなく判定に持ち込むことしかできないことをバカにされ、悔し泣きしていたところを会長に見つかる。 その熱い魂を感じた会長から秘策のKOパンチを仕込まれて、磯野満天との試合に臨む。
南条 健太郎 (なんじょう けんたろう)
鹿間ボクシングジム所属で、アマチュア時代「壊し屋」の異名をとっていたボクサー。磯野満天が偶然、彼の妻の香織を助けたことから、妻が生死にかかわる大手術を受けることを満天に話した。夫であり父親である前に、男として夢をつかみたいと気迫をのぞかせ、その背負っているものの重さに満天は圧倒されてしまう。
南条 進太郎 (なんじょう しんたろう)
南条健太郎の息子。母親の香織は重度の心臓病で入院しており、いつもジムで父親の練習が終わるのを宿題をしながら待っている。母親がまだ恋しい年頃で、父親がボクシングばかりやっているせいで母親が病気になったと、憎らしく思っている。父親の対戦相手である磯野満天の控え室に行き、南城健太郎を倒してほしいと直訴する母親想いの少年。
半沢 和馬 (はんざわ かずま)
広能ボクシングジム所属のボクサーで、戦績は7戦7勝7KO、西日本新人王の肩書を持つ。変則的なパンチを繰り出し、柔軟体という特異体質でパンチの衝撃を吸収してしまう。天性の身体能力を持つ選ばれし者として、練習好きの努力型ボクサーを嫌い、ノーガードでの殴り合いに持って行こうとする。磯野満天の切れるパンチも柔軟体に吸収され、その破壊力を失ってしまう。
甲賀 潤三郎 (こうが じゅんさぶろう)
甲賀ボクシングジム会長。業界一の凄腕プロモーターで、一代で日本最大級のジムを築き上げた。甲賀ジム内においては、石神ボクシングジムに所属する磯野満天でも自分に逆らうことは許さないという、独裁的な考えの持ち主。興業の宣伝のためにはボクサーの心情など無視する金の亡者。
道方 修吾 (みちかた しゅうご)
甲賀ボクシングジム所属のフライ級のボクサー。「マーダー・バタフライ」との異名を持ち、無傷こそ俺の美学と、被弾の多いファイタータイプのボクサーを完全否定する。クールを装い打ち合いを否定する態度の裏には、養護施設で育った彼なりの「無傷は家族の希望の光」という考え方があり、養護施設へ出向くと途端に顔が柔和になる。ボクシングをやめようとした自分を引き留めた磯野満天に借りを返そうと、満天と対戦するチャチャイ・ゲットリッチの本性を暴くべくスパーリングの相手を買って出る男気の持ち主。
宍戸 浩美 (ししど ひろみ)
「破壊大王」との異名をとるフライ級のボクサー。打たれまくったような岩石のような強面で、そんな自分こそが真のファイターだと、磯野満天のバイト先に宣戦布告に訪れる。満天を倒し、再びタイトルマッチに挑むことに賭けている。義理の父親に虐待されていた過去があり、強い人間になれば義父も気に入ってくれるとボクシングにまい進していたが、義父を殴り倒したことで破壊の快感に目覚めたという過去を持つ。
凛花 (りんか)
磯野満天と同じガソリンスタンドで働く20歳の女性。バイク好き。職場の人間にいいように扱われている満天を小ばかにしていたが、目標とする人とどうしても戦いたい、という満天の熱い想いに胸がときめいてしまう。以降は満天が気になって仕方がないが、ついついあまのじゃくな態度をとってしまう。友人の不慮の死に落ち込む満天を海に連れて行き、自分も大事なバイクで大切な人を失ったと打ち明ける。
ジャガー村田 (じゃがー むらた)
日本フライ級チャンピオンで26歳。甲賀ボクシングジムでのスパーリングで磯野満天と対戦し圧倒するが、最後に切れるパンチを食らってダウンを喫してしまう。クレバーなボクサーでその後の衝撃を隠すためロッカーに直行したが、それには満天のパンチの威力を確かめる意図もあった。自身の薄毛をギャグにしては笑えない空気を醸し出す、はた迷惑な一面も持つ。
チャチャイ・ゲットリッチ (ちゃちゃいげっとりっち)
東洋太平洋チャンピオン、世界ランキング7位のタイ人ボクサーで、ムエタイ出身。牧隼人と対戦できる実力を証明したい磯野満天に、甲賀潤三郎が用意した対戦相手。「神の聖域」と呼ばれる自分の懐に足を踏み入れた者の顎を、ことごとく砕いてきたという伝説を持つ。満天のために公開スパーリングを買って出た道方修吾は、チャチャイ・ゲットリッチの戦いにペテンの匂いを嗅ぎつける。
牧隼人の父 (まきはやとのちち)
会社オーナー。人生の勝者となり莫大な金と名誉を手に入れた成功者で、世界チャンピオン以外は認めないという考えの持ち主。薄汚い打算なく命を賭けて殴り合うことの尊さが一生わからない人だと、牧隼人に毒づかれていたが、のちに隼人と磯野満天の死闘をテレビで目の当たりにし、隼人の言葉を理解して彼を認めるようになる。
大柴 宏 (おおしば ひろし)
田辺ボクシングジム所属の23歳のボクサー。牧隼人を倒したと注目を浴びる磯野満天をリングに沈め、話題を横取りしようと息巻く。いじめっ子の花沢に外見がそっくりだったため満天は動揺するが、すぐに勢いだけでスキだらけだと見抜いてしまう。
花沢 (はなざわ)
磯野満天と同じ高校に通う男子生徒で、いつも満天をいじめているヤンキー。ボクシングを始めた満天に仲間と共に殴りかかるが、満天が寸止めした拳の中でクルミが割れているのを見て、驚異的な握力に驚愕してあっさり引き下がる。ボクシングを始めようかと迷った経験があったことから、満天の凄さを認めるようになる。
坂本 七海 (さかもと なみ)
磯野満天と同じ高校に通う女子生徒。満天の落とし物を拾ったことがきっかけで、不良グループにカツアゲされていたところを満天に助けられた。かつていじめられていた満天が、不良に立ち向かいパンチを決めて倒したことで、自分もいじめに立ち向かう勇気を得る。
成島 美代子 (なるしま みよこ)
成島弘斗の妹で、たった一人の肉親。手が付けられない不良だった成島が、石神会長と知り合ってボクシングを始めたことから、「世界チャンピオンになる」と語る彼を心底応援していた。成島の誕生日に料理を作って帰りを待っていたが、ケンカで帰りが遅くなっているとは知らない成島美代子は、デザートを買いに行ったところで交通事故に遭ってしまう。
集団・組織
石神ボクシングジム (いしがみぼくしんぐじむ)
磯野満天が入門した横浜にあるボクシングジム。デビュー以来負けなしの日本ライト級6位の成島弘斗が所属する。日本チャンピオンを誕生させ、ジムを鉄筋3階建にするのが会長の夢。満天が早々に頭角を現したことから、にわかに忙しくなる。満天の通学路に立地しており、いじめられっ子だった満天はかねてより興味を持っていた。
稲村ボクシングジム (いなむらぼくしんぐじむ)
稲村夏生の父が経営する、江ノ島にあるボクシングジム。成島弘斗の江ノ島合宿の拠点としてジムを使用させてもらっている。ここで磯野満天は稲村夏生と知り合う。
甲賀ボクシングジム (こうがぼくしんぐじむ)
石神ボクシングジムが全焼したため、浅羽が手配し、磯野満天が練習することになったジム。輩出した世界チャンピオン6人、日本チャンピオン24人、現役世界ランカー3人、日本ランカー15人という実績を誇る日本でも最大級のジムで、業界一の凄腕プロモーター甲賀潤三郎会長が経営する。