GYM

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家業の酒屋を辞め、夢だったボクシングジムを開くため、29歳でボクシングのプロテストに挑むことになった男を中心に描くヒューマンドラマ。中年投手の挑戦を描いた柳沢きみおの傑作『男の自画像』のボクサー版とも呼べる作品。「ビッグコミック スペリオール」1995年8号から1996年3号まで掲載された。続編で完結編でもある『烈拳 GYM Part2』が存在する。

正式名称
GYM
作者
ジャンル
ボクシング
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あらすじ

第1巻

29歳になる有田太一は、親から継いだ酒屋が経営難に陥っていた。そんな折、酒類販売免許を1000万円で売らないかと持ち掛けられる。太一は、妻の反対を押し切って酒類販売免許を売り渡し、そのお金で夢だったボクシングジムを開くことを決意。さらにトレーナーの資格を得るために必要なボクサーのプロライセンスを取るため、近所のプロボクシングジムに入門する。大好きだったボクシングに関わることになり、生まれ変わったような充実した日々を感じる太一。しかし、プロライセンスには30歳の年齢制限があり、29歳の太一は次のプロテストで一発合格をするしかなかった。しかも、ジムのトレーナーからは3カ月で15kgの減量を言い渡される。ビールと食事が生きがいの太一だったが、夢を実現するため厳しいトレーニングと減量を耐え続ける。そんな夫の姿を見て、妻の有田恵子もジム経営には反対しながらも、太一のトレーニングを支えるのだった。

第2巻

有田太一はついにプロテストの当日を迎える。太一の初リングの相手は、去年高校チャンピオンだったという男。プロテストの合否は勝ち負けだけを見るわけではないとわかっていながらも、リングで殴り合うことに有田の足は震え、逃げ出したい気持ちで一杯だった。無我夢中で戦い、相手のパンチも自分のパンチも何も記憶になかったが、無事プロテストには合格を果たす。念願のライセンスを取得し、ジム経営に本腰を入れるため小川ジムに別れの挨拶に向かった太一だったが、小川会長からはこのままプロボクサーを続けないかと誘われる。というのも、トレーナーをやるうえでもプロボクサーとしての経験があったほうがいいというのだ。こうして太一は、プロボクサーとしてリングに立つことになる。

登場人物・キャラクター

有田 太一

ボクシングを愛する29歳の男性。身長176cm。妻の有田恵子と2人で暮らしており、子供はいない。親から継いだ酒屋を経営していたが、近所に酒の安売り店がオープンすることになり、店を酒屋からコンビニに変える以外、やっていけない状況になっていた。そこへ訪ねて来た業者に、妻の反対を押し切り、酒類販売免許を1000万円で売ってしまう。 酒屋の退屈な毎日にウンザリしており、感動できる仕事がしたいと、夢だったボクシングジムの経営を決意する。酒類販売免許を売って得た1000万円のうちの500万円で自宅の1階をブチ抜いてジムの改装工事を依頼する。自分は、トレーナーの資格を得るために必要なボクサーのプロライセンスを取るため、近所のプロボクシングジム・小川ジムに入門。 入門当時の体重は78kgで、ジムの小川会長からは3か月後のプロテストにジュニアウェルター級で受験するため15kgの減量を言い渡される。厳しいトレーニングと減量を耐え抜き、プロテストにも何とか合格したものの、小川会長からせっかくだからプロボクサーとして少しやってみるよう勧められる。トレーナーをするうえでもプロボクサーとしての試合経験があったほうがいいという言葉に納得し、プロボクサーとしてリングに立ち、さらに自宅に完成したボクシングジムのオーナー兼トレーナーとしての生活を始める。

有田 恵子

有田太一の妻。旧姓は「水谷」。初めて見た人の多くから「美人な奥さんですね」と言われるほど美しい。太一がボクシングジムを経営することには反対しており、場合によっては離婚もあり得ると夫には伝えている。トレーニングと減量に頑張る夫の姿を見て、ジム経営には反対しながらも、太一のトレーニングを支える。最終的にはジム経営を認めるものの、夢を実現させて日ごとに生き生きしていく夫とは対照的に、孤独感を募らせていく。

隆一

有田太一の幼なじみの男性。太一の家の隣で「丸太屋」というソバ屋を経営している。独身で、すっかり下っ腹が出てしまっている。減量して引き締まった太一を見て、ダイエットを始めるがすぐに頓挫した。アンティーク店をやりたいという夢を持っていたが、親のソバ屋を継いでいる。突然酒屋を閉めてボクシングジムを開くという太一の行動に驚きつつ、太一夫婦の行く末を見守る。 無事に太一がボクシングジムを開いた際は、ダイエット目的で入門した。

めぐみ (メグミ)

隆一の妹で女子高生。ショートカットの髪型で可愛らしい顔立ちをしている。ボクシングジム経営という夢を実現させようとする有田太一のことを応援している。ハンサムな太一に好意を抱いており、下っ腹が出てきた兄に太一を見習ってダイエットするよう進言する。

小川会長

有田太一が入門したプロボクシングジム・小川ジムのオーナー兼トレーナーの男性。年齢は62歳。29歳にして突然入門してきた太一の自分のジムを持ちたいという夢を聞き、面白いと応援している。元日本チャンピオンであり、指導は厳しい。

芝草

有田太一が入門したプロボクシングジム・小川ジムでトレーナーを務める男性。年齢は32歳。元プロボクサーで強面だが、太一にボクシングのことをいろいろと教えている。太一のプロテストにも付き添い、受験後は後楽園近くにあるスナック花へ太一を連れて行き、いつもジムのボクサーの試合終了後に飲ませているという、ハチミツとレモンの生ジュースをごちそうしてくれる。

今井 雄三

小川ジムに現在所属する8人のプロボクサーのうち、最高ランカーとなるボクサー。日本ジュニアフェザー級3位で、有田太一入門時の戦績は9勝(3KO)3敗。ラーメン屋で働いており、減量のためにウェットスーツを着込んで仕事をしている。

野田 清治

小川ジムに所属する若いプロボクサー。ケンカに明け暮れて高校を中退になり、コンビニで働きながらボクシングをしている。練習ではいい動きをするのだが、戦績は4戦全敗でうち半分はKO敗け。次の試合で負けて5戦全敗となったらプロボクサーを辞めるようジムからは言われている。5戦目でも敗北したものの、ボクシングが忘れられず、有田太一の新ジムでボクシングを続ける。

島崎

小川ジムに所属するバンタム級の天才ボクサー。この4年間で6試合しか出場していないが、そのすべてで2ラウンド以内のKO勝ちを収めている。本人はボクシングを退屈しのぎの遊びとしてしかとらえておらず、ジムにはめったに顔を出さない。酒、タバコ、遊びを優先しており、そのため3位だった日本ランキングもランク外になっている。のちに気まぐれで有田太一の新ジムに入門する。

菊地

有田恵子の大学時代の同級生。ハンサムで大学時代はモテモテだった男性。いまだ独身で、街で偶然恵子と7年ぶりの再会を果たす。その後、何度か2人で食事をするようになり、学生時代から恵子のことを好きだったと打ち明ける。

村田 ケン

超一流のテクニックを持つ元日本フェザー級王者の美男ボクサー。戦績は28勝(21KO)2敗1分。日本チャンピオンを8度防衛後、世界タイトルに2度挑戦するも引き分けと判定負けに終わり、惜しまれながらも26歳で引退した。その後、落ちぶれ、31歳になった今はアル中という噂がある。有田太一が新ジムのトレーナーとしてぜひお願いしたいと、居所を突き止めて直接頼み込むものの、すげなく断られた。 その後、完成した太一の新ジムをふらりと訪れ、トレーナーを引き受けた。しかし、そのことが太一と有田恵子の人生を大きく変えてしまうことになる。

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