現代の光源氏を目指す14股ラブコメ
中学生時代にクラスメートの女子たちから酷いいじめを受けていた美少年・源光海が、大学進学を機に叔母・藤原香子の指導監督のもと、女性恐怖症の克服を決意する。そして紫雲大学で准教授を務める『源氏物語』の研究者・香子から、光源氏の女性遍歴にならって14股をせまられる。14人のヒロインは源氏物語に登場する女性になぞらえられており、光海が香子に言われるがまま彼女たちと肉体関係に至るまでの道のりが、セクシーな描写を交えて展開される。一方で本作は、光海が無条件にモテる単純なハーレムものではなく、各ヒロインとの地道な交流を経た光海が現代の光源氏を目指す姿を描いた、14股ラブコメディとなっている。
叔母に手ほどきされる色事
叔母・藤原香子から『源氏物語』の研究の対象者に選ばれた源光海は、さまざまな女性と交流することになるが、肝心の女性経験はまったくない。そのため、同居する香子から女性の肉体や感情の機微について手ほどきを受ける。キスの仕方から胸の柔らかな感触、性に関する考え方まで、指導内容は多岐にわたる。光海は香子が叔母であることに悩みながらも、女性に対する興味を抑えられず、香子の美貌を前にしてなすがままにその身を委ねていく。
魅惑的な14人のヒロインたち
藤原香子が源光海に紹介するヒロインたちは『源氏物語』の登場人物になぞらえられた、魅力的な女性ばかり。光海の従妹で同じ大学の先輩である桃園朝日をはじめ、ファザコンのネイルサロン経営者である桐山葵や美人歯科医師・源内典子といった年上のセクシーな女性たち。そして男性嫌いながらも官能小説作家を目指す朝日の親友・朧月子や、性知識がまったくない純粋無垢なお嬢様・玉鬘るりなど、さまざまなヒロインが登場する。彼女たちとの交流は一夜限りの場合もあれば、一定期間に密な関係になる場合もあるなど、十人十色の恋愛模様が描かれる。
登場人物・キャラクター
源 光海 (みなもと てるみ)
紫雲大学に通う男子。年齢は18歳。男子からも学校一の美人と評されるほどの中性的な美少年。しかし中学2年生の頃、そのルックスを女子に妬まれていじめに遭ったことが原因で、女性と牛乳に対する恐怖を抱いている。父子家庭で育ち、母親の顔を覚えていないためなのか、年上の女性に惹(ひ)かれるマザコン気質な一面を持つ。父親が交際相手を妊娠させ、再婚することになったことで大学入学と同時に、叔母の藤原香子の家で居候を開始した。しかし、同居の挨拶に出向いた際に、いじめの過去と女ギライを一目で見抜かれると、『源氏物語』を研究する彼女の研究対象とされてしまう。そして、香子から女性に対する手ほどきを受ける代わりに、源光海自身を「源氏の君」に見立てた14股を目指すことを半ば強要されてしまう。当初こそ戸惑っていたものの、トラウマを払拭するために大学デビューを目指していたこともあり、香子に紹介された女性たちを口説き落とすために奮闘する。その過程で数人の女性たちと関係を持つなどトラウマの払拭に成功するものの、一方で香子に強く惹かれていく様子も垣間(かいま)見せている。心優しく、生真面目な性格ながら、一方で性欲や思い込みに駆られて暴走してしまうことも多い。
藤原 香子 (ふじわら かおるこ)
紫雲大学で准教授を務める女性。年齢は29歳。源光海の叔母にあたる。藤原香子自身の兄である、光海の父親が交際相手を妊娠させ再婚したことをきっかけに、光海を自らの家に引き取って同居生活をスタートさせる。特徴的な縦ロールの髪型で、性別を問わずに周囲を魅了する美貌と巨乳の持ち主。大学では『源氏物語』を中心とした日本古典文学の研究を行なっている。『源氏物語』の中では特に「若紫」の帖(じょう)を気に入っており、あどけない男性を自分好みへと育て上げることを至高の愛のカタチと嘯(うそぶ)く精神性を持つ。同居の挨拶に訪れた光海を一目見て、女性にいじめられた経験のある女ギライと一目で見抜くと、自らの探求心のために光海を研究対象とすることを一方的に告げ、彼に女性に対する手ほどきをする一方で、「光源氏」のように14股をして欲しいと無理難題を押しつけた。泰然自若としたゆるがなさとマイペースな性格で、男勝りな硬い口調でしゃべる。また、光海をからかって歓喜したり、説明のために『源氏物語』の登場人物に合わせたコスプレをしたりと、ユーモラスな一面を持つ。