国の命運を背負ったハーレム生活
極端な少子化が進行した時代に生まれた「最後の世代(ラストジェネレーション)」は、国の未来を担う貴重な存在として、その生活のすべてが厳重に管理されていた。極端に人数の少ない同世代が暮らす近未来では、学校生活自体が過去の遺産となっており、主人公の春は、自らのパートナーを選ぶ「交配計画」に従い、昭和時代の学校を模して建設された国立桜高等学校に入学する。そこで春を待っていたのは、同じ最後の世代である姫城桜子、セリシール・ハナミズキ・コレット、そして人工的に生み出されたデザイナーズベイビー「新世代(ニュージェネレーション)」の敷島桜花という三人のヒロインたちとの共同生活だった。当初、春は異性にまったく興味を示さない極端な草食系男子として描かれていたが、物語が進むにつれてヒロインたちとの交流が深まり、やがて明確な恋愛感情を抱くようになる。特に物語の中盤以降、国の命運をかけた「交配計画」の全貌が明らかになるにつれて、性的な描写も増えていく。
極端な少子化がもたらした近未来日本
本作の舞台は、極端な少子化が進行した近未来の日本。15年前に「最後の世代」と呼ばれる子供たちが誕生して以来、一人の新生児も生まれていないディストピアとなっている。少子化の影響で経済は破綻寸前に陥り、私利私欲に走る老人たちによって文化財をはじめとするあらゆる資産が売却され、東京は租界化するほどの末期的な状況が続いていた。そんな中、現在の国家運営を担っているのは、遺伝子操作によって生まれたデザイナーズベイビー、「新世代(ニュージェネレーション)」と呼ばれている若者たちだった。彼らは「年少さんクーデター」を平和的に成功させ、政治と経済を掌握したことで、日本の状況は徐々に回復傾向にある。春は、最後の世代で唯一の男子として国の命運を背負いながら、徹底的に管理された昭和風の高校生活を送ることになる。
春と三人のヒロインたち
春が学校生活を共にするヒロインは三人いる。一人目は、春が初めて出会う同級生で、自らを「お安くない」と豪語し、革命思想を抱く危険な一面を持つ女子、桜子。二人目は、国が総力を挙げて生み出したデザイナーズベイビーのプロトタイプで、規格外の怪力と高い知能を兼ね備え、ミステリアスな雰囲気をまとった女子、桜花。そして三人目は、「交配計画」のスポンサー企業であるコングロマリットの総帥令嬢で、春を深く愛する異国の女子、セリシール。厳しく管理された世界の中で、抑えきれない感情が交錯し、春と三人のヒロインたちは、国家さえも予想しなかった関係性を築いていくことになる。
登場人物・キャラクター
花坂 春 (はなさか はる)
国立桜高等学校に通う「最後の世代」として生まれた唯一の男子。年齢は15歳。幼少期は「おじいさん」と呼んでいた人物と人里離れた場所で暮らし、サバイバル技術を徹底的に叩き込まれて育った。高校入学までは大人たちに囲まれていたため、同年代との交流はまったくなかった。活気あふれる昭和の文化にあこがれを抱いている。ふだんは異性に無関心な草食系を装っているが、その内面には人類の未来を背負う者としての強い覚悟と責任感が秘められている。クラスメイトの桜子や桜花、セリシールと出会い、初めて異性を意識するようになる。彼女たちの積極的なアプローチに戸惑いながらも、少しずつ心を通わせていく。
姫城 桜子 (ひめしろ さくらこ)
国立桜高等学校に通う「最後の世代」として生まれた女子。年齢は15歳。春と同じアパートの隣室に住み、共に生活している。現実主義で負けず嫌いな性格をしている。国家の交配計画の補助金目当てに生まれたという出自から、現在の日本を末期的な状態に追い込んだ老人たちに強い憎しみを抱き、革命を志している。当初は春のパートナー選びという国の交配計画に反発していたが、春の飾らない人柄に触れるうちに次第に惹かれ、理想と現実の狭間で揺れ動くようになる。
敷島 桜花 (しきしま おうか)
国立桜高等学校に通う「最後の世代」として生まれた女子。年齢は15歳。銀色の髪とサクラ色の瞳を持つ。遺伝子操作によって誕生した「新世代」のプロトタイプであり、唯一の生存者。かつては新世代の「女王」として、その特異な意識接続能力を駆使し、ほかの新世代たちを導き、旧世代の支配体制を打倒し、現在の国政を裏であやつる「賢人会議」が誕生するきっかけとなった。遺伝子操作の影響で、旧人類を凌駕する知能と身体能力を誇り、華奢な外見に反して怪力で大食いという意外な一面も持つ。入学当初は感情が欠如した無口な人物だったが、新世代との意識接続を断ってからは明確な自我が芽生え、徐々に年相応の表情や感情を見せるようになった。







