火ノ丸相撲

火ノ丸相撲

大相撲の横綱を目指すが、小柄というハンデを背負った少年の潮火ノ丸が、大太刀高校の弱小相撲部から高校相撲日本一となるため奮闘する。全国大会優勝レベルの少年力士は「国宝」と呼ばれ、「鬼丸国綱」など実在の名刀に因んだ異名で呼ばれる。

正式名称
火ノ丸相撲
ふりがな
ひのまるずもう
作者
ジャンル
相撲
関連商品
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あらすじ

第1部 高校相撲編(第1巻~第18巻)

将来の横綱を志す少年、潮火ノ丸は、小学生の頃は国宝とも呼ばれた逸材だった。しかし、体格の小ささ故に中学では芽が出ず、その代わり3年間の特訓を経て大太刀高校入学と同時に相撲部へ入部する。当初は小関信也と二人だけの相撲部だったが、大太刀高校の番長だった五條佑真の入部を皮切りに、文化祭で國崎千比路三ツ橋蛍、さらには小学生相撲で共に汗を流した旧友の辻桐仁の入部を迎え、IH出場に漕ぎつける。本来ならプロ力士になれない体格の火ノ丸は、体格を問わずプロ力士になれる唯一の道である付出資格を得るため、全国の強豪力士達と死闘を繰り広げる。

第2部 大相撲編(第18巻~第20巻)

潮火ノ丸が「鬼丸国綱」の四股名で角界入りを果たして2年。デビュー直後に右腕を壊し、幕下下位へと降格していた火ノ丸だったが、幕ノ内の関取として西前頭十三枚目まで返り咲いた。しかしそんな折、歴代でも圧倒的な強さを誇る横綱の刃皇が、後進力士達の不甲斐なさと大相撲観客達の外国人力士への当たりの強さを理由に、引退の意思を表明する。さらに火ノ丸の師である駿海が体調を崩し、病床から「刃皇を失意のまま去らせるな」と言い渡された事から、火ノ丸は改めて横綱への道を進み始める。

メディアミックス

小説

本作『火ノ丸相撲』のスピンオフ小説『火ノ丸相撲 四十八手』が、久麻當郎の著作で集英社「JUMP j BOOKS」から全2巻で発行されている。壱巻ではIH優勝を目指して相撲漬けの日々を送る大太刀高校相撲部の面々やライバル達の日常が、弐巻ではIH後、潮火ノ丸が大太刀高校を去るまでの前日譚や國崎千比路五條佑真の過去エピソードが描かれている。

登場人物・キャラクター

潮 火ノ丸 (うしお ひのまる)

大太刀高校に通う1年生の少年。身長は背伸びして160センチ、通常時は152センチだったが、「大相撲編」直前の新弟子検査では154センチとなっていた。体重79キロ。11月29日生まれで、血液型はO型。相撲以外の特技はお手玉。「ワシ」「~じゃ」など、どこの地方ともいえない不思議な方言を用いて話す。満員電車と性的な話が苦手。大相撲の名力士にも見られる精進の証と同じく、足の指が内を向いたまま固まっている。体重維持に苦労しており、無理矢理にでも食事を詰め込まなければ、すぐに体重が落ちてしまうのが悩み。また乗り物が苦手で、すぐに車酔いしてしまう。大太刀高校には、中学時代の制服である黒い学ランで通っている。入学時には、気合いを入れて学ランにまわし姿で登校したが、ちぐはぐな格好のため痴漢と間違えられそうになった。高校相撲の頂点を足がかりに大相撲に入る。横綱になるという夢があり、そのため唯一の相撲部である小関信也をいじめ、道場を荒らしていた五條佑真には激しい怒りを抱いていた。しかし、佑真の根底にあるのが素直さである事も見抜いており、佑真が相撲部に入部を決めた際には、快く歓迎している。小学生相撲で二冠王となり、国宝「鬼丸国綱」と呼ばれていた。そのため、多くの場合略して「鬼丸」とも呼ばれている。入学直後に佑真に勝った事で、クラスメイト達は当初怯えていたが、潮火ノ丸の兄貴肌な性分を見るに従い、男女問わず「兄貴」と慕ってくるようになった。学生の本分は勉学であるという信条から、学業にも力を入れており、学年順位は298位中21位と好成績。小学生時代、小兵だった頃の天王寺獅童を見てあこがれ、その背中を追い続けていた。IH個人戦初戦で獅童に敗北し、右肘のケガで蟹江診療所にかかった際には、蟹江哲治から「筋肉の質がよく、関節が人より柔らかい、いい選手」と評価された。全日本選手権では準決勝で獅童に敗れて3位に終わったが、三段目最下位格付出資格を得て、角界入りを果たした。四股名は「鬼丸国綱」となっている。しかし、角界入りして1年半後の九月場所で数珠丸恒次と対戦し、右肘を壊して休養期間中に番付を落とした。そこから2年経った19歳の火ノ丸は身長157センチ、体重92キロで、幕ノ内に返り咲き、西前頭十三枚目として励んでいる。

小関 信也 (おぜき しんや)

大太刀高校に通う3年生の少年。身長173センチ、体重108キロ。5月10日生まれで、血液型はO型。相撲以外の特技・趣味は、熱帯魚の飼育と城郭系のプラモデル。一人っ子で、甘い物が好きで、もち肌、意外と小食。体の大きさと、相撲部所属にしている事と、「小関」という名字から、「大関」というあだ名で呼ばれる事も多い。学業も苦手ではなく、相撲部の活動で勉強にかける時間が少なくても、315位中126位と中の上の成績をキープしている。また、歌が非常にうまい。当初は五條佑真が率いる不良集団にいじめられており、部室も占拠されていたが、大太刀高校の敷地の端に土俵を自作し、一人で四股を踏み続けていた。潮火ノ丸が入学と同時に入部希望した事、さらに道場を佑真から奪い返した事で、念願だった本来の相撲部としての活動ができるようになった。非常に優しい性格で、佑真のした仕打ちも、佑真が入部した事ですでに許しているほか、部員達の悩みなどにも共感し、寄り添おうとする姿勢がある。入学当初からたった一人で、周囲から笑われても相撲部として活動を続けていた心の強さは、石神高校の真田勇気をも戦慄させるほど。「守りに入られるとやり辛い」と、火ノ丸や國崎千比路が証言するほどに粘り強い。火ノ丸ら大太刀高校相撲部の面々からは「部長」と呼ばれている。火ノ丸の角界入りが決定すると時を同じくして、駿海から長門部屋への入門を誘われ、角界入りを決めた。

五條 佑真 (ごじょう ゆうま)

大太刀高校に通う3年生の少年。身長186センチ、体重87キロ。4月13日生まれで、血液型はA型。相撲以外の特技は、これまで通った習い事(空手、そろばん、習字、水泳)全般、趣味は人間をサンドバッグにする事。父親は千葉の大学病院で副院長を務めているため家が金持ちで、育ちがいいが、それがコンプレックスでもある。当初は大太刀高校の番格で、「ダチ高最強」と呼ばれて多くの取り巻きを従え、相撲部の道場を占領して荒らしたり、小関信也をいじめるなどしていた。しかし潮火ノ丸に完敗した結果、相撲に興味を持ち、入部を決意。以降は相撲の奥深さや面白さに魅せられていくが、その分だけ五條佑真自身が信也にしてきた仕打ちと向き合う機会が増え、強く後悔している。地頭がよく、授業さえ出ていれば定期考査など問題ないと言い放っており、学年順位は315位中18位と好成績。根が素直で、自分の実力の把握や他者からの助言も聞き入れる事ができる。ほとんどの人物から「ユーマ」と呼ばれている。「大相撲編」では蟹江哲治に師事しており、スポーツ医療の医師として経験を積んでいる。

國崎 千比路 (くにさき ちひろ)

大太刀高校に通う2年生の少年。身長180センチ、体重97キロ。12月14日生まれで、血液型はB型。相撲以外の特技・趣味はレスリング、筋トレ、格闘技観戦。将来は総合格闘家になってアメリカで試合し、最終的には大金持ちになりたいと考えている。勉強が苦手だが、選択問題は得意。レスリングで国体優勝まで上り詰めたが、文化祭で潮火ノ丸とレスリングの舞台で対決し、相撲のやり方で敗北した事から相撲に興味を持ち、入部した。定期考査で赤点を取り、補習のため個別特訓を行う事ができなかったが、ちょうど補習の日に火ノ丸の実力を偵察しに来た荒木源之助と出会い、「自分が火ノ丸だ」と騙して勝負した。その際、高い実力を持つ源之助が自分と同じく「総合格闘技の頂点」である事を知り、補習で特訓を進められない事を後悔したうえで、二度と赤点は取らない事を誓った。また自分の苦手分野を自覚しており、その克服のため沙田美月と1対1の特訓を行うなど、ストイックな部分も目立つ。人の話を聞かず、思い込みが激しい性格だが、國崎千比路本人は自分の事を「常識があって空気を読め、イケメンで最強」と思っている。両親が離婚しており、千比路は母親に引き取られた。父親に引き取られた兵藤真磋人は実の兄。ほとんどの人物から「チヒロ」と呼ばれている。火ノ丸の角界入りが決定すると時を同じくして、アメリカに渡る事を決意した。

三ツ橋 蛍 (みつはし けい)

大太刀高校に通う1年生の少年。身長162センチ、体重50キロ。1月7日生まれで、血液型はA型。相撲以外の特技・趣味はフルートと読書。男らしくムキムキな体になりたいと考えており、ひげが濃い男性や亭主関白にあこがれがある。学業も苦手ではなく、相撲部の活動で勉強にかける時間が少なくても、298位中184位と赤点は免れている。気弱そうに見えるが、実際に話してみるとかなり毒舌。文化祭での潮火ノ丸と國崎千比路の勝負を見て相撲部に入部した。非常にか細い肉体の持ち主だったが、相撲部に入部してからは柴木山親方から直接指導を受けるなどしたお陰で、かなり筋肉がついている。しかし貧弱さは変わらず、取り組みでは変化を主に用いる。その効果を最大限に引き出すためには、周囲から卑怯者の誹(そし)りを受ける事もよしとしている。千比路からは「ホタル」と呼ばれている。「大相撲編」では大学で相撲部の活動を続けており、国宝「蛍丸」、または「平成の牛若丸」とも呼ばれている。

辻 桐仁 (つじ きりひと)

大太刀高校に通う1年生の少年。身長175センチ、体重72キロ。9月10日生まれで、血液型はB型。相撲以外の特技・趣味は、一人での映画鑑賞とネットサーフィン。小学校の頃は潮火ノ丸と同じ相撲教室に通っていたが、肺に疾患が見つかり、相撲のような過酷なスポーツは無理だと診断された。この疾患さえなければ、国宝「鬼切安綱」と呼ばれる事は確実だったとされる。火ノ丸の力になる事を目的に大太刀高校に入学していたが、相撲部の助けになれるだけのノウハウを手に入れるまでは、火ノ丸の前に姿を見せなかった。相撲の試合は20秒戦うのが精一杯と言われており、そのためIHでも監督としてメンバーの特訓メニューを組むなどの働きに専念していたが、三ツ橋蛍から後押しされ、補欠としてメンバー登録を行っていた。しかし、仲間のために必要な事ならばどんな苦労も厭わないが、やらなくていい事はやりたくないという性格。そのため特訓の説明なども雑で、言葉が足りない事が多い。宵っ張りで寒がり、臭いに敏感。また、絵を描くのがとても下手。進級さえできればいいという考えの持ち主のため、定期考査では赤点ギリギリの成績。多くの場合「監督」と呼ばれているが、國崎千比路からは「ハカセ」、練習を見てやっていた中学生力士達からは「先生」と呼ばれている。「大相撲編」では長門部屋に入門した。四股名は「鬼切安綱」で、略して「鬼切」と呼ばれる事も多い。東十両二枚目として励んでいる。十両に上がるまでは天王寺獅童(関取・童子切安綱)の付け人としても活動していたため、火ノ丸(関取・鬼丸国綱)の相撲を共に研究し続けていた。

五條 礼奈 (ごじょう れいな)

大太刀高校に通う2年生の少女。身長167センチ、体重は51キロ。6月17日生まれで、血液型はAB型。五條佑真の妹。2年連続ミスダチ高に輝いている。仕事はしていないが、生徒会副会長を務めており、猫かぶりで成績もいい事から教師受けがいい。運動神経に優れ、努力しなくても大抵の事は人よりうまくこなせる。ただ、かんしゃく持ちで短気なため、相撲に興味がない頃は、佑真の出番が少ない事にイライラしている様子が見られた。また当初の理想の男性像は「自分よりも背が高くて佑真よりも強く、医者の父親よりも稼ぎがよくて恥ずかしくないルックスを持った尽くすタイプの男性」としていた。しかし佑真を応援するために、相撲を見続けるようになってからはその魅力に気づき、特に潮火ノ丸が見せる、観客をもワクワクさせるような相撲にのめり込んでいく。「大相撲編」では大学生となっているが、火ノ丸が右腕を壊した取り組みを見て以降、相撲を観戦するのが怖くなってしまった。しかし、火ノ丸(関取・鬼丸国綱)の相撲を偶然テレビで目にした事から、火ノ丸のケアに訪れる佑真に付いて柴木山部屋を来訪。偶然その場にいた堀千鶴子、天王寺咲から唆(そそのか)された事もあって、火ノ丸に告白して、付き合う事となった。ほとんどの人物から「レイナ」と呼ばれている。

沙田 美月 (さだ みづき)

石神高校に通う1年生の少年。身長182センチ、体重91キロ。7月9日生まれで、血液型はB型。相撲以外の特技はカラオケで、振付や歌詞も記憶している。勉強が苦手で、学力は中学1年生レベル。国宝「三日月宗近」と呼ばれている。なんでもそつなくこなせる才能の持ち主だが、小学生時代に潮火ノ丸の相撲を見た事が、相撲を始めるきっかけとなった。大太刀高校の面々とは出稽古を含めて深く交流しているほか、國崎千比路とは1対1での特訓も行った。春の全国対戦で天王寺獅童に敗北した結果、キラー・インスティンクトを手に入れた。詳細は明らかになっていないが、姉が二人いる。

金盛 剛 (かなもり つよし)

石神高校に通う3年生の少年。身長189センチ、体重138キロ。5月31日生まれで、血液型はA型。準国宝として「金剛力」とも呼ばれる。将来は教師になって子供達に相撲を広めたいと考えていたが、高校時は複数の相撲部屋や大学相撲の強豪校から声を掛けられ、進路に悩んでいた。沙田美月とは同じ相撲クラブ出身。気安く接してくる沙田を鬱陶しがっている。試合時、右肩に黒いサポーターをつけているのが特徴だが、怪我はすでに完治しており、ゲン担ぎで使用している。

久世 草介 (くぜ そうすけ)

大和国の息子で、栄華大附属高校に通う1年生の少年。身長195センチ、体重142キロ。10月27日生まれで、血液型はAB型。相撲以外の特技・趣味は、誰かがつけたテレビをなんとなく眺める事と、家事全般。尻まで届く長い黒髪をポニーテールにしているが、毛先がバラけないように、毛先側でももう一度括っている特徴的な髪型をしている。初めて出場した小学生相撲の大会で狩谷俊に大ケガを負わせた事から、学生相撲で表舞台に立つ事を大和国から禁じられていたが、春の全国大会地区予選で潮火ノ丸の立ち会いを目にして以降、闘争心が騒ぎ、俊の計らいで関東新人大会に出場。優勝した日の晩、大和国に「国宝と呼ばれる全員に勝ち、IHで高校相撲の頂点に立ったあと角界に入る」と誓った。当初は「大和国Jr.」と呼ばれていたが、力士として出場する事になってからは国宝、「草薙」と呼ばれている。親子ではあるものの、大和国と話す時は少し緊張する。IHでは個人優勝、団体2位の成績を残し、IH終了直後に角界入りを表明した。「大相撲編」では大関となっており、四股名は「草薙草介」。略して「草薙」と呼ばれる事も多い。刃皇と10回以上戦っているが、一度も勝てていない。

狩谷 俊 (かりや しゅん)

栄華大附属高校に通う1年生の少年。身長164センチ、体重71キロ。3月28日生まれで、血液型はA型。相撲以外の特技・趣味は、テレビゲームや読書(漫画)、セミの抜け殻集め。高いところと怪談が苦手で、方向音痴でさらに音楽方面も音痴。家は割と裕福だが、勉強が嫌い。中学生相撲の軽量級王者で、無差別級においても全国ベスト8まで勝ち進んだ実力者。かつて小学生相撲の大会で久世草介と対戦し、大ケガを負った。しかし、狩谷俊本人はその事を気にしておらず、むしろその事件をきっかけに、草介が学生相撲の表舞台に立てなくなってしまった事を気に病んでいる。関東新人大会では潮火ノ丸と対戦した。また、この対戦で火ノ丸に勝利すれば、新たな国宝「小龍景光」と呼ばれていた可能性があった。

大和国 (やまとくに)

久世草介の父親で、久世美和子の夫。年齢は39歳。最後の日本人横綱とも言われている男性。身長187センチ、現役時の体重は159キロ。1月19日生まれで、血液型はA型。正式な四股名は「大和国清一」、本名は「久世清一」。幕内最高優勝31回、幕下優勝1回、三段目優勝1回、殊勲賞1回、敢闘賞2回、技能賞1回、金星1個の受賞歴がある。愛妻家で日本酒が大好き。老若男女が選ぶ好きな力士で1位を獲得している。かつて中学に上がった頃の負け通しだった潮火ノ丸に、「3年先の稽古をしなさい」と告げた事がある。美和子とは23歳の時に結婚しており、結婚指輪を三度紛失されても叱る事なく、毎回買い直しているほど甘い。

柴木山親方 (しばきやまおやかた)

相撲部屋「柴木山部屋」を取り仕切っている元関脇の男性。49歳で身長172センチ、体重145キロ。12月26日生まれで、血液型はO型。正式な年寄り名は「柴木山明雄」で、関脇時代の四股名は「薫山明雄」。略して「薫山」とされる事が多い。相撲以外の特技・趣味は社交ダンス。十両優勝1回、三段目優勝1回、殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞4回の受賞歴がある。また金星経験は5回で、内1回は大和国からとったもの。常時サングラスをかけている。

冴ノ山 紀洋 (さえのやま のりひろ)

柴木山部屋に所属する西前頭九枚目の関取の男性。本名は「長谷川紀洋」で、柴木山親方からは「紀ちゃん」と呼ばれている。柴木山親方に誘われ、中卒で入門した。23歳の独身で、身長191センチ、体重149キロ。8月7日生まれで、血液型はA型。十両優勝1回、幕下優勝1回、敢闘賞1回、技能賞1回を受賞している。相撲以外の特技・趣味はビリヤードと野球。物静かな性格で、好奇心旺盛と自称している。IH前から潮火ノ丸の稽古の相手をしており、彼に将来性を感じていた。「大相撲編」では27歳で、西関脇となっているが、火ノ丸の実力に焦りを感じている。

堀 千鶴子 (ほり ちづこ)

大太刀高校に通う1年生の少女。身長162センチ、体重45キロ。2月25日生まれで血液型はA型。相撲以外の趣味・特技は絵がうまい事と、意外と足が速い事。成績優秀だが、人見知りで、声が小さいとよく言われる。「柚子香(ゆずか)」という中学3年生の妹がおり、活発な妹を尊敬している。入学当初、満員電車の中で痴漢に遭っていたところを潮火ノ丸に助けられてから気になっていたが、火ノ丸が制服ではなく中学生時代の学ランを着用している事から、同じ大太刀高校の生徒とは気づく事ができなかった。 しかし、文化祭における國崎千比路と火ノ丸の対決を見て初めて同校生と知った。また引っ込み思案な堀千鶴子自身にはない火ノ丸の純粋な強さに惹かれ、マネージャーとして相撲部に入部した。 「大相撲編」では大学2年生となっている。高校時代に相撲部マネージャーとして撮り溜めていた写真が名塚景子と宮崎敏夫の目に留まり、「月刊相撲道」のカメラアシスタントをしている。

下山 倫平 (しもやま りんぺい)

常盤第三高校に通う1年生の少年。中学時代の潮火ノ丸と3戦し、全勝している事から火ノ丸の別名「鬼丸国綱」から「鬼丸殺し」と言われている。関東新人大会で火ノ丸と対戦した。格下と称される相手に対してのみ異様に高いモチベーションと高い勝率を誇る。相撲に対しろくに努力もしていないが、努力を続けている相手が自分に敗北した時に見せる絶望の表情を見る事を、唯一の楽しみに相撲を続けている。

大河内 学 (おおこうち まなぶ)

川人高校に通う1年生の少年。身長190センチ、体重110キロ。2月8日生まれで血液型はA型。相撲以外の特技・趣味はナンプレ。ファッション誌を愛読している。「未完の大器」を自称している。中学では生徒会長を務めていた。「大相撲編」では柴木山部屋に入門しており、西序二段五十枚目として励んでいるが、周囲のいびきや雑用の多さからだんだんやつれてきている。 柴木山親方からは「こーちゃん」と呼ばれている。

荒木 源之助 (あらき げんのすけ)

石神高校に通う1年生の少年。身長179センチ、体重86キロ。1月18日生まれで血液型はAB型。相撲以外の特技・趣味は柔道、格闘技観戦、特撮番組の鑑賞。総合格闘技の頂点に立ってとにかく有名になる事を夢見ており、そのために強い相手に勝って名を挙げたいと考えている。最終的にはナイスバディのブロンド美女を侍らせ、ハリウッドで荒木源之助自身を主演にしたアクション映画を製作してもらいたいと考えている。 頭が悪く英語がいっさいわからないが、なんとかなると考えている楽観思考の持ち主。相撲部への入部直後に停学になり、稽古に出たのはたった一度だけだった。沙田美月からは「源ちゃん」と呼ばれている。「大相撲編」では総合格闘家として国内で活躍している。

間宮 圭一 (まみや けいいち)

石神高校に通う2年生の少年。身長182センチ、体重166キロ。11月5日生まれで血液型はA型。相撲以外の特技はアイドルに詳しい事。真田勇気と同じ相撲クラブの出身で、試合中は使い捨てのソフトコンタクトレンズを着用しているが近眼。実家は花屋で、たまに店番を務めると客が来ない。金盛剛が相撲部主将を引退してからは、代わって石神高校相撲部主将を務めている。

真田 勇気 (さなだ ゆうき)

石神高校に通う3年生で、相撲部の副主将を務める少年。身長175センチ、体重121キロ。10月12日生まれで血液型はB型。相撲以外の趣味は猫カフェ巡り。普段は温厚な性格で笑顔でいる事が多いが、怒らせると大変な事になると噂が立っており、ケンカなら石神高校相撲部の中で一番強いという説もある。私服は猫をあしらったものを着用しているほど猫好きだが、猫に好かれない。 1年生だった頃、不良達が面白半分に相撲部の道場を燃やそうとしている事を知り、自主的に退部。その間に計画を練っていた不良達30人を相手に乱闘を繰り広げ、停学になっているが、その後再入部した。この一件に尾ひれがつき、石神高校では「血煙の一夜」という伝説になっている。家が大太刀高校の近くで徒歩圏内なため、停学中の散歩の際、周囲から馬鹿にされながらも一人で相撲の稽古を続けている小関信也を偶然目にし、同情心さえ持っていた。 しかし、1年以上その状況に置かれながら一人で楽しそうに稽古に励む姿も見ており、その粘り強さに戦慄していた。

日景 典馬 (ひかげ てんま)

金沢北高校に通う2年生の少年。身長202センチ、体重119キロ。5月2日生まれで血液型はA型。相撲以外の特技・趣味は歴史系のゲームや漫画。勉強が嫌いで、虫は絶滅を願うほど苦手。高校生力士として活躍している最中でも、バスケ部やバレー部からの熱い勧誘を受けている。大関・大景勝の弟で、国宝「大典太光世」とも呼ばれている。 当初は大景勝の弟である事をコンプレックスに思っており、大景勝の事も「刃皇の強さに心が折れている」「優勝なんてする気もない」と考えていたが、駿海の助言で大景勝と百番勝負を取った事、また名古屋場所で観客から冷めた言葉を投げ掛けられても堂々と土俵に上がる大景勝を見た事によって、大景勝への認識と相撲に対する姿勢を改めた。

相沢 亮 (あいざわ りょう)

金沢北高校に通う3年生の少年。身長179センチ、体重100キロ。4月24日生まれで血液型はO型。相撲以外の特技・趣味は釣りと読書。ケンカが非常に強い。日景典馬が兄・大景勝にコンプレックスを抱いている事に気づいており、同じ部の仲間にひねくれた態度を取る典馬を以前から叱責していた。

瀬良 拓海 (せら たくみ)

金沢北高校に通う2年生の少年。身長186センチ、体重98キロ。8月12日生まれで血液型はB型。相撲以外の特技・趣味はサーフィン。部の中で瀬良拓海自身が一番日景典馬と仲がいいと勝手に思っている。

米村 竜二 (よねむら りゅうじ)

金沢北高校に通う3年生の少年。身長177センチ、体重135キロ。相撲以外の特技・趣味はプロレスと、バック転ができる事。髪型はパンチパーマで、将来の夢は力士ではなく、プロレスラー。

小森 謙介 (こもり けんすけ)

金沢北高校に通う3年生の少年。身長180センチ、体重126キロ。相撲以外の特技・趣味は習字で、達筆。アヒル口が特徴で、「北校の良心」とあだ名されている。

数珠丸恒次 (じゅずまるつねつぐ)

IHでは三ノ矢実業高校3年生として出場し、個人戦で久世草介と対戦して敗北した。身長192センチ、体重220キロ。4月29日生まれで血液型はO型。相撲以外の特技・趣味は大食いとボーリングで、回転寿司で80皿を食べる事ができる。非常に温和で優しい性格の持ち主で、潮火ノ丸の右腕を事実上使い物にならなくしてしまった事を非常に悔いている。

天王寺 獅童 (てんのうじ しどう)

服部白楼高校に通う3年生の少年。身長188センチ、体重139キロ。10月8日生まれで血液型はO型。相撲以外の趣味・特技はエゴサーチとホラー映画鑑賞、球技全般。大阪出身のため、関西弁で話す。現高校相撲界では最強と呼び声も高く、IH個人戦では2年連続で高校横綱に輝いている事などから、国宝「童子切安綱」と呼ばれている。 選手層の厚い事で知られる服部白楼高校の相撲部で1年生の頃からレギュラーを務めている実力者。前年度の全日本選手権優勝者でもあるため、IHで天王寺獅童に勝利した者が付出の資格を得られるとIH開始当初から噂されていた。家族全員身長が低く、中学入学時には潮火ノ丸と同じく小兵と言われていたが、その後急激に身長が伸びた。 そのため小兵力士の持つ技の巧みさと、大型力士の持つ圧力を兼ね備えた取り組みをする。また対戦する可能性のある全力士の取り組みを研究している。IH個人戦で久世草介に敗れたものの、その敗北を機に獰猛な取り組みを見せるようになった。結果、IHの団体、個人優勝は逃したものの、全日本選手権で優勝し幕下十五枚目格付出資格を得て角界入りした。 妹である咲と、寮で面倒を見る事の多いバトムンフ・バトバヤルからは「兄貴」と呼ばれている。「大相撲編」では大関となっており、四股名は「童子切安綱」で、略して「童子切」と呼ばれる事も多い。

バトムンフ・バトバヤル (ばとむんふばとばやる)

服部白楼高校に通う1年生の少年。モンゴル出身で、父親はモンゴル相撲の小結(ナチン)。身長181センチ、体重100キロ。5月10日生まれで血液型はAB型。相撲以外の特技・趣味は乗馬と、速い乗り物に乗る事。柔道とモンゴル相撲の経験者でもある。日本の二大テーマパークには行った事がないが、行きたい気持ちが勝ちすぎて、どの順番でアトラクションを回るかなど妄想を廻らせている。 高校相撲を外国人力士にとっての就職活動の場と考えており、鳥取白楼高校のメンバー以外の高校生力士達のほとんどを「遊びで相撲をやっている」と軽蔑していた。ほとんどの人物から「バト」と呼ばれている。「大相撲編」では20歳。柴木山部屋に入門しており、東幕下9枚目として励んでいる。 四股名は「白狼昇」。

加納 彰平 (かのう あきひら)

服部白楼高校に通う3年生の少年。身長189センチ、体重114キロ。9月7日生まれで血液型はO型。相撲以外の特技・趣味は料理と水泳。成績優秀で、相撲をしている際はコンタクトを着用しているが、普段は眼鏡をかけている。また、嫌な事があった日は黙々と大量の唐揚げを作る癖があり、これは「大相撲編」でも変わっていない。天王寺獅童からは「アキ」と呼ばれている。 「大相撲編」では刃皇と同じ朝陽川部屋に入門しており、四股名は「大包平」となっている。

榎木 晋太郎 (えのき しんたろう)

服部白楼高校に通う2年生の少年。身長174センチ、体重82キロ。2月16日生まれで血液型はA型。相撲以外の特技・趣味は合気道と映画鑑賞で、映画にはかなり詳しい。小学校6年生までは東京で暮らし、中学は大阪で、天王寺獅童、天王寺咲と同校だった。獅童には中学生時代から強くあこがれており、強豪校の中にあってもとなりに並び立てるようにと研鑽を積んできた。 かなり親しい相手以外には年齢を問わず、基本的に敬語を用いて話す。咲とは仲がいい。

首藤 正臣 (しゅとう まさおみ)

服部白楼高校に通う3年生の少年。身長187センチ、体重188キロ。6月20日生まれで血液型はO型。寡黙で吃音が目立つ話し方をするが、気が優しく、小学生の頃から相撲大会でよく顔を合わせていた天王寺獅童とは仲がいい。実家にペットがたくさんいる事もあり動物好きだが、飼っている鳥に獅童が変な言葉を覚えさせるので困っている。

天王寺 咲 (てんのうじ さき)

鳥取白楼高校に通う1年生の少女で、天王寺獅童の妹。相撲部でマネージャーを務めている。身長152センチ、体重40キロ。1月3日生まれで血液型はO型。相撲以外の特技、趣味は料理、習字、麻雀で、麻雀は強い。学業も優秀で中学時代から相撲部のマネージャーだが、天王寺咲本人はひどい運動音痴。兄である獅童がプロとしてどの相撲部屋に入るべきかさまざまな相撲部屋に見学に行っており、潮火ノ丸とは柴木山部屋で出会って以降親しく話すようになった。

兵藤 真磋人 (ひょうどう まさと)

栄華大附属高校に通う3年生の少年。身長186センチ、体重128キロ。8月9日生まれで血液型はB型。相撲以外の趣味・特技は格闘技観戦と、嫌がっている人にプロレス技をかける事。高校に入ってから、柔道部とラグビー部をクビになっている。チームメイトにも常識は頭でのバカと評価されており、久世草介には毎日のように相撲以外の勝負を挑むので嫌われている。 國崎千比路は実の弟だが、両親が離婚しており、離れて暮らしている。また、千比路は幼少期にされた横暴の数々から兵藤真磋人を嫌っているが、真磋人本人は「千比路は自分の背中を追っている」と思い込んでいる。しかし、勉強が苦手ながらも選択問題が得意な点や、自分では「常識があって空気が読めてイケメンで最強」と思っている事など、兄弟としての共通点が多い。

澤井 理音 (さわい りおん)

栄華大附属高校に通う2年生の少年。身長183センチ、体重149キロ。11月13日生まれで血液型はA型。相撲以外の特技・趣味は掃除と整理整頓。責任感が強く成績優秀で、口は悪いが気が優しい。相撲を体格と力がすべてと考えており、三ツ橋蛍の事もIHに出場するには分不相応と考えていた。

四方田 尽 (よもだ じん)

栄華大附属高校に通う3年生の少年で、主将を務めている。身長184センチ、体重165キロ。3月16日生まれで血液型はO型。相撲以外の特技・趣味はネットサーフィンと格闘ゲームで、格闘ゲームは非常に強い。6歳の頃から相撲をやっているが、体育会系のノリが嫌いで人に対する好き嫌いもはっきりしている。すぐに弱音を吐くため、よく狩谷俊に叱られているが、ゲームの話で盛り上がる事もある。

ダニエル・ステファノフ (だにえるすてふぁのふ)

栄華大附属高校に通う2年生の少年。身長199センチ、体重131キロ。2月11日生まれで血液型はO型。相撲以外の特技・趣味はサッカーと、日本の寺院巡り。ブルガリア出身で、同国出身の力士の活躍を見て相撲に興味を持ち、大和国と日本文化のファンになった。絵本を使って日本語を勉強中のため、片言で話す。久世草介と澤井理音と仲がいい。 留学当時は相撲が非常に弱く三軍の扱いだったが、草介と毎日相撲を取る事で力士として急激に成長した。

中嶋 悠希 (なかじま ゆうき)

栄華大附属高校に通う3年生の少年で、IH準決勝では出場しなかったものの副主将を務めている。身長188センチ、体重119キロ。人望が篤く、栄華大附属高校のメンバーが困った時は四方田尽よりも中嶋悠希に相談する事が多い。腰痛持ち。

宮崎 敏夫 (みやざき としお)

相撲雑誌「月刊相撲道」のカメラマンをしている男性。年齢は43歳。身長169センチ、体重67キロ。9月24日生まれで血液型はA型。既婚者で中学生と高校生の娘がいる。学生相撲には詳しくない。

名塚 景子 (なづか けいこ)

相撲雑誌「月刊相撲道」の記者をしている女性。年齢は28歳。身長161センチ、体重47キロ。8月5日生まれで血液型はB型。新人発掘が生き甲斐とされているが、学生力士達のまわし姿を興奮した表情で私物カメラで連写するなど、少々アブない面も見られる。独身で、酒に強く、部屋が汚い。

高荷師範 (たかにしはん)

空手道場・伸心館を営んでいる女性。五條佑真の空手の師匠。本名は「高荷志帆」。年齢は28歳の既婚者で、6歳の息子がいる。身長156センチ、体重53キロ。7月23日生まれで血液型はO型。幼少から空手を始め、数々の大会で実績を残している。佑真はかつて伸心館で空手を習っていたが、稽古のキツさを理由に途中退会している。 それ故佑真が相撲部に入り、個別特訓のメニューとして再度伸心館を訪れた際には言い分を聞いてなお「不良の更生物語は大嫌い」と言い放ち、冷たく突き放した。しかし、かつて佑真が道場を去る際に正しい道に導けなかった高荷師範自身の未熟さも痛感し後悔しており、佑真があくまで伸心館で再度空手を学ぼうとする理由が「楽なほうに逃げたくない」というものだった事でかつての所業を赦し、再度門下生として受け入れた。 凜とした強気な雰囲気の女性だが、息子と夫にはデレデレ。酒に弱い。

諸岡 雄一郎 (もろおか ゆういちろう)

大太刀高校のレスリング部顧問を務める男性。年齢は38歳で、独身貴族を気取っている。対面した相手を「YOU」と呼ぶなど英語混じりの話し方をするが、本職は体育教師。レスリングでオリンピック強化選手だったという噂がある。潮火ノ丸、小関信也が角界入りしたあと、レスリング部と兼任で相撲部の顧問も務める事になった。

菅原 隆史 (すがわら たかし)

石神高校の相撲部顧問を務める男性。年齢は37歳の既婚者で、本職は日本史で教鞭をとっている。細身で笑みを絶やさないが、石神高校全体から恐れられている相撲部の顧問という事で、不良生徒達からも一目を置かれている。

駿海 (しゅんかい)

元横綱の老齢男性。主に「駿海」と呼ばれているが、正式な四股名は「駿海登喜雄」。本名は「尾川登喜雄」。年齢は71歳で、バツ1の独身。身長184センチ、現役時の体重は136キロ。1月28日生まれで血液型はA型。現在は痩せ型の体型となっている。幕内最高優勝11回、十両優勝1回、殊勲賞2回、敢闘賞2回、技能賞2回の受賞歴がある。 相撲以外の特技・趣味はゴルフ、カラオケ、飲み歩き、ナンパで、どれもうまい。かつて二人の横綱を育てた事もあり優れた指導者としても知られるが、大切な事は本人に気づかせるという指導方針のため言葉で説明する部分が少なく、指導途中で逃げ出す若手力士も多いため「潰し屋」と陰口を叩かれている事もある。柴木山親方の紹介で潮火ノ丸の相撲を見て、1週間稽古をつけた。 以来火ノ丸に目をかけており、「師匠」と呼ばれている。相撲協会からも退いた身だが刃皇一強状態の大相撲を憂いており、付出資格を得た火ノ丸が柴木山部屋に入門する事を見越して、また同部屋所属者では本場所で対戦できない事を考慮したうえで、力士層に彩りを持たせる意味も含め、弟子である長門親方と長門部屋を立ち上げた。

刃皇 (じんおう)

朝陽川部屋に所属しているモンゴル出身の力士で、現役の横綱。精神的に安定しないところがあり、清廉潔白で人格的な、観客や相撲協会が理想とする横綱像からはほど遠いといわれている。潮火ノ丸には駿海の自宅で胸を貸した事もあり面識があるが、人の顔と名前を覚えるのが苦手なため忘れてしまっていた。22歳の若手力士だった頃、大和国を破り引退を決意させた事が伝説のように語り継がれている。 44回目の幕内最高優勝を飾ったが、自分が優勝しても観客からは喜ばれない事、外国人力士だからと欠点をあげつらわれる事などを理由に、45回目の優勝をしたらそのまま引退すると宣言した。鳥取白楼高校に在籍していた頃から駿海に目をかけられており、駿海が定年した現在もいい関係を維持している。 また駿海が入院した際には、号泣しながらその体を心配していた。相撲を愛しており、嫌いになる前にやめると話した。

寺原 拓哉 (てらはら たくや)

柴木山部屋に所属する力士の男性。番付は東序ノ口十一枚目。19歳で、高校時に大学進学を考えていたところを、柴木山親方に誘われて入門した。身長185センチ、135キロ。6月3日生まれで血液型はO型。相撲以外の特技・趣味は大食い。柴木山親方からは「寺ちゃん」と呼ばれている。「大相撲編」では23歳、東三段目三十四枚目となっているが、太りすぎて動きが緩慢になってしまい、柴木山親方から10キロの減量を言い渡された。

大景勝 (だいけいしょう)

日景典馬の兄で、大相撲で大関の番付にいる男性。身長189センチ、体重155キロ。年齢は29歳で未婚。相撲以外の特技・趣味はカラオケ。正式な四股名は「大景勝優清」、本名は「日景優清」。最強の日本人力士とも呼ばれているが、横綱・刃皇に連敗しているため観客達からはかなり厳しい言葉を投げかけられている。しかし、大景勝自身は打倒刃皇をあきらめた事はなく、静かに横綱を狙い続けている。 弟である典馬の実力を評価しており、もっと上を目指せる力士である事を確信している。「大相撲編」では刃皇との取り組みで右膝を負傷した事をきっかけに現役を引退し、年寄名「大友」を襲名している。しかし刃皇が引退を宣言したあと、大和国と共に国宝世代の力士達に対し、育成合宿のコーチを務めた。

鈴ヶ嶽 孝晴 (すずがたけ たかはる)

大景勝が所属している相撲部屋の親方を務める壮年男性。身長185センチ、現役時代の体重167キロ。年齢は51歳で既婚。現役時代の四股名は「巌嵐孝晴」、本名は「浅井孝晴」。元大関で、現役時代は「薫山」(現在の柴木山親方)を苦手としていた。甘い物が好物。大景勝の弟である日景典馬とも親しくしているが、典馬が大景勝を軽んじる発言をした時には靴で頭を叩き、叱責している。

長門親方 (ながとおやかた)

元横綱「駿勇」。駿海が育てた力士の一人で、駿海から誘いを受け、長門部屋を立ち上げる事になった。入門した力士達の特性などもよく観察しており、より多くの立ち会いを求める辻桐仁(関取・鬼切安綱)には「勝負に餓えたほうが技が研ぎ澄まされる」として、1日1回の取り組みのみを許可した。

大和号 (やまとごう)

大和国部屋に所属する青年力士。中学卒業と共に角界入りを果たしているため高校生時代は登場していなかったが、潮火ノ丸達と同世代。久世草介(大関・草薙)に次ぐ、大和国部屋の期待の星とも呼び声が高い。肌の色が浅黒く、角界一と言われるぶちかましを誇っている。

蜻蛉切 (とんぼきり)

大和号、御手杵と共に天下三名槍と呼ばれている、ハーフの青年力士。中学卒業と共に角界入りを果たしているため高校生時代は登場していなかったが、潮火ノ丸達と同世代。日本人力士と欧州系力士の長所を併せ持っており、豪腕正統派といわれている。

御手杵 (おてぎね)

大和号、蜻蛉切と共に天下三名槍と呼ばれている青年力士。中学卒業と共に角界入りを果たしているため高校生時代は登場していなかったが、潮火ノ丸達と同世代。懐の深さと柔軟性で相手を飲み込む、長身の技巧派といわれている。冴ノ山紀洋はこの御手杵を、相撲相手として苦手としている様子がある。

蟹江 哲治 (かにえ てつはる)

蟹江診療所を営む男性。年齢は59歳。柴木山親方が現役時代から通っている整形外科医で、スポーツ医学に精通している。名医で知られているが、現在はセミリタイア状態のため得意客のみをしてに診察、治療を行っている。無駄な事はしたくないという考えの持ち主で、診療所の外観を修繕しないのは、修繕せずとも客が来るためするだけ無駄と判断しているため。

久世 美和子 (くぜ みわこ)

久世草介の母親で大和国の妻。年齢は39歳。大和国部屋でおかみさんとして頑張っているが、天然ボケで結婚指輪を三度紛失している。もともと歌手として活動しており、大和国とは共通の知り合いの紹介で知り合った。取り組みを見るのは怖いという理由から基本的には結果だけを聞きたがるタイプだが、IH決勝の草介と潮火ノ丸との対戦は意を決して直接見守った。

潮 恵子 (うしお けいこ)

潮火ノ丸の母親で、享年34歳の故人。夫とは駆け落ち同然で実家を飛び出しており、あちこちを転々とした結果、火ノ丸にどこの地方とは言えない不思議な方言が身についた。料理、勉強が苦手で、学生時代の素行は悪かったとされる。おしゃべりが大好きで、よく笑っていた。

星野 光 (ほしの ひかり)

柴木山部屋に所属する15歳の少年力士。身長171センチ、体重114キロ。相撲以外の特技・趣味は漫画を読む事。中学生時代はIH直後の大太刀高校に出稽古に訪れており、堀千鶴子とも顔見知り。潮火ノ丸を慕って同部屋に中卒で入門した。西序ノ口十四枚目として励んでいるが、ホームシック気味。

集団・組織

ユーマ軍団 (ゆーまぐんだん)

五條佑真の取り巻きの幹部達三人の総称。モヒカン頭は「西郷」、長めにひげを生やしているのは「舟木」、金髪は「橋」という名前がある。全員が大太刀高校の3年生で、入学初日に佑真にケンカを売ってボコボコにされた事から取り巻きとなった。三人だと強気になるが、一人になると各自おとなしい。また、石神高校の生徒にケンカを売る度胸は持ち合わせていない。 いつまで経っても五條礼奈が名前を覚えてくれない事、卒業後の進路と卒業の可否を悩んでいる。

天下三名槍 (てんがさんめいそう)

大和号、蜻蛉切、御手杵の三名を表す総称。高校相撲が国宝達の話題で盛り上がっている裏で、中学卒業と同時に角界入りしていた青年達。潮火ノ丸や天王寺獅童達よりも早く大相撲で揉まれた結果、国宝にも比肩する逸材と発覚した事から「叩き上げの刃」という意味を込めて、宝槍「天下三名槍」と総称されている。 しかし大和号は蜻蛉切、御手杵を嫌っており、この総称を迷惑と考えている。

場所

大太刀高校 (おおたちこうこう)

潮火ノ丸や小関信也達が在籍している、千葉県の高校。火ノ丸が入学するまで相撲部の所属は信也一人で、道場は五條佑真がユーマ軍団ら取り巻き達と荒らした状態で独占していた。しかし火ノ丸が入学、入部してからは佑真も相撲部に入部して、石神高校相撲部に出稽古を行うなどして実力をつけた。最終的に國崎千比路、三ツ橋蛍、辻桐仁らが入部し、IH後からは星野光など中学生が出稽古に来たり、中学相撲で有力な力士が入学するなど相撲の強豪校になった。

石神高校 (いしがみこうこう)

前年度の千葉県予選優勝校。沙田美月や金盛剛達が所属している高校。千葉県内でも治安の悪さがトップクラスと言われており、外壁や校舎など、至る所に落書きが見られる事からも柄の悪さが窺える。しかし、真田勇気が起こしたといわれている血煙の一夜という噂から、相撲部および相撲部への来客に対してはどの生徒も控えめな態度で接している。

西上高校 (にしがみこうこう)

小関信也がかねてより出稽古に行っていた千葉県の高校。相撲部は弱小だが部員は全員穏やかな人柄で、信也とはうまく付き合っていた。石神高校と発音が似ている事から、潮火ノ丸は西上高校には行かず、相撲部強豪校の石神高校に行ってしまった。

栄華大附属高校 (えいがだいふぞくこうこう)

埼玉にある、関東1位常連の相撲部強豪校。昨年のIH団体戦準優勝校でもある。久世草介らが所属している高校。相撲部の選手層が厚く、三軍まである。

金沢北高校 (かなざわきたこうこう)

石川県にある、昨年のIHで団体戦3位の実力校。日景典馬らが所属している。当初、相沢亮達は典馬のひねくれた態度に業を煮やしていたが、典馬が兄である大景勝と百番勝負を取って相撲に対する姿勢を改めてからは円満な関係を築けるようになった。

鳥取白楼高校 (とっとりはくろうこうこう)

天王寺獅童、バトムンフ・バトバヤルが所属しており、モンゴルからの留学生も積極的に受け入れている事で知られる高校。相撲部の選手層が厚い事でも有名。また獅童はチームとしてのカラフルさを自負しており、合気道やモンゴル相撲など多彩な技術を持った選手が揃っているため、大太刀高校の完全上位互換ともいわれている。刃皇の母校でもある。

伸心館 (しんしんかん)

高荷師範が道場主を務めている空手道場。かつてグレる前の五條佑真が通っていたが、稽古の厳しさなどから一度は通うのをやめていた。しかし辻桐仁の勧めもあり、相撲に空手の突きを活かすため、再度入門した。当初佑真は再入門を拒否されていたが、小関信也に対する謝罪の思いを空手を取り入れた相撲で伝えたいという必死の言葉に、再入門を許されている。

柴木山部屋 (しばきやまべや)

柴木山親方が取り仕切っている相撲部屋。冴ノ山紀洋が所属しており、「大相撲編」からは潮火ノ丸、バトムンフ・バトバヤルも所属している。ほかの相撲部屋に比べ、トレーニング器具が少し少ないが、荒稽古で知られている。

蟹江診療所 (かにえしんりょうじょ)

蟹江哲治が営んでいる診療所。外観は廃墟にしか見えないほどボロボロで看板も文字が掠れて読めないくらいだが、中に入ると高価な最新の医療器具が揃っており、決して経営が困窮しているわけではない事が窺える。

長門部屋 (ながとべや)

長門親方が取り仕切っている相撲部屋。すでに協会を去った身である駿海が、IHで目にした若い学生力士達をプロ力士にするべく長門親方と組んで立ち上げた。天王寺獅童、辻桐仁が所属している。

イベント・出来事

血煙の一夜 (ちけむりのいちや)

石神高校でまことしやかに囁かれている、真田勇気に関する伝説。当時の相撲部が石神高校の主流派不良グループに目をつけられて持ち上がった「相撲部襲撃計画」に、異を唱えた一匹狼の勇気が100人の不良を相手に一人で挑み、全員を半殺しにしたというもの。その結果相撲部とのあいだに絆が生まれ、真田が入部し、以降丸くなったといわれている。 しかし相撲部の道場が燃やされそうになったのは事実だが、勇気が不良だった事は一度もなく、100人の不良を相手にしたわけでもない事が金盛剛の回想で明らかになっている。

IH (いんたーはい)

全国規模で行われる、種目別の学校対抗戦。千葉県予選では団体戦で大太刀高校と石神高校が死闘を演じ、大太刀高校が国技館で行われる本戦へと駒を進め、潮火ノ丸の腕の故障や治療を経つつも優勝へと猛進した。個人戦では潮火ノ丸が本戦へ進んでいるが、本戦個人戦決勝トーナメント1回戦で天王寺獅童と対戦し敗退している。

その他キーワード

キラー・インスティンクト (きらーいんすてぃんくと)

IHの千葉県予選で沙田美月が見せた才能の名称。直訳すると「殺し屋の才能」。相手がもっとも嫌がるポイントを本能的に察知し、攻める事ができる能力。ジャンルを問わず一流のアスリートが持つとされている、勝者の資格ともいわれる才能。

春の全国大会地区予選 (はるのぜんこくたいかいちくよせん)

大太刀高校相撲部が潮火ノ丸、小関信也、五條佑真の三人となって初めて出場した大会。当初は弱小相撲部として侮られていたが、全員が初戦勝利、さらに火ノ丸が沙田美月を破った事で注目を集めた。また久世草介はこの大会で火ノ丸に、力士としての闘争本能に火をつけられている。しかし信也が真田勇気に、佑真が金盛剛に敗北した事によって予選で敗退した。

関東新人大会 (かんとうしんじんたいかい)

今年相撲部に入部した者全員が、参加資格を持つ大会。文化祭を機に大太刀高校相撲部に入部した國崎千比路、三ツ橋蛍と、潮火ノ丸、五條佑真が出場した。また狩谷俊の計らいで、久世草介が初めて高校生力士として土俵を踏み、ほかの学生力士達を圧倒した。

変化 (へんか)

立ち会い時に相手の攻撃を見て、右または左に体をかわす事を指す相撲用語。ルール違反ではないが、力と技による真っ向勝負を醍醐味とする観客には嫌われている行為。体格、技共に未熟な三ツ橋蛍はチームを勝利に導くため、真っ向勝負ではなく変化の技術を磨いた。

付出 (つけだし)

全日本選手権で抜群の成績を残した力士が、プロ入りする際に優遇される制度。全日本で優勝して「幕下付出」「三段目付出」になると、通常は「前相撲」からデビューするところを幕下、または三段目の番付からデビューする事ができる。またこの付出の資格を有するアマチュア力士の場合、本来プロ入りには身長167センチ以上でなければならない身長制限があるところ、身長などの体格は不問となる。

国宝 (こくほう)

未来の横綱候補を指す言葉で、国宝級の日本刀の名が付けられる。ただし「日本人の」横綱候補に冠される言葉であって、モンゴルなどの海外出身力士は国宝と呼ばれる事はない。

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