概要・あらすじ
高校生の塚地肇は、学校の後輩でもある小林みきに告白され、生まれて初めて交際を始める。しかしデートの前日、仕事から帰宅したばかりの父親から、明日は国技館に相撲を見に行けと言われてしまう。あまりにも唐突な話に事情を聞いてみると、肇の祖父が倒れたため両親は見舞いに行かねばならず、以前から楽しみにしていた相撲を見に行けなくなってしまったのだという。
チケットを無駄にしないためにも、肇が相撲を観戦して両親の分まで楽しんで来て欲しいと頼まれる。こうして肇はみきとのデートを約束したまま、半ば無理矢理に相撲の世界に足を踏み入れることになるのだった。
登場人物・キャラクター
塚地 肇 (つかじ はじめ)
高校3年生の少年。地味な外見で目つきが悪いことにコンプレックスを抱いている。1週間前に髪を茶髪にしてパーマをかけたばかり。彼女いない歴は18年と1か月。しかし、同じ学校の後輩である小林みきに突然告白されたことで、念願の彼女ができる。将来の夢は、みきと同じ大学に進学して楽しいキャンパスライフを送ること。肇の父親、肇の母親ともに相撲の大ファンで、将来は相撲取りにしたいという父親の強い希望により、幼い頃から人並み以上の量の食事を食べさせられていた。 両親には相撲の裏方の呼出しの仕事に就かせたいと望まれているが、塚地肇本人にはその意思はまったくない。
小林 みき (こばやし みき)
高校1年生の少女。茶髪のボブヘアで、小柄な体型をしており、私服はフリルの付いた女の子らしい可愛い服装を好んで着ている。素直で明るい性格をしているが、約束や時間には厳しく、時間にルーズなことを嫌う。将来の夢は肇と同じ大学に進学して、一緒にキャンパスライフを送ること。好物は甘い物。
ミサキ
カメラマンの女性。背が高く、サラサラした長いストレートの黒髪をしている。シャツの上から白いジャケットを羽織り、スラックスを穿き、カメラを常に首からぶら下げている。幼い頃は力士になりたくて、祖母と一緒によく相撲ごっこをして遊んでいた。しかし、成長するにつれて女性は力士になれないどころか、土俵に上がることさえも禁止されていることを知り、力士の夢を諦めることになった。 いまは少しでも相撲に携わった仕事がしたいという強い熱意から、相撲の取組や国技館の近辺を撮影するカメラマンをしている。
肇の父親 (はじめのちちおや)
塚地肇の父親。黒くて四角いフレームの眼鏡をかけ、黒髪をオールバックにしている。会社への出勤時はスーツを着ているが、普段はポロシャツなどを好んで着ている。肇の母親とともに重度の相撲狂で、家の中には至るところにこれまでに収集した相撲グッズが飾られている。息子の肇が幼少の頃は力士にさせたいと考えていたが、現在では呼出しにしたいと考えており、普段から肇に相撲の素晴らしさを話し聞かせている。
肇の母親 (はじめのははおや)
塚地肇の母親。ショートカットの前髪を左に流していて、長袖のセーターとロングスカートを着用している。肇の父親とともに重度の相撲狂で、家の中には至るところにこれまでに収集した相撲グッズが飾られていて、相撲の軍配模様の食器が特にお気に入り。普段から肇に相撲の素晴らしさを話して聞かせてはいるが、夫と違って肇の将来を制限するほど妄信的ではなく、将来は肇自身が本当に望んでいる道に進んで欲しいと願っている。
仁弥 (じんや)
三段目格の呼出しの男性。茶色の短い髪をワックスで無造作にセットしている。呼び上げが上手くて人気があり、そのルックスの良さから、特に女性ファンが多い。中には呼び上げ中に黄色い声援を上げるような熱狂的なファンもいる。
一ノ谷 (いちのたに)
天狗岳部屋所属の力士。つり目で目が細く、普段は眼鏡をかけている。相撲界でも人気のある力士の1人で、塚地肇の両親も一ノ谷の大ファン。激しい相撲スタイルとは対照的に性格は温和で、困っている人を放っておけない心優しい一面を持つ。得意の決まり手はすくい投げ。
その他キーワード
呼出し
財団法人日本相撲協会に所属する、相撲の取組の進行を司る者。服装は名入り着物に裁着袴という粋でいなせな格好をしているが、力士の名前を呼び上げたり、力士にタオルを手渡したりと、地味な裏方の仕事が基本となっている。しかし、相撲の取組を間近で見られるという醍醐味を味わうことができる。取組に臨む力士のそばでテレビ中継に顔が映ることも多いため、呼び上げが上手かったり、見た目が良い呼出しにはファンが付くことも少なくない。 中には出待ちをされたり、誕生日やバレンタイン・デーにはプレゼントをもらったりする、アイドルのような人気を誇る呼出しもいる。
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