爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!

爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!

こしたてつひろの代表作『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の系譜を汲む作品。前作から15年後、大人になってミニ四駆レーサーを引退したあとの星馬豪ら「TRFビクトリーズ」の姿と、豪の息子を名乗る翼との交流、そして前作では明かされなかった新たな敵レーサーと豪達のあいだに巻き起こった過去の事件を描いた作品。「コロコロアニキ」2014年第1号から連載の作品。

正式名称
爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!
ふりがな
ばくそうきょうだいれっつえんどごー
作者
ジャンル
ラジコン・ミニ四駆
レーベル
コロコロコミックス(小学館)
巻数
既刊5巻
関連商品
Amazon 楽天 小学館eコミックストア

世界観

本作『爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!』は、前作『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』終了から15年後の世界をベースとしている。しかし回想として『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』当時の年齢のエピソードが綴られる事も多く、また、コミックス第2巻4話目からはキャラクター達の中学生時代のエピソードに切り替わっている。ちなみに、かつて『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』関連商品で発表されたキャラクタープロフィールとは家族構成や年齢設定などに差異が見られる部分がある。作中では登場人物はミニ四駆と併走しながらレースに参加するスタイルをとっている。

作品構成

物語は2部構成となっている。コミックス第1巻から第2巻3話目までは成人した星馬豪達の回想を交えながら現在の活躍を描き、豪を父親と慕う少年のにかつての活躍とミニ四駆の楽しさを教えていく「第1部」、第2巻4話目からは豪達の中学生時代に起こった事件を描いた「中学生編」となっている。

あらすじ

第1部(第1巻~第2巻)

F1レーサーとして連敗を喫し、行き詰まって荒んだ生活を送っていた星馬豪のもとへ、豪を父親と慕う少年のがやって来た。当初は翼を自分の息子とは認めず、厄介者として扱っていた豪だったが、翼がミニ四駆レースをする姿を目にし、その走法などから自分の息子であるという確信を得る。父親として翼の面倒を見始めた豪は、かつての仲間である三国藤吉J鷹羽リョウらに再会していく中で、翼にかつての自分達の活躍を話して聞かせる。

第2部 中学生編(第2巻)

中学生になった星馬豪は、ミニ四駆を卒業して青春を謳歌していた。三国チイコへの50回目の告白も玉砕に終わり、むしゃくしゃしている豪の目に飛び込んで来たのは、行きずりの青年達にカツアゲされている大神陽人の姿だった。憂さ晴らしも兼ねて陽人を助けた豪は、陽人が因縁の相手である大神博士の息子と知って驚愕する。しかし陽人が持つミニ四駆の技術に惚れ込み、土屋博士とチイコからの勧めもあってミニ四駆全国大会中学生部門へのエントリーを決める。

関連作品

本作『爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!』は、二人の主人公、星馬豪星馬烈が仲間達と共にライバルと戦い、やがて世界を相手にミニ四駆レースを繰り広げる『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』系譜を汲む作品。また『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の直接の続編として、本作にも登場すると「駿」(本編未登場)を主人公とした『レッツ&ゴー!!翼ネクストレーサーズ伝』が発行されている。

登場人物・キャラクター

星馬 豪 (せいば ごう)

星馬烈の弟であり、翼の父親と目されるF1レーサーの男性。かつて「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」で烈、三国藤吉、J、鷹羽リョウと共にTRFビクトリーズとしてチャンピオンになったミニ四駆レーサーでもある。小学生時代は額にゴーグルをつけていた。F2レースでは10連勝の末にチャンピオンに輝き、F1デビューを果たしたが、成績が振るわず荒れた生活を送っていた。 そんな中、翼が「豪に一番似ている」という理由で、翼の母から預けられた。当初は翼を自分の息子とは思わず、厄介者として扱っていたが、ミニ四駆に対する姿勢やレースの走法が自分とそっくりな様子を見て、本当に自分の息子であるという確信を得て、以降は父親として面倒を見ながら昔の事をよく話している。 ミニ四駆の作成や改造は、基本的にパーツを自作している。またアイドルユニットのココナッツ少女のファンで、新屋マネージャーから、ココナッツ少女のコンサートチケットと楽屋挨拶権を条件に、芸能界引退を希望するJの引退を賭けたレースで代走した。「中学生編」では中学2年生。 レース時には小学生の頃と同じく額にゴーグルをつけている。三国チイコに好意を抱いており、50回告白して、そのすべてで玉砕している。大神陽人がカツアゲされているところを助けた事から、彼と親しくなった。ミニ四駆は卒業していたが、土屋博士とチイコからの勧めもあり、陽人と組んでミニ四駆全国大会の中学生部門へのエントリーを決める。 愛機は「サイクロンマグナム」や「ビートマグナム」などで、いずれも「マグナム」と略して呼ぶ事がある。翼からは「父ちゃん」、鷹羽二郎丸からは「ウンコやろー」と呼ばれている。

(つばさ)

星馬豪を父親と慕っている少年。翼の母が海外での仕事に出掛けたため、豪のもとに預けられた。星馬烈からは、一目見て「そっくりだ。豪の息子以外の何者でもない」と言われている。父親に会いたがっており、豪と対面した時にはまっすぐに抱きつこうとしたが、その時点では厄介者として扱われており、家から放り出されたが、豪が施錠を忘れていたためあっさりと中に入っている。 ミニ四駆レーサーで、当初は母親に買ってもらって自力改造を施した「ウイングマグナム」を愛機としていた。しかし佐上模型店でロニー・チャップマンの息子と対戦した際に、思い描くレース展開ができず苦戦していたところ、意向を汲んだ豪によってパーツの追加が行われ、「Zウイングマグナム」となった。 以降は豪の息子として同居し、行動を共にしつつかつてのレースの話などを聞きたがっている。またアイドルユニットのココナッツ少女のファンで、芸能界引退を希望するJの引退を賭けたレースで代走を引き受けた豪を熱く応援した。

星馬 烈 (せいば れつ)

宇宙工学で活躍している男性。星馬豪の兄。かつて「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」で豪、三国藤吉、J、鷹羽リョウと共にTRFビクトリーズとしてチャンピオンになったミニ四駆レーサーでもあり、チームリーダーを務めていた。小学生時代はキャップ帽を後ろ向きに被っていた。土屋博士の推薦で進学を機に海外に留学したため、豪と藤吉スペシャルサーキットで行ったレースを最後にミニ四駆レーサーを引退したとされている。 ミニ四駆レーサーとしては、豪を「唯一嫉妬するレーサー」と評価している。惑星探査機ブラストソニックの開発者で、探査機との交信が途絶えてプロジェクトの中止を迫られた際には呆然となっていた。「中学生編」では中学3年生で、豪と同じ中学に通っている。 三国チイコからは小学生時代から露骨な好意を寄せられており、「烈さま」と呼ばれている。愛機は「ハリケーンソニック」や「ブラストソニック」などで、いずれも「ソニック」と略して呼ぶ事がある。

三国 藤吉 (みくに とうきち)

三国建設の社長を務める男性。三国チイコの兄。極度の肥満体で、普段の移動には電動車椅子を使用し、つねに蝶ネクタイを身につけている。かつて「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」で星馬豪、星馬烈、J、鷹羽リョウと共にTRFビクトリーズとしてチャンピオンになったミニ四駆レーサーでもある。 小学生時代は背が低く痩せており、身軽で、この頃から執事の彦左がつねに傍に仕えている。実家が大金持ちである事から、自家用輸送機や巨大サーキット、ピット機能を持つトレーラーなどを個人で所有している。烈がミニ四駆引退を決意した際には、豪との最後の勝負の場として藤吉スペシャルサーキットを提供している。佐上ジュンが初恋の相手で、大人になってから初恋の気持ちを思い出し、突然プロポーズした。 またその際、同じくジュンに好意を抱いているたかしと、どちらがジュンと結婚するかを賭けてレースしたが、その頃にはミニ四駆に対する情熱や知識のほとんど忘れていた。結果としてジュンとの結婚は諦めたが、レースした事によってミニ四駆への情熱や自力で頑張る気持ちを思い出し、電動車椅子の使用をやめている。 またアイドルユニットのココナッツ少女のファンで、芸能界引退を希望するJの引退を賭けたレースで代走を引き受けた豪を熱く応援した。「中学生編」では中学2年生。豪達と同じ中学に通っており、この頃にはすでに肥満体だった。また豪がチイコに告白し続けている事に対しては、心中穏やかでない様子が窺える。 彦左からは「坊ちゃま」、たかしからは「社長」と呼ばれている。愛機は「スピンバイパー」、「スピンアックス」など、必ず「スピン」の名を冠している。

J (じぇい)

ハーフタレントとして活躍している男性。金髪で肌が黒く、押しに弱い優しい性格の持ち主。かつて「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」で星馬豪、星馬烈、三国藤吉、鷹羽リョウと共にTRFビクトリーズとしてチャンピオンになったミニ四駆レーサーでもある。新屋マネージャーから強引なスカウトを受け、押し切られる形でタレント活動を始めた。 本来は土屋博士のミニ四駆研究を手伝っており、土屋研究所にも足繁く通っていたが、研究所にも顔を出せないほどタレントとしての仕事が多忙を極め始めた事から、芸能界の引退を望んでいた。その意向を知った新屋マネージャーによって、アイドルユニットのココナッツ少女のコンサートチケットと楽屋挨拶権で買収された豪と引退を賭けたレースをする事になった。 「中学生編」では中学3年生で、豪達と同じ中学に通っている。過去の出来事から大神博士を非常に恐れており、名前を聞いただけでも震え上がってしまう。愛機は「プロトセイバーEVO.」。

鷹羽 リョウ (たかば りょう)

トラック運転手を務めている男性。鷹羽二郎丸の兄。顎ひげがあり、額にねじったバンダナを巻き、腰まである長い髪をうなじで一つにまとめている。かつて「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」で星馬豪、星馬烈、三国藤吉、Jと共にTRFビクトリーズとしてチャンピオンになったミニ四駆レーサーでもある。 小学生時代は顎ひげがなかっただけで、服装などはほぼそのままとなっている。道路に飛び出した翼の愛機、Zウイングマグナムを避けるために、わざと運転中のトラックを横転させるなど、大人になってからもミニ四駆への愛情は持ち続けている。小学生時代、離れて暮らす母親に会いたがる二郎丸に対して、母親との再会を頑なに拒んでいたため、豪達からは「母親を恨んでいるのでは」と考えられていたが、実際は距離感の近い母親を苦手としているだけだった。 二郎丸からは「あんちゃん」と呼ばれている。愛機は「トライダガーX」や「ネオトライダガーZMC」などで、一部の例外を除き「トライダガー」と略して呼ぶ事がある。

鷹羽 二郎丸 (たかば じろうまる)

鷹羽リョウの弟。トラック運転手を務めるリョウの手伝いをしている。額にねじったバンダナを巻き、腰まである長い髪をうなじで一つにまとめている。ミニ四駆レーサーでもあり、かつて「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」ではTRFビクトリーズのサポーターとして活動していた。小学生時代は背が低く、服装などはほぼそのままとなっている。

佐上 ジュン (さがみ じゅん)

佐上店長の一人娘。星馬豪達の幼なじみの女性。佐上模型店で子供達にミニ四駆のパーツ販売をすると共に、セッティングの相談なども受け付けている。三国藤吉、たかしから好意を寄せられており、結婚を賭けてレースされたが、結局二人が共に、ジュンとの結婚はお互いにレースで完勝してからという結論に達したため、結婚には至っていない。 「中学生編」では中学2年生。豪達と同じ中学に通っており、豪が三国チイコに50回告白し、そのすべてで玉砕しているのを面白がっている。

三国 チイコ (みくに ちいこ)

中学1年生の少女。三国藤吉の妹。白いツーピースに切り揃えられた長い黒髪、リボンのカチューシャを身につけている。小学生時代は背も低く、たらこ唇だったが、中学になってからすっきりとした顔立ちになり、胸も大きくなった。小学生の頃から星馬烈に好意を寄せているが、中学になって星馬豪から度重なる告白を受けるようになり、すべて断っている。

クラッシャージロー

星馬豪達が小学生の頃に遭遇したミニ四駆レーサー。デスエンジェルズのリーダーを務めており、指先に各種工具が付いた特殊なグローブを両手に装着している。レースでクラッシャージローが走ると、すべてのマシンが破壊されるという噂が立っており、史上最悪のレーサーといわれている。改造技術に秀でており、相手のマシンを破壊して改造するのを趣味にしている。 また修繕技術にも長けているため、どんなに破壊されたミニ四駆でも元通りにする事ができる。スリルに興奮する性癖があるため、より危険なレースを望んでいる。しかしあくまで本人に悪気はなく、自分なりにミニ四駆を楽しんでいるだけ。ただミニ四駆に対する愛情を自覚しておらず、豪、烈とのレースを通じて、ミニ四駆を大切に思う気持ちを理解する事ができた。 レイスティンガー、ビークスパイダー、ブロッケンGを改造して一つのミニ四駆、ビークスティンガーGにし、豪、星馬烈にレースを挑んだ。

土方 レイ (ひじかた れい)

星馬豪達が小学生の頃のライバル。大神学園の特待生。制服の白い学ランを身につけており、切り揃えられた長い黒髪、中性的な面立ちの少年。デスエンジェルズに襲われて愛機「レイスティンガー」を破壊された。その後、デスエンジェルズの車に立てられた十字架に磔にされた。

沖田 カイ (おきた かい)

星馬豪達の小学生の頃からのライバル。大神学園の特待生。制服の白い学ランを身につけており、背が低い少年。デスエンジェルズに襲われて愛機「ビークスパイダー」を破壊された。その後、デスエンジェルズの車に立てられた十字架に磔にされた。

近藤 ゲン (こんどう げん)

星馬豪達が小学生の頃のライバル。大神学園の特待生。制服の白い学ランを身につけており、大柄で甘党の少年。デスエンジェルズに襲われて愛機「ブロッケンG」を破壊された。その後、デスエンジェルズの車に立てられた十字架に磔にされた。

大神 陽人 (おおがみ はると)

星馬豪達が中学生の時に出会った少年。大神博士の一人息子。ボサボサの髪で丸く大きなメガネをかけており、背が低い。ミニ四駆のセッティングツールなどはすべて所持しているが、豪と出会うまでミニ四駆を所持していなかった。ボケてしまった大神博士を一人で世話している。行きずりの青年達にカツアゲに遭っているところを豪に助けられ、大神陽人自身が大神博士の息子である事などを話したうえで自宅に招待した。 パソコン技術に優れており、豪と共にミニ四駆全国大会中学生部門のエントリーをするため「デュエルハイブリットGマグナム」を製作した。本来は礼儀正しく、自分に自信のない性格だったが、予選レースで豪がコースアウトしそうになったところを陽人が開発したシステムで救った事から、自信をつけて豪を見下すようになった。

ロニー・チャップマン (ろにーちゃっぷまん)

天才レーサーと呼ばれている男性。前年のチャンピオンでもある。星馬豪のライバル。コースの壁を利用した鋭角なV字ターンを得意としている。息子と共に佐上模型店を訪れ、翼と息子のレースを見届けた。人の名前をあまり覚えられないところがあるが、日本でのレースで豪に敗北し、豪の名前を覚えておく事を決めた。

たかし

三国建設の社員。佐上模型店に通う青年。幼い頃からミニ四駆を趣味にしており、子供の頃に買う事ができなかったパーツを大人買いするために佐上模型店に通っている。佐上ジュンに好意を寄せており、その気持ちを見抜いた三国藤吉からジュンとの結婚を賭けたレースを挑まれた。愛機は「シャイニングスコーピオン」。

ブレット・アスティア (ぶれっとあすてぃあ)

かつて開催された「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」でアメリカ代表チーム「NAアストロレンジャーズ」のリーダーを務めた少年。星馬烈が留学を前に藤吉スペシャルサーキットで行った星馬豪とのミニ四駆引退レースに、三国藤吉の招待を受けてギャラリーとして駆けつけた。

カルロ・セレーニ (かるろせれーに)

かつて開催された「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」でイタリア代表チーム「ロッソストラーダ」のリーダーを務めた少年。星馬烈が留学を前に藤吉スペシャルサーキットで行った星馬豪とのミニ四駆引退レースに、三国藤吉の招待を受けてギャラリーとして駆けつけた。

ミハエル・フリードリヒ・フォン・ヴァイツゼッカー (みはえるふりーどりひふぉんゔぁいつぜっかー)

かつて開催された「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」でドイツ代表チーム「アイゼンヴォルフ」のリーダーを務めた少年。星馬烈が留学を前に藤吉スペシャルサーキットで行った星馬豪とのミニ四駆引退レースに、三国藤吉の招待を受けてギャラリーとして駆けつけた。

ピコ・パルティア (ぴこぱるてぃあ)

かつて開催された「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」でジャマイカ代表チーム「アストロレンジャーズ」のリーダーを務めた少年。星馬烈が留学を前に藤吉スペシャルサーキットで行った星馬豪とのミニ四駆引退レースに、三国藤吉の招待を受けてギャラリーとして駆けつけた。

佐上店長 (さがみてんちょう)

佐上模型店の店長を務めている男性。佐上ジュンの父親。大柄な体格で、つねにオーバーオールを身につけている。星馬豪達を幼い頃から見守り続けており、豪達が遠出する場合は高確率で同行している。豪からは「佐上のおっちゃん」、ジュンからは「パパ」と呼ばれている。

土屋博士 (つちやはかせ)

土屋研究所の責任者を務める男性。ミニ四駆の研究を行っており、幼い頃、星馬豪達に新型ミニ四駆を与えて以降成長を見守り続けており、「ミニ四駆世界GP(グランプリ)」ではTRFビクトリーズの監督として豪達を率いた。かつて同じくミニ四駆の研究をしていた大神博士とはライバル関係にあった。豪達が中学生になってからは、ミニ四駆から離れてしまった彼らに寂しいものを感じていたが、豪が大神陽人と引き合わせた折に、ミニ四駆全国大会の中学生部門へのエントリーを勧めた。

大神博士 (おおがみはかせ)

大神陽人の父親。ミニ四駆の研究者で、かつての土屋博士のライバル。大神学園の学園長でもあり、ビークスパイダー、ブロッケンG、レイスティンガーを開発した人物でもある。星馬豪達が小学生の頃、幾度となく冷酷な手段で豪達のミニ四駆を破壊しようとした事がある。豪達が中学生になってから陽人を通じて再会したが、車椅子で生活しており、ボケてしまっている。 また土屋博士を模した人形の「ツチヤくん」をつねに抱いていないと、精神的に不安定になる様子がある。陽人からは「お父さん」と呼ばれている。

彦左 (ひこざ)

幼い頃から三国藤吉の執事を務めている男性。藤吉に命じられれば、自家用輸送機や巨大サーキット、ピット機能を持つトレーラーなど、要望通りのものを即座に用意する事ができる。ほとんどの場合「彦左」と呼ばれているが、時折藤吉から「じい」と呼ばれている。

新屋マネージャー (あらやまねーじゃー)

芸能プロダクションのマネージャーを務める女性。フォックスタイプの眼鏡をかけている。Jをスカウトし、純朴な性格のハーフタレントとして売り出している。Jが芸能界引退を希望している事を知って、星馬豪、翼、三国藤吉を買収して、芸能界引退を賭けたレースをさせた。

翼の母 (つばさのはは)

元レースクイーンをしていた女性。翼の母親。星馬豪とは一度だけ関係を持った事がある。これまで豪と翼を引き合わせた事はなかったが、海外での仕事が入った事と「豪に一番似ている」という理由で、翼を豪に一方的に預けた。

リョウと二郎丸の母 (りょうとじろうまるのはは)

フードトラックではるみ食堂を営んでいる女性。鷹羽リョウと鷹羽二郎丸の母親で、フードトラックで「移動食堂はるみ」を営んでいる女性。明るい性格で、子供達への距離感が非常に近い。幼いリョウと二郎丸を残して仕事に出掛け、3年間会っていなかったが、居場所を知らせるため手紙でのやりとりは続けていた。

集団・組織

デスエンジェルズ

クラッシャージローがリーダーを務めている集団。廃工場をホームグラウンドとしており、メンバー全員が攻撃的なファッションを身につけている。移動する際には改造車や改造バイクが用いられ、クラッシャージローが改造を始めると「デス!!デス!!」と一斉に歓声を上げる。

ココナッツ少女 (ここなっつしょうじょ)

星馬豪、翼、三国藤吉がファンとして応援しているアイドルユニット。幼い「ももリン」、少女らしい「れにリン」、クールビューティーな「かなリン」の三人で構成されている。コンサートチケットはプラチナチケットとなっている。

TRFビクトリーズ

かつてのミニ四駆世界GP(グランプリ)の日本代表チーム。土屋博士が監督、星馬烈がリーダーを務めており、星馬豪、三国藤吉、J、鷹羽リョウが所属していた。「TRF」は「Tsutiya Racing Factory」の頭文字。たかしや大神陽人など、ミニ四駆に関心のある人物のほとんどがその活躍を記憶している。

場所

佐上模型店 (さがみもけいてん)

佐上店長が営んでいる模型店。佐上ジュンの実家。店内はミニ四駆のパーツが所狭しと並べられており、大きなサーキットも常設されている。星馬豪達の小学生時代からのたまり場でもある。

藤吉スペシャルサーキット (とうきちすぺしゃるさーきっと)

三国藤吉が星馬烈のミニ四駆レーサー引退を知り、星馬豪と烈の最後のレースの場として提供したサーキット。古代遺跡をモチーフとしたコースとなっており、途中、コース両側を松明で照らし出した「炎の回廊」と呼ばれるセクションがある。この回廊で豪の愛機「ビートマグナム」がマグナムトルネードを繰り出した結果、炎が巻き上げられ、コースの一部が火事となった。

大神学園 (おおがみがくえん)

大神博士が学園長を務める学校。土方レイ、沖田カイ、近藤ゲンは特待生として在籍している。男子は白い学ランが制服となっている。

廃工場 (はいこうじょう)

デスエンジェルズが、ホームグラウンドとしている廃工場。通電はされており、プレス機や溶鉱炉が現役で稼働している。ミニ四駆のコースとして使用する際はベルトコンベアーの上を走行し、巨大な送風機の下に位置する出口までを走破する。

移動食堂はるみ (いどうしょくどうはるみ)

リョウと二郎丸の母が営んでいるフードトラック。さまざまな場所に移動して弁当の販売を行っており、鷹羽リョウと鷹羽二郎丸が会いに行った際には北海道にある工事現場で営業していた。フードトラック周辺にテーブルや椅子を設置し、その場で食べる事もできる。

土屋研究所 (つちやけんきゅうじょ)

土屋博士がミニ四駆の研究を行っている研究所。土屋博士以外にも数人の研究者が出入りしており、Jもその一人。しかし、ハーフタレントとして活動するようになってからは顔を出す事もできなくなり、J本人は気に病んでいた。

三国建設 (みくにけんせつ)

三国藤吉が社長を務めている建設会社。藤吉の父親が築いた「三国コンツェルン」に属する。建設工事現場ではたかしが作業員として働いている。

イベント・出来事

ミニ四駆全国大会 (みによんくぜんこくたいかい)

ミニ四駆の全国的な大会。中学生部門が設けられており、土屋博士が星馬豪にエントリーを勧めた。当初は出場を渋っていた豪だが、三国チイコから後押しされる形で、大神陽人とペアを組んでレースに出場する事を決める。

その他キーワード

Zウイングマグナム

翼の愛機のミニ四駆。もともとは「ウイングマグナム」という機体だったが、佐上模型店でロニー・チャップマンの息子とレースした際、星馬豪の改造を受け「Zウイングマグナム」となった。フロント部分に、豪がかつて使用していたF1マシンのリアウイングで作ったウイングパーツが付けられており、コースから飛び出したあとでも空中でコーナリングする事ができる。

惑星探査機ブラストソニック (わくせいたんさきぶらすとそにっく)

星馬烈がプロジェクトの発案、開発した惑星探査機。地球への帰還途中にバッテリー機能が停止、交信が途絶えた事からシステムダウンが危ぶまれたため、プロジェクトの中止を迫られていた。しかしスピン軸の回復と共に太陽電池パネルによる発電、リチウムイオン二次電池の作動により、地球への帰還軌道に乗っている。名前の由来は烈が留学直前に自作した最後の愛機、ブラストソニックからきている。

ブラストソニック

星馬烈がミニ四駆引退を決意した際、星馬豪との最後の勝負として行った藤吉スペシャルサーキットでのレース用に製作したミニ四駆。可変ボディシステムを用いており、後部ウイングだけでなくフロントパーツとリアパーツが空気の流れを制御し、コーナリングのドリフトをスムーズに走破する事ができる。「炎の回廊」で豪の使用する「ビートマグナム」がマグナムトルネードを行った際、旋風で巻き起こった炎でコース上が火事になり、パーツの端々が焼かれる事によって「Gブラストソニック」となった。

ビークスパイダー

大神博士が開発した、沖田カイの愛機のミニ四駆。黒いボディー全体に、白と青で蜘蛛の巣が描かれている。フロントサイドのパーツによって、走行速度が上がると空気でできた刃が生み出される。クラッシャージローによって破壊され、ブロッケンG、レイスティンガーと組み合わせたビークスティンガーGへと改造された。

ブロッケンG (ぶろっけんじー/ぶろっけんぎがんと)

大神博士が開発した、近藤ゲンの愛機のミニ四駆。赤いボディー全体に、牙や爪で突いたような傷を思わせる黒いペイントが施されている。非常に重量のある機体であり、前方を走る機体を押し潰すハンマーGクラッシュを使用する。クラッシャージローによって破壊され、ビークスパイダー、レイスティンガーと組み合わせたビークスティンガーGへと改造された。 正式には「ブロッケンG(ギガント)」という。

レイスティンガー

大神博士が開発した、土方レイの愛機のミニ四駆。流線型のボディで、白を基調に紫色のアクセントが入ったカラーリング。レイの所持している指輪から放たれる赤外線レーザーによって、追尾走行が可能となっている。またフロント中央から非常に堅い素材「ZMC」製の針が飛び出す仕組みになっており、前方を走る機体にわざと追突する事で駆動部を破壊する事ができる。 クラッシャージローによって破壊され、ビークスパイダー、ブロッケンGと組み合わせたビークスティンガーGへと改造された。

ビークスティンガーG

クラッシャージローによって破壊されたビークスパイダー、ブロッケンG、レイスティンガーが一つの機体として合体させられたミニ四駆。フロント部分はレイスティンガー、リア部分はビークスパイダー、前輪パーツやシャーシにブロッケンGを使用している。レイスティンガーの針や、ビークスパイダーの空気の刃も使用する事ができる。 さらに指輪から放たれる赤外線レーザーの追尾走行も可能で、この追尾走行を利用して高所からブロッケンGの必殺技であるハンマーGクラッシュを使用する事もできる。

サイクロンマグナム

星馬豪の愛機のミニ四駆。クラッシャージローとのレースの際に用いられた。高速道路上での走行時、ビークスティンガーGに破壊されかけたが、ハリケーンソニックに庇われている。その後、廃工場でハリケーンソニックと共に大破。ビークスティンガーGに勝利するため、ハリケーンソニックのパーツと組み合わせた1台のミニ四駆となってゴールした。

ハリケーンソニック

星馬烈の愛機のミニ四駆。クラッシャージローとのレースの際に用いられた。高速道路上での走行時、ビークスティンガーGに破壊されかけたサイクロンマグナムをかばって破損し、クラッシャージローによってボディ全体にスパイクのついた物に改造された。その後、廃工場でサイクロンマグナムと共に大破。ビークスティンガーGに勝利するため、サイクロンマグナムのパーツと組み合わせた1台のミニ四駆となってゴールした。

トライダガーX

鷹羽リョウの愛機のミニ四駆。リョウと二郎丸の母に会うため北海道へと連れて来られたリョウが、母親に会う事を嫌がり、会わない選択肢を賭けてレースした際に使用した。レース途中に遭遇した羆によって破損したが、リョウがドライバーで羆(ひぐま)を斬りつけた際に付着していた毛皮を、機体の傷に埋め込む事で「トライダガーWX」にパワーアップした。

スピンバイパー

三国藤吉の愛機であるミニ四駆。TRFビクトリーズ時代に活躍したミニ四駆で、佐上ジュンとの結婚を賭けてたかしとレースした際に最初に使用された。しかしミニ四駆への情熱を失って、基本的なセッティング方法も忘れていた藤吉が余計なパーツを付けすぎたため、本来の走りを発揮する事ができなかった。

スピンアックス

三国藤吉の愛機にして、藤吉の原点ともいえるミニ四駆。佐上ジュンとの結婚を賭け、たかしと再レースした際に使用された。本来のボディを極限まで薄く削り、まるでクリアボディのように透き通るほどの軽量化を施した事で、よりスムーズなコーナリングが可能な「スピンアックスゼロ」に生まれ変わった。

プロトセイバーEVO.

Jの愛機のミニ四駆。TRFビクトリーズ時代から継続して使用されており、つねに進化を続ける機体と称されている。芸能界引退を賭けた星馬豪とのレース中、ボディ全体が可変する改造を施した「プロトセイバーEVO.ステージ3」に、さらにレース中、プロトセイバーEVO.自身がリヤウイングの高低を変化させた「プロトセイバーEVO.ステージ4」へと進化した。

ミニ四駆 (みによんく)

主に後方にモーターを搭載した、動力付き四輪駆動車模型の総称。土屋博士などの研究者も存在し、ミニ四駆全国大会などの大規模な大会も行われている人気ホビー。三国藤吉の使用するスピンアックスや近藤ゲンの使用するブロッケンGは、モーターをフロント部分に搭載している。

ドルフィンシステム

Jの愛機、プロトセイバーEVO.に搭載されているシステム。風圧を受けたボディ表面部が自由に稼働する事で走行時にもっとも適したバランスを作り出す事ができる。さらに走行データを内蔵したデータチップに蓄積しており、コンピュータ制御を行っている。

マグナムトルネード

星馬豪の愛機、サイクロンマグナムをはじめとする「マグナム」全種が使用できる必殺技。コース上のジャンプ台や小石を利用して大きく跳ね上がり、回転しながら空中を進行する事でコースを大幅にショートカットする事ができる。

ハンマーGクラッシュ

近藤ゲンの愛機、ブロッケンGが使用する必殺技。対戦しているミニ四駆に追突、もしくはコース上の小石などを利用してブロッケンGのフロント部分を持ち上げ、対戦機体を押し潰す事ができる。

ベース

爆走兄弟レッツ&ゴー!! (ばくそうきょうだいれっつあんどごー)

主人公の星馬烈と星馬豪の兄弟が、ミニ四駆の研究者である土屋博士からマシンの提供を受け、数々のライバルと戦う様子を描く。第二次ミニ四駆ブームの火付け役となり、アニメや映画、ゲームなど様々なメディアミック... 関連ページ:爆走兄弟レッツ&ゴー!!

関連

爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX (ばくそうきょうだいれっつあんどごー まっくす)

主人公の一文字豪樹と一文字烈矢の兄弟が、所属するバトルレーサー養成施設ボルゾイスクールの方針に疑問を抱き、独立してスクール所属のレーサーたちと戦いを繰り広げる。 関連ページ:爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX

レッツ&ゴー!! 翼 ネクストレーサーズ伝 (れっつえんどごー つばさ ねくすとれーさーずでん)

こしたてつひろの代表作『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の系譜を汲む作品。ミニ四駆を愛する少年・星馬翼が、仲間達と力を合わせて成長し、共通の敵に立ち向かう。ミニ四駆を用いて行われるサーキットレース作品。実際... 関連ページ:レッツ&ゴー!! 翼 ネクストレーサーズ伝

書誌情報

爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!! 5巻 小学館〈コロコロコミックス〉

第1巻

(2016-03-15発行、 978-4091421449)

第2巻

(2017-07-12発行、 978-4091424280)

第3巻

(2018-06-12発行、 978-4091427489)

第4巻

(2019-05-10発行、 978-4091430250)

第5巻

(2020-08-07発行、 978-4091432155)

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