概要・あらすじ
女子高生の的場恵美は、旧華族で巨大企業グループを所有する的場家の1人娘。だが恵美にはもう1つ、レディース・月姫(アルテミス)の特攻隊長・狂犬メグという秘密の顔があった。黒叉悪隊(ブラックシャーク)総長の杵島鷹は、そんなメグに心惹かれていく。だがメグの本命は、東京多摩地方の暴走族を束ねる紅蓮會総会長・桃生河鳶生だった。
いっぽう鳶生と過去に因縁のある南雲克則は、町田の暴走族・元帥を率いて紅蓮會と大規模な抗争を繰り広げる。死闘の末に鳶生が南雲を倒し、過去にケリをつけた両者はそれぞれの暴走族の解散を宣言した。同時にメグは引退した鳶生と恋人同士になる。
そんな矢先、売春・麻薬組織・ベラドンナの暗躍が表面化。組織を率いる番匠屋兄弟は的場家の財産を狙い、メグ、鳶生、鷹らの周辺に魔の手を伸ばす。メグたち3人は新たに多摩暴走連盟を結成し、番匠屋兄弟の陰謀を打ち砕いた。この戦いで、鳶生は頭部に後遺症が残る重傷を負ってしまう。
だが世界的な空手家を目指す彼は医師の制止を無視し、メグに別れを告げてアメリカへ旅立った。メグは鷹と結ばれ、娘・絵梨沙をもうける。
登場人物・キャラクター
的場 恵美 (まとば めぐみ)
私立霞姫女学館高等部に通う名家のお嬢様。夜はレディース暴走族・月姫(アルテミス)の特攻隊長・狂犬メグとして、暴走や乱闘に明け暮れる。東京多摩地方のヤンキーから一目置かれる存在だが、暴走族のことは家族や学校には秘密。高校3年に進級する際に月姫初代総長の宗方流音がグループを抜け、メグが二代目総長を次いだ。 後に暴走族の一員であることが家族や学校に知られ、赤蘭高校に転校。中学生までは大人しい普通の女子生徒だったが、不良に襲われたところを流音に助けられたのがきっかけで暴走族に入った。
宗方 流音 (むなかた るね)
レディース暴走族・月姫(アルテミス)の初代総長。仇名はディアナ。「多摩最強の女」と呼ばれることも。メグより1学年上。祖父が空手道場を営んでおり、流音も黒帯を持つ実力者である。だが父親が家庭をかえりみず、中学1年の時に母親が病死したのをきっかけにグレた。 暴力団・鳳凰会の若頭補佐・信楽修二と相思相愛の仲。後に信楽が鳳凰会を抜けたことで、流音と結婚した。
杵島 鷹 (きしま よう)
暴走族・黒叉悪隊(ブラックシャーク)三代目総長。メグより1学年上で、大手商社・杵島物産社長の息子。家庭では放任されており、財力にモノを言わせて好き勝手に遊んでいる。私立高校からS大経済学部に進学した。父親には自分が杵島物産を継ぐと宣言している。桃生河鳶生とはメグを巡って三角関係にあるが、友情で結ばれている。
桃生河 鳶生 (ものうが とびお)
東京多摩地方最大の暴走族連合・紅蓮會の総会長。最強の男の証とされるペンダント・レジェンドEを受け継いでいる。メグより1学年上。暴走族・元帥の南雲克則と因縁の決着をつけた後、紅蓮會の解散を宣言して暴走族を抜けた。以後はプロの空手家を目指し、池袋の講瞠会舘総本部に入門。 間もなくそのマンハッタン道場に渡った。後に売春・麻薬組織・ベラドンナとの戦いで頭蓋骨骨折の重傷を負い、医者から空手を止められる。しかし鳶生は無視して再びアメリカへ旅立っていった。恋人だったメグとはこれを機に別れる。
番匠屋 鬱金 (ばんしょうや うこん)
売春・麻薬組織・ベラドンナのボス・ルシファーを名乗る。杵島鷹の父親が愛人に生ませた一卵性双生児の1人で、番匠屋銀司の兄。裏社会でのし上がり、闇の高級コールガールクラブを運営する。麻薬作用のあるバラを使ってクラブのVIP客を操っていた。だがメグらの多摩暴走連盟に組織を壊滅させられ、逃走。 その後何者かに頭を狙撃され、一命は取り留めたものの廃人状態となる。
番匠屋 銀司 (ばんしょうや ぎんじ)
売春・麻薬組織・ベラドンナの幹部。杵島鷹の父親が愛人に生ませた一卵性双生児の1人である。番匠屋鬱金の弟。銀司は死んだと偽り、飛鳥宝石店の息子・飛鳥一郎に成り済まして暮らしている。ベラドンナが壊滅した後は、自ら司法の裁きに身を委ねた。
堂門 正継 (どうもん ただつぐ)
暴走族・トマホークの総長で堂門重工社長の長男。ただし妾が生んだ子であり、自分の母親を冷遇する父親に反発してグレている。かつて桃生河鳶生の恋人だった百合子と弾みで寝てしまい、これを発端とする鳶生・正継の部下の争いが死傷事件に発展してしまう。この事件で弟・悠弥を亡くした松本妙美と交際するようになり、後に結婚。 一時はメグを好きになり、杵島鷹、桃生河鳶生と四角関係を繰り広げた。
須貝 希吏 (すがい きり)
桃生河鳶生が紅蓮會の前に率いていた暴走族・紅威のメンバーで、鳶生の弟分。堂門正継が鳶生の元恋人・百合子と寝た件を巡るいざこざで、正継の弟分・松本悠弥を死なせてしまう。14歳未満だったため刑事責任は問われず、保護観察中に的場家専属の植木屋の見習いとなる。 番匠屋兄弟は須貝希吏を操ってメグを殺させようとするが、鳶生らの説得で正気を取り戻した。
明神 祝子 (みょうじん のりこ)
メグが高校2年の時、私立霞姫女学館高等部の同じクラスに転校してきた。商魂ショップチェーン社長・明神福太郎の娘。大阪でレディース暴走族・愛染明王の総長をしていた。仇名はノン。東京でも桃生河鳶生から頼まれて紅蓮會愛染明王二代目総長を引き受けた。 暴走族・多摩不動明王総長の黄楊熊策とつき合っている。
香月 将貴 (こうづき まさたか)
町田の暴走族・元帥斬込隊長。あどけない美少年だが頭が切れ、凄惨な暴力にも躊躇がない。南雲克則の命令で紅蓮會幹部を次々と襲い、メグを拉致監禁した。父親は杵島物産顧問弁護士の香月義起。元帥解散後は父親の後を継いで弁護士になるべく、最難関の国立T大学法学部を目指す。 同時に父親の仕事で縁のある杵島鷹に接近、売春・麻薬組織・ベラドンナとの戦いではメグたちの味方になる。
南雲 克則 (なぐも かつのり)
町田の暴走族・元帥十代目総長。ボクシング選手。兄の死を巡る因縁からレジェンドEを受け継ぐ者を憎んでおり、桃生河鳶生を倒すべく暴走族に入った。だが死闘を経て鳶生と友情で結ばれるようになり、双方の暴走族を解散した後はメグたちの味方になる。
集団・組織
月姫 (あるてみす)
『特攻!アルテミス』に登場するレディース暴走族。初代メンバーは総長の宗方流音以下、乾沙織、清水真穂、笹目満希、水際結花、小鳥遊るみ。拠点は東京都小金井市。小鳥遊の兄で元暴走族の小鳥遊征一がマスターを務める喫茶店兼スナック・ミントタイムを根城にしている。 メグが高校3年に進級する際、初代メンバーが引退して代替わりした。平成巴御前がキャッチフレーズ。