[R-16]

[R-16]

神奈川県横浜市にある、不良だらけの地域に育った3人の少年。彼らがそれぞれの問題に苦悩しながらも成長していく姿を描いた青春ヤンキー漫画。「ヤングマガジンアッパーズ」2002年NO.14から2004年NO.9にかけて、「ヤングマガジン」2005年NO.14から2007年NO.46にかけて、それぞれ連載された作品。

正式名称
[R-16]
ふりがな
あーるじゅうろく
原作者
佐木 飛朗斗
漫画
ジャンル
不良・ヤンキー
関連商品
Amazon 楽天

世界観

神奈川県横浜市の不良だらけの地域で、最強の暴走族チームの総長に認められながらも「族入り」を拒み、あくまで普通の少年として生きようとする少年・鳴海純弥の中学校入学から高校1年生までの日々を描く。タイトルの『[R-16]』とは、舞台である神奈川県横浜市にある「国道16号」を意味しており、同時に「Restricted-16」つまり「16歳以上推奨」という意味も含んでいる。

あらすじ

鳴海純弥門倉真希央安斉輝男の3人は、仲の良い幼なじみ。横浜市立本牧中学校に進学した3人は、楽しい中学校生活を夢見るが、1学年年上の兄貴分・猪瀬英樹は、悪い噂の絶えない存在になっていた。さらにオランダ人クォーターである真希央の目立つ容姿は、不良たちから目をつけられる要因となり、3人は意図せず不良同士の抗争に巻き込まれていくことになる。

関連作品

小説『小説R-16 秋の16歳』

2013年12月、本作『[R-16]』の原作者である佐木飛朗斗自身の手よる小説版『小説R-16 秋の16歳』が発売された。これは『R-16』の本編完結後の出来事を描いており、鳴海純弥たちの物語の完結編ともいえる内容になっている。

漫画『R-16R』

本作『[R-16]』の続編として『[R-16R]』がある。こちらは本作に登場するキャラクターたちの子供世代の物語を描いた内容となっており、原作者は『R-16』と同様に佐木飛朗斗だが、漫画は東直輝が担当している。

登場人物・キャラクター

鳴海 純弥 (なるみ じゅんや)

横浜市立本牧中学校に通う1年生の男子。出身小学校は明神小学校で、高校は志曜館高校に進学する。前髪を目の上で切った銀色のウルフカットにしている。鳴海可南子は義理の妹で、鳴海静江は義理の母親。正義感が強く曲がったことを嫌う、明るく仲間想いな性格。期待に胸を膨らませ幼なじみの門倉真希央、安斉輝男とともに横浜市立本牧中学校に入学するが、兄貴分の猪瀬英樹は薬物中毒となり、友人の入矢由紀男は不良グループ「泥眼」に金銭をせびられ、お金を手に入れるために万引きを繰り返しているという、過酷な現実を知る。 さらに真希央が沢野善二との喧嘩以来、別人のように冷たく攻撃的な性格に変貌したことに悩むようになる。非常に喧嘩が強く、不良少年たちの間では有名人で、神奈川県最強の暴走族「爆麗党」総長の南雲道清からは、特別に認められバイク「ZⅡ」を譲り受けるほどの存在。 しかし、あえて暴走族には入らずに、自由な自分らしい生き方を模索していく。山咲千尋に憧れている。

門倉 真希央 (かどくら まきお)

鳴海純弥と安斉輝男の幼なじみで、横浜市立本牧中学校に通う1年生の男子。出身小学校は明神小学校で、高校は蓮之葉学園に進学する。「ペルそな銀行」の頭取の父親と、夢遊病に侵されている母親・門倉亜希子がいる。土橋からは「コゾー」呼ばわりされている。祖父がオランダ人というクォーターで、赤毛のリーゼントヘアに灰色の瞳をしている小柄な美少年。 その目立つ容姿から小学校時代は壮絶ないじめに遭っており、そのたびに純弥に助けられてきた。そのため純弥を慕いつつも、強いコンプレックスを抱いている。本牧中学校入学時まではかわいらしい雰囲気の気弱でおとなしい性格だったが、入学直後に沢野善二に目をつけられ、善二とのケンカに勝利したのを境に「他者を支配する側の強い生き物になりたい」という欲望に目覚め、別人のように冷たく攻撃的な性格に変貌してしまう。 またそれがきっかけで、不良たちの中でのし上がるため、神奈川県最強の暴走族「爆麗党」入りを目指し、純弥や輝男とは距離を置くようになる。しかし純弥の義妹である鳴海可南子とは親しく、交流を続けていく。

安斉 輝男 (あんざい てるお)

鳴海純弥と門倉真希央の幼なじみで、横浜市立本牧中学校に通う1年生の男子。在日韓国人で、本名は「アン・キジョン」だが、日本名の「安斉輝男」を名乗って暮らしており、あだ名は「テル」。出身小学校は明神小学校で、高校は一度民族学校に進学したものの、すぐに真希央と同じ蓮之葉学園に編入する。髪全体を上げたツンツンの刈り上げヘアをしており、鼻の頭にそばかすがある。 明るく親しみやすい性格だが、純弥や真希央と違って喧嘩には弱く、不良たちからの標的になりやすい。そのため「他者に支配される側の弱い生き物」である自分に悩んでいるが、自分なりの前向きな生き方を模索していく。母親からは本名の「アン・キジョン」を名乗って生活してほしいと望まれているが、輝男自身は日本人としての自分と「安斉輝男」の名に誇りを持っており、日本名のまま生活していこうと考えている。 純弥の義妹である鳴海可南子とは親しく密かに想いを寄せているが、あまり相手にされていない。テヒはいとこにあたる。

鳴海 可南子 (なるみ かなこ)

鳴海純弥の義理の妹で、門倉真希央、安斉輝男の友人の女子。純弥たちより1歳下で、横浜市立本牧中学校に進学する。前髪を目の上で切り、肩につくほどの長さのセミロングヘアにしている。明るく気丈な性格で、義理の父親に暴力を振るわれている母親の鳴海静枝を健気に支えている。義兄の純弥とは仲が良いが、血が繋がっていないこともあり、恋愛感情にも似た複雑な想いを抱いている。 しかし、あくまで義妹として、不良同士のいざこざに巻き込まれやすい純弥を案じている。真希央に密かに憧れており、純弥と輝男が真希央と疎遠になってしまってからも、交流を続けていく。

入矢 由紀男 (いりや ゆきお)

鳴海純弥の友人。出身小学校は明神小学校で、中学時代は純弥の前から姿を消していた。高校は学謳院大学高校に進学する。前髪を左寄りの位置で分け、左側は後ろに撫でつけ、右側は長く伸ばしておろした髪型をしている。上品な雰囲気の穏やかな性格の持ち主。大の音楽好きで、ギターとヴァイオリンを得意としている。しかし両親の離婚以来家計が厳しく、さらに無職の父親が悪質な消費者金融「愛川金融」に借金をしたことから家庭は極貧状態にあり、家計を支えるため万引きを繰り返している。 そこを不良グループ「泥眼」に目をつけられ、頻繁にCDショップで万引きをし、盗んだCDを中古屋に売ることで「泥眼」にお金を渡している。ある日、万引き現場を純弥に目撃される形で再会。音楽の話題を通じて交流を深めるが、そんな中突然夜逃げをして純弥の前から姿を消す。 その後、横浜市に戻り、自分を苦しめていたはずの「泥眼」に入る。さらに、門倉真希央の母親で夢遊病患者の門倉亜希子から、亜希子の元恋人のヴァイオリニストで故人の遠野稜一郎と勘違いされ、ヴァイオリンを弾く代わりに、亜希子から金銭的支援を受けるようになる。 夜逃げ前は、猪瀬英樹と島田ゆかりと同じ団地に住んでいた。

猪瀬 英樹 (いのせ ひでき)

鳴海純弥と門倉真希央と安斉輝男の幼なじみで、1歳年上の兄貴分。横浜市立本牧中学校に通う2年生の男子で、3年C組に進級する。夜逃げ前の入矢由紀男や、島田ゆかりとは同じ団地に住んでいる。特にゆかりには「英樹ちゃん」と呼ばれるほど親しく両想いだったが、英樹は城木美加と交際していた。純弥たち3人とは幼い頃から仲が良く、頻繁に家を行き来するほど親しかったが、その後不良校である善楽中学校の生徒とつながりを持ち、薬物中毒になってしまう。 薬物の売人からシンナーやトルエンを盗んでまで吸ってしまうほどに重症で、南雲道清に「薬物をやめたら爆麗党に来い」と誘われているにもかかわらず薬をやめられない状態になる。やがて幻覚を見るようになり、精神的に追い詰められていく。 ある日警察に車両移動を命じられた際、薬物の存在が明るみに出ると考えて逃走を図り、純弥の目の前でバイクで崖から落ちて亡くなった。

南雲 道清 (なぐも みちきよ)

神奈川県最強の暴走族「爆麗党」の第11代目総長を務める若い男性。前髪を上げて額を全開にしたリーゼントヘアにしている。以前に滑沢と対峙した際、滑沢の車と壁に身体を挟まれる形で両足を押しつぶされ砕かれてしまったため、現在は車いす生活を送っている。一見穏やかで落ち着いた雰囲気だが、その喧嘩の強さと、敵対した相手には絶対に屈せず勝利する精神的強さから、無敵の存在として知られている。 現在は肉体的な問題もあり積極的に表には出ず、傍観者的な立場を取っている。しかし鳴海純弥のことは非常に気に入っており、彼にバイク「ZⅡ」を託した。特技はピアノで、素性を隠して子供にピアノを教えている。

恩田 寿 (おんだ ことぶき)

善楽中学校に通う2年生の男子。鳴海純弥と門倉真希央と安斉輝男が2年生に進級してから知り合ったため、同学年。中学卒業後は志曜館高校に進学する。額を全開にしたパンチパーマで、左の頬に爪でひっかいたような形の5つの大きな傷跡がある。また、右腕や背中など、上半身の多くに刺青があり、背中には渡辺綱が鬼の腕を切り取った絵柄の入れ墨を入れている。 周囲の学校の不良たちから「恩田寿だけは敵に回してはいけない」と恐れられる最強の不良だが、博学で知性的な一面があり、周囲の不良たちには理解しがたい難解な話をすることがある。

山咲 千尋 (やまさき ちひろ)

鳴海純弥の憧れの存在で、横浜市立本牧中学校に通う2年生の女子。猪瀬英樹や城木美加と同学年で、純弥たちの1学年先輩にあたる。中学卒業後は志曜館高校に進学する。中学校時代は美加やメグミと親しくしていたが、盗みを命令されて断ったのをきっかけに疎遠になる。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたストレートロングヘアで、左目尻にほくろがある。 明るくさわやかな男性的な性格で、大のバイク好き。そのため、整備工やコンパニオンのアルバイトをして得たお金をバイクに注いでいる。ある日髪を切っているところを純弥に目撃されたのがきっかけで知り合い、親しくなっていく。以前は雅親と交際していた。

城木 美加 (しろき みか)

横浜市立本牧中学校に通う2年生の女子。猪瀬英樹や山咲千尋と同学年で、鳴海純弥たちの1学年先輩にあたる。中学卒業後は志曜館高校に進学する。純弥たちが本牧中学校に入学した当時は英樹の恋人だったが、その後は恩田寿と交際する。前髪を左寄りの位置で分け、顎の高さまで伸ばしたボブヘアにしている。強欲で利己的な性格で、自分の利益に関することに敏感。 気に入った男性と片っ端から関係を持ち、恋人になることで不良グループの上位に君臨している。そのため、将来性のある寿を非常に気に入っている。背中に大きな鬼の絵柄のフェイクタトゥーを貼っている。父親は民政党議員で、家は非常に裕福。

キチジ

恩田寿の舎弟で、横浜市立善楽中学校に通う2年生の男子。鳴海純弥と門倉真希央と安斉輝男が2年生に進級してから知り合ったため、同学年。高校は志曜館高校に進学する。善楽中学校では、イサオとともに「狂走コンビ」として知られ恐れられている。前髪を立てて額を全開にし、後ろ髪だけ肩につくほど伸ばして、舌の先にピアスをしている。 寿の命令で城木美加について行動することが多いが、男性をとっかえひっかえする美加のことを、最初は快く思っていなかった。のちに美加の背中の大きな入れ墨を見て強く憧れるようになるものの、それがフェイクタトゥーだと知り腹を立てる。しかし、それでも美加の人間性に魅せられ、美加に振り回されながら、美加の下僕のような存在になっていく。 幸せそうなカップルが嫌いで、見かけるとすぐに絡む。

イサオ

恩田寿の舎弟で、横浜市立善楽中学校に通う2年生の男子。鳴海純弥と門倉真希央と安斉輝男が2年生に進級してから知り合ったため、同学年。中学卒業後は志曜館高校に進学する。前髪を上げて額を全開にし、髪全体を真上にツンツンに立てている。善楽中学校では、キチジとともに「狂走コンビ」として知られ、恐れられている。

久我 直哉 (くが なおや)

神奈川県最強の暴走族「爆麗党」の幹部を務める少年。前髪を上げて額を全開にし、肩につくほどまで伸ばした撫でつけ髪をしている。左目の上に、一本線の傷跡がある。門倉真希央のことを、真希央の中学生時代から面倒を見ており、特攻服を貸すこともある。体裁や面子を気にする性格で、自分の面子を潰す可能性のある人間には容赦がない。

土橋 (どばし)

神奈川県最強の暴走族「爆麗党」の幹部を務める少年。蓮之葉学園高校に通う3年生で、留年している。刈りあげたリーゼントヘアに、三白眼で鼻が大きい強面。その容姿から近寄りがたい雰囲気を漂わせているが、「コゾー」呼ばわりしている門倉真希央のバイクの整備をしてやるなど、面倒見のいい一面もある。実家はバイク屋「土橋輪業」で、自分たちの乗るバイクの整備もできる。 バイクが好きで、バイクの話をしている時だけは笑顔になる。

沢野 善二 (さわの ぜんじ)

門倉真希央の舎弟で、横浜市立本牧中学校に通う1年生の男子。リーゼントヘアで、鼻の頭にそばかすがある。何かとけがを負わされていることが多く、しょっちゅう鼻や頬にガーゼを貼って登場する。中学校入学直後、真希央がクォーターで目立つ容姿をしているというだけで因縁をつけて集団暴行しようとしたが、返り討ちに遭う。真希央が変貌するきっかけを作った張本人。

峰夫 (みねお)

門倉真希央の舎弟で、港葉中学校に通う3年生の男子。鳴海純弥や真希央、安斉輝男が2年生に進級してから再会したため、同学年。出身小学校は明神小学校で、高校は蓮之葉学園に進学する。前髪を真ん中で分けて放射状に立てたウルフカットにしている。小学校時代はいじめっ子で、当時おとなしかった真希央に壮絶ないじめをしていた。 しかし中学3年生の時に街で偶然見かけた真希央に再び因縁をつけたところ、別人のようになった真希央に返り討ちにされ、口をナイフで裂かれて大怪我を負う。その日以来真希央の舎弟となり、忠誠を誓うようになる。

おばあ

猪瀬英樹、 入矢由紀男、島田ゆかりの住む団地のすぐそばにあるモツ煮込み屋台の店主を務める年老いた女性。前髪をバンダナで上げて額を全開にし、顎の高さまで伸ばしたボブヘアに眼鏡をかけている。本名は不明で、鳴海純弥たちなじみの客からは「おばあ」と呼ばれている。地域の少年たちにとっては実の祖母にも等しい存在で、店に訪れる悩める少年たちを叱咤激励している。

島田 ゆかり (しまだ ゆかり)

鳴海純弥と門倉真希央と安斉輝男の同級生で、横浜市立本牧中学校に通う1年生の女子。前髪を目の上で切りそろえ、顎の高さで切りそろえたボブヘアで、鼻の頭にそばかすがある。猪瀬英樹とは幼なじみで両想いだが、純弥たちは英樹が城木美加と交際していたため、それを知らなかった。英樹と、夜逃げ前の入矢由紀男とは同じ団地に住んでいる。 「ブス」と評されがちなさえない容姿だが、心優しく精神的にタフな性格。英樹の死後に彼の子供を出産し、それを理由に両親に勘当されながらも、父親と同じ「英樹」の名を付けて1人で育てていく。

猪瀬英樹の母親 (いのせひできのははおや)

猪瀬英樹の母親。前髪を額が見えるほど短く切り、顎の下まで伸ばした癖のあるボブヘアにしている。夜逃げ前の入矢由紀男と、島田ゆかりとは同じ団地に住んでいる。鳴海純弥や門倉真希央、安斉輝男のこともよく知っており、家に招いては得意料理のおはぎを振る舞っていた。由紀男同様「愛川興業」から多額の借金を背負っており、家に取り立てが来るほど追い詰められている。

碧川 (みどりかわ)

横浜市立本牧中学校で教師を務める若い女性。鳴海純弥たち生徒からは「碧川ちゃん」と書いて「ミドリちゃん」と呼ばれている。前髪を上げて額を全開にし、胸まで伸ばしたストレートロングヘアで、眼鏡をかけている。真面目で正義感の強い性格だが、不良だらけの生徒たちや、生徒たちを取り巻く過酷な環境、そして上司からのセクハラに悩んでいる。 ある日、本牧中学校に乗り込んで来た恩田寿と出会い、やがて寿の危険な魅力に魅せられ、肉体関係を持つようになる。

鳴海 静枝 (なるみ しずえ)

鳴海純弥の義理の母親で、鳴海可南子の母親。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをまとめている。穏やかで心優しい性格だが、夫が事業に失敗して以来暴力を受けるようになってしまう。また、純弥から母親扱いされないことにも悩んでいる。

東次 (とうじ)

山咲千尋の友人で、同じ整備工場で働く若い男性。前髪を上げて額を全開にし、肩につくほどの外はねボブヘアにしている。三白眼で、鼻の頭にそばかすがある。千尋に想いを寄せているが、今一つ男性としては見られていない。鳴海純弥とは、千尋を通じて知り合った。

ハンス

安斉輝男の友人で、輝男と同じ在日韓国人の少年。前髪を額が見えるほど短く切り、肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアを左側に集めて1つにまとめたサイドテールヘアにしている。日本人を快く思っておらず、輝男が在日韓国人であることを知りながら親しくしている鳴海純弥に対し、「無神経である」と因縁をつける。

テヒ

安斉輝男のいとこの、在日韓国人の少女。前髪を眉上で切ったショートカットヘアにしている。ある日、危機に陥ったと噂されていた門倉真希央を助けようと急いでいた鳴海純弥を偶然見かけ、車に乗せる。

名梨 (ななし)

鳴海純弥、門倉真希央、安斉輝男の同級生で、横浜市立本牧中学校に通う1年生の男子。出身小学校は明神小学校で、高校は志曜館高校に進学する。前髪を眉上で短く切り、後ろ髪だけを肩につくほどまで伸ばしている。女性が大好きで、鳴海可南子のことも城木美加のことも気に入っている。不良ではあるものの喧嘩が弱く、周囲の揉め事に巻き込まれて怪我をしたりひどい目に遭うことが多い。

美濃原 亜久里 (みのはら あぐり)

志曜館高校に通う2年生の男子。鳴海純弥とは、純弥が高校に進学してから出会ったため、純弥の1学年先輩にあたる。色黒で、胸まで伸ばしたドレッドヘアを後ろで1つに結んでいる。志曜館高校では手の付けられない不良として知られており、教師たちも手出しできないほどの存在。ある日純弥が南雲道清からバイク「ZⅡ」を譲り受けたことを知り、純弥に因縁をつける。

雅親 (まさちか)

山咲千尋の元恋人で、神奈川県鎌倉市にある暴走族「魔利死天」の六代目頭を務める少年。前髪を眉上で切ったショートカットヘアにして、両腕に入れ墨がある。太眉が特徴。いつも笑顔を絶やさない軽いノリの性格だが、喧嘩の最中でも一切普段と変わらないことから、千尋には「ニコニコしながら喧嘩する」と評されている。ある日、鎌倉でも有名な存在である鳴海純弥に会うため、横浜市を訪れる。

滑沢 (なめりざわ)

暴力団「愛川興業」の構成員の男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪にして、眼鏡をかけている。「愛川金融」として借金を背負う人間の前に出没したり、「愛川興業」の持ち物であるライブハウスに現れたりと、鳴海純弥たちの住む地域の陰で暗躍している。やがて門倉真希央の父親の力添えで合法化し「あいかわぐるーぷ」に名を変えた「愛川興業」で、興行飲食部の統括部長を務めるようになる。 門倉真希央の父親の弱点が母親であることも把握しており、時に門倉真希央の父親まで操ろうとするが、かつて対峙し、自分の運転する車に足を砕かれても向かって来た南雲道清のことは強く恐れている。「理恵」という幼い娘がいる。

門倉真希央の父親 (かどくらまきおのちちおや)

門倉真希央の父親で、門倉亜希子の夫。「ペルそな銀行」の頭取を務め、地元の名士として知られている。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪に、顎ひげを生やしている。プライドが高く傲慢な性格で、自身を地元の支配者と自負している。真希央のことは息子と認めておらず「アレ」呼ばわりし、話題にすることすら嫌っているが、一方で極度のマザコンでもある。 例えば、滑沢が用意した母親に模した張りぼてを見ただけで正気でいられなくなってしまい、本物だと思い込み縋り付くほど実際は精神的に追い詰められている。

門倉 亜希子 (かどくら あきこ)

門倉真希央の母親。オランダ人とのハーフで、お尻まで伸ばしたぼさぼさの赤毛ロングウェーブヘアに灰色の瞳を持っている。精神に異常をきたしており、まともに食事もとらず、真希央に「産まなければよかった」などと暴言を吐く。さらにかつての恋人であるヴァイオリニストの遠野稜一郎が今も生きていると思い込んでおり、街で偶然見かけた入矢由紀男を稜一郎と勘違いして近づく。 夫との結婚を後悔しており、今でも稜一郎に執着している。

遠野 稜一郎 (とおの りょういちろう)

門倉亜希子の元恋人で故人。作中でははっきり描写されないが、亜希子によれば、容姿が入矢由紀男に似ているという。有名なヴァイオリニストだったが、飛行機事故で亡くなった。無伴奏の「バッハ」「イザイ」「パガニーニ」の3作のCDを発表している。

二階堂 但馬 (にかいどう たじま)

次期最高検検事総長と目されている、検事長の年老いた男性。「境界破りの鬼検事」の異名を持つ。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪にして、眼鏡をかけ、口ひげを生やしている。メールのやりとりで親しくなったメグミを気に入るが、メグミに「本代」として金銭を渡しているところを写真週刊誌の記者に撮られてしまう。

メグミ

横浜市立本牧中学校に通う2年生の女子。猪瀬英樹や城木美加と同学年で、鳴海純弥たちの1学年先輩にあたる。高校は志曜館高校に進学する。前髪を目の上で切り、顎の高さまで伸ばしたボブヘアにしている。鼻の頭にそばかすがあり、やや太目の体型。読書家で、恋愛に強い憧れがある。そのため小説のような、身を滅ぼす激しい恋がしたいと考えている。 ある日、メールのやりとりをしていた二階堂但馬と実際に会い親しくなる。

ひろみ

横浜市立本牧中学校に通う1年生の女子。高校は志曜館高校に進学する。前髪を左寄りの位置で分けてピンで留め、顎の高さまで伸ばしたボブヘアにしている。中学生時代から鳴海純弥に憧れており親しいが、純弥は自分を相手にしないと考えており、密かに片想いを続けている。友人のさつきらと結成したビジュアル系ロックバンド「瑠璃揚羽(るりあげは)」のボーカルを務めており、ライブでは縦ロールヘアのかつらをかぶり、ゴシックロリータ風のドレスを着た派手な姿に変身する。

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