概要
主に仕えず生きる「はぐれ忍び」の牙神獣兵衛は、道中で鬼門八人衆に襲われる甲賀組のくノ一陽炎を助ける。彼女を助けたことで、鬼門八人衆に狙われるはめになった牙神獣兵衛は、敵の陰謀を知り自身の過去の因縁と向き合うことになる。
登場人物・キャラクター
牙神獣兵衛 (きばがみじゅうべえ)
特定の主を持たず金で雇われて仕事をこなす、はぐれ者の忍者。かつては山城藩の忍び組の一因だったが、組頭の氷室弦馬の策にはまり氷室弦馬の首を刎ねて出奔した。素速い居合の太刀筋で敵を斬る。
蟲蔵 (むしぞう)
鬼門八人衆の一人。背中の瘤に巨大なスズメバチの巣を持つ奇形の小男。大量のスズメバチの群を操り敵を襲う。
石榴 (ざくろ)
鬼門八人衆の一人。右目の下に傷を持ち、火薬を自在に操る女。火種を人間やねずみの腹に埋め込み敵の元まで行かせて爆発させる。仲間である百合丸に好意を持つが相手にされず、その恨みで百合丸を爆殺した。
紅里 (べにさと)
鬼門八人衆の一人。氷室弦馬の愛人で妖艶な美女。無数の毒蛇を操り、自身も危機に陥ると蛇のように脱皮をして逃げることができる。
百合丸 (ゆりまる)
鬼門八人衆の一人。鬼門八人衆を指揮する美男子。氷室弦馬の寵童でもある。細い糸を操り相手の体に絡みつけ、自らの身体から発する電気で感電させる。石榴の告白をはねつけ恨みを買う。
氷室弦馬 (ひむろげんま)
鬼門八人衆の頭領で牙神獣兵衛の因縁の敵。山城藩で組頭をしていた時に策略を企て仲間同士に殺し合いをさせたが、牙神獣兵衛に首を刎ねられる。だが、不死身の術により生き延びた。この力によって身体に致命的な外傷を負っても、すぐに蘇生できる。
シジマ
鬼門八人衆の一人。左手に鉄の爪を装備しており、影の中に身を潜めて敵に襲いかかる。死人や意識を失った人を人形のように意のままに操る術も持っている。
鉄斎 (てっさい)
鬼門八人衆の一人。陽炎のいた望月藩の甲賀組を壊滅させた。仏具の独鈷のような先端の尖った棒状の武器をブーメランのように操り、皮膚を岩のように変形させる技を持つ。
濁庵 (だくあん)
幕府に仕える公儀隠密の老人。自らの任務に牙神獣兵衛や陽炎を協力させる老獪さを持つ。痩せた体躯を上手く利用して木の枝に擬態したり、腕をゴムのように伸縮させる体技を持つ。
陽炎 (かげろう)
望月藩に使える甲賀組のくノ一。下田村に流行る疫病の原因を解明する途中で鬼門八人衆に襲われ危ないところを牙神獣兵衛に助けられた。自らの身体に強力な毒を染み込ませており、毒が効かないという特異体質。
鬼門八人衆 (きもんはちにんしゅう)
『獣兵衛忍風帖』の登場する組織。氷室弦馬の率いる八人の異能者からなる忍者集団で、鉄斎、シジマ、紅里、現夢十郎、百合丸、石榴、蟲蔵が所属している。望月藩の村で、ある目的のために疫病騒ぎを起こした。
現夢十郎 (うつつむじゅうろう)
鬼門八人衆の一人。盲目の剣豪で、驚異的な聴覚で相手の動きを捉える。刀に光を反射させて敵の目を眩ませるという、盲目を逆手に取った技も使う。