王様に捧ぐ薬指

「悪女」と呼ばれるウェディングプランナーの女性と、「王様」と呼ばれる権力者一族の男性。利害の一致から偽装結婚した二人が、共に働く中で本当の夫婦になっていく姿を描くラブストーリー。「[プチコミック]」2014年7月号から2017年12月号にかけて連載された作品。同時収録の短編『…だめだ、恋してる』は「プチコミック」2013年6月号増刊に掲載された。

正式名称
王様に捧ぐ薬指
ふりがな
おうさまにささぐくすりゆび
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
フラワーコミックスアルファ(小学館)
巻数
既刊7巻
関連商品
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世界観

結婚と、結婚式が題材。偽装結婚をする事になった羽田綾華新田東郷の2人が、ホテル「ラ・ブランシュ」のブライダル課で共に働く姿を描く。偽の夫婦として振る舞ううちに恋愛感情の芽生えた2人が、式を挙げるカップルたちの心情に寄り添い、トラブルを解決していく様子も作品の魅力のひとつ。

作品が描かれた背景

本作『王様に捧ぐ薬指』が描かれた背景に、わたなべ志穂の結婚式場でのアルバイト経験があげられる。コミックスの1巻のおまけページで、わたなべ志穂は当時の経験を漫画形式で振り返っており、式場で出会ったカップルたちをヒントに漫画のストーリーを考えた事などを語っている。

作品構成

本作『王様に捧ぐ薬指』は、羽田綾華新田東郷の2人が、さまざまなカップルの結婚式を計画していくオムニバス形式をとっている。並行して、はじめは恋愛感情のなかった2人が、協力して業務に励む事で理解を深めていく姿も描かれる。また、ストーリーが進むにつれて、偽装結婚を持ちかけた東郷の実家の背景も明らかになっていく。

あらすじ

第1巻

ホテル「ラ・ブランシュ」でウェディングプランナーとして働く羽田綾華は、仕事熱心でまじめな女性なのだが、その美貌で男性を虜にするよう振る舞っていると誤解され、周囲には「悪女」だと思われていた。そんなある日、綾華はついに新支配人の新田東郷から呼び出される。しかし東郷が口にしたのはは、悪評の絶えない綾華を首にする事ではなかった。東郷は見合い話を断るために偽装結婚の相手を探しており、美しいが、まったく自分の好みではない綾華であれば、その相手としてぴったりだと考えたのである。綾華は東郷と結婚すれば裕福な暮らしができると考え、さっそく応じるが、結婚式の日、かつての担当客であるに嫌がらせをされてしまう。桜は綾華に結婚相手を奪われたと思い込んでおり、結果的に破談になった事を恨んでいたのである。しかし、この桜と綾華のあいだに生じた誤解を解いたのは東郷であった。東郷は綾華の熱心な仕事ぶりを見抜いており、綾華が人の恋人を奪うような卑劣な真似をするはずないと理解していたのである。さらに東郷は悪女のように振る舞う綾華が、本当は恋愛経験に乏しい事にも気づいていた。綾華はこの日から、自分の本当の姿を理解してくれた東郷に惹かれていくようになる。

第2巻

羽田綾華新田東郷が偽装結婚をして3か月。一向に子供のできない綾華と東郷を見かねた東郷の両親の意向により、二人は新婚旅行に行く事になってしまう。さらに旅行には、東郷のかつての思い人である小夜と、その夫である秋田も同行する事になり、綾華は東郷を案じる。しかし当日、綾華達は現地で結婚式に失敗し、さっそくけんかをしているカップルを目撃する。そこで綾華達は、自分達が手伝う事で式をやり直させ、カップルを仲直りさせようと考える。2回目の式は見事成功し、綾華と東郷の関係も少し深まるのであった。そしてこの件がきっかけで「ラ・ブランシュ」の評判は上がり、ただでさえ忙しい綾華のもとには、大量の仕事が舞い込むようになる。しかし、これを案じた東郷は、多忙過ぎた結果綾華の仕事の品質が落ち、クレームが出ていると噓をついて綾華をデートに誘う。綾華は東郷のこのような、冷たいようでいつも自分を気遣ってくれる心優しい人柄に、ますます惹かれていく。だが、そんな綾華の前に、義母の新田静が現れる。静は一見物腰柔らかだが、目的のためには手段を選ばない恐ろしい女性であった。東郷と静の確執に気づいた綾華は、静から東郷を守ろうと密かに誓うのだった。

第3巻

羽田綾華新田東郷の絆が深まり、とうとう結ばれようとした瞬間。綾華の担当顧客である金福が、突如結婚式を中止したいと言い出した。チャンスを逃した綾華はいたたまれない気分になるが、東郷は普段と変わらず、綾華は不安になる。しかし、金福達の問題は些細な行き違いらしく、すぐに解決。この事件を通じてさらにお互いへの思いを強めた綾華と東郷は結ばれ、偽装結婚から始まった二人は、ついに本当の夫婦となるのだった。だが東郷は、綾華を新田静との関係をはじめとする実家の問題に巻き込みたくないと考えるあまり、悩んでいた。実は東郷は静の実子ではなく、東郷の父親が愛人に生ませた子供だったのである。それでも子供の頃は、東郷と静の関係は良好であった。しかし、東郷の母親が静に精神的に追い詰められた結果亡くなった事を機に、東郷は静を憎むようになったのだった。すべてを知った綾華は妻として、改めて東郷を支えていく決意をする。

第4巻

 羽田綾華新田東郷が結婚して1年近く経った、ある日の事。以前綾華の担当客となったが破談に終わってしまったが、新たな恋人の山瀬と共に「ラ・ブランシュ」へやって来た。綾華は、今度こそ桜の式を成功させるべく張り切るが、式の直前、桜の唯一の肉親である峰子が体調を崩し、入院してしまう。しかし東郷の機転により、病院内で式を挙げる事に成功。ついに桜の式を見届け、山瀬の連れ子である山瀬悠介の姿を見た綾華と東郷は、いずれ誕生するかもしれない自分達の子供の事を想像して盛り上がるのだった。しかし、それからしばらくして、東郷の親族が亡くなってしまう。綾華と親族を会わせたくない東郷は綾華に内緒で式に参列するが、綾華はそれを見抜き、式場で肩身の狭い思いをしている東郷を助けに行く。さらに綾華は持ち前の美貌とコミュニケーション能力を生かし、新田一族の長老と親しくなる。しかし新田静はこの状況を快く思わず、綾華と東郷へのさらなる嫌がらせを企てていた。

第5巻

羽田綾華新田東郷の結婚から1年が経ち、結婚記念日がやって来た。そこで綾華は、もしかすると妊娠したかもしれないと気づく。そこで綾華はさっそく妊娠検査薬を買うが、検査に失敗してしまい、ひとまず妊娠をにおわせる事で、東郷の反応を探る事にする。しかし、その直後「ラ・ブランシュ」の女性スタッフが突如嘔吐し、妊娠中である事が発覚する。綾華はその際、女性スタッフへの東郷の厳しい態度を見て傷つき、東郷は妊娠を面倒に思うのではと不安になってしまう。だがすぐに、意外な事実が発覚する。東郷は女性スタッフが妊娠しているから怒ったのではなく、彼女は以前から無理をしがちで、責任者の東郷がきつく言わないと、まったく休もうとしないタイプの女性だったのである。これによって誤解は解け、東郷はむしろ子供の誕生に前向きである事を知った綾華は、確実な検査ができる日まで、いっしょに子供のいる将来について話し合う。結局綾華は妊娠していなかったが、二人はこれを機に、妊娠・出産についてより具体的に考えるようになるのだった。

第6巻

時はさかのぼる。高校生の羽田綾華は、そのたぐいまれなる美貌のせいで同性から妬まれ、孤独な学校生活を送っていた。そんなある日、綾華は同じクラスの男子、神山と親しくなる。人を容姿で判断せず、いつも物理の研究に夢中な神山は、これまで綾華の周囲にはいないタイプだったのである。二人は次第に惹かれ合っていくが、ある日、神山を妬んだ教師が、神山の研究装置をめちゃくちゃにしてしまう。これ以上神山に被害が及ぶ事を恐れた綾華は、その日から神山を避け、わざと冷たく振る舞う事にする。そして二人は、本当は両思いであったにもかかわらず疎遠になり、綾華の初恋は終わってしまったのだった。そして現在。綾華は「神山精工」の社長となった神山と、仕事で再会する。新田東郷が「ラ・ブランシュ」で行う式にプロジェクションマッピングのキャンドルサービスを取り入れようと考えた事で「神山精工」に白羽の矢が立ち、代表として神山がやって来たのである。再会を喜びつつ、あくまで神山と仕事相手として接する綾華だったが、ある日神山から、東郷と結婚した事を後悔してはいないかと聞かれたうえに、無理やりキスされてしまう。そのままプロジェクションマッピングの発表会は終わるが、このままではいけないと考えた綾華は、東郷のいる前で神山に、昔は神山の事が好きだったが、今は東郷の事しか考えられないとはっきり伝える。神山はそれに納得して去って行ったが、不可解な神山の行動は、なんと新田静に指示されてのものであった。

第7巻

神山が前回の発表会に続き、「ラ・ブランシュ」でプロジェクションマッピングを担当していく事になった。新田東郷も、当初こそ神山を敵視していたものの今は好意的で、羽田綾華はそれを不思議に思いつつも、神山との交流を続けていた。しかし、綾華が神山と同窓会に参加した次の日、綾華が目を覚ますと、そこには裸の神山がいた。神山いわく、自分達は酔った勢いで関係を持ってしまったのだという。ショックを受ける綾華だったが、心優しく誠実な神山がそんな事をするとはとても思えず、違和感を覚える。すぐさま東郷に事実を伝え、謝罪する綾華だったが、あくまで神山をかばう綾華に東郷は呆れ、その日から綾華は東郷に避けられるようになってしまう。しかし東郷もまた、神山の行動を奇妙に思い、独自に調査を続けていた。その結果、神山の行動はすべて新田静の差し金だった事が発覚する。静は神山の実家である「神山精工」の経営が苦しい事を知り、最初は「神山精工」に多くの仕事を与えて経営を安定させてから、自分に従わなければ仕事を切ると神山を脅していたのである。そして神山もまた、このような手段に出る新田一族は異常であると感じ、新田一族から綾華を引き離すために、あえて静に従っていた事を打ち明けるのだった。これにより、綾華と神山は関係を持っていない事も証明され、東郷は無関係の神山を巻き込んだ静に強い怒りを感じ、今後は静の代わりに自分が「神山精工」をサポートすると約束をする。一方その頃、静は、彼女の息子を名乗る「ラ・ブランシュ」の男性社員、桜庭新と対面していた。

第8巻

時はさかのぼる。地方の権力者、朝霧の娘として生まれた新田静(朝霧静)は、朝霧の愛人である母親がのし上がるための駒として生きていた。そんな静は、ある日学校でいじめられていた際、校内の人気者である桜庭蒼一郎に助けられる。静は自分とは真逆の、明るく爽やかな性格の蒼一郎を疎ましく思うが、やがて二人は惹かれ合い、静は妊娠する。しかし静の母親は、やがて生まれた静の息子すら利用しようとしていた。耐えかねた静は、息子を蒼一郎に預け、実家の闇の中へ飲まれる決意をする。その、静が手放した息子こそが、桜庭新だったのである。そして現在。成長した新は「ラ・ブランシュ」に就職し、成果を上げる事で着実に静に近づいていた。それを知った新田東郷の父親は、あえて東郷を「ラ・ブランシュ」のオーナーから大阪支店に異動させ、その後任として新を就任させる事で、さらに静に接近させる。この人事により東郷と羽田綾華は大阪府での暮らしを余儀なくされるが、東郷は父親には何か考えがあるはずだと信じ、状況をうかがっていた。そして訪れた法事の日、新はなんと静の目の前で自分の腹を刺す。新は静が自分を手放して以来、ずっと闇の中に生きていると感じ、東郷の父親と協力して、どうにか静を変えるきっかけが作れないかと考えていたのである。この件がきっかけで綾華、東郷、静、東郷の父親は揃って話す機会を得て、新を含めた四人の思いがすぐに静に届く事はなかったが、静は時間をかけて、少しずつ新に心を開いていくのだった。こうしてついに静との問題が落ち着いた頃、綾華の妊娠が発覚する。やがて息子の奏が生まれ、ある日綾華と東郷は、自分達が偽装結婚式を挙げた教会で待ち合わせをする。そして二人だけでもう一度結婚式を挙げ直すのだった。 

コラボレーション

2016年1月「誓いの結婚フェア」と題して、掲載誌「プチコミック」における結婚を題材にした作品のフェアが開催された。フェアの内容は、対象作品のコミックスの帯に記載されたパスワードを特設サイト上で入力すると、作品のイラストがあしらわれた、実際に使用可能な婚姻届がダウンロードできるというもの。本作『王様に捧ぐ薬指』4巻の他には宮園いづみ『突然ですが、明日結婚します』4巻、大海とむ『蜜夜婚 ~付喪神の嫁御寮~』1巻などが対象になった。

登場人物・キャラクター

羽田 綾華 (ハネダ アヤカ)

ホテル「ラ・ブランシュ」でウェディングプランナーとして働く27歳の女性。前髪を斜めに分け、腰まで伸ばしたこげ茶色のロングヘアをゆるく巻いた、非常に美しい容姿の持ち主。周囲には男性を手玉に取る「悪女」として知られており、仕事でも不当に低い評価を受けている。しかし実際は気は強いものの非常に仕事熱心で、交際した男性も川口新のみという真面目な人物。 新田東郷と知り合うまではあえて悪女を演じ、誤解を受け続ける生活を送っていたが、東郷に本来の人柄を見抜かれ、公私共に前向きになっていく。東郷は利害の一致で結ばれた偽装結婚相手だが、次第に彼に惹かれ始める。実家は隣県にあり、「ラ・ブランシュ」に来るまでは人間関係のトラブルで転職を繰り返していた。 料理は苦手。

新田 東郷 (ニッタ トウゴウ)

ホテル「ラ・ブランシュ」の新支配人を務める若い男性。明るい茶髪のストレートヘアに、前髪を左寄りの位置で斜めに分けている。「ラ・ブランシュ」オーナーの息子でもあり、実家の新田一族は羽田綾華たちの住む街の権力者として知られている。その絶対的権威から、周囲からは「王様」と呼ばれており、非常に不遜でプライドの高い性格をしている。 意に沿わない縁談に悩んでいた折、自分の好みから遠い綾華に目をつけ偽装結婚を持ちかける。誤解されがちな綾華の誠実さをいち早く見抜き、仕事面でも積極的にサポートする。友人の秋田の婚約者、小夜のことを高校時代から想っており、綾華との結婚後も彼女を気にしている節がある。意外と小心者で、迷信を気にする一面も。 実は愛人の子供で、母親の新田静とは血がつながっていない。特技はピアノと料理。

秋田 (アキタ)

新田東郷の友人で、ホテル「ラ・ブランシュ」に勤める若い男性。東郷とは高校時代からの付き合いで、東郷と羽田綾華の結婚の不自然さにもいち早く気づく。高校時代に東郷を通じて知り合った小夜と結婚した。東郷も小夜を想っていることを知っているが、気づいていないふりをしている。「秋田」という苗字が秋田犬を連想させることから「ハチ」と呼ばれている。

川口 新 (カワグチ アラタ)

羽田綾華の元恋人。短髪に、前髪を左寄りの位置で斜めに分けた男性。眼鏡をかけているのが特徴。2年前、男性に絡まれている綾華を助けたことがきっかけで交際を始めたが、この出来事は実際は狂言。友人を使って綾華を困らせたことを非常に悔いており、彼女に別れを告げた。古屋美加との結婚が決まりホテル「ラ・ブランシュ」を訪れる。

小夜 (サヨ)

新田東郷の高校時代の先輩で、秋田の婚約者。前髪を目の高さで切り、肩につくほどの内巻きボブヘアをしている。おしとやかで素直な性格から、高校当時から異性に人気があった。一緒に動物を助けたことがきっかけで東郷と知り合うが、その過程で秋田とも親しくなり、彼と結婚した。

新田 静 (ニッタ シズカ)

新田東郷の義理の母親。髪をまとめ、和服を着ていることが多い。穏やかな雰囲気の京風美人だが支配欲が強く、目的のためには手段を選ばない恐ろしい人物。子供を産めない身体のため、亡くなった東郷の実母を利用した疑いがある。東郷に異常な執着を抱いている。茶道は師範、華道は1級師範証理事の称号を持ち、料理全般が得意。

(サクラ)

羽田綾華が担当する予定だった結婚式の新婦。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、肩につかない長さのボブヘアをしている。ホテル「ラ・ブランシュ」で結婚式の相談中に破談になり、原因が綾華にあると感じ逆恨みしている。両親を早くに亡くしており、祖母の峰子に育てられた。そのため峰子を非常に大切に想っている。

峰子 (ミネコ)

桜の祖母。前髪を上げて額を全開にし、髪をお団子にしてまとめている。小柄でやや太めなのが特徴。桜の縁談が破談になったことにショックを受けているが、結婚式前から羽田綾華のこまやかな仕事ぶりを目にしていた。そのため、破談の原因は綾華にはないと捉えている。

金福 リカコ (カネフク リカコ)

ホテル「ラ・ブランシュ」で結婚式を挙げる予定の若い女性。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアをハーフアップにしている。細い目が特徴。婚約者は父親の工場で働いている男性で、リカコから強引に交際を持ちかけた。そのため本当は婚約者に愛されていないのではと常に不安を感じている。

金福 (カネフク)

金福リカコの父親。オールバックにした髪型と細い目、垂れ下がった頬が特徴の、年配の男性。式の相談で自宅に訪れた羽田綾華のことを非常に気に入っている。工場を営んでおり、式のプランにも糸目をつけないが、急に綾華を呼び出したりと綾華やホテル「ラ・ブランシュ」のスタッフを振り回すことが多い。

金福リカコの婚約者 (カネフクリカコノコンヤクシャ)

金福リカコの婚約者。金福の持つ工場に勤める若い男性で、前髪を左寄りの位置で斜めに分け、肩につくほど髪を伸ばしている。「芸能人並み」と評されるほどの端正な容姿の持ち主でバンド活動も行っており、取り巻きの女性たちがいるほどの人気者。彼自身は自分の取り柄は容姿しかないと捉えており、リカコも自分の容姿が目当てなのだろうと悲観している。 勤務態度は非常に良く、真面目な性格。

マネージャー (マネージャー)

ホテル「ラ・ブランシュ」のマネージャーを務める年配の男性。オールバックにした髪型と、長く丸い鼻が特徴。羽田綾華の美しさに惚れ込んでおり、綾華に甘い。一方で彼女の真面目な勤務態度を公正に評価しており、綾華と新田東郷の結婚が決まった際も密かに応援していた。綾華が同僚たちから悪評を受けてもクビにならなかったのは、彼が評価し続けていたというのが大きな理由である。

山瀬 (ヤマセ)

桜の2人目の婚約者。桜とは職場の上司と部下の関係にあたる。髪をオールバックにした、穏やかな雰囲気の人物。桜が最初の結婚式に失敗した後に交際するようになった。息子の山瀬悠介が1歳の時に妻を亡くし、男手ひとつで悠介を育てている。そのためか悠介のことは甘やかしがちで、生意気な悠介に手を焼いている。

山瀬 悠介 (ヤマセ ユウスケ)

山瀬の息子。前髪を上げてツンツンに立てた、小太りの少年。多忙な父親にやや甘やかされて育ち、わがままで偏食気味なところがある。山瀬と桜が結婚式を挙げる件で、2人で相談する時間を作るため、羽田綾華と新田東郷と3人で出かけることになる。綾香のことを非常に気に入っている。

ケイゾウ (ケイゾウ)

羽田綾華のおじにあたる40代の男性。前髪を真ん中で分け、髪を肩のあたりまで伸ばした長髪をしている。顎髭が特徴。イタリアで映像関係の仕事をしており、歌手のミュージックビデオなどを制作している。綾華のことは子供の頃から大切に思っており「俺の綾華」と呼び新田東郷を苛立たせる。ある事情から、結婚には否定的になっている。

夕梨

新田東郷の元恋人。前髪を右寄りの位置で斜めに分けて額を全開にし、肩につくほどの長さのボブヘアをしている。東郷とはかつて1ヵ月だけ交際したことがあり、その縁から結婚式場にホテル「ラ・ブランシュ」を選ぶ。職場ではキャリアウーマンとして知られており、式の相談でも手腕を発揮。しかし結婚式当日に新郎の直樹が姿を消してしまう。

直樹 (ナオキ)

夕梨の結婚相手。前髪を左寄りの位置で斜めに分けて額を全開にし、肩まで伸ばした髪を外にはねさせている。職業はバーテンダーで、店に訪れた夕梨に話しかけたのがきっかけで親しくなった。式の相談中は夕梨と良い雰囲気だったが、結婚式当日、突如欠席し連絡が取れなくなってしまう。

長老 (チョウロウ)

新田一族をまとめる年配の男性。髪はオールバックにし、太い眉と長く伸ばした顎髭が特徴。常に杖を携行している。新田静の本性に気づいており、長年静に苦しめられてきた新田東郷を案じていた。羽田綾華とは東郷の伯父の葬式で知り合い、綾華の洞察力と細やかな気遣いから彼女を認める。好きなお茶はほうじ茶。

桜庭 蒼一郎 (さくらば そういちろう)

新田静の元恋人の男性。桜庭新の父親で、故人。前髪を上げて額を全開にし、髪全体を立てたウルフカットヘアにしている。明るく分け隔てない爽やかな性格で、周囲から非常に慕われている。高校時代のある日、いじめに遭っている新田静(朝霧静)を助けた事で静と知り合い、親しくなる。やがて惹かれ合い、新が誕生するが、実家の事情に新を巻き込みたくないと判断した静に去られ、一人で新を育てる事になる。その後は桜庭蒼一郎自身の弟妹達の協力を受けながら新を育てていたが、2年前に病気で亡くなった。実家は八百屋で、高校時代はよく配達の手伝いをしていた。

稲葉 悠月 (いなば ゆづき)

新田東郷の高校時代の同級生の男性。稲葉神社の神主の息子。東京都でサラリーマンとして働いている。前髪を真ん中で分けて額を見せ、肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアにしている。甘い顔立ちの美形で、高校時代は周囲から「王子」と呼ばれていた。そのため、東郷とはライバル関係で、女子からの人気を二分していた。近日中に海外赴任が決まっており、その前に取った長期休暇で、実家のある羽田綾華達の住む町へ戻って来ている。その際体調を崩して入院した祖父の代わりに、代役として「ラ・ブランシュ」の手伝いをする事になった。実はバイセクシャルで、高校時代から密かに東郷に思いを寄せている。しかし思いを伝えられないまま卒業し、後悔していたところに海外赴任が決まってしまう。そこで、自分の気持ちにけじめをつけるべく、東郷に会いにやって来た。しかし素直になれず、仕事中は東郷ではなく綾華にちょっかいをかける事で、東郷に気にかけてもらおうとしていた。しかし、それに気づいた綾華が稲葉悠月と東郷が二人きりで話す場を設けた事で、ついに東郷に告白。最終的に東郷と恋人にはなれなかったが、友人として今後も付き合っていく事になった。また、この一件で綾華とも親しくなった。

三浦 かおる (みうら かおる)

「ラ・ブランシュ」に客としてやって来た女性。年齢は35歳。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸まで伸ばしたストレートロングヘアを首の付け根の高さで一つに結び、眼鏡をかけている。一見地味な雰囲気だが、眼鏡を外して着飾ると美人。桐生という男性と婚約していたが、多忙なうえ海外でボランティアに等しい過酷な仕事をしている桐生との結婚は難しいと考えていた。しかし、結婚式を挙げたいという思いはあったため、そこで、最近流行している、一人だけで式を挙げる「お一人様婚」をしようとする。その際、自分が好きなのは桐生ではなく、芸能人のKAI☆(カイ)であると噓をつくが、それを新田東郷に見抜かれ、東郷の手によって桐生と再会する。そこで正直な思いをぶつけあい、桐生と結婚する事になる。

桐生 (きりゅう)

三浦かおるの元婚約者の男性。フェアトレード市場の仕事をしている。前髪を挙げて額を全開にし、髪をツンツンに立てたショートカットヘアに、顎髭を生やしている。発展途上国の経済発展のために、ほぼボランティアに等しいフェアトレードの仕事をしており、ほとんど日本にいない状態にある。そのため、結婚するのは難しいと判断したかおるにふられてしまった。しかし、実際はまだかおるが桐生を想っていると気づいた新田東郷により再会し、改めてかおるとずっといっしょにいたい気持ちを伝えた。結果、かおると結婚する事になった。好きな色は青で、好きな食べ物は和食フレンチ。

神山 (かみやま)

羽田綾華の高校時代の友人の男性。「神山精工」の跡取り息子。前髪を目が隠れそうなほど伸ばしたウルフカットの髪型で、眼鏡をかけている。心優しく誠実な性格で、物理の研究が大好き。そのため高校時代は物理部に所属して、からくり装置などを作っていた。母親は幼い頃に亡くなっており「神山精工」の社長である父親と二人暮らし。母親が非常に美人であった事から美形に免疫があり、人を容姿で判断しない。そのため高校3年生のある日、偶然綾華と二人きりになった際、綾華の美貌にひるむことなく自然に接した事で親しくなる。その後、互いに惹かれ合うが、やがて二人の関係を妬んだ者により嫌がらせをされ、大切にしていたからくり装置を破壊されてしまう。そこで、これ以上神山に被害が及ぶ事を恐れた綾華から避けられるようになり、二人の関係は終わってしまった。しかし、神山自身は綾華に非常に感謝しており、自分が高校生活を楽しく過ごせたのも、研究が実を結び、その結果希望する大学へ進学できたのも、綾華のおかげだと思っている。大学卒業後は父親と共に「神山精工」で働いていたが、父親が倒れて経営が苦しくなっていた際に、突如やって来た新田静から大量の仕事を与えられ、いっしょに仕事をするようになる。しかし静の真意は、自分がいなければ「神山精工」の経営が危うくなるほど「神山精工」を依存させ、神山を意のままにあやつる事であった。神山はそんな静の異常性に驚き、同時に静のような人間がいる新田一族へ嫁いだ、綾華を案じるようになる。そこであえて静に従い、静の命令通り綾華と新田東郷を引き離そうとする。しかし、やがて東郷が事情を察し、神山を救うと宣言。今後は静ではなく東郷が「神山精工」のビジネスパートナーとなる事で、神山と「神山精工」をサポートするようになった。現在も、恋人としての綾華に未練はないものの、かけがえのない友人であると思っている。

桜庭 新 (さくらば あらた)

新田静と桜庭蒼一郎の息子の若い男性。新田東郷は義理の兄弟にあたるが、父親も母親も違うため、血のつながりはいっさいない。前髪を真ん中で分けて目の上で切った、ショートカットヘアにしている。もともとは別の企業に勤めていたが転職し、「ラ・ブランシュ」の経営企画室に入った事で、羽田綾華と東郷と出会う。「ラ・ブランシュ」に入った目的は静に会うためであり、蒼一郎いわく、ずっと陰の中にいる静を救う事であった。そのため、桜庭新が死ねば幸せになれるはずと考える静の目の前で自殺未遂をし、精神的ショックにより考える機会を与えるという身体を張った方法に出る。そのため周囲を非常に驚かせるが、結果的にはそれが功を奏し、静と少しずつコミュニケーションを取りながら、親子関係を修復していく事になる。

書誌情報

王様に捧ぐ薬指 既刊7巻 小学館〈フラワーコミックスアルファ〉 連載中

第1巻

(2014年10月10日発行、 978-4091364258)

第2巻

(2015年3月10日発行、 978-4091370631)

第3巻

(2015年9月10日発行、 978-4091374981)

第4巻

(2016年2月10日発行、 978-4091381408)

第5巻

(2016年9月9日発行、 978-4091385505)

第6巻

(2017年2月10日発行、 978-4091392282)

第7巻

(2017年7月10日発行、 978-4091394309)

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